C05犬種・猫種別ケア
コラットのケア|抜け毛を減らす3つの習慣
コラットを1分ブラッシングして歯を裏返しても、指でつまめる毛がほとんど付いてきません。他の猫では、同じ時間で歯のあいだに綿のようなかたまりができます。その差を見て、今日は抜けていないのだと判断してしまう。けれどコラットの抜け毛は、減っているのではなく、ブラシの上を通り過ぎているだけです。下毛の層がないので、抜けた毛は被毛の中に引っかからず、そのまま下へ落ちます。この記事では、なぜ歯に残らないのかを先に書いてから、量る場所をブラシから膝の布へ移す順番をまとめます。
ブラシの歯に何も付いてきません|コラットの抜け毛が見えなくなる、やり方より前の作り
多くの猫の被毛は二層でできています。外側に上毛があり、その内側に細くて柔らかい下毛が詰まっている。ブラッシングをすると、歯にからむのはほとんどが下毛のほうです。綿のようなかたまりが歯のあいだにたまるので、取れた量がそのまま目に見えます。飼い主が「今日はよく取れた」と感じるとき、手応えをつくっているのは下毛です。
コラットの被毛には、その層がありません。シルバーブルーの短い毛が一層だけで、下毛と呼べるものがほとんどない作りです。タイの気候の中で育った猫種で、空気をためこむ層を持たずに済んでいます。抜けるのは上毛だけなので、歯にからむ相手がいません。まっすぐで短い毛は、歯のあいだをすり抜けて落ちていきます。
ここが、コラットの抜け毛でいちばん誤解されるところです。歯に残らないのは、抜けていないからではありません。下毛の層がないぶん、抜けた毛は被毛の中に留まる場所を持たず、体の外へすぐ出ていきます。つまり、ブラシは受け皿として働いていません。歯を見て量を判断している限り、コラットの抜け毛はいつまでも「少ない」と出ます。
実際に何が起きているかというと、抜けた毛は床、寝床、飼い主の服に移っています。ソファの座面に細い銀色の毛が光っているのに、ブラシの歯はきれいなまま。この2つが同じ日のことだと結びつかないと、量が分からなくなります。コラットの抜け毛を追いたいなら、量る場所を、毛が実際に落ちている側へ移すのが先です。
- 下毛の層がない:抜けた毛が途中で引っかかりません
- 毛が短く、まっすぐ:歯のあいだをすり抜けます
- 毛先が銀色:濃い色の面に落ちると、1本ずつ見えます
- 毛が体に密着している:抜ける前の毛は、指でつまんでも動きません
- 換毛期の落差が小さい:季節の切れ目が、量ではなく期間として出ます
手入れの手応えがないので、この子は抜けないから、ブラッシングは要らないという結論になりがちです。けれど抜けた毛は確かに出ていて、行き先が家の中に変わっただけです。抜ける量が少ないのではなく、抜けた量が手元に残らないだけと読み替えてください。読み替えると、次にやることが「もっと強くとかす」ではなく「量る場所を変える」に変わります。
ブラシではなく、膝の布で受ける|コラットの抜け毛を量りなおす順番
ここからが手順です。用意するのは、濃い色の、綿の布を1枚だけ。色は紺か濃いグレーか黒。コラットの毛は毛先が銀色に光るので、濃い面に落ちると1本ずつ数えられます。素材は綿にしてください。化学繊維の布は静電気で毛が一方へ寄ってしまい、同じ面積で比べられなくなります。この1枚を、量るとき専用にします。
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膝に布を広げて、猫が乗るのを待つ
無理に乗せなくて構いません。布を膝に置いて座っていれば、たいていの子は自分から来ます。来ない日は、いつもの通り道や寝床の上に敷いて、そこで寝てから外してください。大事なのは、布の広さと敷く場所を毎回同じにすることです。面積が変われば、出る量の比較ができなくなります。
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何もせずに1分、手のひらでなでる
道具を持つ前に、手のひらだけで毛の流れに沿ってなでます。ここで布に落ちるのが、その日の「触っただけで外れる毛」です。この1分は、ブラッシングをする前の基準値をつくる工程です。コラットは毛が体に密着しているので、手のひらでも意外な量が出ます。
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毛の流れに沿って、30秒だけブラッシングする
布の上に猫がいる状態で行います。歯の当たりは軽く、根元まで押しつけないでください。時間を30秒に固定するのが、この手順のいちばんの要です。回数や強さで測ろうとすると毎回条件が変わりますが、秒数なら誰がやってもそろいます。毛先だけをなでるつもりで足ります。
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猫を下ろして、布を明るいところへ持っていく
布を持ち上げるとき、はらわないでください。窓のそばか照明の下で、布の同じ範囲を見ます。手のひらの1分ぶんと、ブラッシングの30秒ぶんが合わさった量が、その日の記録になります。数える必要はありません。手のひらでひとまとめにして、その大きさを写真に撮っておくだけで足ります。
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最後に、ブラシの歯を見る
順番が逆にならないようにしてください。歯を先に見ると、そこで「少ない」と結論が出てしまいます。布を見たあとで歯を見ると、歯に残っていないのに布には出ている、という状態が同時に確認できます。この2つを並べて見るのが、コラットの抜け毛での量りなおしです。
| ブラシの歯 | 膝の布 | 読み取れること |
|---|---|---|
| ほぼ何もない | 手のひら大に出た | ふだんの状態です。量る場所が合っています |
| ほぼ何もない | ほとんど出ない | その日は少ない日です。翌週と比べてください |
| 少し残った | いつもより多い | 毛の入れ替わる時期に入っています |
| 歯に毛玉状のかたまり | 多い | もつれが始まっている場所があります。探してください |
この手順のいいところは、猫に何も新しいことを要求しない点です。膝に乗る、なでられる、30秒とかされる。どれもふだんやっていることの範囲です。変えたのは、その下に何を敷いておくかだけです。コラットの抜け毛の量は、道具を増やさなくても、敷くものを1枚足すだけで見えるようになります。
布に出た量で決める|コラットの抜け毛とブラッシングの頻度
量る場所が決まると、頻度も決められるようになります。基準は1つだけ。週に1回、同じ手順で布に出た量を見て、前の週と比べる。増えていれば回数を足し、変わらなければそのまま。減っていれば戻します。猫のコラットは換毛期の落差が小さいので、季節ではなく、この週ごとの比較で決めるほうが実際に合います。
ここで気をつけたいのが、量る日とケアの日を分けることです。毎日ブラッシングをしていると、1日ぶんの抜け毛しか布に出ません。量は当然減りますが、それは抜けなくなったからではなく、前日に取っているからです。週1回の量る日を先に決めて、その日は前日のブラッシングを休む。こうすると、比べているものが毎週そろいます。
| 前の週と比べて | 次の1週間のブラッシング |
|---|---|
| ほぼ同じ | そのまま。週2〜3回で足ります |
| 1.5倍くらいに増えた | 週4回へ。1回の時間は増やさないでください |
| 2週続けて増えている | 毎日30秒へ。時間ではなく回数で足します |
| 減ってきた | 週2〜3回へ戻します |
| 急に半分以下になった | 量ではなく、地肌のほうを見てください |
1回の時間を長くしないでください。コラットの被毛は毛が短く、地肌との距離が近いので、同じ場所を長く往復すると、抜けた毛ではなく地肌のほうに負担がかかります。足すのは時間ではなく回数です。30秒を週に何回にするか、という形で決めてください。1回2分を週1回より、30秒を週4回のほうが、布に出る量は安定します。
順番も固定しておくと迷いません。背中から始めて、脇腹、腰、最後に胸。毛の流れに沿って、上から下へ。コラットは体が筋肉質でずっしりしているので、腰から先は毛が寝ていて手が滑りやすい場所です。滑る場所ほど毛先だけをなでる形になりがちなので、そこだけは手のひらを添えて、根元の向きを確かめながら進めてください。
ブラッシングの前に、mofuwa グルーミングスプレーを量る布とは別の布に含ませて、毛の流れに沿って一度なでておきます。猫に直接吹きかけなくて構いません。コラットの短い毛は乾いた時期ほど静電気で立ち、立った毛は歯をすり抜けたあと空中へ散って、量る布の上に落ちてきません。これはブラッシングスプレーでもあるので、毛の流れがそろって、抜け毛が布の面へまとまって落ちます。毎日使う前提のものなので、週2〜3回の日にも、毎日30秒の日にも同じように入ります。グルーミングスプレーは無香料で、猫が自分のにおいの上に別のにおいを乗せられずに済みます。とかしたあとに毛をなめ直しても気にならない、清涼飲料水の規格基準をクリアした水が中身です。
猫と一緒に撮ると、毛の量が背景に紛れて比べられません。猫を下ろしてから、布を平らに広げて真上から1枚。スマートフォンの高さも毎回そろえてください。3週間ぶん並べれば、増えているのか同じところで止まっているのかが、記憶に頼らずに分かります。コラットの抜け毛は手応えが出にくいので、記録のほうを手応えの代わりにします。
布の量では説明がつかない増え方|コラットの抜け毛で手を止めるコツ
手順どおりにやっても、うまく比べられないことがあります。原因はたいてい3つのどれかで、どれも布の側の問題です。猫のせいでも、ブラシのせいでもありません。順に見ていきます。
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つまずき1:化学繊維の布を使っている
毛が静電気で一方へ寄って、布の端に集まってしまいます。集まった塊は多く見えますし、逆に反対側は何もないように見える。同じ面積で比べる、という前提が崩れます。綿の布に替えてください。洗ったあとに柔軟剤を使うと繊維の表面が変わるので、量る用の1枚だけは柔軟剤なしで洗うほうがそろいます。
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つまずき2:毎回ちがう布を使っている
色も、面積も、織りの細かさも変われば、見え方が変わります。細かい織りの布は毛が表面に乗り、粗い布は毛が織りのあいだに入ります。同じ量でも、布が変われば半分にも倍にも見えます。量る用の1枚を決めて、他の用途に使わないでください。畳んでブラシと一緒にしまっておくと、迷いません。
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つまずき3:出ないから強くとかしている
布に出ないと、力を足したくなります。けれど強くとかして増えるのは、抜けた毛ではなく、まだ抜けていない毛と地肌への負担です。コラットは毛が短く、歯が地肌まで届いてしまいます。力を入れた翌日に地肌が赤くなっていたら、そこで止めてください。増やしていいのは回数だけで、力ではありません。
3つを直しても布の量が急に変わるときは、量の話として片づけないほうが安全です。とくに、量ではなく毛の出方が変わったときです。1本ずつではなく束で出る、抜けた場所が同じところに偏る、地肌が見えるほど薄くなった。こうした変わり方は、ブラッシングの頻度をどう動かしても答えが出ません。
- 束になって出る:1本ずつ抜ける状態とは別の起き方です
- 同じ場所だけが薄い:左右で見比べて、差があるか確かめてください
- 地肌が赤い、フケが出る:抜け毛より先に地肌のほうを見る合図です
- その場所をなめ続けている:抜けた結果ではなく、原因の側かもしれません
- 毛先の手ざわりが急に変わった:うるおいの状態が動いている可能性があります
- 3週続けて増え続けている:週ごとの比較で判断できる範囲を越えています
毛が束で抜ける、同じ場所だけ地肌が見えている、地肌が赤い、フケが増えた、においがする、その場所をなめ続けている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。コラットは被毛が一層で地肌との距離が近いので、地肌の変化が早く外へ出ます。布の写真が3枚たまるのを待たずに、気づいた週のうちに連れていってください。
相談に行くときは、週ごとに撮った布の写真、ブラッシングの回数と1回の秒数、いつから変わったかの3つを持っていってください。手応えのない猫種では、この記録が唯一の材料になります。前の日に念入りにとかしていくと、もとの量が分からなくなるので、当日はいつもどおりで構いません。
コラットと暮らしていると、抜け毛の話は静かに進みます。ブラシは軽いまま、手応えもないまま、家の中にだけ銀色の毛が増えていく。変えられるのは抜ける量ではなく、それを見ている場所のほうです。歯ではなく布、感覚ではなく写真、強さではなく回数。コラットの抜け毛で動かせるのは、この3つの置き換えです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- コラットは抜け毛が少ない猫種だと聞きましたが、本当ですか?
- 歯にからむ下毛がないので、ブラッシングの手応えが少ないのは確かです。ただ、抜けている量そのものが少ないという意味ではありません。抜けた毛は被毛の中に引っかかる場所を持たないため、ブラシを通らずに床や服へ移ります。膝に濃い色の布を敷いて同じ手順でなでてみると、思っていたより出ることが分かります。
- 換毛期には、ブラッシングの回数をどれくらい増やせばいいですか?
- 月ではなく、布に出た量で決めてください。週1回の量る日をつくって前の週と比べ、1.5倍くらいに増えたら回数を週4回へ、2週続けて増えていれば毎日30秒へ。1回の時間は増やさないでください。コラットは毛が短く地肌との距離が近いので、同じ場所を長く往復すると地肌のほうに負担がかかります。
- 量る用の布は、どのくらいの頻度で洗えばいいですか?
- 毎回洗って構いませんが、柔軟剤は使わないでください。繊維の表面が変わると毛の乗り方が変わり、前の週と比べられなくなります。色と大きさが同じ布であっても、別の1枚に替えると見え方が動きます。量る用の1枚を決めて、ブラシと一緒にしまっておくのがいちばん確実です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
