C05犬種・猫種別ケア
ペルシャのケア|毛玉を減らす3つの習慣
ペルシャの背中の毛を根元でつまんで毛先まで指で送ると、途中で二度は持ち替えることになります。同じことを短毛の猫でやれば、指は一度も止まりません。ペルシャの毛玉は、この長さの、根元に近いほうから生まれます。猫は舌に並んだ小さな突起で毛をとかしますが、突起の丈は毛の長さに比べればごくわずかです。届くのは毛先の側までで、根元はもともと人が代わる場所になります。表面は舌がそろえているので、外から見るといつもどおり整って見えます。この記事では、その子の舌が済ませた範囲と、人が入る範囲を、体の場所ではなく毛の深さで分けます。根元から毛先へ向かう順番と、深さで決める3つの習慣までを書きます。
毛先までしか届かない舌|猫のペルシャで毛玉の始まりを見るコツ
ペルシャの被毛は、猫のなかでもとくに長く伸びます。外側の上毛だけが長いのではなく、その内側にある下毛も一緒に長くなり、しかも密です。体の同じ面から、長い毛が二重に生えています。ペルシャの毛玉を考えるときは、まずここを出発点にしてください。手入れの回数の話に入るのは、そのあとです。
ペルシャも、起きている時間の多くを毛づくろいに使います。舌の表面には後ろを向いた小さな突起が並んでいて、これが櫛の歯の役をします。ただし、突起の丈はごく短いものです。短毛の猫なら、その丈だけで毛の根元まで櫛が入ります。ひとなめで毛の全長に手が入っている計算になります。
ペルシャでは、同じ舌が同じ丈のまま、何倍も長い毛を相手にします。舌が通せるのは、表面に出ている毛先の側だけです。根元に近いところは、その子がどれだけ熱心に毛づくろいをしても、はじめから届いていません。ペルシャの根元は、猫が手を抜いたから残っているのではなく、もともと人が代わる範囲です。
抜けた下毛は、外へ出るときに長い上毛のあいだを通り抜けなければなりません。ペルシャは通り道そのものが長いので、抜けた毛は根元の側に留まります。留まった毛どうしは、皮脂と静電気で少しずつ寄っていきます。寄って面になったものが、指で押すと弾力のある毛玉です。換毛期には、この量がまとまって増えます。
やっかいなのは、ここまでの過程が外から見えないことです。表面の毛先は舌がそろえているので、ペルシャの見た目はいつもどおり整っています。毛玉に気づくのは、たいてい抱き上げたときに指が引っかかった瞬間です。見た目がきれいなことは、根元まで通っている証明にはなりません。
- 上毛も下毛も長い:舌の突起の丈に対して、毛の長さが何倍もあります
- 下毛が密:抜けた毛が外へ出るまでに、それだけ時間がかかります
- 毛先はいつも整う:舌が届いている範囲なので、外からは変化が見えません
- 根元は最初から届かない:ペルシャの毛玉が根元から始まる理由です
- 乾く時期は静電気が加わる:寄った毛どうしが、いっそう離れにくくなります
ペルシャの被毛は量があります。ただ、毛玉の場所を決めているのは量ではなく、舌がどこまで下りていけるかという深さのほうです。量の話にすると、答えは毎回のブラッシングを長くする方向にしか向きません。深さの話にすると、答えは「舌が届かないところから先に入る」に変わります。かけた時間ではなく、手が届いた深さのほうを見てください。
深さの話をしたうえで、場所も書いておきます。ペルシャで毛玉が先に出るのは、脇の下、後ろ足のつけ根、耳のうしろ、しっぽのつけ根、おなかの側です。どれも、その子が体をひねらないと舌が届かない場所です。届きにくい場所と、届かない深さが重なったところに、最初の1個ができます。
地肌に近い1センチから|ペルシャの毛玉に手を入れる順番
手を入れる順番は、体の場所ではなく深さで決めます。根元に近いところから始めて、毛先で終わる。ペルシャではこの向きが逆になりやすく、毛先から長く通しているうちに、根元の毛玉を毛先のほうへ引っぱってしまいます。次の順で回してください。1か所あたり2〜3分で足ります。
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毛の流れと直角に指を差し込み、地肌の線を出す
上から押しつけるのではなく、毛を左右へ開いて、地肌の線が見えるところまで指を入れます。この線から上へ1センチが、その子の舌が一度も通っていない範囲です。ペルシャでは、ここが毎回の出発点になります。開いた線は、反対の手で押さえたまま保ってください。
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開いた線に沿って、根元の1センチだけを短く動かす
道具を毛先まで一気に通しません。開いた線のところで、短く、数回だけ動かします。毛玉があれば、この深さで指に伝わります。抵抗がなければ、その線はもう通っています。次の線へ移ってください。
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毛玉に当たったら、道具を置いて指で外側からゆるめる
毛玉に道具を入れて引くと、根元の毛と皮膚が一緒に引かれます。まず指で、毛玉の外側の毛を少しずつ引き出してください。ゆるめるのは中心からではなく、まわりからです。その日にほどききらなくて構いません。半分ゆるめば、翌日はずっと軽くなります。
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分ける線を1本ずつ上へ移して、同じことをくり返す
線を指1本ぶん上へ移し、また根元側だけを短く動かします。ペルシャは毛が長いので、1か所で3〜4本の線を作ることになります。層を下から順に積み上げていく、という進み方です。この段階では、まだ毛先に触れていません。
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最後に、根元から毛先まで一度だけ長く通す
根元側が通ってから、はじめて全長を通します。順番を守れば、この最後の1回で道具が止まりません。止まるなら、下の層にまだ残りがあるということです。毛先だけをくり返し通しても、根元は変わりません。
| 毛の深さ | その子の舌 | 人の手 |
|---|---|---|
| 毛先の側(外に出ている部分) | 毎日そろえています | ふだんは触らなくて足ります |
| 中ほど | 日によって届きます | 舌の跡がない日だけ |
| 根元から1センチ | はじめから届きません | 毎回ここから始めます |
| 地肌の面 | なめて濡らすことはあります | 線を開いて、目で見て確かめるだけ |
この表について、ひとつだけ補足します。ペルシャで人の手が要るのは、下から2段目までです。毛先の側は、その子がすでに済ませています。そこを重ねてとかしても、毛玉の数は変わりません。手をかけているのに毛玉が戻る、という時間の多くは、もう済んでいる範囲をもう一度なぞることに使われています。
道具は、歯の先が丸く、間隔にゆとりのあるコームが扱いやすいです。歯が細かいものは、根元の1センチで止まって進まなくなります。持つ角度は、地肌に対して垂直ではなく、開いた線と平行に寝かせます。垂直に立てると、先が地肌へ向かいます。ペルシャは毛が長いぶん、道具が立っていることに気づきにくいので、はじめのうちは意識して寝かせてください。
ペルシャには、長く体を伸ばして触らせてくれる時間が短い子もいます。1日で全身を回しきろうとしないほうが、翌日も続きます。今日は脇の下だけ、明日は後ろ足のつけ根だけ、で足ります。深さで区切ると1か所あたりの時間が短くなるので、途中で切り上げても線がそろった状態で終われます。
深さ・舌の跡・時期|ペルシャの毛玉を減らす3つの習慣の手順
ここからは毎日のケアの話です。3つの習慣を並べますが、決める場所がそれぞれ違います。1つ目は道具を持っているあいだに、2つ目は触る場所を選ぶときに、3つ目は季節が変わるときに決めます。同じ日に3つとも実行する必要はありません。ペルシャの毛玉で効いてくるのは、続いた日数のほうです。
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習慣1:深さの順番を、毎回同じにする
根元の1センチが先、毛先は最後。この向きだけは毎回固定します。順番を毎回考えないと決めてしまうと、疲れている日でも手が同じ動きをします。時間がない日は、線を1本だけ作って、そこで終わってください。根元から始めていれば、途中でやめても毛玉は育ちません。反対に、毛先から入って途中でやめた日は、毛先へ寄せた毛がそのまま残ります。
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習慣2:舌の跡があるかどうかで、今日さわる場所を選ぶ
毛づくろいのあと、舌が通った場所の毛先は流れがそろい、わずかに湿っています。その跡がある場所は、今日は後回しで構いません。跡が残らないのは、脇の下や後ろ足のつけ根のように、体をひねらないと届かない場所です。ペルシャでは、そこだけを人が回れば足ります。全身を均等に触るより、届いていない場所を選ぶほうが、同じ時間で先へ進みます。
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習慣3:静電気の出る時期だけ、道具の前に一手を足す
空気が乾く時期は、毛どうしが離れにくくなります。乾いた被毛にいきなり道具を入れると、静電気で毛先が広がり、根元の側で寄りやすくなります。この時期だけ、道具を持つ前に手のひらでうるおいを足してから触ります。濡らすのではなく、しっとりさせる程度で足ります。時期が過ぎたら、この一手は戻して構いません。換毛期には、うるおいではなく、線を作る回数のほうを増やします。
| 何を決めるか | 決める単位 | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 根元が先、毛先が最後という深さの順番 | 1回のブラッシングの中 |
| 習慣2 | 舌の跡が残っていない場所を選ぶこと | 1か所ごと |
| 習慣3 | うるおいを足す一手と、線を作る回数 | 1年の中。乾く時期と換毛期 |
皮脂についても書いておきます。根元に留まった毛が面になるのは、皮脂が毛どうしをまとめるからです。だからといって、洗う回数のほうで片づけようとしないでください。回数を増やせば、残しておきたいぶんの皮脂と、地肌のうるおいまで一緒に減っていきます。ペルシャは毛が長いぶん、乾かしきるまでの時間も長くなります。濡れたまま時間が過ぎると、被毛はかえって根元で寄ります。
線を作る前の一手に使っているのが、猫用の mofuwa グルーミングウォーターです。手のひらかコットンにとって、脇の下や後ろ足のつけ根のように舌が届かない場所を、毛の流れに沿ってなでます。根元の側の滑りがそろっていると、コームが1センチの層で止まらずに抜けます。容器がスプレーではなくチューチューボトルなので、押し出すときに音が出ません。ペルシャのように、体をひねらせて触らせてもらえる時間が短い子でも、音で立ち上がられないまま1か所ぶんを終えられます。猫は自分の毛をなめるので、なめる前提の水であることがここでは大きい。グルーミングウォーターは清涼飲料水の規格基準をクリアした水でできているので、量を控えずに1か所ぶんを行き渡らせられます。すでに固まっている面には、先に指でゆるめたところから入れてください。
指が止まる場所へ道具を上から強く入れると、抜けた毛ではなく、生えている毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。毛玉は1回でほどききらなくて構いません。外側の毛を少しずつ引き出して、ゆるんだぶんだけ外へ運ぶ。嫌がる、声を出す、体をひねって逃げるというときは、その日はそこで止めてください。翌日にもう1本ぶん線を作るほうが、同じ面を早く外せます。
舌が届く深さでは説明がつかない毛玉|ペルシャで手を止めるやり方
ここまでは、舌の届く深さで説明のつく毛玉の話でした。順番どおりに手を入れていても、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、ブラッシングのやり方の話として片づけないほうが安全です。
- 換毛期でもない時期に、根元が急に寄るようになった:季節の区切りと合わない変わり方です
- いつも同じ一か所だけが戻る:首輪、寝床の縁、キャリーの底など、毎日同じ場所を押さえているものを思い出してください
- 毛づくろいの時間そのものが減った:毛玉より先に、なぜなめなくなったかを見てください
- 同じ場所をなめ続けている、かんでいる:被毛の話ではなく、皮膚の話になっていることがあります
- 線を開いた地肌が赤い、フケが出る、においがある:湿った状態が続いた結果として起こることがあります
- 毛が根元から抜けて、地肌が広く見えている:抜けた量の話とは別に見てください
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、食欲や元気が落ちている。ひとつでも見つかったら、その場所と、気づいてから何日たったかを控えて、動物病院で地肌のほうを診てもらってください。ペルシャは毛先が舌でそろうので、表面だけを見ているかぎり変化が出てきません。線を開いて根元から始める手順は、そのあいだも止めずに続けてください。
相談やトリミングの前には、指が止まる場所、いつからか、その日に作った線の数の3つをメモしてください。この3つがあると、被毛の条件で説明のつく毛玉なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。ゆるめきれなかった面は、無理に触らずそのまま連れて行ってください。前の晩にまとめてゆるめてしまうと、どの深さで止まっていたのかが伝わりません。
ペルシャと暮らすうえで、毛が長いこと自体は変えられません。舌の突起の丈も変わりません。動かせるのは、舌が届かない深さに人の手が入っていない時間のほうです。根元の1センチから始めて、線を1本ずつ上へ移し、最後に一度だけ全長を通す。ペルシャの毛玉で減らせるのは、そこです。
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よくある質問
- ペルシャのブラッシングは、毎日全身をやったほうがいいですか?
- 全身でなくて構いません。舌の跡が残っている場所は、その子が済ませています。脇の下や後ろ足のつけ根のように、体をひねらないと届かない場所だけを1日1か所ずつ回るほうが、同じ時間で毛玉の数は減ります。大事なのは面積ではなく、根元まで手が入った日が続いているかどうかです。
- 毛先はきれいなのに、根元だけ毛玉になるのはなぜですか?
- 舌の突起の丈に対して、ペルシャの毛が長いからです。表面に出ている毛先は毎日そろえられますが、根元の側までは櫛が下りていきません。抜けた下毛がそこに留まり、皮脂と静電気で寄って面になります。表面が整っていることは、根元の状態を示していません。
- できてしまった毛玉は、はさみで切ってもいいですか?
- おすすめしません。毛玉は皮膚を引き上げた状態でできていることがあり、毛だけを切っているつもりで皮膚に届くことがあります。指で外側からゆるめて、それでも動かないときは、動物病院かトリマーに相談してください。無理に切ろうとした跡があると、状態の見分けもつきにくくなります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
