C12Q&A・豆知識
災害時に水がないときのケアは?
災害で水が止まった日、ペットのケアでまず手放すのは「洗う」という工程です。やることは1つに絞れます。体の上に乗ったものを、乾いた布で外へ運び出すことです。水が要るのは汚れを落とすためで、量を減らすだけなら乾いた布で足ります。目やにと口のまわりを外す、足の指のあいだを開く、体を毛の流れに沿って払う。災害のときに動かせる手はこの3つで、どれも水を使いません。この記事では、水がない日のペットのケアを、手の動かし方の側から8つの問答に分けて書きます。
災害で水が使えない日、ペットのケアはどこまでやりますか
水が止まっているあいだは、洗いません。災害の日にやるのは、体の上に乗ったものを取り除くことだけです。手を入れるのは3か所。目やにと口のまわり、足の指のあいだ、そして体の表面です。ここまでで、その日のペットのケアは終わりにしていい範囲になります。
洗い始めないことには、物としての理由があります。泡を落とし切るには、泡立てるときに使ったぶんより多くの水が要ります。途中で水が足りなくなると、洗浄成分が被毛と皮膚の上に残ります。残ったところに毛が寄って、乾ききらない時間が続く。水が足りない日にいちばん避けたいのは、洗った状態でも洗っていない状態でもない、途中で止まった状態です。
災害のときは、やることを増やしたくなります。何もできていない気がするからです。ただ、増やせるのは手の数であって、水の量ではありません。水が要る工程を1つ外して、水が要らない工程だけを毎日回す。それが、水のない日のペットのケアの形になります。
持ち出した袋の中にシャンプーが入っていたとしても、水が戻るまでは使いません。代わりに数を増やすのは布のほうです。布は、水を使わずに、乗ったものを体の外へ運び出せる道具です。犬でも猫でも、ここは同じように使えます。猫はもともと水で洗う必要がない子が多いので、災害の日はとくに、拭き取りだけで一日ぶんを組み立てられます。
「落とす」と「減らす」とは、何が違うのですか|水が要るのは落とす側だけです
言葉の意味を分けておきます。落とすとは、汚れを浮かせて水で流し切ることです。減らすとは、体の上に乗っている量を外へ運び出すことです。この2つは、必要な道具が違います。落とすには水が要り、減らすには布と時間があれば足ります。
乾いた土、砂、抜けた被毛、フケ。これらは乾いているうちなら、布で払うだけで外へ出せます。ところが同じものに水がかかると、毛の間に貼りついて動かなくなります。中途半端に濡らすほど取れなくなる、というのが被毛の性質です。水がない日は、乾いているうちに手を入れるほうが、量としては多く減らせます。
逆に、減らすだけでは動かないものもあります。皮脂と混ざって膜になったもの、乾いて固まったもの、床から移った油。ここは、水が戻ってから洗う工程で扱う場所です。災害のあいだは残ります。残ることを前提にして、その周りだけを減らしておく、という組み立てになります。
この線が引けると、災害の日に迷う時間が消えます。目の前の汚れを見て、これは減らせるものか、水が戻るまで残すものかを決めるだけになるからです。減らせるものだけを毎日ひとまわり。皮膚に手が届く範囲は、それで保てます。
乾いた布で払う、というのは具体的にどう動かすのですか
動かし方には、力よりも面が効きます。こする回数を増やすより、きれいな面に替える回数を増やすほうが、乗ったものは減ります。汚れた面で往復させると、いま外へ出したものを、また被毛の内側へ戻すことになります。
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布を4つ折りにして、面を数えておく
1枚を4つ折りにすると、表と裏で8つの面ができます。始める前に折っておくと、途中で数えずに済みます。災害のあいだは布の替えがすぐには手に入りません。1枚をどこまで使えるかを、折り目のほうで決めておきます。
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毛の流れに沿って、一方向に払う
背中から腰へ、体側は上から下へ。往復させないのが、いちばんの要点です。戻す動きは、外へ出したものを被毛の内側に押し戻します。払ったものが床に落ちるように、下向きに抜きます。
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面が汚れたら、その場で畳み替える
布の色が変わったら、そこは使い終わりです。同じ面を2か所に使わない、と決めてしまうと、毎回の判断がいりません。畳み替えは1秒で済みます。
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背中から始めて、足先で終える
背中 → 体側 → 腹 → 脚 → 足先の順です。足先を最後に回すのは、そこがいちばん汚れているからです。先に足をやると、そのあと触る場所すべてに運ぶことになります。
毎日やるとしても、全身を1回で終える必要はありません。体の半分ずつ、日で分けても構いません。災害のあいだは、続けられる量まで落とすほうが、結果として多く減らせます。ペットの側も、短く終わるほうが次の日に受け入れやすくなります。
目やにと口のまわりは、水なしで拭いて大丈夫ですか
乾いた布でこすらないでください。乾いて固まった目やには、布の繊維より硬いことがあります。硬いほうは動かず、やわらかいほうが削れます。削れるのは皮膚の側です。
やり方は、当てて待つ形になります。手元の水がわずかでもあるなら、布の先だけを湿らせて、目やにの上に当てたまま数十秒置きます。ふやけてから、目頭の側から外へ向けて、一度だけずらします。左右で布の面を替えます。水がまったくないときは、体温でやわらぐのを待って、同じように一度だけ動かします。取り切れなかったぶんは、翌日に回してかまいません。
| 場所 | その日にやること | やらないこと |
|---|---|---|
| 目のまわり | 当てて待ってから、一度だけ外へずらす | 乾いたまま、こすって外す |
| 口のまわり | 食べたあとすぐに、外側へ向けて払う | 固まってから力で引き剥がす |
| あごの下 | 毛を分けて、根元まで面を当てる | 同じ面で何度も往復させる |
| 鼻すじ | 上から下へ、短く抜く | 目のほうへ向けて動かす |
口のまわりは、時間が勝負になります。食べたあとすぐなら布だけで外へ出せますが、乾いて固まると水が要る側へ移ります。災害のあいだは、食事のたびに口のまわりを1回。それだけで、水が戻るまでのにおいの出方がだいぶ変わります。ペットの毎日のケアの中で、いちばん手数が少なくて効く一手です。
ここで1つ、家では決められないことがあります。目やにの量が急に増えた、色が変わった、目を開けにくそうにしている。これは拭き方の問題ではないことがあります。避難した先で獣医師の巡回があるとき、あるいは動物病院に連絡が取れるようになったときに、いつからその様子なのかを添えて伝えてください。
足の指のあいだを開くのは、何のためですか
2つ兼ねています。1つは、指のあいだに入ったものを外へ出すこと。もう1つは、そこにけががないかを手で確かめることです。災害のあとの道は、いつもの散歩道と足ざわりが違います。割れたもの、細かい金属、乾いた泥。踏んだものは、たいてい指のあいだで止まります。
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片足ずつ持ち上げて、床につけない
持ち上げたまま進めると、いま外へ出したものを踏み直しません。嫌がる子は、座らせて後ろ足から始めると通りやすくなります。4本を一度にやろうとせず、1本ごとに区切ります。
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指を1本ずつ開いて、毛を分ける
指のあいだは、上から見ているだけでは閉じたままです。開いて、毛を左右に分けてはじめて、地肌のところが見えます。ここが、この手順でいちばん大事なところです。
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布の角を使って、外へ向けて抜く
面ではなく角です。指のあいだは狭いので、布を尖らせたところでないと届きません。奥へ押し込まず、指の先の方向へ抜きます。
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肉球の溝と、爪のまわりも同じ動きで
溝には細かいものが残ります。爪のつけ根は毛が集まって湿りやすいところです。ここまでで片足ぶんが終わりです。
触っていて、片方だけ嫌がる、指のあいだが赤い、押すと引く、出血している。そのときは、取ろうとせずにそのままにしておいてください。刺さったものは、引くと奥へ入ることがあります。動物病院に連絡が取れるようになった時点で、いつからその様子なのかを添えて伝えます。
災害のあいだ、足は毎日です。体は日を分けても、足だけは分けません。外のものがいちばん入りやすく、いちばん見えにくいところだからです。ここを毎日やっておくと、寝床に持ち込むぶんも減ります。
1日のうちで、どこまでやれば足りますか|知りたいのは範囲より順番です
範囲を広げるより、順番を固定するほうが続きます。毎日やるのは3か所だけにして、残りは日替わりに回します。災害のあいだは、その日の予定が読めません。読めない日に全身を組み込むと、できなかった日の負担がそのまま次の日に乗ります。
| 頻度 | 場所 | やること |
|---|---|---|
| 毎日 | 口のまわり | 食べたあとすぐ、外側へ向けて払う |
| 毎日 | 目のまわり | 当てて待ってから、一度だけずらす |
| 毎日 | 足の指のあいだ | 4本とも開いて、布の角で抜く |
| 2〜3日に1回 | 体の上半分 | 背中と体側を、毛の流れに沿って |
| 2〜3日に1回 | 体の下半分 | 腹と内ももを、面を替えながら |
| 数日に1回 | 耳の外側とあごの下 | 毛を分けて、根元に面を当てる |
| 数日に1回 | しっぽのつけ根 | 毛が密なので、面を早めに替える |
時間を測る必要はありません。決めておくのは、どこから始めてどこで終えるか、その並びだけです。並びが決まっていれば、途中で中断しても続きから戻れます。災害のときのペットのケアは、毎日きちんと完了させることより、途中から戻れることのほうが役に立ちます。
毎日ひとまわりしていると、変化にも気づきやすくなります。フケの量、皮膚の色、においの出方、被毛の手ざわり。これは、水が戻ってから洗うときの材料にもなります。どこが残っているかが分かっていれば、最初の1回で時間をかける場所が決まります。
水を使わないケアで、道具は何を使いますか|布の面の数え方と、毎日置いてある1本
基本の道具は布です。枚数ではなく、面の数で数えます。1枚を4つ折りにすれば8面。目と口に1面ずつ、足に4面、体に2面。そう置くと、1日に1枚では足りないことも、2枚あれば足りることも、使う前に分かります。
- 使う順番は、きれいなところから汚れたところへ:目 → 口 → 体 → 足。運び戻さないための順です
- 使い終わった布は、袋に分けて口を縛る:外へ出したものを、また空気に戻さないためです
- 1面は手つかずで残しておく:目のまわりに使う面だけは、最後まで取っておきます
- 乾いた布と、湿らせた布を混ぜない:湿った面は、乾いた汚れを貼りつけてしまいます
災害のときに新しく覚えられる手順は、たぶん1つもありません。動くのは、水が止まる前から手が覚えている並びだけです。mofuwa スキンケアミストを毎日のケアに入れている家では、その1本が並びに残ります。中身は電解水100%で、かけたあとに流す工程も、乾かす工程も、もともとありません。水が止まった日に足した道具ではなく、水があった日から同じ場所に置いてあるものです。避難した先で使うときは、容器から直接かけると音が出るので、取り分けておいた面へ2、3回とってから当てます。そうすると、使う量も音も抑えられます。
猫と一緒にいる場合は、音のほうが先に問題になります。スプレーの音を嫌がる子には、体に向けて押さずに、面へ取ってから当ててください。周りに人がいる場所では、そのほうが落ち着きます。水を使わないケアの利点は、乾かす工程が出ないことです。ドライヤーが使えない場所でも、そのぶんの時間が発生しません。
災害の備えでいちばん量を読み違えやすいのが布です。大きなものを何枚も入れるより、小さく切ったものを多めに入れておくほうが、面の数としては増えます。目のまわりに使うぶんは、他と混ざらないように別の袋へ。ペットのケアで使う布と、人が使う布を分けておくと、避難した先でも迷いません。
水が戻る日まで、手の順番だけを固定しておく|残る疑問
ここまでを1つの並びに畳みます。順番が決まっていれば、覚えることは6つだけになります。
| 順番 | すること | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 洗う工程を外す | 水が戻るまでは始めない |
| 2 | 口のまわりを外側へ払う | 食べたあとすぐに |
| 3 | 目のまわりに当てて待つ | こすらない、一度だけずらす |
| 4 | 足の指のあいだを開く | 汚れと、けがの両方を見る |
| 5 | 体を毛の流れに沿って払う | 面を替えながら、上から下へ |
| 6 | 使った布を袋に分けて閉じる | 出したものを空気へ戻さない |
6つのうち、水が要るものは1つもありません。災害のあいだのペットのケアは、この並びを崩さないことが、そのまま中身になります。できなかった日があっても、次の日に足す必要はありません。並びの頭から、また1つずつやるだけです。
最後に、この方法では扱えないことを書いておきます。拭いても翌日にはにおいが戻る、フケが日ごとに増えていく、同じ場所をなめ続ける、皮膚の色が変わってきた。これが水を使えないことによるものなのか、体の側で何かが起きているのかは、家では切り分けられません。災害のあとは食べているものも寝る場所も普段と違うので、材料が多すぎて判断がつかなくなります。
かゆがる時間が増えた、地肌が赤い、フケが増えた、においが翌日に戻る、同じ場所をなめ続けている、足を引きずる、目やにの量や色が変わった。こうした変化が続くときは、拭き方を変える前に動物病院にご相談ください。災害のあとは環境も食事も普段と違うため、原因がケアの側にあるのか体の側にあるのかを家では分けられません。いつからその様子なのか、その日にどこまで手を入れられたのかを書き留めて持っていくと、その場で見てもらえます。連絡が取れない期間は、日付と様子のメモだけでも残しておいてください。
最後に、いま水が出ている日にやっておけることを1つ書きます。いま毎日やっているペットのケアの並びから、水が要る工程だけを外してみてください。外しても残る部分が、そのまま災害の日にできることの全部になります。新しく覚え直す手順が1つも増えないので、そこがいちばん確実に残ります。水が戻ったあとにいちばん早く元へ戻るのも、止まっているあいだ並びが動いていた家のほうです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
