C05犬種・猫種別ケア

マンクスのダブルコート|抜け毛を毎日のケアで防ぐ

公開日 2026年8月4日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の白いクッションの上に、淡い色の被毛の猫が落ち着いて座っている
表に出ている毛の長さが違っても、その下にある下毛の厚みは同じことがあります。写真:Lara/Pexels

短毛のマンクスと長毛のマンクスを並べて背中に手を置くと、毛の長さはまるで違うのに、押し返してくる厚みがほとんど同じことがあります。表に見えている毛の長さと、その下にある下毛の量が、この猫種では結びついていません。だから、マンクスの抜け毛は見た目から予想できません。毛が短いから少ないはずだ、という当てが外れます。多くの猫では、毛が長ければ抜けたときの量も多く、短ければ少ない、という読み方がだいたい通ります。マンクスではその前提が使えません。この記事では、毛の長さで量を読める猫と、読めない猫を並べて、確かめ方と道具の当て方がどう変わるかを書きます。

毛の長さが変わっても、下毛の厚みは変わりません|マンクスの抜け毛が読めない理由

マンクスの被毛は二層でできています。外側にあるのが上毛で、内側にあるのが下毛です。ここまではダブルコートの猫と同じですが、マンクスにはもうひとつ条件があります。同じ猫種の中に、上毛が短い子と、上毛が中くらいの長さまで伸びる子がいます。手ざわりも違います。短毛の子は毛が体から少し立って厚みのある手ざわりになり、長毛の子は絹のように流れます。

違うのは、そこまでです。上毛の長さは子によって変わりますが、その下にある下毛の厚みは、どちらでもよく似ています。短毛の子の被毛が薄いわけではありません。短い毛の下に、長毛の子と同じくらいの下毛が詰まっています。マンクスの抜け毛を考えるとき、この一点が全部の前提になります。

多くの猫では、表に見えている毛の長さが、抜けたときの量とだいたい対応します。長い毛の猫は塊が目立ち、短い毛の猫は落ちる量が少なく見えます。飼い主はそれを何年もかけて覚えます。マンクスでは、その覚え方が働きません。短毛の子を迎えて、毛が短いから抜け毛は少ないだろうと構えていると、換毛期に予想の外へ出ます。逆に、長毛の子だから大変だと身構えて、実際にはそれほど変わらなかった、ということも起きます。

Note毛が短い子を、手のかからない子と読み替えないでください

短毛のマンクスを選ぶとき、毛が短いぶん楽だろうと考えることがあります。ただ、抜けてくるのは下毛のほうなので、上毛の長さは量の目安になりません。短い毛のあいだから細かい下毛が出てくるので、床では長毛の子より散らばって見えることもあります。楽か大変かではなく、どちらも下毛の厚みで考える、というのがこの猫種での出発点です。

毛の長さで量を読める猫と、読めない猫|マンクスの抜け毛にある違い

ここで2つの型を並べます。ひとつは、上毛の長さと下毛の量がだいたい対応している猫。もうひとつは、対応していない猫です。マンクスは後者にあたります。この違いを踏まえないまま、前者の読み方をマンクスに当てはめると、換毛期のたびに予想が外れます。何を見て判断するかが、そもそも違うからです。

毛の長さで量を読める猫では、見た目が判断材料になります。毛が長くなった、短く刈った、という変化がそのまま量に返ってきます。飼い主は、鏡を見るように猫を見て予定を立てられます。ブラッシングの頻度も、毛の長さから決めて構いません。多くの猫種でこの読み方が通るので、これが標準だと思われています。

マンクスでは、見た目が判断材料になりません。表に出ている長さは、下毛の厚みについて何も教えてくれないからです。代わりに使うのは、指を沈めたときにどこまで入るか、という感触のほうです。短毛の子でも指が途中で押し返されるなら、そこには厚みがあります。長毛の子でも、指が地肌まですっと届く場所があります。マンクスの抜け毛は、猫ごとではなく場所ごとに読むことになります。

同じ猫でも、量を決めている層が違います
毛の長さで量を読める猫マンクス(読めない猫)
量を決めている層上毛と下毛が、そろって増える下毛の厚みだけが量を決める
上毛と下毛の関係長い子ほど、下毛も厚い長さが違っても、厚みは似ている
判断に使うもの見た目。毛の長さと見え方指の沈み方。押し返される深さ
迎える前の予想毛の長さから、だいたい立つ立たない。触ってからになる
同じ猫種の中のばらつき毛の長さと連動する毛の長さとは連動しない
ブラッシングの決め方毛の長さで頻度を決めてよい場所ごとに、厚みを確かめて決める
換毛期に増える量見た目からおおよそ読める短毛の子でも大きく増えることがある

この違いは、猫種としての優劣ではありません。下毛が厚いのは、風の強い島で暮らしてきた猫の作りだからです。外の毛の長さは環境や血のつながりで振れても、体温を保つ層のほうは削られなかった、と考えると筋が通ります。マンクスの抜け毛で変えられるのは量そのものではなく、抜けた下毛が上毛のあいだに留まっている時間のほうです。

Note多頭で暮らしていると、比べ方を間違えます

同じ家に別の猫がいると、その子と比べて量を判断しがちです。ただ、相手が毛の長さで量を読める猫なら、比べても答えは出ません。マンクスは、同じ家の別の猫ではなく、その子自身の先週と比べてください。比べる相手を変えるだけで、増えているのか、いつもどおりなのかが分かるようになります。

見た目ではなく指の沈み方で決める|マンクスの抜け毛を確かめる見分け方

確かめ方に入ります。使うのは目ではなく指です。毛の流れと直角に、指を1本まっすぐ沈めて、どこで押し返されるかを見ます。マンクスの抜け毛では、この深さが、その場所に残っている下毛の厚みをそのまま表します。短毛の子でも長毛の子でも、やることは同じです。1か所30秒もかかりません。

  1. 背中の真ん中で、指を1本まっすぐ沈める

    毛をかき分けるのではなく、上から差し込むように入れます。地肌まで届くか、途中で止まるか。止まった深さが、そこにたまっている下毛の厚みです。長毛の子は毛が寝ているので、上毛をよけてから入れると分かりやすくなります。

  2. 同じことを、肩・腰・わき腹でくり返す

    マンクスは体つきががっしりしていて、面によって条件が変わります。1か所で決めず、4か所で比べてください。ぜんぶ同じなら全身に手を入れる日、1か所だけ止まるならその場所だけの日です。1日で全身を回そうとしないほうが続きます。

  3. 止まった場所の毛を、1本つまんで送る

    指の中でくしゃりとつぶれるなら下毛、張りが返ってくるなら上毛です。つまめるのが下毛ばかりなら、その場所は下毛を出す日にあたります。上毛ばかりで表面が絡んでいるなら、先に表面をそろえる仕事が残っています。

  4. 毛の長さを基準にしないと、口に出して決めておく

    短毛だから浅いはず、長毛だから深いはず、という当てを一度捨てます。マンクスの見分け方は、その日その場所の指の感触だけで足ります。迷ったら、前の週に同じ場所で指がどこまで入ったかと比べてください。

指がどこまで入ったかと、その日にやること
指を沈めたときの感触その場所でやること
すっと地肌まで届くその場所は今日はやらなくて構いません
途中で軽く押し返される毛の流れに沿って、表面をそろえるだけ
浅いところで止まる下毛を出す日。層を1枚ずつ、短く通す
場所によって深さがばらばら止まる場所だけを、日を分けて回します
Point同じ曜日、同じ4か所で確かめてください

深さそのものより、先週からどう動いたかのほうが役に立ちます。曜日と場所を固定すると、比べられる数字になります。マンクスは見た目に手がかりがないぶん、記録が効きます。撫でるついでに背中で1回、と決めてしまえば、思い出さなくても回るようになります。

表面をそろえる日と、下毛を出す日|マンクスの抜け毛で道具を使い分ける

指で決まったら、道具を選びます。マンクスの抜け毛では、道具を選ぶ順番が毛の長さではなく、指が止まったかどうかで決まります。短毛の子だから軽いブラシ、長毛の子だから目の粗いもの、という選び方をしないでください。同じ子でも、場所によって選ぶものが変わります。

2種類の日を、同じ項目で比べる
表面をそろえる日下毛を出す日
どんな日か指が地肌の近くまで入る指が浅いところで止まる
動かす向き毛の流れに沿って、長く分けた層に沿って、短く
当てる深さ毛先から中ほどまで層を1枚ぶんだけ
1か所の回数3〜4往復1〜2往復で場所を移す
終わったときの毛流れがそろって寝ている落ちた下毛が細かく出ている
やりすぎたときに起きること毛先が割れて静電気が起きやすくなる地肌のうるおいまで持っていかれる

下毛を出す日でも、上から一気に入れないでください。指で毛を分けて層を1枚出し、その層のぶんだけ通してから、分ける線を少し上へ移します。これを3〜4回くり返せば、その一帯に届きます。深さを先に決めておくと、道具が地肌に当たりません。短毛の子は毛が立っているので、分ける線が作りにくく感じますが、押さえる手を添えれば同じことができます。

空気が乾く時期には、抜けた下毛が静電気で上毛に張りつきます。張りついた毛は、道具を通しても出てきません。mofuwa グルーミングスプレーは、グルーミングスプレーでありブラッシングスプレーでもある1本で、静電気の起きにくい状態にしてから梳かすために使います。層を分ける前に、背中から腰まで毛の流れに沿って行き渡らせてください。マンクスは毛づくろいで背中まで口を持っていく猫です。グルーミングスプレーは舐めても差し支えのない基準でつくられているので、下毛の厚い子で量が要る日も、控えずに行き渡らせられます。指が止まった場所ほど先に多めに入れておくと、そのあと層を1枚出すときに、抜け毛が毛先で引っかからずに出てきます。

Caution下毛が厚い猫は、濡れている時間が長くなります

抜け毛が増えると、洗って落としたくなります。ただ、マンクスは下毛が厚いので、乾かしきるまでに時間がかかります。濡れた状態が長く続くほど、抜けた下毛は上毛のあいだに張りついて出にくくなります。洗う回数を増やせば、地肌のうるおいも同時に減ります。増やすなら洗う回数ではなく、層を1枚ずつ出す日のほうです。

毛の長さを基準にしない|マンクスの抜け毛でケアの組み立てを選ぶ

最後に、組み立ての選び方をまとめます。抜け毛を毎日のケアで防ぐ、という言い方をするとき、動かせるのは抜ける量ではなく、抜けた下毛が上毛のあいだに留まっている時間のほうです。下毛が厚いのはこの猫種の作りなので、そこは変わりません。選ぶのは、毎日少しずつ出しておくか、週末にまとめて出すかです。

2つの組み立てを、マンクスの条件で比べる
毎日、指で確かめて短く週末にまとめて
1回あたりの時間3分。止まった場所だけ20分以上かかる日が出る
猫の負担短いので途中で逃げにくい長く押さえられることになる
厚みの変化への気づき先週との差で毎週わかる気づいたときには進んでいる
向いている家庭毎日決まった時間が取れる平日に時間が取れない
注意したいこと浅い場所まで触らないこと1日で全身を回そうとしないこと

毎日のほうが良いに決まっている、とは書きません。押さえられるのを強く嫌がる子に毎日道具を持つと、ブラッシングそのものを避けるようになります。その場合は、指を沈めて確かめるところまでを毎日、道具を持つのは週2回、という分け方でも構いません。確かめるだけの日をつくると、どこから手を入れればよいかが先に決まります。マンクスの選び方は、頻度より順番です。

Caution背中の同じ場所だけ、指の入り方が変わったとき

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を舐め続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、食べる量や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングの回数を増やす前に動物病院にご相談ください。マンクスは下毛が厚く、地肌の変化が外から見えにくい作りです。抜け毛の量で様子を見る前に、指が止まる場所の地肌を見てもらってください。

相談に行くときは、指が止まる場所、いつからか、先週との深さの差の3つをメモしていってください。この3つがあると、被毛の作りで説明のつく抜け毛なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りにブラッシングしないでください。指が止まる場所が消えてしまい、当日に同じところを確かめられなくなります。

マンクスと暮らしていると、毛の長さから量を予想したくなります。短毛の子なら少ないはず、長毛の子なら多いはず、という当てです。ただ、この猫種ではその当てが働きません。短い毛の下にも、長い毛の下にも、同じくらいの下毛が詰まっています。見た目で決めるのをやめて、指が止まった場所だけに手を入れる。マンクスの抜け毛で動かせるのは、そこです。

Product

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よくある質問

短毛のマンクスなら、抜け毛は少ないですか?
毛の長さと量は結びついていません。抜けてくるのは主に下毛で、その厚みは短毛の子でも長毛の子でもよく似ています。短い毛のあいだから細かい下毛が出るので、床では長毛の子より散らばって見えることもあります。量を知りたいときは、毛の長さではなく指を沈めて厚みを確かめてください。
ブラッシングの頻度は、どのくらいがいいですか?
毛の長さでは決めないでください。背中・肩・腰・わき腹の4か所に指を沈めて、地肌まで届く場所はその日やらなくて構いません。浅いところで止まる場所だけ、層を1枚ずつ出します。全部が止まるようになったら、換毛期の入り口だと考えて、手を入れる日を増やしてください。
同じ家の別の猫より抜け毛が多い気がします。異常でしょうか?
相手の猫が毛の長さで量を読める子だと、比べても答えが出ません。マンクスは下毛が厚いので、見た目の毛の長さから想像する量より多く出ることがあります。比べるなら、同じ場所で先週の指の深さと比べてください。地肌が赤い、同じ場所を舐め続けているといった変化があるときは、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。