C04悩み解決
背中のベタつきが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
背中のベタつきが指につく位置は、肩に近い側か、腰に近い側かのどちらかに寄っています。まん中で均一に、ということはあまりありません。ベタつきの犬種差として名前が挙げられるとき、その中身はたいていこの偏りのことです。そして偏りを決めているのは、毛質でも皮脂の量でもなく、背中の傾きでした。この記事では犬種差を名前で覚える代わりに、平らな床に立たせて肩と腰の高さを比べる方法で分けていきます。
ベタつきの犬種差は、皮脂が留まる場所の違い
皮脂は、毛穴から少しずつ出て、毛の根元に沿って広がります。出る量そのものには個体差がありますが、同じ量が出ていても、背中のどこにベタつきとして現れるかは体の作りで変わります。ここが、ベタつきの犬種差として語られていることの正体です。名前で覚えようとすると混血の子に当てはめられず、同じ犬種の中でも当たり外れが出ます。
分ける軸はひとつだけです。背中が水平に近いか、前後どちらかに傾いているか。胴が長く体高が低い体は、肩から腰までの線がほぼ水平になります。後肢が長い体、肩から腰へなだらかに下がっている体、あるいは腰のほうが持ち上がっている体は、背中に傾きができます。この違いが、皮脂の行き先を決めています。
| 背中の形 | 皮脂に起きること | ベタつきの出方 |
|---|---|---|
| 水平に近い | 出た場所から動かず、その場に留まる | 肩から腰まで、広く薄く。どこを触っても同じ |
| 肩が高く、腰へ下がる | 腰のほうへ少しずつ移動して溜まる | 腰から尾の付け根にかけて、濃く |
| 腰が持ち上がっている | 肩のほうへ少しずつ移動して溜まる | 肩からき甲のあたりに、濃く |
| 前後で高さが揺れる | 動くたびに行き先が変わる | 日によって濃い場所がずれる |
皮脂は水のように流れるわけではありません。毛づくろい、寝返り、体を振る動作、なでられること。体が動くたびに、ごくわずかずつ低いほうへ運ばれていきます。だから傾いた背中では、一日の終わりに低い側だけが濃くなります。水平な背中では、この移動がほとんど起きません。ベタつきの犬種差を毎日のケアに落とすなら、量ではなくこの移動を見てください。
猫は犬より背中の傾きが小さい体が多く、水平型に近い出方をします。ただし後肢が長い体つきの子は、犬と同じように腰の側へ寄ります。犬種差という言い方をしていますが、実際に見ているのは体の傾きなので、犬でも猫でも同じ手順で確かめられます。
平らな床に立たせて、肩と腰の高さを比べる|ベタつきの見分け方
ベタつきの犬種差を名前で調べる前に、その子の背中を実際に測ってください。道具は要りません。平らな床に立たせて、横から見るだけです。毎日のケアを決めるための見分け方なので、3日ぶんやれば足ります。
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段差のない床を選ぶ
フローリング、タイル、廊下。カーペットや布団の上ではやらないでください。沈み込みで前後の高さが変わり、背中の傾きが実際と逆に見えることがあります。ソファに乗せるのも避けてください。
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自分の目を、背中と同じ高さまで下げる
立ったまま見下ろすと、手前の肩が高く見えます。しゃがんで、その子の背中の線を真横から見てください。ベタつきの見分け方でいちばん間違えやすいのが、この目線の高さです。
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肩の一番高いところと、腰の一番高いところを比べる
前足の付け根の少し上にある盛り上がり(き甲)と、後ろ足の付け根の上にある骨の高さ。どちらが高いか、同じくらいかの3択で判定してください。数センチの差で構いません。
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毛の根元を、肩・まん中・腰の3か所で触る
毛の表面ではなく、指を根元まで入れます。乾いた指で3秒ずつ当てて、離したときに指に残る感触を比べてください。皮膚の上の被毛が、どこで一番しっとりしているかを見ます。
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同じ時間に、3日続ける
夜の同じ時間がおすすめです。3日とも同じ場所が濃ければ、それがその子の溜まる場所です。日によってずれるなら、s1の表の4行目にあたります。
3か所を触ると、たいていはっきり差が出ます。高さの差が小さい子ほど3か所の感触も揃い、差が大きい子ほど低い側だけが濃くなります。ベタつきの犬種差という言葉で説明されていたものが、この数センチの高さの差に置き換わります。置き換わってしまえば、混血でも純血でも同じ判断ができます。
横から立ち姿を撮って、画面に指を当てて肩と腰を比べると、目で見るより確実です。同じ場所・同じ明るさで撮ってください。半年後にもう一度撮ると、シニア期に入って腰が落ちたときに気づけます。傾きが変われば、ベタつきの溜まる場所も変わります。
水平な背中と傾いた背中|犬のベタつきの違いを表で比べる
測り終えたら、この表でどちら寄りかを決めてください。犬のベタつきの違いは、量の多い少ないではなく、薄く広がるか、一点に集まるかという形の違いとして出ます。
| 見る点 | 水平に近い背中(水平型) | 傾いている背中(傾斜型) |
|---|---|---|
| 体の作り | 胴が長い、体高が低い、肩と腰がほぼ同じ高さ | 後肢が長い、肩から腰へ下がる、腰が持ち上がっている |
| 指につく場所 | 肩・まん中・腰のどこでも同じくらい | 低いほうの1か所だけが濃い |
| 指に残る感触 | 全体がうっすら。すぐには気づかない | 低い側だけ、指の腹に残る |
| 気づくタイミング | なでていて、手のひら全体がべたつく | 抱き上げたとき、腰か肩の一点で気づく |
| においの出方 | 体全体からうっすら。場所を特定しにくい | 溜まっている場所に近づくと分かる |
| 洗ったあとの戻り方 | 全体が同じ速さで戻る | 低い側が先に戻り、そこから広がって見える |
| 見落としやすい所 | 薄いので進みに気づかない | 濃い所ばかり触り、反対側を見なくなる |
表の下2行が、犬のベタつきの違いのうちで実害の出るところです。水平型は、全体が同じ速さで戻るのでいつから濃くなったのかが分かりません。傾斜型は逆に、目立つ一点に手が集中して、反対側の被毛や皮膚の様子を見なくなります。どちらも、見ている場所が偏るという同じ問題です。
- 水平型で気をつけること:週に一度、同じ曜日に肩・まん中・腰の3か所を触って、前の週と比べる。全体が薄いぶん、比較しないと変化が拾えません
- 傾斜型で気をつけること:濃い場所を触ったあと、必ず反対側も同じ回数だけ触る。濃い側だけを見ていると、皮膚の変化が薄い側で始まったときに遅れます
- どちらにも共通すること:ベタつきの犬種差は毛の長さでは決まりません。長毛でも水平型は薄く広がり、短毛でも傾斜型は一点に集まります
ベタつきが溜まる位置で変える、手の使い分け
型が決まったら、毎日のケアの手を変えます。同じ道具を同じように使っても、溜まり方が違えば結果が変わります。ここが、ベタつきの犬種差を知っておく実用上の意味です。
| 水平型 | 傾斜型 | |
|---|---|---|
| 拭き取りの範囲 | 肩から腰まで、面で一往復 | 低い側を中心に、手のひら2枚ぶんだけ |
| 拭き取りの回数 | 毎日1回、短く | 2日に1回。ただし範囲は狭く、しっかり |
| ブラッシングの向き | 首から尾へ、全体を通す | 低い側から始めて、高い側へ抜ける |
| 布の当て方 | 撫でるように動かす | 根元に当てて、3秒置いてから引く |
| 確かめる場所 | 3か所を毎回同じ順で | 濃い側と、その反対側の2か所 |
傾斜型でブラッシングを低い側から始めるのには理由があります。高い側から通すと、途中で拾った皮脂をそのまま低い側へ運ぶことになり、いちばん濃いところに、さらに足す動きになります。低い側を先に軽く抜いてから高い側へ移ると、この持ち込みが起きません。
水平型は逆に、範囲を狭めないことがすべてです。薄く広がっているので、一部だけ拭くと拭いた場所と拭いていない場所の差が生まれ、次の日にその境目が目立ちます。毎日、短くていいので背中全体を一往復する。これだけで足ります。皮膚を強くこすらないでください。犬でも猫でも、背中の皮膚は思っているより薄いところです。
傾斜型は一点が濃いので、シャンプーの回数を増やしたくなります。ただ、洗う回数を増やすと、背中の傾きは変わらないまま、皮膚だけが乾きやすくなります。溜まる場所が変わるわけではありません。回数ではなく、当てる場所を変えてください。洗う間隔を変えるときは、動物病院で皮膚の状態を見てもらってからにしてください。
構造で説明がつかないベタつきと、洗う日のケアの選び方
背中の傾きは、数日で変わるものではありません。だから次の変化は、ベタつきの犬種差では説明がつきません。型を決めたあとで、ここだけは別に見てください。
- 濃い場所が急に移った:傾きは同じなのに溜まる位置が変わったなら、姿勢か動き方が変わっています。痛みでかばっていることがあります
- 背中の左右で差がある:前後の傾きは体の作りですが、左右の差は作りでは起きにくいところです
- 数日で急に強くなった:3日前と比べて明らかに濃いときは、皮脂の量そのものが動いています
- 皮膚に変化がある:赤い、フケが出る、においが変わった、毛が薄くなった、触ると嫌がる
- ベタつき以外が同時に変わった:水を飲む量、食べる量、寝ている時間、歩き方
とくに最後の項目は、背中だけを見ていると気づけません。いずれかに当てはまるときは、家庭でのケアを調整する段階ではありません。動物病院にご相談ください。受診の前に、いつからか、背中のどこか、3か所を触ったときの差、を書き出しておくと伝わります。横から撮った写真があれば、それも持っていってください。
そこまでの変化がなければ、話は洗う日と毎日の手に戻ります。洗う日にも、型の差はそのまま出ます。濃くなっている側には、指も泡も自然に集まるからです。傾斜型なら低い側、水平型なら手の届きやすい背中のまん中。そこだけ長くこすると、落ちるのは溜まっていたぶんだけで済みません。mofuwa モイストシャンプーは、ゴシゴシ洗うのではなく、指の腹でマッサージするように動かす前提で設計されたシャンプーです。強さではなく、当てる場所と順番のほうで決める道具だと考えてください。傾斜型は低い側から泡を置いて高い側へ抜ける。水平型は肩・まん中・腰に同じ回数ずつ。毎日の拭き取りで決めた場所と、洗う日に泡を置く場所を同じ順番にそろえておくと、月をまたいで比べられます。
選び方の基準はひとつです。その子の型に合わせて、当てる場所を毎日同じにできるかどうか。道具が何であっても、場所が毎日ぶれていれば比べられません。ベタつきの犬種差を調べる目的は、名前を知ることではなく、明日その子のどこに手を当てるかを決めることです。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 長毛の子のほうが、ベタつきやすいのですか?
- 毛の長さは、ベタつきの犬種差を決める要素ではありません。長毛だと指が根元まで届きにくく、気づくのが遅れるだけです。長毛でも背中が水平なら薄く広がり、短毛でも傾いていれば一点に集まります。毛をかき分けて、根元を触って確かめてください。
- 肩と腰の高さが、ほとんど同じでした。どちらの型で考えればいいですか?
- 水平型として扱ってください。3か所を触ったときの感触が揃っているなら、その判断で合っています。ただし、シニア期に入って腰が落ちると傾きが生まれます。半年に一度、横からの写真を撮り直して比べてください。
- ベタつきが濃い場所だけ、部分的に洗ってもいいですか?
- 部分的に濡らすと、そこだけ乾くのが遅れて、湿った状態が長く続きます。背中は毛が密で、風が通りにくい場所です。どうしても濡らすなら、そのあと必ず根元まで乾かしてください。乾いた布で拭き取るほうが、日常の手としては続けやすい方法です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
