C02技術・エビデンス
温度が上がると、においはどう変わるか
夕方6時に帰宅してドアを開けた瞬間だけ、寝床のあたりがにおう日があります。朝、同じ場所に顔を近づけても何も感じません。留守のあいだに部屋の温度が28度まで上がって、帰る少し前から下がりはじめた日でした。増えたのは、においの元そのものではありません。動いたのは温度で、そのぶん鼻に届く量が変わっています。この記事では、温度とにおいのあいだで起きていることを、台所の油にたとえながらたどります。
夕方だけ寝床がにおう、という経験と、その日の温度
同じ家、同じ寝床、同じ子です。それでも、においを感じる日と感じない日があります。朝はまったく気づかないのに、夕方に帰ってドアを開けた最初の数秒だけ分かる。この差は、においの元が1日のうちに増えたり減ったりしているからではありません。皮脂は数時間で急に増える種類のものではないからです。
変わっていたのは温度でした。留守のあいだ、部屋は閉め切られて温度が上がります。帰宅の少し前にいちばん高くなって、そこから下がりはじめる。においを感じた日は、この上がり方が大きかった日に並びました。
この経験から数えられるものは、3つだけです。
- 帰宅してドアを開けたときの室温
- 寝床の上に置いた温度計の数字。部屋の数字とは別に読みます
- においを感じた時刻と、感じた場所(寝床・食器のまわり・耳のあたり)
- その日、窓を開けていた時間の合計
1週間ぶんそろうと、においを感じた日の温度が、感じなかった日より数度高いところに並ぶことがあります。感じ方の変化ではなく、温度の変化として説明できる日が、思っていたより多く出てきます。
壁の温度計と、寝床の上の温度は別の数字です。布の上は空気が動きにくいので、部屋が下がってからも高いまま残ります。においが立つ場所の温度を知りたいので、数字はにおう場所で読みます。1日2回、朝と帰宅時で足ります。
温度が上がるとにおいが強くなる理由を、台所の油で考える
においとして鼻が受け取っているのは、空気に混じって飛んできた分だけです。毛と皮膚にある皮脂と、そこではたらいている雑菌が作る物質のうち、軽くて空気に混じりやすいものだけが鼻まで届きます。残りはその場にとどまったままで、においにはなりません。
台所に置き換えると分かりやすくなります。冷蔵庫から出したばかりのバターは、鼻を近づけてもほとんどにおいません。同じひとかけをフライパンに落とすと、部屋の向こうまでにおいが届きます。量はまったく変わっていません。温度が上がって、空気に混じる分が増えただけです。鍋のふたを開けた瞬間だけ強くにおって、しばらくすると弱まるのも同じ理屈です。
温度がもう1か所で効いています。雑菌のはたらく速さです。温度が上がると、皮脂を変化させる速さも上がります。つまり温度は、立ち上がる速さと、作られる速さの両方を動かしています。夏のにおいが強いのは、この2つが同じ方向に重なるからです。
ここまでが、温度とにおいの理由として言えるところです。では、どのくらいの温度で何倍になるのか。30度を超えるとにおいが2倍になりますという言い方をしたくなりますが、そんな数字は持っていません。家で数えるのは倍率ではなく、においを感じた日の温度そのものです。
電解水については、決まった条件のもとで菌を対象にした試験があります。一般細菌では検査時間30秒で生菌が検出されませんでした(検査機関:江東微生物研究所、日本食品分析センター)。ただしこれは試験の中で水を評価した結果で、寝床のにおいを温度別に測ったものではありません。家のにおいの話に、この秒数は使えません。
犬と猫で、温度の変化が先に出る場所が違います
温度が上がったときに、最初ににおいが立つ場所は、犬と猫で違います。皮脂が多く出る場所と、空気が止まっている場所が重なったところから出るためです。同じ家で2匹いるなら、探す場所を分けて数えたほうが早く見つかります。
| 先に出やすい場所 | そこで重なっている条件 | |
|---|---|---|
| 犬 | 足の裏、口のまわり、耳の内側、しっぽの付け根 | 皮脂が出る場所に加えて、指のあいだや耳のように空気が入りにくい形になっている |
| 猫 | あごの下、口のまわり、しっぽの付け根 | 食器に触れる面と、毛づくろいの舌が届きにくい面が重なる |
| 場所の側 | 寝床の下、ケージの奥の面、食器の下のマット | 空気が止まっていて、温度が上がっても入れ替わらない |
犬は指のあいだが分かりやすい例です。地面に触れる面で、なおかつ空気が通りません。温度が上がった日に、足を持ち上げて指を開いてにおいをみると、部屋全体の印象より強く出ます。猫はあごの下です。食器の縁に触れる場所で、自分の舌が届きにくい面でもあります。
場所の側も数えます。換気というと窓を開けることになりがちですが、窓を開けても動かない空気がある場所のほうが、においを決めています。寝床を床から少し浮かせる、ケージの奥の面を壁から5cm離す、食器の下のマットを毎日めくる。この3つで、止まっていた空気が動きます。
食器のまわりは、温度が上がる季節にいちばん早く変わります。食べこぼしと水のはねが、マットの下で乾かないまま残ります。ここは拭き取りの回数を増やすより、めくって乾かす時間を作るほうが結果が出ます。
においを足さない設計の背景と、温度が上がる季節の手順
家で変えられる条件は4つです。換気、拭き取り、寝床、食器。温度そのものはエアコンで動かせますが、止まっている空気は温度を下げても止まったままです。だから順番は、空気を動かすほうから始めます。
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止まっている空気を3か所だけ動かす
寝床の下、ケージの奥、食器の下。家じゅうを見ようとすると続きません。3か所に決めて、そこだけ毎日めくります。窓を開ける時間は、帰宅してすぐの10分で足ります。
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におう場所を狙って拭き取る
全身を拭くのではなく、前の段で見つけた場所だけを、かたく絞った布で拭きます。犬なら指のあいだ、猫ならあごの下。拭いたあとは乾く時間を作ります。濡れたまま寝床に戻ると、温度が上がったときに条件が戻ります。
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寝床の布を、温度が上がる季節だけ増やす
洗い替えを1枚足して、乾かす時間を長く取ります。布が2枚あると、乾き切っていないものを戻さずにすみます。
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洗う日を、温度が上がりはじめる前に1回置く
においが強くなってからではなく、温度が上がりはじめた週に1回。洗う日と洗う日のあいだは、拭き取りと換気で足ります。
洗う日に落としているのは、においの元になっている皮脂と汚れです。そこでモイストシャンプーを使っています。アミノ酸系の洗浄成分を少なくして、原料の水に電解水を使うことで泡が立つように作った設計です。落としすぎない側に寄せているので、洗い上がりを戻す工程を1つ減らせます。短くなっているのは、飼い主が使う時間の側だけではありません。その子が浴室で耐える時間そのものが短くなります。温度が上がる季節は、浴室にいる時間の長さも体にこたえるところです。
モイストシャンプーを無香料にしている背景にも、においの話があります。犬も猫も、自分のにおいが残っている場所で落ち着きます。そこに別のにおいが増えることは、その子にとってストレスの側に入ります。香りは人のためのものだという判断です。そして温度が上がると、香料もよく立ちます。においが気になる季節に香りでふたをすると、その子の鼻の中では二重に立つことになります。だから、においを足さずに元を減らす順番で組んでいます。
においの質が急に変わったときは、温度の話から離れます。甘いにおい、鉄のようなにおい、耳の中から強く出るにおい。数えておいた時刻と室温の記録を持って、動物病院で診てもらってください。温度で説明できる範囲かどうかは、記録が並んでいるほど早く分かります。そのうえで、家での数え方は同じまま続けます。
温度が動いた日に印をつけておくと、次の夏に同じ順番で手を打てます。においは量ではなく、立ち上がった分で見る。この見方に変えるだけで、家の中で動かせるところが増えます。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
