C09シーン別・暮らし
子どものいる家庭を楽にする、シニア猫と暮らす人の毎日の習慣
6歳の子どもが、17歳になる老猫の背中に手を置いたまま「この猫、ずっとこうだよ」と言いました。その子が生まれた年、猫はもう14歳でした。カーテンレールまで登った姿も、廊下を走る音も、子どもは一度も見ていません。だから遊びに誘おうとしませんし、動かないことを気にもしません。こちらは同じ猫の10年前を覚えているので、寝ている時間の長さがそのまま気がかりになります。同じ1日を見ていて、大人と子どもで読み方が割れます。そして、いまのこの子の体に合っているのは、子どもの読み方のほうでした。この記事は、子どもとペットの安全を、大人が子どもの側から組み直していった話です。
「この猫、ずっとこうだよ」と6歳が言いました|子どもと老猫の毎日に出た経験
日曜の午後、子どもは床に座って、老猫の背中に手を置いています。なでるでもなく、抱えるでもなく、ただ手を置いたまま5分ほど。猫は目を細めて、途中で一度だけ姿勢を変えました。その5分のあいだ、子どもは一度も猫を誘っていません。おもちゃを取りに行きませんし、名前を呼んで走らせようともしません。この家では、それが子どもと老猫のいつもの過ごし方になっています。
同じ場面を見ているこちらの頭には、別のものが浮かびます。この猫は7歳のころ、カーテンレールまで登っていました。廊下を走る音で目が覚める朝もありました。10年前の姿を覚えているせいで、いまの静けさが「減ったもの」として見えます。寝ている時間が長い、遊ばない、呼んでも来ない。老猫と暮らしていると、この数え方が自然に始まります。
子どもには、その10年前がありません。この子が生まれた年、猫はもう14歳でした。子どもが知っている猫は、最初から静かに過ごす猫です。だから「動かなくなった」という言い方が出てきません。動かないのではなく、そういう猫だと思っている。ペットの基準が、いまのその子の姿そのものに置かれています。
- 大人が数えているもの:走らなくなった、跳ばなくなった、呼んでも来なくなった、寝ている時間が伸びた
- 子どもが数えているもの:今日どこにいたか、手を置いたら目を細めたか、途中で立ち上がったか
- 大人が使う言葉:前は/もっと/だんだん。時間の幅が10年になっています
- 子どもが使う言葉:いま/さっき/今日。時間の幅がその日のうちに収まっています
- 大人が誘う回数:おもちゃを見せる、名前を呼ぶ、抱き上げて連れてくる。1日に何度か
- 子どもが誘う回数:ゼロ。猫がいる場所へ自分が移動して、そこに座ります
3週間ほど手帳に書いてみて、はっきりしたことがあります。この家で老猫にいちばん長く触れているのは、子どものほうでした。大人が触るのは、ブラシをかける数分と、口のまわりを拭く1分。合わせて5分あるかどうかです。子どもは、猫が寝ている場所へ移動して手を置くだけなので、1日に20分を超える日もありました。誘わないので猫が逃げず、逃げないので時間が伸びる。ペットの側から見ると、この差はかなり大きいものでした。
10年前と比べる目は、この家で老猫を守ってきた目です。去年より水を飲む量が増えた、階段を使わなくなった。こうした変化に気づけるのは、前を知っている側だけです。子どもにはその比較ができません。この記事で入れ替えるのは、気づく役ではなく、触るときの手つきのほうです。比べる目は大人が持ったまま、触る手だけを子どもの側に寄せます。
誘う大人と、誘わない子ども|老猫の見え方が家族のなかで割れる背景
見え方が割れるのは、基準を置いている場所が違うからです。大人は、その猫がいちばんよく動いていたころを基準の位置に置いています。そこから下がった分だけが「変化」として見える。子どもは、自分が見はじめた日を基準の位置に置いています。基準そのものが、いまの姿と同じ高さにあります。だから子どもの目には、この猫は増えても減ってもいません。
老猫の変化がゆっくり進むことも、この差を広げています。1週間では分かりません。半年でも、はっきりとは分かりません。1年ごとに少しずつ下がっていくので、10年前を覚えている側だけが積み上がった差を見ることになります。大人が感じている落差は、10年ぶんまとめて計上された数字です。その落差を今日の1日にぶつけると、今日のその子には重すぎる要求になります。
| 場面 | 大人の読み方 | 子どもの読み方 |
|---|---|---|
| 昼間ずっと寝ている | 寝ている時間が去年より伸びた | いつもの場所にいる |
| 名前を呼んでも来ない | 耳が遠くなったのかもしれない | こっちが行けばいい |
| おもちゃに反応しない | 遊ばなくなった | この猫は遊ぶ猫ではない |
| 高いところへ上がらない | 跳べなくなった | 上には行かない猫 |
| なでると途中で離れる | 触られるのが嫌になった | そこまでで終わり |
| 毛づくろいが減った | 自分でできる範囲が狭くなった | 背中はこっちがさわる |
右の列を並べると、子どもは老猫に何も求めていないことが分かります。求めていないので、猫の側に「応えなければいけない場面」が発生しません。大人の読み方は左の列で、どれも観察としては正確です。ただ、正確な観察の直後に「じゃあ動かしてみよう」という手が出ます。誘って、呼んで、おもちゃを見せて、抱き上げて連れてくる。老猫にとっては、その一連が体力を使う場面になります。
子どもとペットの安全を考えるとき、この家ではまず「どちらの手つきが、いまのこの子の体力の範囲に収まっているか」を見ました。子どもの手つきは、猫が自分のいる場所から動かなくても成立します。大人の手つきは、猫が移動するか、姿勢を変えるかしないと成立しません。安全という言葉をここでは、成分の話としてではなく、その子が受け取る負担の量として使っています。成分の側の話は、この記事の後半で根拠ごと書きます。
この年齢の猫がどれだけ長く生きてきたか、昔はどう動いていたか。伝えたくなりますが、子どもがいま持っている見方を上書きすると、「本当はもっと動けるはずの猫」という前提が子どもの側にも入ります。そうなると、子どもも猫を誘い始めます。昔の話は、写真を見ながらするくらいでちょうどよいと考えました。触るときの前提は、いまの姿のままにしておきます。
動いた時間ではなく休めた時間で数える理由|子どもとペットの安全を、いまの体力から決める
手帳の書き方を1つ変えました。それまでは「今日どれだけ動いたか」を書いていました。階段を上ったか、窓辺まで行ったか、こちらが呼んで来たか。書けば書くほど、少ない日が悪い日になります。書き方を「今日どれだけまとまって休めたか」に変えると、同じ1日の見え方が入れ替わりました。3時間続けて寝られた日は、こちらが誘わなかった日です。
右の欄で書くと、こちらの誘いが「起こした回数」として記録されます。1日に4回呼んでいた週は、まとまって休めた時間がいちばん短い週でした。子どもが猫のそばへ移動して手を置くだけの時間は、この欄では起こした回数に入りません。猫が動かなくても成立する触り方だからです。老猫の1日を組み立て直すとき、この差が使えました。
そこで、大人の側の手つきを3つだけ子どもに寄せました。誘わない、呼ばない、こちらが移動する。ブラシをかけるときも、猫を連れてくるのをやめて、猫が寝ている場所の横に座るようにしました。ペットのケアとしてやることは同じでも、始まり方が変わります。老猫にとっては、姿勢を変えずに始まって、姿勢を変えずに終わるケアになりました。
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猫がいる場所へ、こちらが動く
抱き上げて連れてこない、というだけの話です。子どもは最初からこうしています。移動の1回ぶんが、老猫の側から丸ごと消えます。寝床の横に座ると、猫が姿勢を変えないままケアが始められます。床に座るのがつらいときは、寝床のほうを椅子の高さに合わせて置き直しました。
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手を置いてから、動かすまでに10秒あける
子どもは手を置いたまま何もしない時間が長く、猫はそのあいだに目を細めます。大人はすぐ動かします。10秒あけると、猫が離れるかどうかがその場で分かります。離れたら、その日はそこで終わりにします。老猫では、始めた以上やりきるという進め方が負担になります。
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1回にさわる場所を1か所に決める
あごの下だけ、背中の真ん中だけ、尾のつけ根だけ。子どもが手を置くのはいつも背中で、場所を移しません。1回1か所にすると、1回あたりの時間が1分前後で収まります。老猫が自分で毛づくろいできなくなっている場所を、曜日で割り振っておくと足ります。
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終わりを、猫の動きで決める
こちらが決めた回数まで続けるのをやめました。姿勢を変えた、耳が動いた、尾の先が振れた。この3つのどれかが出たら終わりです。子どもは説明しなくてもこれをやっていました。反応が出たら手を離して、そのまま座っています。老猫の受け入れる量は日によって違うので、日ごとに決めるほうが合っています。
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誘いたくなった日は、写真を見る
動いていたころを思い出したくなる日はあります。そのときは、猫を呼ぶ代わりに10年前の写真を出しました。思い出す場所を、いまのその子の体から切り離しておきます。子どもも写真は喜んで見ますが、見たあとで猫を走らせようとはしませんでした。
この家で子どもに新しく伝えたことは、ほとんどありません。伝えたのは「その置き方でいいよ」の一言だけです。手を置く場所も、置いている時間も、離すタイミングも、すでにその子の体に合っていました。子どもとペットの安全のために言葉を増やすと、子どもの側の手つきが硬くなります。やり方を足すより、いまやっていることを認める一言のほうが、老猫の側では続きました。
大人が子どもの見方を借りる考え方|老猫と子どもがいる家で、足すものと足さないものを分ける
3か月続けてみて、家の中に残ったものは3つです。1つめは、猫を呼ぶ回数が1日4回から0回になったこと。2つめは、ブラシと拭き取りを寝床の横でやるようになったこと。3つめは、手帳の欄が「休めた時間」に替わったままだということ。やることを増やしたわけではなく、始め方を子どもの側にそろえただけです。老猫の側では、まとまって休めた時間の平均が3週間で40分ほど伸びました。
そのうえで、足すものを1つだけ決めました。表の右の列に「背中はこっちがさわる」という子どもの言い方がありましたが、足すものを置くのは、その欄です。あごの下と背中の真ん中は、この猫が何年か前に自分でやるのをやめた場所でした。mofuwa スキンケアミストは成分を足していない水そのもので、あごの下から背中の真ん中まで、同じものを続けられます。猫に向けては吹かず、こちらの手のひらに出してから指先で当てます。噴射の音で目を開けさせないためで、手に出す1回ぶんは、背中の真ん中なら1分で終わります。姿勢を変えずに始まって、姿勢を変えずに終わる、という3つ目の条件に、これがいちばん収まりました。
同じ床に子どもがいる家では、足すものの中身を説明できるかどうかが条件になります。安全という言葉を根拠なしに使いたくないので、数字の出どころだけ書いておきます。原料は電解水で、三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくられたものです。電解槽が3つの部屋に分かれる構造のため、電解質に由来する不純物が水に入りません。そのため清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。飲みものとして扱うという意味ではなく、成分がどの基準に照らして確かめられているかを示す一文です。
| 見たところ | 確かめられていること | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 規格基準 | 清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられていること | 飲用として扱う意味ではありません |
| 試験条件と検査機関 | 定められた試験条件で、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかったこと(江東微生物研究所ほかの検査機関) | その条件下での結果であり、家の中で同じになるとは限りません |
| 浸透 | 精製水と比べた浸透の試験で35倍という測定があること | 浸透しやすさと、体に起こることは別の話です |
| 構造 | 電解槽が3室に分かれ、電解質由来の不純物が電解水に入らないこと | 規格基準をクリアできる前提にあたります |
表の右の列を落とさないでください。試験条件と検査機関の名前が併記されているかどうかが、安全をどこまで確かめられるかの分かれ目になります。条件のない数字は、いつでもそうなると読まれてしまいます。子どもとペットの安全の話で、この家が言えるのはここまでです。「安全です」と言い切る書き方はせず、何を根拠にそう考えているかを開いておく。判断の材料を持つのは、読んだ側でいいと考えています。
家の側の線引きも、成分とは別に決めています。ボトルは子どもの手が届かない棚に置く、使うのは大人だけ、子どもがやるのは手を置くところまで。成分の根拠と、家の中の置き場所は、別々に決めるものです。片方だけでは回りません。子どもがいる家では、後者を決めていないと、成分をいくら読んでも毎日の場面では使えません。
いまの姿を基準にする読み方には、弱いところが1つあります。ゆっくり進む変化を、変化として拾えません。水を飲む量が増えた、食べる量が落ちた、体重が減っている、同じ場所をなめ続けている、触ると声を出す、隠れて出てこない、毛づくろいが急に止まった。こうした変化は、前を知っている大人の側にしか見えません。いずれかが続いているときは、ケアの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。老猫では、年齢のせいに見える変わり方の中に、別の理由が混じっていることがあります。迷ったときは、早いほうを選んで構いません。
整理すると、この家で入れ替えたのは触る手つきだけです。気づく役は大人が持ったまま、触るときの始め方を子どもの側にそろえました。子どもは老猫の昔を知らないまま、いまのその子に合った距離を最初から取っていました。大人はその距離を、10年ぶんの記憶ごしに見ていたので、少しずつ近づけすぎていたのだと思います。子どもとペットの安全を、成分の根拠と家の中の置き場所の2つで決めたうえで、触り方の見本は子どもから借りる。老猫と暮らす家では、この分け方がいちばん長く続きました。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
