C09シーン別・暮らし
雨の日の散歩を楽にする、シニア猫と暮らす人の毎日の習慣
11月の雨の朝、犬を外から連れて帰ったあと、玄関から居間へ斜めに、濡れた足跡が7つ残っていました。玄関で四つ足は拭いています。それでも床にはこれだけ残る、ということです。30分ほどして、うちの14歳の猫が台所の椅子から下りてきて、その足跡とほとんど同じ線の上をゆっくり歩いていきました。ソファの下で座って、そこから前足をなめはじめます。雨の日の散歩で家の中がいちばん変わるのは、床です。老猫は肉球で床の状態を受け取り、そのあと自分の前足をなめます。犬の足跡が、老猫の口へ届く経路になっていました。この記事は、手を入れる場所を犬でも猫でもなく、玄関から犬の寝床までの一本の線に決めた話です。
犬の足跡が居間を斜めに横切っていました|雨の日の散歩と老猫が同じ床を使う家の背景
その朝にやったことを、順番に書きます。7時に出て、20分ほどで戻りました。玄関で犬の四つ足を1本ずつ拭いて、背中は毛の表面を一往復。ここまではいつもどおりです。犬はそのまま居間を通って、窓ぎわの寝床へ入りました。そのあと床を見たら、玄関から寝床まで、濡れた足跡が斜めに続いていました。数えると7つです。拭いたはずの足で、これだけ残ります。玄関から寝床までは、うちだと6メートルほどあります。雨の日の散歩のあと、この6メートルには毎回同じ線が引かれていた、ということになります。
帰宅後の30分は、犬を乾かすことに使いました。その時間、老猫は台所の椅子の上にいます。犬が寝床で落ち着いてから、ようやく下りてきました。下りてきた老猫は、犬が通ったのとほとんど同じ線の上を、ゆっくり歩いていきます。14歳を過ぎたころから、この子が家の中で通る場所は決まりました。壁ぎわを回るのではなく、部屋の真ん中をまっすぐ横切ります。犬が濡れた足で歩いた線と、そこが重なっていました。
ソファの下まで行って座り、そこから前足をなめはじめました。左を数回、右を数回。老猫の毛づくろいは、若いころよりずいぶん短くなっています。背中の真ん中も、尾のつけ根も、体をひねる姿勢が続かないので届きません。それでも、前足をなめるところだけは残ります。いちばん最後まで残る毛づくろいが、いちばん床に近い場所だ、ということです。ここまで見て、雨の日の散歩で手を入れる場所が犬の体だけではないことが分かりました。
- 玄関のたたき:犬が最初に足を置く場所。雨の日はここがいちばん長く湿っています
- 玄関マットの先の30センチ:マットから外れた1歩目。ここに足跡が残ります
- 廊下から居間への敷居:段差でいったん止まるので、水が集まります
- 居間の真ん中:犬の通り道であり、老猫が横切る線でもあります
- ソファの下:老猫が座って毛づくろいをする場所。床に体がいちばん近くなります
- 犬の寝床のまわり:線の終点。乾くまでの2時間、ここで水が抜けていきます
玄関で四つ足を拭くのは、雨の日の散歩から帰ったあとに続けてください。ただ、拭いても床には残ります。毛のあいだに残った水は、歩いているあいだに少しずつ落ちます。犬の体をどれだけ丁寧に拭いても、6メートルぶんの床がそのまま残るという構造は変わりません。だから、犬の側の手数を増やすより、床の側に1つ手を足すほうが早く終わります。老猫と暮らしていると、そちらの効きが大きくなります。
肉球で受け取ったものが、そのあと舌へ渡ります|雨の日の散歩が老猫の口もとに届くまでの変化
猫の肉球は、床の状態を受け取る面です。湿っているか、細かい粒があるか、乾いているか。歩くたびに、その面がじかに床と接します。ここで老猫が若い猫と違うのは、歩く速度と、床に足を置いている時間です。ゆっくり歩くぶん、一歩あたりに床と接している時間が長くなります。同じ6メートルでも、犬が5秒で渡る線を、老猫は20秒かけて渡ります。
そのあとに毛づくろいが来ます。老猫は自分でできる量が減っているので、なめる場所が絞られています。絞られた結果として残るのが前足だ、というのが雨の日にいちばん効いてくるところです。背中や尾のつけ根は届かなくなっても、前足は口の近くにあるので最後まで残ります。床で受け取ったものが、いちばん省略されない毛づくろいの中に入っていく。雨の日の散歩の話が、犬の話で終わらない理由がここにあります。
| 床の場所 | 雨の日にそこで起きること | 老猫の使い方 |
|---|---|---|
| 玄関のたたき | 犬の足から落ちた水が、いちばん長く残る | 上がらない。ここは犬だけの場所 |
| マットの先の30センチ | 1歩目の足跡がはっきり残る | 通る。ただし止まらない |
| 居間への敷居 | 段差で止まるぶん、水が集まりやすい | またぐときに前足を強く置く |
| 居間の真ん中 | 足跡が線になって続く | 毎回ここを横切る |
| ソファの下 | 犬は通らない。床の湿りだけが移る | 座って毛づくろいをする |
| 寝床のまわり | 乾くまでの2時間、水が抜け続ける | 犬が起きるまで近づかない |
表にすると、犬と老猫が同じ床を別々の使い方でわけていることが見えます。犬が長くいる場所と、この子が長くいる場所は、じつは重なっていません。重なっているのは、通り道の一本だけです。玄関のたたきには上がらないので手を入れなくてよく、寝床のまわりにも近づきません。手を入れる価値があるのは、両方が通る線の上だけということになります。
この道すじの両端は、こちらでは動かせません。犬が外で足を濡らすことも、老猫が前足をなめることも、やめさせる筋合いのものではありません。動かせるのは真ん中の一本だけです。雨の日の散歩から帰ったあと、室内でやることを1つに絞れるなら、そこになります。老猫の体に触る回数を増やさずに済むのも、この置き方の利点です。年齢が上がるほど、触られている時間そのものが体力を使います。
手を入れるのは犬でも老猫でもなく、床の線一本|雨の日の散歩を毎日の習慣にする考え方
まず、線の長さを測ります。といっても巻き尺は要りません。玄関を上がったところから犬の寝床まで、自分の足で何歩か数えるだけです。うちは9歩でした。この9歩が、雨の日の散歩のあとに毎回引かれる線です。長さが分かると、次にやることが決まります。短くするか、線の上に一枚はさむか、線が通る場所を変えるか。3つとも家具を動かす話なので、雨が降っていない日にできます。
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玄関から犬の寝床まで、歩数で線を引く
雨の日の散歩から帰った犬が、実際にどこを通るかを1回だけ見ておきます。まっすぐ寝床へ行くのか、途中で水を飲むのか、いったんソファに寄るのか。その子が通る線は、こちらが想像している線とずれています。歩数を数えて紙に書いておくと、あとで短くなったかどうかを比べられます。
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その線と、老猫が横切る線が重なる場所を1か所だけ選ぶ
重なる場所は、たいてい部屋の入口か、部屋の真ん中の1か所です。うちは居間の敷居から1メートルのところでした。ここだけが、犬と老猫の両方が毎回通る場所です。雨の日にやることを1つに絞るなら、この1か所になります。老猫が近づかない玄関のたたきは、後回しでかまいません。
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線を短くする。寝床を玄関側へ寄せる
うちは犬の寝床を窓ぎわから2メートル玄関側へ寄せました。9歩が6歩になります。濡れた足で歩く距離が3歩ぶん減れば、床に残る足跡もそのぶん減ります。雨の日のためだけに家具を動かすのは大げさに見えますが、動かすのは1回だけです。梅雨と秋の長雨を合わせると、年に40日以上この線が引かれます。
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残った線の上に、洗える布を1枚だけ敷く
6歩ぶん全部を覆う必要はありません。玄関を上がってからの2歩ぶんで足ります。ここでいちばん水が落ちるからです。布は毎日替えるのではなく、雨の日だけ出して、翌日に洗います。枚数を増やすと洗濯が増えて続きません。1枚と決めておくと、雨の日の帰宅後にやることが「布を出す」だけになります。
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重なる1か所の床を、犬が乾いてから拭く
犬が寝床で落ち着き、老猫がまだ椅子の上にいる時間帯にやります。うちだと帰宅後20分ごろです。拭くのは選んだ1か所だけ、時間にして1分かかりません。床に使うなら、香りを足さない無香料のタイプを選んでください。老猫がそのあとその場所を歩いて、前足をなめます。においが残るものは、この線の上では使わないほうが落ち着きます。
この手順には、老猫に触る工程が1つも入っていません。意図的です。年齢が上がるほど、手入れの回数を増やすこと自体が負担になります。雨の日の散歩のたびに前足を拭かれるのは、その子にとっては毎週くり返される新しい出来事です。床の側に手を入れておけば、老猫の毎日は何も変わりません。もし前足を拭くなら、雨の日だからではなく、ふだんの習慣の中に置いてください。猫用の mofuwa グルーミングウォーターを布に含ませて、前足を一往復させる程度で足ります。スプレーの音が出ない容器なので、雨で耳が動いている日でも、手順そのものは変わりません。
5つのうち、1つだけ選ぶなら3番目です。寝床を玄関側へ寄せて線を短くするのが、いちばん手数がかからず、いちばん長く残ります。布を敷くのも拭くのも、雨のたびにこちらが動く必要がありますが、家具の配置は1回動かせばそのままです。時間がない日ほど、その差が出ます。逆に、いちばん後回しでよいのは5番目の拭き取りです。線が短くなっていれば、拭く場所もそのぶん減っています。
床を拭くものも、この段階で決めておくと雨の朝に迷いません。うちは居間の敷居から1メートルのところ専用に、mofuwa 瞬間消臭スプレーを1本置いています。香りを重ねてにおいを覆う側ではなく、においのもとのほうに反応させる側の作りで、中身は電解水だけです。床やケージにかけた水を犬や猫が舐めることを先に見込んで、そこから成分が決まっています。拭いた面をあとから歩くのは、こちらではなく老猫です。肉球で受け取って、そのあと前足をなめる相手が決まっているので、床に使うものは人の好みでは選べません。
線を2メートル短くしてからの1か月|老猫と犬が同じ床を使う、雨の日の散歩の経験
寝床を動かしたのは10月の終わりです。そこから雨の日が11回ありました。変わったことを3つ書きます。1つめは、帰宅後に床を見る回数が減ったことです。足跡が7つから3つになったので、目で追う必要がなくなりました。2つめは、犬を乾かしている30分のあいだ、老猫がどこにいるかを気にしなくなったことです。線が短いと、老猫が横切る場所も1か所に固定されます。
3つめは、老猫の前足です。雨の日の翌朝に前足をなめている時間が、以前より短くなりました。時計で測ったわけではないので、正確な数字は書けません。ただ、朝の同じ時間帯に同じ場所で見ているので、長い日と短い日の差は分かります。気にしていた行動そのものではなく、その行動が置かれている場所のほうを変えた結果です。老猫に何かをした日は、この1か月で1日もありません。
| 動かす前 | 動かしたあと | |
|---|---|---|
| 玄関から寝床までの歩数 | 9歩 | 6歩 |
| 帰宅後に床に残る足跡 | 7つほど | 3つほど |
| 帰宅後に床へ使う時間 | 5分から10分 | 1分 |
| 老猫に触る回数 | 雨の日だけ1回増えていた | ふだんと同じ |
| 洗う布の枚数 | 玄関マットと室内用で2枚 | 1枚 |
| 翌朝に前足をなめる時間 | 長い日があった | ふだんの日と見分けがつかない |
雨の日のケアは、犬と床で分けています。犬のほうは、mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませて、足先と胸の前面を毛の流れに沿って一往復。これは散歩から帰った玄関でやります。床のほうは、mofuwa 瞬間消臭スプレーを布に取って、選んだ1か所だけを拭きます。においを足さないものを選ぶのは、そのあとその場所を老猫が歩くからです。床に残った香りは、肉球から前足へ、前足から口へという、犬の足跡と同じ道すじをたどります。口に入ることを見込んで中身が決まっているかどうかを、床に使うものほど先に見てください。
最後に、床の話では片づかないものを書いておきます。雨が降っていない日にも前足をなめ続けている、同じ場所だけをなめて毛が薄くなってきた、なめたあとの皮膚が赤い、歩き方が変わった、食べる量が落ちている。こうした変化が重なっているときは、床の手当てを増やす前に動物病院にご相談ください。老猫では、毛づくろいの偏りが体のほかの事情と一緒に出てくることがあります。いつから、どのくらいの時間なめているかを紙に書いて持っていくと、その場で切り分けてもらえます。長い日と短い日の差は、毎朝同じ場所で見ている人にしか出せない情報です。
雨の日の散歩は、犬と暮らしている家では避けられません。そして老猫と暮らしていると、その日いちばん動くのは犬の体でも猫の体でもなく、家の床でした。玄関から寝床までの一本を短くして、そこに布を1枚敷いて、犬と老猫が重なる1か所だけを拭く。やることが3つに減ったので、雨が続いた週でも飛びませんでした。老猫の毎日を変えずに済んだのが、いちばん大きいところです。手を入れる対象を体から床へ移すと、そういう置き方ができます。
Product
mofuwa 瞬間消臭スプレー
500ml / 2,420円(税込)
香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
