C11比較・選び方
長く使える道具の選び方
売り場でブラシを2本持ったまま、ピンの数を数えて、決められずに棚へ戻した日があります。数える対象を変えると、その場で片方に決まります。見るのは、毛に引っかかったときにピンの根元がどこへ逃げるかです。ブラシが長持ちするかどうかを決めているのは、使った月数ではなく、引っかかって手が止まった回数のほうです。1回に通す分数と、そのあいだに止まった回数。この2つを数えられるようになると、売り場で触る場所と、家で替えどきを見る場所が同じものになります。
毛に引っかかって止まった回数で数える|ブラシの条件は、手の側にもある
道具が終わるのは、少しずつすり減った結果ではありません。毛の束に引っかかって、手が一度止まる。そのときピンの1本か2本に縦の力がかかり、根元がわずかに動きます。この動きが積み上がった順に、ブラシは面の端から使えなくなります。長持ちするかどうかを決めているのは、買った日から何か月たったかではなく、そのあいだに何回止まったかのほうです。
- 1回に通す分数:背中から尻尾まで、ふだんは何分で終わるか。3分で済む日と8分かかる日を、別のものとして覚えておきます
- 止まった回数:1回のあいだに手が止まった回数。0回か1回で終わっているなら、ピンの根元にはほとんど力がかかっていません
- 止まる部位:脇・内股・耳のうしろ。毎回同じ部位で止まるなら、原因は毛の量より通す向きの側にあります
- 戻せるかどうか:ほどけた毛はもとの流れに戻りますが、いちど曲がったピンは戻りません
この4つのうち、道具そのものが持っているのは最後の1つだけです。前の3つは、その子の毛質と、通す人の手つきと、洗った翌日かどうかで動きます。同じブラシを2軒の家で使えば、寿命は2倍近く違ってきます。売り場でどれだけ丈夫な1本を選んでも、止まる回数が多い使い方をしていれば、面の端から先に潰れます。
犬と猫では、止まる場所が違います。犬は散歩で外のものが毛に入るので、脇と内股のように地面に近い部位で止まります。猫は自分で毛づくろいをするぶん、背中の真ん中と腰のあたり、口が届きにくい場所にだけ引っかかりが残ります。使い分けの起点は毛の長さではなく、その子の口が届かない場所がどこかです。そこだけは人の手で通すことになるので、ブラシにかかる力も、その部位に集まります。
売り場で指を当てる4か所|犬のブラシの見分け方は、ピンの根元から
売り場で確かめられるのは、ピンの根元の動きと、面の広さの2つだけです。毛の通りやすさも、抜けた毛の取りやすさも、その場では分かりません。分からないものを見比べていると決まらないので、手で確かめられるところだけを順番に触ります。かかるのは3分ほどです。
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ピンを横に倒して、根元を見る
1本を指で横へ倒し、離します。根元の土台ごと沈んでから戻る1本は、引っかかったときに力を逃がせます。先だけが曲がって土台が動かない1本は、力がピン側に残ります。
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面を手のひらに当てて、当たる数を数える
手のひらに当てて軽く押します。面が広いほど、1回で当たるピンの数が増え、1本にかかる力が分かれます。同じ範囲を通す分数も短くなります。
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持ち手を握って、重心の位置を見る
握ったときに重心が手首側にあると、力を入れなくても面が寝ます。先端側に重心があると、手首で支えるぶん押しつけが強くなり、根元が早く動きます。
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ピンの先の丸みを、腕の内側で確かめる
自分の腕の内側に通します。痛みが出る先端は、その子の地肌にも同じ角度で当たります。嫌がられる1本は使う頻度が落ちて、結局長持ちしません。
この見分け方は犬でも猫でも同じ順番ですが、猫では3番目の重心をいちばん重く見ます。猫は途中で体の向きを変えるので、片手で支えられる重さかどうかが、通し終えられるかどうかを決めます。面の広さと重心は、売り場で決まってしまい、家では変えられない条件です。逆に、通す向きと分数は、買ったあとでいくらでも変えられます。変えられない側から先に決めてください。
乾いた日と湿った日で並べ替える|ブラシの比較は、条件の列で見る
同じ子の同じ背中でも、毛が乾いている日と湿っている日では、道具にかかる力がまるごと入れ替わります。比べるものは2本のブラシではなく、この2つの日です。どちらの日が多い家なのかが決まれば、持つべき1本も決まります。
| 見るところ | 毛が乾いて、絡まりがない日 | 湿りが残って、引っかかりが出る日 |
|---|---|---|
| 1回に通す分数 | 背中から尻尾まで3分で届く | 同じ範囲に8分以上かかる |
| 手が止まる回数 | 0回から1回で終わる | 5回を超える日が出てくる |
| ピンにかかる向き | 面で押すので力が分かれる | 1本ずつに縦の力が集まる |
| 元に戻せるか | ほどけた毛はその日のうちに戻る | 曲がったピンは戻らない |
| 口が届く場所か | 背中側なので、通したあと舐めに来ない | 内股や脇は、終わってすぐ舐める |
| 洗ったあと乾くまで | 面が開いていて半日で乾く | 根元に水が残って1日以上かかる |
| この家ならどちらか | 面の広い1本を、頻度を上げて長く使う | 引っかかる日は、先に地肌まで濡らしてほぐしてから通す |
最後の行が、この表の答えです。湿りが残る日が週の半分を超えるなら、選ぶ対象はブラシではなく、通す前の1工程のほうになります。濡らしてほぐしてから通すと、止まる回数は5回から1回か2回まで落ちます。道具を丈夫なものへ替えるより、かかる力そのものを減らすほうが、1本は長く使えます。
表と図で数えているのは、どちらも同じ2つの単位です。分数と、止まった回数。この2つを毎回そろえて数えていると、ブラシの比較は売り場ではなく家で終わります。カレンダーの端に「3分・1回」「8分・5回」とだけ書き足していけば、2週間で自分の家の型が出ます。
洗う日の工程を1つ減らすと、翌週の通りが変わる
翌週にブラシが引っかかる回数は、洗った日にどれだけ落としたかで決まります。よく落ちるシャンプーほど、必要なぶんまで持っていきます。洗い上がりがごわつくのは、汚れだけでなく残しておきたいものまで落ちているからで、その毛は翌日から束になりやすく、通したときに手が止まります。
泡をよく立てたいときに、いちばん手っ取り早いのは洗浄成分を増やすことです。mofuwa モイストシャンプーは反対の組み方をしていて、アミノ酸系の洗浄成分だけを、量も少なくして使っています。それで泡が立つ理由は、原料の水そのものにあります。水に電解水を使っているので、少ない洗浄成分でも泡が立ち、落としすぎずに洗えるぶん、洗い上がりがごわつきません。ごわつかない毛は、翌日からトリートメントで戻す工程が要らなくなります。
工程が1つ減ると、飼い主の手間より先に、その子が浴室で耐える時間が短くなります。すすいで、もう一度何かをつけて、もう一度すすぐ。この往復がなくなるぶん、同じ洗う日でも浴室にいる分数がはっきり減ります。嫌がられない洗い方は、次の1回の頻度まで変えます。
そして翌週、毛がごわつかないぶん、ブラシは面で通ります。止まる回数が減るということは、ピンの根元に縦の力がかかる回数が減るということです。道具の長持ちは、道具の側だけで決まりません。洗う日の組み合わせまで含めて、1本にかかる力の総量が決まります。モイストシャンプーが無香料なのも同じ考え方で、犬も猫も自分のにおいのほうを好むため、余分な香りはその子にとって負荷になります。浴室の分数を短くしたいのに、においで居心地を悪くしていては、減らしたぶんが戻ってきます。
先週まで3分で通し終えていた背中に8分かかる/脇の同じ1か所で手が止まる回数が5回を超える日が2週間続く/ブラシを替えても、通した翌日に同じ部位を舐めている/毛をほどいたあとの地肌に、前はなかった赤みが残っている。この4つは、道具の減り方では説明がつきません。通した分数と、止まった回数と、止まった部位を書いた紙を持って、動物病院で診察の枠をひとつ取ってください。犬でも猫でも、記録があるぶん、見てもらう場所をその場で絞れます。持っていく紙は2週間ぶんで足ります。
先に替えるのは、ブラシと手つきのどっちか
ピンが曲がったら戻せませんが、通し方は翌日から戻せます。だから替える順番は、戻せないほうを最後にします。止まる回数が増えてきたときに、まず変えるのは通す向きと、通す前に濡らすかどうかです。それで回数が落ちるなら、ブラシはまだ使えます。
| 起きていること | 先に替えるもの | 見る期間 |
|---|---|---|
| 止まる部位が毎回同じ | 通す向き(毛先から上へ戻す) | 3日 |
| どの部位でも均等に止まる | 通す前に濡らしてほぐす工程 | 1週間 |
| 面の端だけ通りが悪い | ブラシ本体 | その日から |
| 洗った翌日だけ止まる | 洗う日の組み合わせ | 2回ぶん |
| 猫が途中で逃げる | 1回の分数を半分にして2回に分ける | 1週間 |
この表は、そのまま買い替えの順番でもあります。面の端だけが潰れているときだけ、道具の交換が先に来ます。それ以外は、先に手つきと工程を替えたほうが早く落ち着きますし、替えた1本も同じ減り方をしません。使い分けを増やす前に、いま持っている1本がどの列で止まっているかを見てください。
売り場に戻る日は、ピンの根元と面の広さだけを触れば足ります。家に帰ってから見るのは、分数と、止まった回数の2つです。この4つの数字が手元にあるかぎり、次の1本も同じ基準で選べます。長持ちさせる条件は、棚の上ではなく、通している3分のあいだにあります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- ピンの本数が多いブラシのほうが、長持ちしますか。
- 本数と寿命は直接つながりません。本数が多いと1回で当たる面は増えますが、ピンどうしの間隔が狭くなるぶん、毛の束が入り込んだときに抜けにくくなり、そこで手が止まります。止まれば、その1本に縦の力がかかります。見るのは本数より、根元が沈んで戻るかどうかと、面の広さです。面が広ければ、同じ範囲を通す分数が短くなり、止まる回数も自然に減ります。
- ブラシは洗ったほうがよいのでしょうか。頻度が分かりません。
- 毛や皮脂が根元にたまると、ピンの動く幅がせまくなって、力の逃げ場がなくなります。週に1回、たまった毛を取り除いて、必要なら根元まで水で流してください。そのあとが大事で、面を上に向けて置きます。下向きに置くと根元に水が残り、乾くまで1日以上かかります。半日で乾く置き方にしておくと、金属部の傷みも遅くなります。
- 犬用と書かれたブラシを猫に使ってもよいですか。
- 表示より、面の広さと重心で決めてください。猫は途中で体の向きを変えるので、片手で支えられる重さかどうかが先に決め手になります。犬用として売られている大きめの面は、猫の背中では一度に当たりすぎて、押しつけになりやすいところがあります。逆に、小さい面で犬の胴を通すと、同じ範囲に分数がかかり、止まる回数が増えます。体の幅に対して、3回から4回で1列を通せる面の広さが目安です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
