C05犬種・猫種別ケア

オシキャットの短毛|抜け毛を毎日のケアで防ぐ

公開日 2026年7月7日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い灰色の猫が薄い色のリネンの上に寝そべっている
抜けた毛が立ち上がるか、寝たまま押さえられるか。取り出すときに動かす向きが、そこで分かれます。写真:Daniel Radovskis/Pexels

オシキャットの背中を、首から腰へ5往復なでてみてください。手のひらを返しても、指の腹に薄く広がるほどの毛しか乗りません。床にもほとんど落ちていません。それなのに、毛の流れと逆向きに手を動かした瞬間、起き上がった毛のあいだから短い毛がふわりと浮いてきます。オシキャットの抜け毛は、抜けていないのではなく、外へ出てこられないまま体の上に残っています。毛が短く、密度が高く、体に沿って寝ているので、根元で抜けた毛が立ち上がる隙間がありません。周りの毛に上から押さえられて、抜けた向きのまま寝ています。この記事では、立って残る毛と、寝たまま残る毛を並べます。同じ「体の上に残った抜け毛」でも、取り出すときに動かす向きが逆になる、という話です。

短い毛が、密なまま体に寝ています|オシキャットの抜け毛が外へ出ない条件

オシキャットの被毛は短く、1本1本が細く、そして本数が多い猫種です。短いことと、少ないことは別の話です。短い毛が高い密度で生えていて、しかもその毛が立たずに体の面へ倒れています。指を入れて毛を分けようとすると、分け目ができる前に毛が横へ寄って、すぐ元の面に戻ります。触ったときになめらかに感じるのは、毛先どうしが重なって一枚の面をつくっているからです。

この作りが、抜け毛の行き先を決めています。毛は根元で抜けたあとも、しばらく体の上に留まります。留まった毛が外へ出るには、いったん体から立ち上がって、隣の毛のあいだを抜けていく必要があります。オシキャットでは、その立ち上がる隙間がありません。上から重なっている毛が、抜けた毛を寝かせたまま押さえます。抜けた毛は、抜けた向きのまま、体に沿って残ります。

そのため、飼い主の側には「抜けていない」という感触が返ってきます。なでても手のひらに乗らない。床にも落ちていない。服にもつかない。ところが、換毛期に入って一度ブラシを深く入れると、思っていた量とかけ離れた毛がまとめて出てきます。急に増えたのではなく、それまで出てこられずに溜まっていたぶんが、まとめて外へ出ただけ、ということが起こります。

毛が体の上に長く残ると、根元の側の空気が動きにくくなります。皮膚の面に近いところで毛が詰まるので、湿った空気がそこに留まりやすくなります。抜け毛の話が、被毛だけでなく地肌の話につながってくるのはこの点です。抜ける量そのものは季節が決めますが、抜けた毛が体の上に何日残るかは、毎日のケアで動かせます。

Note「毎日のケアで防ぐ」と言うときに動かしているもの

抜ける本数そのものを毎日のケアで減らすことはできません。毛には生え替わる周期があり、季節がその引き金を引いています。毎日のケアで防ぐという言い方をするとき、実際に動かしているのは、抜けた毛が体の上に残っている時間のほうです。オシキャットでは、この残っている時間が長くなりやすい。だから、取り出す作業の意味がほかの猫より大きくなります。

立って残る毛と、寝たまま残る毛|猫のオシキャットで抜け毛を比較する

体の上に残った抜け毛には、2つの残り方があります。立って残る毛と、寝たまま残る毛です。どちらも同じ「抜けたのにまだ体の上にある毛」ですが、残っている姿勢が違うので、気づき方も、取り出す向きも変わります。オシキャットは後者に寄っています。ここを取り違えると、毎日ブラシを当てているのに何も出てこない、という時間が続きます。

立って残る毛は、根元で抜けたあとに毛先が上を向いたまま留まっているものです。毛が体から少し離れているので、手のひらでなでればそのまま乗ります。服にもつきますし、光の角度によっては毛先が浮いているのが見えます。この場合、道具は上から当てるだけで足ります。すでに外へ向かって立っている毛を、そのまま拾い上げればよいからです。

寝たまま残る毛は、根元で抜けたあとに横へ倒れ、上から生えている毛に押さえられているものです。表面には出ていないので、手のひらにも乗らず、服にもつきません。上からブラシを当てても、道具の歯は表面の毛をなでるだけで、その下をくぐっている抜け毛には届きません。取り出すには、押さえている毛のほうを一度起こす必要があります。動かす向きが、立って残る毛とは逆になります。

オシキャットの抜け毛が、どちらの残り方に近いかを比べる
立って残る毛寝たまま残る毛
毛の姿勢毛先が体から離れて上を向く体の面に沿って横に倒れている
手のひらに乗るかなでれば乗りますなでても乗りません
床や服につくかつきますほとんどつきません
上からのブラッシングそのまま拾えます歯の下をくぐって残ります
取り出す向き毛の流れに沿って、上から流れと逆に起こしてから、沿わせて戻す
気づくきっかけ床や服に毛が増える換毛期に、まとまって出てくる
乾いた季節の影響静電気で毛が広がります静電気で毛が寄って、さらに締まります
立って残る毛と、寝たまま残る毛 抜けた毛が体から立ち上がっているか、周りの毛に押さえられて寝ているか。オシキャットは後者に寄っているため、道具を動かす向きが変わります。 残っている姿勢が、取り出す向きを決めます 立って残る毛 毛先が体から離れている なでれば手のひらに乗る 上から当てて、そのまま拾う 床や服で量に気づける 寝たまま残る毛 周りの毛に押さえられている なでても手のひらに乗らない 逆向きに起こしてから取り出す 換毛期にまとめて出てくる オシキャットでは、右側の残り方が中心になります
同じ抜け毛でも、残っている姿勢によって取り出す向きが逆になります。

この比較で押さえておきたいのは、量の多い少ないの話ではないという点です。寝たまま残る毛が多い子は、抜ける量が多いのではなく、抜けた毛が体の上に残る時間が長いだけです。床の毛の量で判断すると、そのぶんだけ実際より少なく見積もることになります。オシキャットの抜け毛を量で測ろうとすると、この見積もりのずれがそのまま残ります。

もうひとつ、時間差も違います。立って残る毛は、抜けてから1〜2日で床や服へ移ります。寝たまま残る毛は、手を入れなければ何日でも体の上に留まります。気づいたときには「今週の抜け毛」ではなく、「この2〜3週間ぶんの抜け毛」になっています。換毛期に量が急に増えたように見えるのは、この時間差が一度に解消されるからです。

うちの子はどっちか|オシキャットの背中を逆立てて確かめる

同じ猫種でも、毛の密度や寝方には幅があります。うちの子の抜け毛がどっちの残り方に寄っているかは、道具を使わずに手だけで確かめられます。かかるのは30秒ほどです。落ち着いているときに、背中で試してください。嫌がるようなら、そこでやめて別の日に回します。

  1. まず、毛の流れに沿って5往復なでる

    首から腰へ、いつもと同じ向きです。終わったら手のひらを返して、乗った毛の量を見ます。ここでしっかり毛が乗るなら、その子は立って残る側に寄っています。手のひらがほとんど白いままなら、次の手順へ進みます。オシキャットでは、この時点で何も乗らないことのほうが多くなります。

  2. 次に、流れと逆向きに1往復だけ手を入れる

    腰から首へ、毛先を起こすように手のひらを滑らせます。強く押しつけず、毛の面を持ち上げる程度で構いません。起き上がった毛のあいだから、短い毛が浮いて出てくるかを見てください。ここで浮いてくるものが、押さえられて寝ていた抜け毛です。

  3. 浮いてきた毛を1本つまんで、根元を見る

    毛の片方の端に、わずかにふくらんだ部分があるかどうかです。ふくらみのある側が根元で、そこから抜けた毛だと分かります。両端とも細いままなら、途中で切れた毛です。切れた毛が多いときは、抜け毛の話ではなく、道具の当て方や乾燥の話に寄っていきます。

  4. 同じことを、脇腹と腰の上でも試す

    背中だけで決めないでください。オシキャットは体の面によって毛の寝方が変わります。腰の上や脇腹は、寝床と接している時間が長いぶん、毛が締まっていることがあります。3か所で試して、逆向きにしたときだけ毛が出てくる場所がどこかを覚えておきます。そこが、毎日のケアで最初に手を入れる場所になります。

確かめた結果と、その子の抜け毛がどっちに寄っているか
手を入れた結果その子の抜け毛の残り方
流れに沿ってなでるだけで、手のひらに毛が乗る立って残る側。上から当てる道具で足ります
沿ってなでても乗らないが、逆向きにすると浮いてくる寝たまま残る側。起こす向きが要ります
逆向きにしても、ほとんど出てこない残っている毛が少ない時期です。頻度を上げなくて構いません
出てくる毛の両端が細い(根元のふくらみがない)抜け毛ではなく切れた毛です。当てる力を弱めてください
逆向きにすると嫌がる、皮膚がぴくつくその日はやめます。無理に続けないでください
Point床の毛の量では判断できません

掃除機の中身や、服につく毛の量で抜け毛を測る方法は、立って残る毛には有効です。寝たまま残る毛は、そもそも床へ出てこないので、この測り方では数に入りません。オシキャットで「うちの子は抜け毛が少ない」と感じているとき、実際には体の上に留まっているだけ、ということがあります。測る場所を床から体の上へ移してください。

起こしてから、そろえる|オシキャットの抜け毛で道具を動かす向き

寝たまま残る毛を取り出す動きは、2つで1組になります。まず毛の流れと逆に動かして押さえている毛を起こし、次に流れに沿って動かして、浮いてきた毛を運び出す。逆向きだけでは、起こした毛が元の面に戻ってしまい、抜け毛もそのまま寝ます。順向きだけでは、そもそも起きていないので届きません。2ストロークを1組として数えてください。

  1. 1ストローク目:腰から首へ、短く起こす

    端から端まで一気に動かさず、手のひら1つぶんの幅で区切ります。力ではなく、毛の面を持ち上げる角度で決まります。道具を寝かせて当てると表面を滑るだけになるので、少しだけ立てて入れてください。短毛の猫なので、深く入れる必要はありません。毛の長さのぶんだけ起きれば足ります。

  2. 2ストローク目:同じ場所を、首から腰へ沿わせて戻す

    起こした毛を、そのまま流れの向きへ倒しながら運びます。浮いていた抜け毛は、この2回目で外へ出ます。1回目で出てこなくても心配は要りません。出てくるのはたいてい2回目です。同じ場所で3回以上くり返さず、次の区画へ移ります。

  3. 背中・脇腹・腰の上を、区画で回る

    全身を1日で終わらせなくて構いません。今日は背中だけ、明日は脇腹だけ、と決めるほうが続きます。オシキャットは体の面が広い猫種ではないので、1区画あたり2〜3組で足ります。回数を増やすより、逆向きと順向きを必ずセットにすることのほうが結果に効きます。

  4. 終わりに、毛先の向きをそろえて締める

    最後に流れに沿って2〜3往復して、面を元に戻します。起こしたままにすると、毛が広がって静電気を拾いやすくなります。終わりの2〜3往復は、取り出す作業ではなく、面をそろえるための作業です。ここまでを1回のブラッシングとして組んでください。

乾いた季節には、この2ストロークがうまく回らなくなることがあります。静電気で毛どうしが寄って、起こしても起こしても元の面に戻ろうとするからです。力を強めても、面はかえって締まります。動かすのは力ではなく、毛の滑りのほうです。うるおいが残っている毛は、逆向きに入れたときに素直に起き上がります。

毎日きれいにしておきたい、という側から入るほうが、この猫種では手順に合います。猫は体から脂を出すので、昨日面をそろえても、今日また毛先が寄ります。mofuwa のグルーミングスプレーは、その毎日の側を受け持つ道具です。直接吹きかけず、布か手のひらにとってから、背中と脇腹を毛の流れに沿ってなでてください。余分な皮脂と油が乳化して落ち、毛の滑りがそろうので、1ストローク目を入れたときに毛が素直に起き上がります。ブラッシングスプレーでもあるので、乾いた季節に面が締まる日ほど、2ストロークが回りやすくなります。

洗う日と、あいだの日で受け持ちを分けておくと、迷わなくなります。洗う日は mofuwa のモイストシャンプー、あいだの日はグルーミングスプレーです。モイストシャンプーは、界面活性剤をアミノ酸系だけにして量も抑えたうえで、原料の水を電解水に替えることで泡立ちを補っています。落としすぎないので洗い上がりがごわつかず、トリートメントの工程がそのまま要りません。短毛の猫でも、浴室で耐える時間が1工程ぶん短くなります。あいだの日は乾いたまま済むほうを使います。舐めても問題のない基準でつくられているので、毛づくろいの多い猫でも量を気にせず使えます。

mofuwaグルーミングスプレーを日常のケアとして使用してもらうことにより、毛玉予防や被毛を清潔に保つことができます。スプレーしてブラッシングするだけなので、体力低下によりなかなかシャンプーができないシニア犬やシャンプーが苦手な猫ちゃんなどにもおすすめです。清涼飲料水の基準をクリアしているという安全性も高く評価できるポイントです。

近藤 竜太 先生/白金高輪動物病院 院長・獣医師(麻布大学卒/比較眼科学会所属)
東京都港区白金1-2-2 白金ザ・スカイ西棟1階
※実際にお使いいただいている獣医師のご感想です。本記事の監修を受けたものではありません。

換毛期ではない時期に、寝たまま残る毛が増えたとき|オシキャットの抜け毛で立ち止まる線

春と秋、換毛期には、寝たまま残る毛の量そのものが増えます。2ストロークを1組にした手順を、この時期だけ1日1回から2回へ増やしてください。期間はおよそ3〜4週間です。増やすのは組の回数であって、1か所での往復数ではありません。同じ場所を長く往復すると、抜けていない毛まで切れていきます。時期が過ぎたら、回数も元に戻します。

オシキャットの抜け毛で、時期ごとに変えるところ
時期1日の組数見ておくところ
換毛期ではない時期1回。1区画2〜3組逆向きにしたときに浮いてくるかどうか
春と秋の換毛期(3〜4週間)2回。区画を分けて浮いてくる量が、週ごとに減っていくか
空気が乾く時期1回のまま毛が起き上がりにくくなっていないか
寝ている時間が長くなった時期1回のまま寝床と接する腰や脇腹に、締まった面ができていないか

ここからは、時期では説明のつかない変わり方の話です。換毛期でもないのに、逆向きに入れるたびに前の週より多く浮いてくるようになったときは、取り出す作業を増やす前に一度立ち止まってください。次のような変わり方は、毎日のケアの範囲を越えています。

Caution地肌の変化が、毛の面の下で進んでいるときの目印

地肌が赤い、かさぶたやフケが目立つ、同じ場所を舐め続けている、毛が一か所だけ薄くなって地肌が見えている、触ると痛がる、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、1日の組数を2回に増やす前に、動物病院にご相談ください。オシキャットは毛が体の上に残りやすいぶん、地肌の変化が外から見えにくい猫種です。背中・脇腹・腰の上のどこかで、週ごとに浮いてくる量が増えているなら、その週のうちに見てもらってください。

相談に行くときは、いつから/どの場所で/逆向きにしたときにどれだけ浮いてくるようになったか、の3つをメモしてください。前の日に念入りにブラシを入れてから行くと、体の上に残っていた状態が消えてしまいます。手を入れずに、そのまま連れて行くほうが役に立ちます。抜けた毛を少し取っておくと、切れた毛か抜けた毛かをその場で見てもらえます。

オシキャットと暮らすうえで、毛が短く密であることも、その毛が体に沿って寝ることも、この猫種の作りです。抜ける量を家庭で変えることはできません。動かせるのは、抜けた毛が押さえられたまま体の上に残っている時間のほうです。起こしてから、そろえる。向きを2つ持つだけで、オシキャットの抜け毛は床に出てくるより先に手元へ出てきます。

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よくある質問

オシキャットは短毛なので、ブラッシングは要らないのではありませんか?
毛の長さと、抜けた毛が外へ出るかどうかは別の話です。オシキャットは短い毛が高い密度で体に沿って寝ているので、根元で抜けた毛が立ち上がる隙間がありません。押さえられて寝たまま残ります。長さのぶんだけ時間は短くて済みますが、取り出す作業そのものは要ります。
毛の流れと逆に動かすと、猫が嫌がりませんか?
強く押しつけると嫌がります。毛の面を持ち上げる角度で、手のひら1つぶんの幅を短く動かす程度で足ります。逆向きは1ストロークだけで、すぐ流れに沿って戻してください。起こしたままにしないことと、同じ場所で3回以上くり返さないこと。この2つを守れば、嫌がられにくくなります。
換毛期に急に量が増えたように見えるのはなぜですか?
それまで体の上に留まっていたぶんが、まとめて外へ出るからです。寝たまま残る毛は、手を入れなければ何日でも留まります。換毛期に新しく抜けた毛が加わって面が動くと、溜まっていたものが一度に浮いてきます。その週に抜けた量ではなく、2〜3週間ぶんが出ていると考えてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。