C04悩み解決
脂漏っぽさが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
脂漏っぽさがいちばん強い場所を3か所挙げてみると、背中と腰に集まる子と、脇と内股に集まる子に分かれます。べたつく場所がこの2つに割れるのは、体の中で温度が高い場所が2種類あるからです。脂漏の犬種差として語られることの中身は、そのどちらが優位かという話です。皮脂は温度が高いほどやわらかく、薄く広がります。まず、その2種類が何によって高くなっているのかから整理します。
脂漏の犬種差は、その子の体で温度が高い場所で決まる
脂漏っぽさは、体のどこにでも同じように出るわけではありません。同じ子でも、べたつきが集まる場所はだいたい決まっています。脂漏の犬種差の中身は、その子の体で温度が高いのはどこか、です。
皮脂は、温度が高いほどやわらかくなって薄く広がります。低ければ固まって、出た場所に留まります。同じ量が出ていても、温度の高い場所ほど毛の根元から毛の先へ広がり、指でさわったときにべたついて感じられます。脂漏っぽさの強さは、量そのものより、広がったかどうかで決まる部分があります。
そして、体温は全身で一様ではありません。体の中で温度が高いのは、次の2種類です。
- 熱がこもる場所:被毛が厚く覆っている背中・腰。犬は皮膚から汗で熱を逃がすしくみを持たないため、密な毛の下に熱が留まります
- 血管が皮膚の近くを通る場所:脇、内股、耳の後ろ、首の下。被毛が薄く、皮膚のすぐ下を血管が通っています
どちらのタイプが優位かは、体の作りで決まります。熱がこもる体は背中・腰に、血管が近い体は脇・内股に、べたつきが集中します。脂漏の犬種差を犬種の名前で説明しようとすると必ず外れる子が出るのは、同じ犬種の中でも被毛の密度と皮膚の厚みに幅があるからです。
熱がこもる場所は熱が出ていかないから高く、血管が近い場所は熱が運ばれてくるから高い。理由が逆なので、片方が強い体では、もう片方が目立ちにくくなります。両方に均等にべたつく子より、どちらかに寄っている子のほうが多いのはこのためです。
こもる熱と、近い血管|脂漏っぽさが出る2か所の比較
同じ「脂漏っぽさ」という言葉でも、背中側と脇側では、出方も、手の入れ方も変わります。
| 熱がこもる体(背中型) | 血管が近い体(脇型) | |
|---|---|---|
| 温度が高くなる理由 | 密な被毛の下に、熱が留まる | 皮膚のすぐ下を血管が通り、熱が運ばれてくる |
| べたつきが集まる場所 | 背中、腰、尾のつけ根 | 脇、内股、耳の後ろ、首の下 |
| 広がり方 | 面が広い。背骨に沿って線状に伸びる | 面は狭い。皮膚どうしが触れる内側にたまる |
| 見た目 | 毛が束になって寝る。地肌が見えにくい | 地肌が見えやすく、毛が湿って見える |
| 湿度が高い日 | 毛の中に、熱と湿気が同時に残る | 皮膚どうしが触れて、風が通らなくなる |
| やりすぎになりやすい点 | 洗いすぎて、地肌が乾く | こすりすぎて、赤くなる |
この比較で見てほしいのは3行目です。背中型は面で広がるので、量が多いように見えます。脇型は狭い場所に集中するので、量が少なくても濃く残ります。指に感じる強さは面積で変わるため、「うちの子はひどい」という印象だけでは、どちらの型かは分かりません。
湿度の影響の受け方も、脂漏の犬種差として分かれるところです。背中型は、被毛の中に熱と湿気が同時に残るので、雨の日が続いた週に強くなります。脇型は、皮膚どうしが触れて風が通らない状態が問題なので、湿度そのものよりその姿勢でいる時間の長さで変わります。寝ている時間が長い日は、脇と内股が強く出ます。
べたつく場所を3か所挙げる、脂漏の見分け方
見分け方は、場所を3つ挙げて振り分けるだけです。温度そのものを指で測ろうとしないでください。人の手の感覚では、体表の温度差までは分かりません。分かるのは、べたつきが出ている場所のほうです。
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洗ってから3日目に見る
洗った直後は、どの子も差が出ません。皮脂が戻ってきた3日目を見る日に決めてください。日を固定しておくと、次の月と比べられます。
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指の腹で、毛の上からなでる
全身をゆっくりなでて、指のすべりが変わる場所を探します。地肌まで指を入れなくて構いません。毛の表面で引っかかりが出るところが、皮脂が毛先まで広がっている場所です。
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強い順に3か所、書き出す
「背中の真ん中」「右の脇」のように、場所の名前でよいので3つ書き出します。4つ以上挙げないでください。絞らないと、どちらの型かが見えなくなります。
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背中側か、脇側かに振り分ける
背中・腰・尾のつけ根なら背中側、脇・内股・耳の後ろ・首の下なら脇側です。3か所のうち2か所以上が同じ側なら、その側が優位と考えてください。
分ける線は、背骨から下ろした線ではありません。被毛が厚く覆っている面か、皮膚が薄く見えている面かで分けます。背中でも、毛の薄い尾のつけ根の内側は脇側に数えて構いません。
2か所ずつに割れて決められないときは、雨の日が続いた週にもう一度やってください。湿度が上がると、脇側のほうが先に強く出ます。それでも動かなければ、面の広い背中型を優先して手をつけるほうが、変化が見えやすくなります。脂漏の犬種差は白黒をつけるためのものではなく、手を入れる順番を決めるための目印だと考えてください。
背中型と脇型で、ブラッシングと拭き取りの使い分け
優位な側が決まったら、そこだけに手を入れます。脂漏の犬種差に合わせるというのは、全身を同じようにケアするのをやめる、という意味です。
- 背中型|ブラッシングで毛を起こす:目的は毛をきれいにすることではなく、こもった熱を抜くことです。毛の流れと逆にとかして起こし、地肌まで風を通します
- 背中型|拭き取りは背骨に沿って:面が広いので、布は大きめに。毛の流れに沿って、一方向に動かします
- 背中型|最後に乾かす時間を取る:被毛が厚いぶん、中が乾くまでに時間がかかります。湿度の高い日は、拭いたあとに風の通る場所で数分置いてください
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脇型|拭くのではなく、開いて当てる
前足を軽く前へ出して脇のひだを開いてから、湿らせた布を当てます。閉じたまま外側をこすっても、奥には届きません。内股も同じで、立ったまま後ろから手を入れれば、仰向けにする必要はありません。
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脇型|ブラシより、指を使う
脇・内股・首の下は毛が短く、皮膚が薄い場所です。ブラシを当てると、皮膚のほうに傷がつきます。指の腹に布を巻いて、押さえるように動かしてください。
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脇型|拭いたあと、1分だけ開けておく
拭いてすぐに姿勢を戻すと、湿ったまま皮膚どうしが触れ合います。おやつを1つ渡して、立った姿勢を1分だけ保ってもらう。これだけで、乾く時間が生まれます。
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どちらの型でも|洗う回数は上げない
べたつきが気になると洗いすぎになりがちですが、地肌のうるおいまで持っていくと、乾いたぶんだけ皮脂が戻ってきます。手を入れるのは、優位な側だけで足ります。
使い分けの目的は、脂漏っぽさをゼロにすることではありません。その子の体で温度が高い場所に、毎日1回だけ手が届いている状態をつくることです。優位でない側は、週に一度さわって変化がないかを見るだけで構いません。
洗いすぎにしないための道具の選び方
道具の選び方も、型が決まればほとんど決まります。
- 布:目の細かい木綿。脇や内股は、薄い1枚のほうがひだの奥まで入ります
- 水分:常温で足ります。熱いお湯は、皮脂と一緒に地肌のうるおいを持っていきます
- ブラシ:背中型は毛を起こせるもの。脇型にはブラシを使わず、指で
- 頻度:優位な側だけ、1日1回。洗う日を増やすより、拭く日を毎日にするほうが続きます
洗う日そのものにも、同じ考え方が当てはまります。べたつく側を落としきろうとして、その1回だけ泡を足し、同じ場所を二度洗いする。そこで地肌のうるおいまで持っていくと、乾いたぶんだけ皮脂が戻ります。脂漏っぽさが出やすい子ほど、この往復に入りやすい。mofuwa モイストシャンプーは、シャンプーの大半を占める「水」に、特許電解水(特許第5253483号)を使っています。洗浄成分を足すのではなく原料の水を変えているので、泡が立つまでに地肌をこすり続けずに済みます。洗う順番は、優位な側を最後に回してください。背中型なら背骨のまわり、脇型なら脇と内股が、泡の乗っている時間をいちばん短くできます。
地肌が赤い、かさぶたがある、毛が抜けて地肌が見えてきた、においが急に変わった、左右で明らかに差が出た、同じ場所を掻き続けている、べたつく範囲が2週間で広がった。いずれかに当てはまるときは、自己判断で様子を見ず、動物病院にご相談ください。脂漏っぽさを体の作りで説明できるのは、出る場所が毎回同じで、範囲が変わらないあいだだけです。
相談するときは、3か所のメモ、最後に洗った日、その週の湿度、家で使っているものを持って行ってください。1か月分でも記録があると、いつから範囲が動いたかを一緒に見てもらえます。当日に洗ってから行くと、地肌の状態が分からなくなることがあります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 背中側と脇側の、両方にべたつきが出ています。
- 珍しいことではありません。3か所のうち2つが背中側で1つが脇側、というように優位な側を決めて、そちらから手をつけてください。湿度が高い時期に脇側が強くなることもあるので、季節をまたいだら3か所を数え直すことをおすすめします。両方に均等に手を入れるより、優位な側に絞るほうが変化が見えます。
- 毛が短ければ、脂漏っぽくならないのですか?
- 被毛が短いことと、べたつかないことは別です。毛が短い子は熱がこもりにくいぶん、血管が近い脇や内股のほうに差が出やすくなります。また、地肌が見えるので毛が湿っているのが分かりやすく、同じ量でも気づきやすいという面もあります。脂漏の犬種差は毛の長さだけでは決まりません。
- べたつくので、シャンプーの回数を増やしてもいいですか?
- 増やすほど楽になるわけではありません。地肌が乾くと、そのぶん皮脂が戻ってきます。回数を上げるより、優位な側だけを毎日1回拭くほうが、2週間で違いが出ます。回数を変えるかどうかは、3か所のメモを2週間分そろえてから決めてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
