C05犬種・猫種別ケア
シャルトリューと暮らすなら知っておきたい、抜け毛の話
シャルトリューを一週間なでても指に毛がほとんどつかない日が続いたあと、ある日いきなり手のひらが毛だらけになることがあります。体調が変わったわけでも、季節が切り替わったわけでもありません。シャルトリューの抜け毛は、1本ずつ落ちてくるのではなく、束になって一度に出てくるからです。被毛が密で、毛と毛が押し合った状態で立っています。1本が根元から外れても、周りの毛に挟まれたまま、しばらくそこに留まります。留まった毛がある程度たまったところで、なにかの拍子にまとめて外へ出る。だから量が日によって大きく動きます。この記事では、1本ずつ抜けていく猫と、束で出てくる猫を並べて、量の読み方と道具の使い分けがどう変わるかを書きます。
押し合っている毛は、まとまって外れます|シャルトリューの抜け毛が束で出る理由
シャルトリューの被毛は、長さのわりに本数が多い作りをしています。上毛は少し粗く、下毛はやわらかく密で、その2つが同じ面にぎっしり並んでいます。手のひらを当てると、毛が押し返してくる感触があります。毛と毛のあいだに、ほとんどすきまがありません。一本一本が周りの毛に支えられて立っている、と言ったほうが近い状態です。
この作りが、抜け方を決めています。毛が根元から外れても、周りの毛に挟まれているので、その場から落ちません。外れた毛は、外へ出るのではなく、いったん被毛の中に留まります。留まった毛が少しずつ増えて、押し合いのバランスが崩れたところで、なにかの拍子にまとまって外へ出る。シャルトリューの抜け毛が束で出てくるのは、この二段構えのためです。
きっかけは大きなことでなくて構いません。人が背中をなでた、猫が体を伸ばした、寝返りを打った、キャットタワーから飛び降りた。そのひと動きで、留まっていた毛がまとめて外へ出ます。だから、量が日によって大きく動きます。昨日は指に何もつかなかったのに、今日は手のひらが毛だらけになる。これは、抜ける量そのものが1日で何倍にもなったという話ではありません。出てくるタイミングがそろっただけです。
- 本数が多く、毛どうしのすきまが狭い:外れた毛が、その場に挟まったまま残ります
- 下毛がやわらかく密:留まった毛が、隣の毛にからんで動きにくくなります
- 上毛が少し粗い:外へ出るときに、束のまま押し出される形になります
- 体が大きくがっしりしている:面が広いぶん、たまる場所も広くなります
- 毛が体に寝ている:たまっていても外からは分かりません
- 乾燥した日は静電気が起きる:外れた毛が周りの毛に張りついて、さらに留まります
抜け毛が急に増えると、その日の量を数えたくなります。ただ、シャルトリューでは1日の量より、その前の何日ぶんが一度に出たのかのほうが実態に近くなります。数えるより、その日のうちに被毛の中へ手を入れて、まだ留まっている毛が残っているかどうかを確かめてください。指に毛が続けてついてくるなら、出きっていません。
1本ずつ抜ける猫と、束で出る猫|シャルトリューの抜け毛はどこが違うのか
抜け毛の話は、ふつう量で語られます。多いか少ないか、増えたか減ったか。ただ、シャルトリューでは量より先に、外へ出てくる形のほうを見たほうが読めます。ここでは、毛どうしにすきまがあって1本ずつ抜けていく猫と、押し合っていて束で出てくる猫を並べます。同じ「抜け毛が多い」でも、家で起きていることがまるで違います。
1本ずつ抜ける猫では、外れた毛はすぐ被毛の外へ出ます。床に落ちる毛は細かく散らばり、日ごとの量もあまり動きません。だから1日の量を見れば、その子のいまの状態がだいたい分かります。ブラシに毛が薄く広がるようにつくのも、この型の特徴です。飼い主が「今週は多いな」と感じたら、実際にその週の抜ける量が増えています。
シャルトリューはもう一方です。外れた毛が被毛の中に留まるので、床に落ちるのは細かい毛ではなく塊になります。ブラシには、毛が固まってごっそりつきます。1日の量は、その日に抜けた量ではなく、その日に出てきた量です。同じ「抜け毛が多い日」でも、意味が違います。この違いを踏まえずに量だけを追うと、増えた減ったで一喜一憂することになります。
| 1本ずつ抜ける猫 | シャルトリュー(束で出る猫) | |
|---|---|---|
| 外れた毛の行き先 | そのまま被毛の外へ出る | 周りの毛に挟まれ、いったん留まる |
| 床に落ちている形 | 細かく散らばる | まとまった塊で落ちている |
| ブラシへのつき方 | 毛先の側に薄く広がる | 根元の側に固まってつく |
| 日ごとの量 | 大きくは動かない | 少ない日と多い日の差が大きい |
| 量が語ること | その日に抜けた量 | その日に出てきた量。数日ぶんのことがある |
| 急に増えた日の意味 | 状態が変わった可能性を考える | たまっていたぶんが出た可能性が先に来る |
| ブラッシングの目的 | 抜けた毛を外へ運ぶ | 留まっている毛を、こまめに出しておく |
どちらが良い悪いという話ではありません。押し合っている被毛は、それだけ厚みがあって空気をためられるということでもあります。変えられるのは抜ける量ではなく、外れた毛が被毛の中に留まっている時間のほうです。シャルトリューの抜け毛で手を入れられるのは、そこだけだと考えてください。
今日は束の日か、そうでない日か|シャルトリューの抜け毛でブラシを使い分ける
道具を2本持つ、という話ではありません。同じ道具でも、その日にどこまで入れるかを変えます。シャルトリューの抜け毛では、留まっている毛が多い日と少ない日で、必要な深さが違います。深さを毎回同じにすると、留まっていない日は皮膚を無駄にこすり、留まっている日は届かないまま終わります。まず、その日がどちらかを確かめてください。
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背中の真ん中を、手のひらで3回なでる
道具を持つ前に、乾いた手のひらだけで背中を上から下へ3回なでます。手のひらに毛がつくかどうかを見ます。ほとんどつかないなら、留まっている毛は少ない日です。1回目からまとまってつくなら、束の日です。ここまで10秒で終わります。
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毛の流れと逆に、指を軽く走らせる
毛先の側だけを、流れと逆方向に指で軽く起こします。押し込まず、表面をなでる程度で構いません。指の腹に毛が続けてついてくるなら、被毛の中にまだ残っています。1回でつかなくなるなら、その日は表面をそろえるだけで足ります。
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留まっている日は、根元の側まで通す
束の日は、毛先だけを整えても意味がありません。ブラシを毛の流れに沿って、根元の側から毛先へ通します。1か所につき3〜4往復まで。同じ場所を何度も往復すると、地肌のうるおいまで持っていかれます。場所を移してください。
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そうでない日は、毛先だけをそろえて終える
留まっている毛が少ない日に深く入れる必要はありません。毛先の側を流れに沿ってなでるだけで終えます。毎日同じ深さでやらないことが、この猫種では手数を減らします。短く終えた日をつくると、束の日にしっかり時間を取れます。
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終わりに、床に落ちたものの形を見る
細かく散らばっているのか、塊で落ちているのか。塊が出た日は、翌日ももう一度手を入れてください。束は一度で出きらないことがあります。散らばっているだけなら、その一帯は通っています。
| 手のひら3回でついた毛 | その日にやること |
|---|---|
| ほとんどつかない | 毛先の側をそろえるだけ。深く入れない |
| 少しつく | 背中と腰だけ、根元の側まで1〜2往復 |
| 1回目からまとまってつく | 全身を区切って、根元の側まで通す。翌日も見る |
| つき続けて減らない | その日は途中で切り上げ、翌日に残りを進める |
乾燥している日は、静電気で外れた毛が周りの毛に張りつきます。張りつくと、束はさらに出にくくなります。ここで手のひらに取るのが、mofuwaの猫用グルーミングウォーターです。ブラッシングの前に少し取って、背中から腰へなでるように広げてから、コームを入れてください。毛先の滑りがそろうと、周りの毛に張りついていた毛が離れて、手のひらの側へ出てきます。ブラッシングスプレーとして、静電気の起きにくい状態をつくるための道具です。すすぎも拭き取りも要りません。噴射音を嫌がる猫がいるという飼い主さんの声をふまえて、押して出すボトルに形を変えたものなので、音が出ません。シャルトリューは音に敏感な子が多いので、寝ているそばで手に取っても起こさずに済みます。中身は電解水で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。毛づくろいで口に入る猫にも、背中から腰までひと通り広げる量を使えます。
ブラシに毛が固まってついたとき、そのまま引き抜きたくなります。ただ、束の中には、まだ根元でつながっている毛が混じっています。抵抗を感じたら、そこで止めて、ブラシを持ち上げてから毛をはずしてください。力で抜くと、生えている毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。出きらなかったぶんは、翌日に回して構いません。
量が動く週と、動かない週|シャルトリューの抜け毛が増える時期の読み方
時期の話に入ります。シャルトリューの抜け毛は、換毛期に入ると被毛の中に留まる量そのものが増えます。束が大きくなり、出る間隔が短くなる、というのが換毛期の見え方です。量が増えたというより、たまるスピードが上がると考えるほうが実態に近くなります。手を入れる回数を、この時期だけ増やしてください。
| 時期 | 束の出方 | その時期にやること |
|---|---|---|
| 換毛期の前(2〜3週間前) | いつもどおり。量は動かない | 手のひら3回の確認だけを毎日 |
| 換毛期の入り口 | 束が出る間隔が短くなる | 背中と腰を、2日に1回は根元まで |
| 換毛期のさなか | 毎日のように束が出る | 全身を区切って毎日。1か所は短く |
| 換毛期のあと | 束が小さくなり、間隔が戻る | 毛先の側をそろえる日を増やす |
| 室内飼いで季節がはっきりしない子 | 年間を通してばらつく | カレンダーではなく、手のひらの感触で決める |
室内で暮らしていると、換毛期の輪郭ははっきりしなくなります。照明と空調で、外の季節がそのまま伝わらないためです。日付で構えるより、手のひらに毛がつく量が3日続けて増えたら入り口だと考えてください。シャルトリューの抜け毛は、時期そのものより、たまり方の変化のほうが先に手に出ます。カレンダーに書き込むなら、日付ではなくその感触を書いてください。
空気が乾く時期には、もうひとつ別のことが起きます。静電気で毛が張りつき、外れた毛が出にくくなります。抜ける量は変わっていないのに、床に落ちる量だけが減る、という日が出てきます。減ったと思って手を抜くと、あとでまとめて出ます。室内の湿度が下がる季節は、床の量ではなく手のひらの感触で判断してください。グルーミングウォーターを手のひらに取ってから梳かす日を増やすのは、この時期です。
抜け毛が増えると、洗って落としたくなります。ただ、シャルトリューの被毛は密で、乾かしきるまでに時間がかかります。濡れた状態が長く続くほど、外れた毛は周りの毛に張りついて出にくくなります。洗う回数を増やすと、地肌のうるおいも同時に減ります。換毛期に増やすのは洗う回数ではなく、被毛の中へ手を入れる回数のほうです。
束で出るのをやめない前提で組む|シャルトリューの抜け毛でケアを選ぶ
ここまでを、選び方の形にまとめます。シャルトリューの抜け毛では、束で出るのをやめさせる方向へは組みません。毛どうしが押し合っているのは、この猫種がもともと持っている被毛の作りだからです。選べるのは、留まっている毛を毎日少しずつ出しておくか、たまってから一度に出すか。前者を選ぶと、床に落ちる塊が小さくなります。
| 毎日少しずつ出す | たまってから一度に出す | |
|---|---|---|
| 1回あたりの時間 | 2〜3分。1か所ずつ | 20分以上かかる日が出る |
| 猫の負担 | 短いので途中で逃げにくい | 長く押さえられることになる |
| 床に落ちる塊 | 小さくなる | 大きな塊が急に出る |
| 飼い主が気づける変化 | 手のひらの感触で毎日わかる | 出た日にしかわからない |
| 向いている子 | 触られるのを嫌がらない子 | 触るのが週末しかできない家庭 |
毎日やるほうが良いに決まっている、とは書きません。触られるのを強く嫌がる子に毎日手を入れると、ブラッシングそのものを避けるようになります。その場合は、手のひらで3回なでるところまでを毎日、道具を持つのは週2回、という分け方でも構いません。確かめるだけの日をつくれば、束が来る日はだいたい読めます。
- 換毛期でもない時期に、束が出る間隔が急に短くなった:季節の区切りと合わない変わり方です
- いつも同じ一か所だけから束が出る:寝る向きや、体を寄せている面を思い出してください
- 束を出したあとの地肌が赤い:抜け毛の話として片づけないでください
- 毛が根元から抜けて、地肌が広く見えている:抜けたのではなく、生えていない可能性があります
- 同じ場所を舐め続けている:抜け毛より先に、皮膚のほうを見てください
- 触ると嫌がる、声を出す:痛みがあるときは、その場でブラシを置いてください
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、食べる量や元気が落ちている。いずれかに当てはまる日は、ブラッシングの回数を増やす前に動物病院へ電話してください。シャルトリューは被毛が密で、地肌の変化が外から見えにくい作りです。束が出た日をさかのぼれるうちに聞くほうが、話が早く進みます。
相談に行くときは、束が出た日付、出た場所、そのときの床の落ち方の3つをメモしていってください。この3つがあると、被毛の作りで説明のつく抜け毛なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。相談の前の晩に、念入りに梳かしておく必要はありません。留まっていた毛を出しきってから連れて行くと、その日の被毛の状態が伝わりません。
シャルトリューと暮らしていると、急に大量の毛が出る日に驚かされます。ただ、この猫では珍しいことではありません。押し合っている毛は、1本ずつではなく束で外れる。それだけのことが、量の日ごとの差になって出ています。量を追うのをやめて、手のひらの感触で今日の深さを決める。シャルトリューの抜け毛で動かせるのは、そこです。
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よくある質問
- シャルトリューの抜け毛が、ある日だけ急に増えるのはなぜですか?
- 被毛が密で毛どうしが押し合っているので、根元から外れた毛がその場に留まります。留まった毛がたまったところで、体を伸ばす、なでる、飛び降りるといったひと動きでまとめて外へ出ます。その日に抜けた量が増えたのではなく、数日ぶんが一度に出た、と考えるほうが実態に近くなります。
- ブラッシングは毎日やったほうがいいですか?
- 毎日でなくて構いません。乾いた手のひらで背中を3回なでて、毛がほとんどつかない日は毛先の側をそろえるだけで足ります。まとまってつく日だけ、根元の側まで通してください。毎日同じ深さで入れると、留まっていない日に地肌のうるおいまで持っていくことになります。
- 抜け毛が多い時期に、シャンプーの回数を増やしてもいいですか?
- 増やさないほうが進みます。シャルトリューの被毛は密で、乾かしきるまでに時間がかかります。濡れている時間が長いほど、外れた毛は周りの毛に張りついて出にくくなります。換毛期に増やすのは洗う回数ではなく、被毛の中へ手を入れる回数のほうです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
