C04悩み解決
猫のあごニキビのケアで、実は逆効果になっている3つのこと
12月のある夕方、あごの下を確かめようとして猫の顔を持ち上げたら、翌日から、近づいただけで顔をそらすようになりました。あごの下は、その子が自分では見られない場所です。そこを見せてもらうには、猫の側の協力が要ります。猫のあごニキビでやってはいけない3つは、どれもこの協力を先に減らします。3つとも「よく見るため」の動作で、悪気なくやってしまうものです。
毎日見せてもらえるかで、猫のあごニキビの見つけ方は決まります
あごの下は、猫の体のなかで珍しい場所です。前足は届くのに、自分の目では一度も見たことがありません。毛づくろいでも舌が回らず、前足でこするだけになります。皮脂の出どころとしては働き続けているのに、その子自身の手入れがいちばん薄い場所ということになります。
だから、あごの下を見るのは人の役目になります。ところが猫の側から見ると、見えない場所を、逃げられない姿勢で、自分では終われないまま触られていることになります。この3つがそろうと、猫はその接触を覚えます。次に同じ動きをしようとした時点で、顔が下がります。
- 見えない場所である:何をされているか確認できません。首から上は警戒がいちばん強い部分です
- 逃げられない姿勢である:あごを上げられると前足の位置が決まり、体重の移動ができなくなります
- 自分で終われない:いつ終わるかを人が決めているあいだ、猫は待つしかありません
確かめるための動作が、次から確かめられなくします。1回で1日分の情報は手に入りますが、そのあと1週間見せてもらえなくなるなら、差し引きでは損をしています。猫のあごニキビは、進み方の速い遅いを見るために何度も同じ場所を見る必要があるので、見る回数を保てるかどうかが、そのまま見つけ方の精度になります。
痛くしていないのに嫌われた、というのはよくあります。猫が覚えているのは「あの体勢にされた」という記憶で、そこに痛みがあったかどうかは関係ありません。だから、やさしく持ち上げても結果は同じになります。
よく見るための3つが、猫のあごニキビでやってはいけないことになる
どれも、飼い主が丁寧にやろうとするほど出てくる動作です。意図はすべて「よく見るため」で、そこに問題はありません。問題になるのは、猫の側で何が起きるかのほうです。
| やってしまう動作 | 人の意図 | 猫の側で起きること |
|---|---|---|
| あごを持ち上げて、上を向かせる | あごの下が見えないので、角度をつくりたい | 首が伸びて前足が固定される。逃げ道がなくなり、次から顔を下げて避ける |
| 体を押さえて、動かないようにする | 動くと見えないので、一瞬止めたい | 終わりを自分で決められない。抱かれること自体を警戒するようになる |
| 明るいところへ連れて行く | 暗くてよく分からないので、光の下で見たい | 移動そのものが合図になる。抱き上げられた時点で身をよじる |
3つ目は見落とされがちです。猫は「連れて行かれる」という手順を先に覚えます。窓際や照明の下へ運ばれる流れが2〜3回続くと、抱き上げられた瞬間に何が始まるか分かってしまいます。あごを触る前の段階で、もう協力は失われています。
食器のふちが当たるところに皮脂と汚れが残るので、あごの下は毎日変化します。その毎日を見られなくすることが、この3つのいちばんの損です。数日ぶんの変化を飛ばして見ると、黒い点が増えたのか、もともとそれだけあったのかが分からなくなります。
見えた場所の汚れをその場で取ろうとして、指や布でこする。これも1回で覚えられます。こすれば取れる汚れですという見方をしないでください。あごの下の皮膚は薄く、押しつけた圧そのものが嫌がられる理由になります。拭き取りをするなら、次の章の手順のあとです。
猫が自分から上を向く3つの瞬間に合わせる手順
代わりに置くのは、待つという手です。手を使わずにあごの下が見える瞬間は、1日のうちに何度もあります。そのどれかに人のほうが合わせれば、猫の側は何もされていないことになります。
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食べているときに、横からしゃがむ
器に顔を下げたあと、飲み込むために少しだけ顔が上がります。目の高さを器と同じところまで下げて、横から待ってください。正面に立つと影になりますし、猫のほうも顔を上げにくくなります。1回の食事で数回はあごの下が見えます。
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水を飲むときを狙う
水は舌を何度も使うので、あごの上下が食事よりはっきりします。飲み終わったあと、口のまわりを整えるあいだにいちばんよく見えます。水皿は動かさないでください。場所を変えると、それだけで飲む回数が減ります。
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高いところを見上げた瞬間を使う
棚の上、窓の外の鳥、天井を横切る光。猫が上を見ているあいだ、あごの下は完全に開いています。この瞬間は自分からつくることもできます。猫じゃらしを頭より高い位置で止めるだけで、数秒は上を向いてくれます。
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見えた日に、写真を1枚だけ撮る
同じ場所、同じ明るさ、同じ角度で。あごの下の変化は、記憶では比べられません。1枚あれば、次に見えた日に並べられます。フラッシュは使わないでください。光そのものを嫌う子がいます。
拭き取りをするのも、この流れの中です。猫が自分から顔を上げているときに、ぬらした布をあごの下に軽く当てるだけにしてください。往復させず、当てて離します。嫌がったらそこで終わりにします。終わりを猫の側に残しておくことが、翌日も見せてもらえる条件になります。
3つの瞬間が来ない日もあります。そこで手を使って見にいくと、翌日からの3つの瞬間まで失います。見られなかった日は空欄のままにしておくほうが、1週間で見られる回数は多くなります。
確かめる頻度と、待っていられないとき
頻度は週に2〜3回で足ります。毎日見ようとすると、瞬間を待ちきれずに手が出ます。あごの下の変化はゆっくり進むので、週2回の写真が並べば、増えているのか止まっているのかは判断できます。食事は毎日あるので、機会そのものは足りています。
- 食器は毎日洗う:あごが触れるふちに皮脂が残ります。ここは猫の協力がなくてもできる部分です
- 器の素材を見直す:表面に細かい傷が入ったものは、洗っても汚れが残ります
- 毛づくろいの様子を見る:前足であごをこする回数が増えていないか。あごを見に行くより先に分かることがあります
- 触る用事をつくらない:あごの下を触るのは拭き取りのときだけにして、それ以外は目で見るだけにしてください
ただし、待つのが向かない場面もあります。見た目が数日で変わっているときは、瞬間を待っている場合ではありません。黒い点が並んでいるだけの状態と、皮膚が盛り上がっている状態では、家で見ていていい期間が違います。
あごが赤く腫れている、しこりのような盛り上がりがある、汁が出ている、かさぶたになっている、触ると痛がって鳴く、あごの毛が抜けてきた、前足でこすり続けている、食べる量が減った、元気がない。いずれかに当てはまるときは、自己判断でケアを続けず動物病院にご相談ください。皮膚の状態を見るのは病院の役割で、家庭でできるのは記録を持っていくところまでです。
相談するときは、いつからか、写真は何枚あるか、器は何を使っていて洗う頻度はどのくらいかをまとめていってください。診察の前にあごをきれいにしてしまうと、いまの状態が分からなくなります。拭かずに連れて行ってください。
ふだんのケアは、写真が撮れた日の流れにそのまま足せます。猫が自分から上を向いている数秒のあいだに、あごの下へコットンを当てて、離す。あごに乗っているのは皮脂と食べかすで、その子の舌は回らず、前足でこするだけになる場所です。mofuwa 猫あごクリーナー は、この数秒に合う形をしています。コットンにジェルをとって、くるくるとなでたら終わり。二度拭きも要らないので、往復させずに手を引けます。押しつける圧が残らないぶん、終わりを猫の側に残したまま離れられます。見られなかった日でも、コットンの色だけは残ります。あごを見せてもらえない日が続いても、週2〜3回の記録はそこで途切れずに済みます。盛り上がりやかさぶたなど、炎症や出血がある場合は使用せず、獣医師にご相談ください。9つの無添加で無香料なので、上を向いた瞬間に、においで顔を戻されることもありません。
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よくある質問
- あごの下を見せてくれない子は、どうすればいいですか?
- 無理に見にいかず、器の側から情報を取ってください。ふちに汚れが付く位置、食べたあとに前足であごをこする回数、抱かれたときに首をすくめるかどうか。あごを見なくても分かることがいくつもあります。それでも心配なら、家で見ることにこだわらず動物病院で見てもらってください。
- 黒い点は、取ってしまってもいいですか?
- 取らないでください。指でつまむ、爪で引っかく、ピンセットを使う、はいずれも避けてください。取れたように見えても皮膚に残る負担が大きく、その1回で触らせてもらえなくなります。数が増えているかどうかを写真で追うほうが、判断の材料になります。
- ほかの猫と同居していますが、うつりますか?
- あごニキビは、うつる・うつらないという性質のものとして扱われていません。ただ、同じ器を共有していると、同じ条件が両方にかかります。多頭で同じ場所に出ているなら、猫どうしのやりとりより、器と置き方を先に見てください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
