C08季節・行事

運び出しの日は玄関が開きっぱなしになる|朝・昼・夜で置き場所を変える

公開日 2026年3月5日|文=mofuwa編集部

荷物のない明るい部屋で、木のケージのそばに静かに伏せている淡い色の犬
その日いちばん長く扉が開いているのは玄関で、次に長いのはケージの扉です。写真:Impact Dog Crates/Pexels

運び出しが始まってから玄関の扉が閉まるまで、旧居で2時間40分、新居で1時間20分、扉は開いたままでした。合わせて4時間、家の内と外の境目がない状態が続きます。引越し当日にケージをどこへ置くかは、その4時間のどこにいるかで変わります。置き場所は朝・昼・夜の3回、動かします。1か所に決めて動かさずにいると、扉が開いている時間帯に、ケージだけが人と荷物の通り道の横に取り残されます。この記事では、玄関の扉が開いている分数と、玄関から隔てている扉の枚数という2つの数で、当日の置き場所を決めていきます。

玄関が開いている時間を分で数える|引越し当日にケージを置く前のコツ

引越し当日に玄関が開く時間は、1回ではなく2回あります。旧居で運び出しているあいだと、新居で運び入れているあいだです。合計すると3〜4時間になり、そのあいだ、室内の温度も音もにおいも外とつながったままになります。この時期の引越しは年度の変わり目に日取りが集中するので、作業の開始が前後することも珍しくありません。時刻で置き場所を決めておくと、午前の便が押した日に予定ごと崩れます。決め方は時刻ではなく、作業の段階です。

置き場所を測る単位も決めておきます。部屋の広さや畳の数ではなく、玄関からその部屋まで、扉を何枚隔てているかで数えます。扉1枚を隔てるごとに、台車の音も、人の声も、外の空気も一段弱まります。ケージを置くのは、その日いちばん多く扉を隔てられる部屋です。広い部屋より、閉められる扉が1枚多い部屋のほうが、当日は条件がよくなります。

引越し当日の3つの段階と、そのときの玄関とケージ
段階玄関の扉人の動線ケージの置き場所
朝・運び出しの前まだ閉まっている家の中だけを回る最後に空ける部屋。扉は閉める
昼・運び出しの最中開いたまま2〜3時間各部屋から玄関へ一直線同じ部屋の、玄関から見えない向き
夕・積み込みのあと閉める直前に1回だけ開く最後の確認で全部屋を通る車へ移す。ここが移動の開始
夜・新居に着いてからまた1〜2時間開く玄関から各部屋へ広がる玄関からいちばん遠い部屋
翌朝通常どおり荷ほどきで室内を移動置き場所を固定して動かさない
当日、扉が開いている時間の並び 玄関が開いている時間は旧居と新居の2回に分かれ、そのあいだにケージの置き場所を3回動かします。時刻ではなく、作業がどこまで進んだかで区切ります。 作業の開始が前後しても、この順番は変わりません 朝 運び出しの前 最後に空ける部屋へ移す 昼 玄関が開いたまま 扉を1枚多く隔てる向きに置く 夕 積み込みの完了 車へ移し、移動が始まる 夜 新居に着いてから 床を拭いてから下ろす
見るのは時計ではなく、荷物がどこまで出たかです。

外の空気がまだ冷たい時期なので、玄関が開いているあいだは、玄関に近い部屋から順に室温が下がります。暖房を入れていても、扉が開いたままでは室内の温度は保てません。ケージを玄関から遠ざけるのは、音から遠ざけるためだけではなく、温度の落ちにくい側へ寄せるためでもあります。当日に測るものが2つあるとすれば、扉が開いている分数と、その部屋が玄関から何枚目かです。

朝・昼・夜で置き場所を3回変える|引越し当日のケージの手順

手順は5つです。前の週に一度だけ動かす練習をして、当日は朝・昼・夜の3回、置き場所を変えます。動かす回数を減らそうとして1か所に固定すると、その1か所が、玄関が開いている時間帯に人の通り道へ変わります。

  1. 前の週|当日に使う部屋へ、一度だけ置いてみる

    引越し当日が、その部屋に入る初めての日にならないようにします。ケージごと運び、30分だけ置いて、また元へ戻します。これを1回やっておくと、当日その部屋へ移したときに、その子の側で確かめることが1つ減ります。前の週にやるのは1回で足ります。毎日やると、置き場所が動くこと自体が普通になってしまい、当日の移動が合図として働かなくなります。

  2. 朝|最後に空ける1部屋を決めて、そこへ移す

    作業の手が最後に入る部屋を、業者との打ち合わせで1つ決めておきます。扉が閉められる部屋にしてください。朝のうちにケージをその部屋へ移し、扉を閉めて、外側に「ここは最後」と紙を貼ります。ケージの中には、使っていた布を1枚だけ入れます。洗ったばかりのものは入れません。その子にとって、自分のにおいがついた布が1枚あるかどうかで、閉めた部屋の意味が変わります。

  3. 昼|玄関から見えない向きへ、同じ部屋の中で回す

    運び出しが始まって玄関が開いたら、ケージの正面が扉のほうを向かないように、同じ部屋の中で向きを変えます。動かすのは向きだけで、部屋は変えません。様子を見に入る回数は、あらかじめ決めておきます。2時間に1回で十分です。入るたびに部屋の扉が開き、そのたびに玄関から入ってきた音と外の空気が一緒に届きます。

  4. 夕|積み込みが終わってから、車へ移す

    家具が全部出てから移します。空になった部屋は音の響き方が変わるので、先に出して待たせると、そこで落ち着かなくなります。車までの移動は、いちばん短い経路で一度に済ませます。移動中は、ケージやキャリーの扉が確実に閉まっていることだけを確認します。

  5. 夜|新居では、玄関からいちばん遠い部屋へ下ろす

    着いてすぐ下ろさず、先に置く場所の床を拭きます。拭いてから下ろし、そのあとで扉を開けます。新居では、家具がまだ少ないぶん音が響きます。扉を閉められる部屋が1つあれば、その日はそこで足ります。荷ほどきは翌日からで問題ありません。

新居でケージを下ろす前に床を拭くのは、その床が誰の生活のあとかが分からないからです。前の住人の暮らしと、内見のときの靴と、当日入った作業の靴と、台車の車輪が、同じ面を通っています。ケージの下になる床は、その子がその夜いちばん長く鼻を近づける面です。柵の下、トレーの縁、扉の内側も、口が当たる場所なので一緒に拭いておきます。

ここで使うのは mofuwa 瞬間消臭スプレーです。中身は電解水だけで、香りは足していません。柵や床に吹いたものを舐める動物がいる、という前提のほうから成分が決まっている1本なので、口が当たる柵の内側でも、場所を選ばずに拭けます。犬猫を預かる施設でも、ケージと床の手入れに使われています。

香りを足していないことは、新居に着いた夜にそのまま効いてきます。その子はその日、旧居のにおいを失ったばかりです。着いた先の床に人の側から香りを1つ加えると、確かめる対象がもう1つ増えます。拭いたあとの床に、その子の知らないにおいが残らないほうが、その夜の仕事は少なくて済みます。瞬間消臭スプレーを、新居の玄関ではなくケージを置いた部屋の側に置いておくと、翌朝からの拭き取りも同じ場所で続きます。

当日になって初めて動かす|引越し当日のケージでつまずく3つの順番

つまずくのは、置き場所そのものより、動かす順番です。当日の流れは業者の作業に合わせて進むので、こちらの都合で戻せません。次の3つは、順番を1つ入れ替えるだけで避けられます。

3つに共通しているのは、こちらが先に動いていることです。引越し当日は人の側の段取りが詰まっているので、その子の側の時間を待つ余裕がなくなります。待てないことを見越して、待つ長さを前の日に決めておきます。朝の移動は作業開始の何分前か、昼に見に行くのは何時間おきか、夜に扉を開けるのは床を拭いてからか。この3つを紙に書いておけば、当日は読むだけで済みます。

落ち着いたかどうかの目安も、見た目では決めません。伏せているから落ち着いている、とは限らない日です。見るのは水を飲んだ回数にします。新居に着いてから翌朝までに1回でも飲んでいれば、その子の側で室内の状態が一段進んでいます。水の器は、ケージの中か、ケージを置いた部屋の中に置いてください。

Caution着いてから24時間の、水と排泄の数

新居に着いてから24時間、水を1回も飲んでいない/同じ24時間で排泄が1回もない/ケージの奥から出ない日が3日続く/息の速い状態が、玄関を閉めて静かになったあとも戻らない/前日までなかった下痢やよだれが続いている。これは当日の環境の話では追いつきません。扉が開いていた時間と、置き場所を変えた回数、水を飲んだ回数を書いた紙を持って、翌日の午前のうちに動物病院へ電話を入れてください。引越しの前後の数字は、その日を過ぎると思い出せなくなります。

扉を開けたままにする日|引越し当日のあとにケージを毎日へ戻すやり方

翌日からは、置き場所をもう動かしません。当日は3回動かしましたが、それは玄関が開いていたからです。玄関が普通に閉まる日に戻ったら、ケージは1か所に据えて、そこを毎日の場所にします。動かす回数が多いままだと、その子は落ち着く先を決められません。

新居に着いた翌日から1週間で戻していくもの
日ケージの扉拭く場所見ておく数
1日目開けたままにするケージの下の床と柵水を飲んだ回数
2〜3日目開けたまま。中に布を戻す床と、食器の下眠っていた時間の長さ
4〜7日目その子が自分で出入りする帰宅後に床の3か所だけ出入りの回数

拭く場所も、当日のように家じゅうではなくなります。帰宅後の5分で、ケージの下の床と、食器の下と、寝床のまわりの3か所。荷ほどきの最中はほこりが立つので、この3か所だけは毎日続けておくと、室内のにおいが上がってくる前に区切りがつきます。においは床にたまってから気づくので、数を減らしてでも毎日やるほうが先に効きます。

今日やっておけるのは、前の週の練習をいつやるかを決めて、カレンダーに1行書くことだけです。当日の朝に動かす部屋と、夜に下ろす部屋が決まっていれば、あとは作業の段階に合わせて紙を読むだけになります。引越しの日に、その子の側で新しく増えるのは、閉まった扉が1枚と、拭いたばかりの床が1面です。

Product

mofuwa 瞬間消臭スプレー

mofuwa 瞬間消臭スプレー

500ml / 2,420円(税込)

香りでマスキングせず、においの元に働きかける無香料タイプ。舐めても安心な処方なので、床や家具にも場所を選ばず使えます。

商品ページを見る

よくある質問

当日、ペットホテルや実家へ預けたほうが、その子にとっては楽ではないですか。
預ける先で過ごした時間のぶん、新居に入るのが1日遅れます。その1日で家具の配置が決まり、床のにおいも人の手で書き換わるので、あとから入ると、その子だけが知らない部屋が出来上がります。預けるなら、当日の昼だけにして、夜は一緒に新居へ入るのが無理のない形です。どうしても翌日以降になるときは、ケージと布を先に新居へ置いておき、その子が来る前にケージの下の床を拭いておきます。帰ってきた場所に自分のにおいのする布があるほうが、確かめる手間が減ります。
ケージに入れず、キャリーで移動させてもいいですか。
移動の時間で決めます。車で30分以内ならキャリーで足ります。1時間を超えるなら、姿勢を変えられる大きさのほうが体は楽です。どちらを使うにしても、当日の朝に初めて出さないでください。前の週に部屋へ置いておき、扉を開けたまま中で休める状態にしておきます。当日に出す物が、その日に初めて見る物にならないようにするのが、移動の手段より先に効きます。
新居の床は、入居前の清掃が済んでいます。それでも拭く必要がありますか。
清掃の目的と、その子が床に接する形は別のものです。人の目で見てきれいな床でも、その子は鼻を近づけ、前足を置き、そのあと前足を舐めます。ケージの下になる面と、柵の内側だけは、下ろす前に一度拭いておいてください。範囲はケージの底面と、その外側20センチで足ります。家具がまだ入っていない夜のうちなら、拭ける面が広く取れます。翌日以降は、帰宅後の3か所だけに減らして構いません。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。