C12Q&A・豆知識
介護中のにおい対策は何が効く?
介護が始まって3か月、毎日体を拭いているのに、部屋に入った瞬間のにおいだけが戻ってきます。この状態で変わるのは、洗う回数を増やすことよりも、においの元になっているものが体のそばにある時間を短くすることのほうです。介護中の犬のにおいは、その子から出ているというより、その子の周りに溜まっています。寝床、排泄のまわり、食器。この3か所に、拭いたぶんのにおいが移って残ります。だから手を入れる順番は、体から始めるのではなく、体がいつも触れている物から始まります。この記事では、介護中のにおいについてよく出てくる疑問を、8つの問答に分けて書きます。
介護中のにおい対策は、何をすると変わりますか
介護に入ると、においの相談が急に増えます。手を入れて変わるのは、体を洗う回数よりも、においの元になっているものが体のそばにある時間の長さです。介護中の犬は、寝ている時間が長くなり、同じ面に体の同じ場所が触れ続けます。触れているあいだに、皮脂と水分がその面へ移ります。移ったものは、体を拭いても面の側に残ります。
見分けるときは、においが戻る速さで測ると早いです。拭いた直後だけ下がって、半日で元に戻るなら、においは体の側ではなく、体が触れている物の側に溜まっています。拭いてから2日3日と戻らないなら、そのときは体の側の話になります。介護のにおい対策は、この戻る速さを1回だけ測るところから始まります。
体は、洗うにも拭くにも、その子の負担がかかります。介護中はそこがいちばん増やしにくいところです。いっぽうで、寝床の布・排泄シートの下・食器の裏は、その子に触れずに替えられます。負担をかけずに動かせる場所から手を入れると、においの総量は動きます。体の側は、そのあとで足りないぶんだけやれば足ります。
介護の犬のにおいは、なぜ体を拭いても戻るのですか
戻る理由は、においの材料が毎日補充されているからです。介護中の犬は自分で寝返りを打つ回数が減り、体の下側と寝床の面が長く接します。接している面は空気が通らず、乾きません。湿ったところでは雑菌が増えやすいと言われていて、そこへ皮脂とたんぱく質が材料として乗ります。体を拭くのは、その材料を運んでいる側を拭いている作業で、材料が溜まった面のほうは動きません。
この分け方には、もう1つ使い道があります。体の側の話なら、拭いた翌日は下がったままになります。下がったままにならないのに拭く回数だけ増やすと、その子の負担が増えて、においは同じところに戻ります。介護中は、増やす前に「どちら側か」を決めるほうが、結果として手数が減ります。
季節でも変わります。空気が乾く時期は、面が乾くのが速いので戻りが遅くなります。湿度が高い時期は、同じ寝床でも半日で戻ることがあります。同じ介護でも、においの戻る速さは季節で入れ替わります。春と秋に一度ずつ測り直しておくと、その家の間隔が決まります。
においの出どころを知りたいとき、どこから嗅げばいいですか
順番があります。その子の体を最初に嗅ぐと、そのあとの基準がずれます。鼻は強いにおいに数十秒で慣れるので、いちばん濃いところから始めると、あとの差が分からなくなります。外から帰ってきた直後、まだ部屋の空気に慣れていないうちに始めるのが、いちばん精度が出ます。
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玄関を開けた瞬間の空気を、言葉にする
「甘い」「酸っぱい」「ツンとする」のどれに近いか、その場で書きます。この1行が、あとで比べるときの基準になります。外から入ってきた人にしか分からない情報なので、家族が帰ってきたときに聞いておくのも有効です。
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寝床の、いつも下になっている側に鼻を近づける
上面ではなく、床に接している側です。介護中はここがいちばん乾きにくい面になります。布をめくって、裏側の中央に鼻を寄せてください。
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排泄のまわりと、その先の床を嗅ぐ
シートの上ではなく、シートの縁の外側と、そこから1歩ぶん先の床です。踏んで運ばれたぶんは、この位置に残ります。
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食器と水入れの内側を嗅ぐ
洗ったつもりでも、内側のふちと、水面がいつも触れる線に残ります。乾かしきっていない器は、ここでにおいます。
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最後に、その子の体を嗅ぐ
口のまわり、耳の後ろ、尾のつけ根、体の下側の順です。ここまで来て初めて、体の側にどれだけあるかが比べられます。
5か所を1回通すと、たいていは1か所か2か所だけが強く出ます。強い順に上から2つだけ手を入れれば足ります。全部を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなり、次に戻ってきたときの判断ができなくなります。介護は長く続くので、次に使える情報を残す形で動くほうが、結果として楽になります。
寝床は、どのくらいの間隔で手を入れれば大丈夫ですか
間隔は面ごとに違います。洗う回数を増やすより、乾く時間を確保するほうが先です。洗ったばかりの布でも、乾ききらないまま敷けば、翌日には同じ状態に戻ります。介護中の寝床は、洗濯の回数ではなく、乾いている時間の合計で見ると管理しやすくなります。
| 面 | 溜まるもの | 手の入れ方と間隔 |
|---|---|---|
| 敷いている布の上面 | 抜け毛と皮脂 | 毎日、粘着ローラーか掃除機で表面を取る |
| 布の裏側 | 水分と体温のこもり | 1日1回めくって、空気を通す時間をつくる |
| 下に敷いたマット | しみ込んだ水分 | 2〜3日に1回、面ごと入れ替える |
| 床との接地面 | 乾ききらない湿り | 週に1回、床側も拭き取りをする |
| 予備の布 | 使い回しによる持ち越し | 2枚を交互に使い、完全に乾く1日をはさむ |
| 体を支えているクッション | 同じ位置への圧と皮脂 | 向きを変えて、当たる面をずらす |
介護中の犬は、寝床から動かない時間が長くなります。だから、同じ面が何時間続けて体に触れていたかが、そのまま溜まる量になります。体位を変えるたびに、その面だけを見る。この一手を入れておくと、においが強くなる前に気づけます。介護のにおいは、強くなってから動かすより、面を替えるきっかけを日課の中に置くほうが手数が少なくて済みます。
換気は、においを外へ出すためというより、面が乾く時間をつくるために置きます。窓を2か所開けて、空気が通り抜ける道をつくると、めくった布は短時間で乾きます。冬でも、5分だけ通せば布の裏は変わります。換気は空気を入れ替える作業ではなく、面を乾かす作業だと考えると、時間の取り方が決まります。
排泄のまわりで、拭き取りはどこまでやればいいですか
範囲は、目に見える汚れの1歩外までです。介護中の犬は、その子が自分で体勢を保てなくなるぶん、体と床の両方に広がります。体だけ、あるいは床だけを拭いていると、拭いていない側から戻ります。順番は体の側からで、そのあとに床へ移ります。逆にすると、拭いた床を体が踏み直します。
- 内もも:座った姿勢のまま出したときに、いちばん先に触れます
- 尾のつけ根と尾の下側:毛が密で、乾くのに時間がかかります
- 後ろ足の先と指のあいだ:踏んで運ぶ側です。ここが残ると床へ戻ります
- シートの縁の外側:シートの上より、はみ出した縁のほうが残ります
- そこから1歩ぶん先の床:足で運ばれる範囲です。見た目には何もありません
- 壁の低い位置:立ったまま出す子では、床だけ拭いても残ります
拭き取りは、範囲を広げるより回数を分けるほうが続きます。1回で全部やろうとすると、その子を長く動かすことになり、次の回が遅れます。体の側を30秒、床の側を30秒。2回に割って、あいだに休みを入れるほうが、介護中は1日の合計回数が増えます。回数が増えれば、におうものが体のそばにある時間はそれだけ短くなります。
拭いたあとに乾かす工程を飛ばさないでください。濡れたまま毛を寝かせておくと、拭く前より戻りが速くなります。乾いた布でもう一度なでるか、風の通る側に体を向けるだけで足ります。介護のにおいで手が止まりやすいのは、この最後の10秒です。
介護の食器がにおいに関わるとは、どういうことですか
介護に入ると、犬の食べる姿勢が変わります。伏せたまま、あるいは支えられたまま食べると、口のまわりと前足に食べ物が残る時間が長くなります。残ったものは、そのまま寝床へ運ばれます。食器そのものがにおうという話ではなく、食器のまわりで起きていることが、寝床のにおいの材料になっているという話です。
- 器の内側のふち:スポンジが届きにくく、薄い膜が残ります
- 水入れの、水面がいつも触れる線:ぬめりが出るのはここからです
- 器を置いているマットの裏:こぼれたぶんが下へ回り込みます
- 口のまわりの毛:食べ終わってから拭くまでの時間がそのまま残ります
- 前足の甲:支えるときに口が触れる位置です。見落としやすいところです
- 食器を洗ったあとの、乾かす時間:濡れたまま重ねると、翌日に戻ります
やることは1つです。1日1回、器と水入れを洗って、完全に乾かしてから戻す。洗う回数を増やすより、乾かす時間をつくるほうが変わります。2組を交互に使えば、乾かす時間は自然に確保できます。介護中は手が足りなくなるので、増やす工夫より、待たなくていい形にしておくほうが続きます。
食後の口まわりは、その場で拭いてください。食べ終わった直後の30秒と、10分後では、落ちやすさが変わります。乾いてからでは毛に絡み、そのぶん強くこすることになります。介護中の犬は皮膚が薄くなっていることがあるので、強くこする回数は減らしておきたいところです。
香りで上書きする消臭は、介護中の対策として使えますか
使い分けの話になります。介護中の犬がいる部屋では、なおさら分けて考える必要があります。香りを足す方法と、においの元に働きかける方法は、やっていることが違います。これを置いておけば介護のにおいは消えますという言い方は、どちらの方法についても成り立ちません。何をしているかを分けて見ておくと、どの場面でどれを使うかが決まります。
| 方法 | 何をしているか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 香りを足す | 別のにおいを重ねて、感じ方を変える | 来客の直前など、短い時間だけ |
| においの元に働きかける | においのもとになる成分に反応させる | 面に残って動かないにおい |
| 面ごと取り除く | 洗う、替える、外へ出す | いちばん確実。時間と手が要る |
| 薄める(換気) | 空気を入れ替えて濃度を下げる | 毎日、朝と夕方の数分 |
| 湿りを切る | 乾く時間をつくって、増える条件を外す | 寝床と排泄まわり |
介護中に困るのは、この2つが混ざることです。来客のときだけ短く下げたい場面と、毎日の生活で下げておきたい場面は、必要な手が違います。前者は香りを重ねる方法でも間に合いますが、後者では面を替えるほうが早く終わります。対策の順番は、面を替える → 元に働きかける → 香りを足す、の順で組むと戻りにくくなります。
香りを足す方法には、もう1つ気をつける点があります。その子の鼻は、人の鼻よりずっと敏感だとされています。人が心地よいと感じる濃さでも、その子には強すぎることがあります。使うなら、その子がいる部屋ではなく、いない部屋に短時間だけ。そして、その子が横になる面には直接かけない。介護中は、においから逃げる場所へ自分で移動できないので、ここは人の側で決めておく必要があります。
商品を選ぶときに家で確かめられるのは、香料の有無と、どこに使うものとして書かれているかの2つです。床用と書かれているものを、その子が舐める位置に使わない。用途の表示がないものは、寝床のまわりでは使わない。介護のにおい対策は、届く範囲より先に、その子が触れる範囲のほうで決めます。
介護の犬のにおいを、3つの時間に畳む
ここまでを畳みます。介護中のにおいで見ているのは、長さの違う3つの時間だけです。
| 時間 | 中身 | 短くする手 |
|---|---|---|
| 触れている時間 | 体と面が接している長さ | 体位を変えるたびに、その面を見る |
| 湿っている時間 | 面が乾くまでの長さ | 1日1回めくって、空気を通す |
| 溜めている時間 | 面を替えるまでの間隔 | 2枚を交互に使い、乾く1日をはさむ |
この3つが短くなると、体を洗う回数を増やさなくても、部屋に入った瞬間のにおいは変わります。介護は期間が読めないので、増やす手より、減らせる手を先に決めておくほうが続きます。寝床・排泄まわり・食器の3か所は、その子に触れずに動かせる場所です。手が足りない日は、ここだけでも構いません。
体の側は、洗える回そのものが少なくなります。介護中の1回は、寝かせたままか、支えたままです。体の下側と脇と内股は、いちばん泡が残りやすく、いちばん乾きにくい場所になります。ここに泡が残ると、上の表でいう「湿っている時間」が、面ではなくその子の体の側で何日か続くことになります。mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分の量そのものを抑えたアミノ酸系の処方です。落としすぎないので洗い上がりがごわつかず、そのあとにトリートメントを重ねる工程が要りません。工程が1つ減れば、支えている時間も、その子が浴室で耐える時間も、それだけ短くなります。減っているのは人の手間だけではありません。舐めてしまっても基本的には問題ない処方ですが、大量に飲んだ場合は獣医師にご相談ください。洗った日は、寝床へ戻す前に体の下側だけ手で押さえて、湿りが残っていないかを確かめてください。
数日のうちに急ににおいが強くなった、甘いにおい・すっぱいにおいなど質そのものが変わった、口のまわりや耳から出ている、同じ場所を舐め続けている、地肌が赤い、食べる量や水を飲む量が変わった。こうした変化があるときは、寝床や掃除のやり方を変える前に動物病院にご相談ください。介護中は、においの変化が体の側からのサインとして出ていることがあり、家では切り分けられません。いつから、どこが、どんなにおいかを書いたメモがあれば、そのまま持っていってください。
最後に、いちばん大事なところをもう一度書きます。介護中のにおいは、その子から出ているというより、その子の周りに溜まっています。だから、その子を追いかけて拭く回数を増やしても、においは同じ速さで戻ります。手を入れる場所は、体がいつも触れている面のほうです。においを消そうとするより、におうものが体のそばにある時間を短くする。介護の犬と暮らす毎日で、この置き換えができると、手数を増やさずに部屋の空気が変わります。
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mofuwa モイストシャンプー
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
