C09シーン別・暮らし
ソファとカーペット、保護犬・保護猫を迎えた人はどうしている?
迎える前の週末に、ソファカバーとベッドとケージと、カーペット用の粘着ローラーを買いそろえました。置き場所も決めて、当日の朝には全部セットしてあります。ところが、その子が3日たっても使ったものは1つもありませんでした。保護犬・保護猫を迎えた家でよくあるのは、この「用意したのに使われない」という時間です。実際にいたのは、テレビ台と壁のあいだ、カーペットの隅の30センチ四方でした。1週間たっても、ソファには毛が1本も落ちていません。保護犬・保護猫は、触られることに慣れていない子が多く、その子の許容がこちらの段取りより先にあります。この記事では、先に用意するのをやめて、その子が選んだ場所をあとから整えるという順番で、ソファとカーペットの毛の手当てを5つの手順に分けます。
迎えて1週間、ソファは空いたままカーペットの隅だけが温かい|保護犬・保護猫を迎えた家で決める順番
用意したものを並べます。ソファに掛ける洗える布のカバー、床に置くベッド、扉を開けたままのケージ、カーペット用の粘着ローラー、それに食器と水の器。置き場所も、迎える前の日に全部決めてありました。ソファは家族が集まる場所なので、その子もそこに来るだろうと思って、カバーはいちばん先に買っています。実際に3日たって使われていたのは、水の器だけでした。
その子がいたのは、テレビ台と壁のあいだです。カーペットの端が壁に当たっている角で、広さは30センチ四方くらい。ベッドからは2メートル、ソファからは3メートル離れています。壁が2面あって、人が通らない側から入れる場所でした。保護犬・保護猫を迎えた直後は、こういう選び方をすることがよくあります。人が用意した場所と、その子が選んだ場所は、たいてい違います。
ここで、前の暮らしがどうだったのかを推測したくなります。その推測はやめておいたほうが、あとの手順が楽になります。保護犬・保護猫を迎えた人の手元には、その子の以前の情報がほとんどありません。分からないものを埋めようとすると、こちらの想像に合わせて場所を作ってしまい、また使われない1つが増えます。今いる場所は目で見えます。見えているほうだけを材料にします。
| いちばん長くいた場所 | ソファに落ちていた毛 | カーペットに落ちていた毛 | |
|---|---|---|---|
| 1日目 | テレビ台と壁のあいだ | なし | 隅にひとかたまり |
| 2日目 | 同じ隅 | なし | 同じ隅だけ |
| 3日目 | 同じ隅。夜だけ廊下へ | なし | 隅と、廊下の入口に少し |
| 4日目 | 同じ隅 | なし | 隅だけ |
| 5日目 | 隅と、窓ぎわ | なし | 隅が多く、窓ぎわに少し |
| 6日目 | 隅と、窓ぎわ | なし | 2か所 |
| 7日目 | 同じ2か所 | なし | 2か所。量は隅のほうが多い |
7日ぶん並べると、こちらが手を入れる場所は自動的に決まります。ソファではなく、カーペットの隅です。保護犬・保護猫を迎えた家で先にやることは、掃除でも配置換えでもなく、7日数えることでした。数えているあいだ、こちらは何も動かしていません。動かさなかったので、その子が場所を決め直す様子まで見えました。5日目から窓ぎわが増えたのは、その日から日が差す時間が長くなったからです。
ベッドもソファカバーも、そのまま置いておいてかまいません。使われていないだけで、じゃまにはなっていません。片づけてしまうと、その子が3週間後に使い始めたときに、また用意し直すことになります。保護犬・保護猫の家でやめたほうがいいのは、用意することそのものではなく、用意した場所へ連れていこうとすることです。ベッドまで抱いて運ぶ、ソファに乗せてみる。この2つをやると、その子が選んだ場所が読めなくなります。
どこにいたかを7日数えてから布を置く|保護犬・保護猫とソファの毛を扱う5つの手順
ここからが手順です。5つに分けますが、順番を入れ替えないでください。先に布を置いてから場所を決めるのではなく、場所が決まってから布を置きます。保護犬・保護猫を迎えた家では、こちらの段取りが1つ先に出るたびに、その子の選び直しが1回止まります。全体で1か月くらいかかりますが、毎日の作業は数分です。
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1週目:どこにいたかだけを、7日数える
毛を取らず、掃除機もその場所だけは避けます。紙に書くのは、日付と、その日いちばん長くいた場所の2つだけです。ソファに乗った日があれば、それも書きます。ここで数えているのは毛の量ではなく、場所の回数です。保護犬・保護猫は、日によって場所を変えることがあるので、1日では決まりません。7日ぶんで、いちばん多かった場所が1つに絞れます。
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2週目のはじめ:いちばん長かった場所に、布を1枚だけ置く
洗える大判の布を1枚、その子がいない時間に、静かに広げます。呼ばない、乗せない、その場に立ち会わない。置いたあとは離れてください。大きさは、その子が体をのばして収まるぶんより、ひとまわり大きい程度。ソファ用のカバーやベッドを持ってこないのは、においも手ざわりも、その子が知らないものだからです。布は、家で使っていて洗ってあるものが向いています。
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2〜4週目:置いた布を、こちらから動かさない
掃除のときも、布ごと持ち上げないでください。まわりに掃除機をかけて、布の上だけは手で毛を取ります。粘着ローラーを転がすなら、その子がいない時間に、音を立てずに数回。保護犬・保護猫の家でいちばん多いつまずきが、ここで布を動かしてしまうことです。動かすと、その子の側からは「昨日と違う場所」になります。カーペットもソファも、この期間はまだ触らなくてかまいません。
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週に1度、その布だけを替える
曜日を決めて、洗ってある同じ大きさの布と入れ替えます。替えるのは布1枚だけで、ソファカバーもカーペットも一緒にやりません。1週間ぶんの毛と皮脂は、その1枚にいちばん多く集まっています。替えるときは、外した布をその場でたたまず、そのまま洗濯機へ。空いた床に新しい布を広げて、こちらは離れます。ここまでで、家全体の毛の手当てが、週に1回の洗濯1枚に収まります。
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場所が変わったら、布のほうをあとから移す
3週目、4週目に、その子が別の場所を選ぶことがあります。窓ぎわ、廊下の入口、ソファの端。そのときは、新しい場所へ同じ布を移します。新しい布を買わないのは、そのにおいが唯一の連続性だからです。移すのも、その子がいない時間に。こちらが先に布を置いて誘導するのではなく、決め直したあとについていく、という向きだけは変えないでください。
| 時期 | その子の側 | こちらがやること | 触らないもの |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 場所を選んでいる途中 | 場所を7日書くだけ | その場所の毛、ソファ、カーペット |
| 2週目のはじめ | 場所が1つに決まっている | 布を1枚置く | 布の位置、ソファカバー |
| 2〜4週目 | 同じ場所で過ごしている | 布のまわりだけ掃除する | 布そのもの、ソファ |
| 毎週1回 | 布の上に毛が集まっている | 布を1枚だけ替える | ソファカバー、カーペット全面 |
| 場所が変わった日 | 別の場所を選び直した | 同じ布をそこへ移す | 新しい布を買うこと |
この手順のどこかを飛ばすなら、飛ばしていいのは1週目の記録です。7日ぶんの紙がなくても、いちばん毛が落ちている場所を見れば、たいてい同じ答えが出ます。逆に飛ばせないのが3つめの「動かさない」です。保護犬・保護猫を迎えた最初の1か月に、こちらから動かしたものの数だけ、その子が場所を決め直す回数が増えます。ソファもカーペットも逃げません。急ぐ理由がないところで急がない、というだけです。
布を動かしたくなる日にどうするか|保護犬・保護猫の家でつまずくやり方
手順そのものは簡単なのに、実際にやると2週目から3週目でつまずきます。理由はいつも同じで、こちらの手が空いていて、目の前に毛が見えているからです。保護犬・保護猫を迎えた家は、何かしてあげたい気持ちがいちばん高い時期でもあります。ここでのやり方は、手を増やすことではなく、手を出す先を1枚の布に限ることです。
| やりたくなること | 何が起きるか | かわりにやること |
|---|---|---|
| 布の位置を、もう少し良い場所へ寄せる | その子から見ると場所が変わる | そのままにして、次の週まで待つ |
| 毛が集まってきたので、途中で布を洗う | 週に2回になり、においの連続性が切れる | 曜日を決めた週1を守る |
| ソファに乗った日に、うれしくて呼ぶ | こちらが近づくと、その日は降りて戻る | その日は何もしない。座っていた場所だけ覚える |
| カーペット全面に掃除機をかける | 布のまわりの音と振動が一気に増える | その子がいない時間に、隣の部屋から順に |
| ベッドを布の隣に移動してみる | 使われないものが1つ増える | ベッドは置いたまま。布だけで足りている |
| 来客の前に、布をしまう | その日だけ居場所がなくなる | 布は残す。掃除は人が座る側だけ |
とくに気をつけたいのが、その子が初めてソファに乗った日です。保護犬・保護猫を迎えた家では、この日がいちばんうれしい日になります。写真を撮りたくなるし、そばに行きたくなります。ただ、そこで人が近づくと、たいていその日は降りてカーペットへ戻ります。やることは、乗った時刻と、座っていた位置を覚えておくことだけです。ソファの端なのか、真ん中なのか。次にまた乗ったときに、同じ位置かどうかが分かります。
ソファの毛は、そのあとで扱えば間に合います。布に刺さった毛は、当日に取らなくても減りません。むしろ、その子が乗るようになった数日は、ソファに手を入れないほうが読めます。3回か4回乗ったあとで、いつも同じ一角に座っていることが分かったら、そこにも同じやり方で1枚置けます。先に布を敷いておいて誘うのではなく、順番はいつも同じです。その子が決める、こちらがあとから整える。
保護犬・保護猫は、触られることに慣れていない子が多く、体に手を入れられる範囲が最初はとても狭いことがあります。だから毎日のケアも、触れるかどうかではなく、その日どのくらい動いたかを見るところから始めます。布から出てきた回数、水を飲みに来た回数、窓ぎわへ移った回数。この3つが増えている週は、その子の側の許容が広がっている週です。数字が増えてから、手のほうを1つずつ足していきます。逆の順番で足すと、布の場所からも出てこなくなります。
4週間で、居場所が2か所になった|ソファとカーペットの毛と暮らす毎日
1か月たった時点の状態を書きます。カーペットの隅と、ソファの右端の2か所。布は2枚になり、どちらも週に1度ずつ替えています。毛の落ち方も変わりました。1週目はカーペットの隅だけでしたが、4週目にはソファの右端がいちばん多く、次が隅、そのあとが窓ぎわです。保護犬・保護猫を迎えた家の毎日として、やっているのは布2枚の洗濯と、そのまわりの掃除だけになりました。
| 1週目 | 4週目 | |
|---|---|---|
| いちばん毛が多い場所 | カーペットの隅 | ソファの右端 |
| 2番目に多い場所 | なし(1か所だけ) | カーペットの隅 |
| ソファに落ちていた毛 | なし | 右端に集まっている |
| 洗っている布の枚数 | 1枚 | 2枚 |
| 掃除機をかける範囲 | 布のまわりだけ | 布のまわりと、人が通る側 |
| その子が布から出てきた回数 | 1日に2〜3回 | 1日に7〜8回 |
ここまで来ると、ソファカバーの出番がやっと来ます。その子が同じ一角に4回以上座ってから、そこにだけカバーを掛けます。ソファ全体ではなく、右端だけです。迎える前に買ったカバーが、1か月遅れで使われ始めます。順番が逆だっただけで、買ったこと自体は無駄になりませんでした。カーペットのほうは、隅の布を替えるときに、その周囲30センチだけ粘着ローラーをかけます。全面はやりません。
その子の体に手を入れられるようになるのは、たいていこのあとです。触られることに慣れていない子は、こちらが触っていられる時間そのものが短いので、1回を一往復で終わらせられる形にしておく必要があります。使っているのはmofuwa グルーミングスプレーです。電解水が余分な皮脂と油に混ざって浮くので、こすらなくても毛の表面のものが動きます。布にたっぷり含ませて、背中から尾のつけ根まで、毛の流れに沿って一往復だけ。グルーミングスプレーは清涼飲料水の規格基準をクリアした水でできているので、途中で足しても、そのあと本人がなめても、量を数えずに済みます。体を持ち上げず、立っているままで終える形にしています。全身をやろうとすると、その子の側の許容を先に超えます。被毛の表面に触れる範囲から始めて、嫌がる日はその日はやめる、で十分です。
- 家でできること:布を週1で替える。外した布はその場でたたまず、そのまま洗濯機へ
- 家でできること:布のまわり30センチだけ、その子がいない時間に毛を取る
- 家でできること:ソファに座った位置と回数を、日付といっしょに書いておく
- 家でできること:布から出てきた回数を数える。触れる範囲を決める材料になります
- 家ではできないこと:毛の抜け方が変わった理由を決めること
- 家ではできないこと:触ると嫌がる場所が、慣れの問題なのかそうでないのかの切り分け
同じ場所をなめ続けている、地肌が見えるほど毛が抜けている、皮膚に赤みやかさつきがある、体をこすりつける回数が急に増えた、布から出てくる回数が減り続けている、食べる量や水を飲む量が変わった。こうした変化があるときは、布や掃除の話として扱わずに、動物病院にご相談ください。保護犬・保護猫を迎えた最初の1か月は、環境の変化と体の側の変化が重なりやすい時期です。ここまでに書いた「どこにいたか」「布から出てきた回数」の記録をそのまま持っていくと、その場で切り分けてもらえます。布から出てくる回数が減った週は、次の週まで数え足さずに、その週のうちに予約を取ってください。
最後にもう一度、順番だけ置いておきます。その子が場所を決める。こちらは7日数える。いちばん長かった場所に布を1枚置く。動かさない。週に1度、その布だけを替える。場所が変わったら、布をあとから移す。保護犬・保護猫を迎えた家でソファとカーペットの毛に手を入れるとき、いちばん効いたのは道具でも頻度でもなく、この順番でした。先に用意したものは、そのまま置いておけば、いつか使われます。使われる日を、こちらの都合で早めないほうが、結果として早く落ち着きました。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 迎えてすぐにソファカバーを掛けてしまいました。外したほうがいいですか。
- 外さなくてかまいません。掛けたままで、その子がソファに乗るかどうかを7日見てください。乗らないなら、毛の手当てはカーペット側で足ります。保護犬・保護猫を迎えた家でやめたほうがいいのは、用意することではなく、用意した場所へ連れていこうとすることのほうです。カバーは置いておけば、その子がソファを使い始めた日にそのまま役に立ちます。
- 布を置いたのに、その上で寝てくれません。別のものに替えるべきですか。
- 3日は待ってみてください。置いた初日から使う子のほうが少数です。3日たっても布の外にいて、しかも同じ場所にいるなら、布が大きすぎるか、置いた向きが人の通り道に向いていることがあります。大きさをその子の体がのるぶんまで小さくして、壁側から入れる向きに置き直します。それでも使わないなら、その場所は選ばれていなかったということなので、もう7日数え直します。
- ソファとカーペット、毛を取るのはどちらを先にすればいいですか。
- その子が長くいるほうが先です。保護犬・保護猫を迎えた直後はカーペット側、ソファに乗るようになってからはソファ側になります。順番を場所の広さや見た目で決めると、いちばん毛が集まっている場所が後回しになります。どちらの場合も、その子がその場にいない時間にやってください。音と振動が、居場所の選び直しにつながることがあります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
