C04悩み解決

シニア期の背中のベタつき|若い頃と同じケアでは追いつかない

公開日 2020年10月26日|文=mofuwa編集部

室内で横になっているシニア期の犬
変わったのは皮脂の量ではなく、体の動かし方かもしれません。写真:Jessika Arraes/Pexels

ベタつきが最初に出るのは、たいてい背中の後ろ半分から、しっぽの付け根にかけてです。ここには3つの条件が重なっています。シニア期に入ってから、若い頃と同じ頻度で洗い、同じようにブラシを入れているのに、この範囲だけ手ざわりが変わる。そこで「洗う回数を増やす」を選ぶと、たいてい空回りします。動いているのは皮脂の量よりも、体の動かし方と乾かし方だからです。

背中に集まるのには理由がある

ベタつきが最初に出るのは、たいてい背中の後ろ半分から、しっぽの付け根です。ここには3つの条件が重なっています。

  1. 自分で届かない場所である

    犬も猫も、若いうちは体をひねって背中側まで手入れができます。関節が硬くなり、体をねじる動きが減ると、その動作から先に減ります。皮脂の量は変わらないのに、広げる人がいなくなる。これが第一の理由です。

  2. 寝ている時間が長くなる

    同じ姿勢で床に接している時間が増えると、その面は乾きません。横向きで寝る子は脇と腰、うつ伏せの子は胸元。接している場所ほど、湿気と皮脂が残ります。

  3. 洗ったあとに乾かしきれていない

    シニア期は立っていられる時間が短くなるので、乾かす工程が真っ先に削られます。表面は乾いていても根元が湿ったままだと、翌日にはベタつきとして戻ってきます。

つまり増えたのではなく、たまっているという状態です。原因が「量」ではなく「滞り」であることが、対処の方向を決めます。

洗う回数を増やしても追いつかない

ベタつくから洗う。落ちたように感じるが、数日で戻る。そこでもう一度洗う。この繰り返しに入ると、シニア期はとくに消耗します。

若い頃と同じケアが追いつかなくなる理由
工程若い頃シニア期に起きること
立っていられる時間洗って乾かすまで通しでいける10分ほどで負担が出る。乾かす工程が削られる
自分でのグルーミング背中まで自分で届く体をひねる動作が減り、背中側が手つかずになる
洗ったあとの回復翌日にはふだんどおり疲れが残り、次の日も動きが鈍いことがある
皮膚の水分洗ってもすぐ戻る戻るのに時間がかかり、洗いすぎが乾燥に振れやすい
Note頻度ではなく、分け方を変える

シニア期に効くのは「回数を増やす」ではなく「1回を短く、場所を分ける」です。全身を一度に終わらせようとせず、今日は背中と腰、明日は足先と口まわり、というように分割してください。合計の手間は同じでも、本人の負担がまるで違います。

横になったままできる手順

立たせずに、片側ずつ。1回5分以内で区切ります。全身をやろうとしないのが続けるコツです。

  1. 上になっている側だけ、乾いた状態でブラシを入れる

    背中から腰、しっぽの付け根へ。毛の流れに沿って、圧はできるだけ弱く。ここで浮いた皮脂と抜け毛が落ちます。反対側は次の日に回して構いません。

  2. 根元を軽く湿らせる

    毛の表面ではなく根元です。20〜30秒おいて、たまっていた皮脂をゆるめます。びしょ濡れにしないことが、乾かす時間を短くするための条件です。

  3. 押さえるように拭き取る

    こすらず、タオルで押さえて吸わせます。皮膚が薄くなっている時期なので、往復にこする動きは避けてください。1回で取りきれなくても構いません。

  4. 根元に風を当てて乾かす

    弱い風を、距離を取って当てます。指を入れて湿り気がなくなるまで。ドライヤーの音を嫌がる子は、乾いたタオルを替えて押さえるだけでも、放置よりはずっと良い状態になります。

  5. 翌日、反対側を同じ手順で

    体位を変える負担そのものを減らせます。2日で1周と考えれば、週に3周できます。

この方法なら、洗う日を待たずに背中へ手が届きます。手順2の「根元を軽く湿らせる」で使うのがmofuwa グルーミングスプレーです。背中から腰、しっぽの付け根へ、毛を分けながら根元に向けて吹きます。アルカリ電解水と油が乳化するので、20〜30秒おくと、たまっていた皮脂がゆるんで布のほうへ移ります。舐めても問題のない基準でつくられているので、量を控える必要はありません。寝返りのついでに口が届く場所でも、同じように使えます。

シニア期に減っているのは皮脂の量ではなく、それを広げて運んでいた本人の動作です。だから、こちらが毎日その場所に触れる形をつくることになります。毎日シャンプーはできません。サロンにも毎日は通えません。それでも、毎日きれいにしてあげたいという気持ちのほうは変わらないはずです。mofuwa グルーミングスプレーはブラッシングスプレーとしても使えるので、手順1で乾いたブラシを入れる前にひと吹きしておくと、毛が立たないぶん櫛先が背中の根元まで入ります。空気が乾いていく時期は、静電気が起きにくくなるだけでもブラシを入れる時間が短くなります。

やりがちだけれど、避けたいこと

シニア期のケアでは、良かれと思ってやったことが負担になりやすくなります。

Point持病があるときは、先に確認を

心臓や腎臓に持病がある子、手術のあとの子は、洗わないケアであっても先にかかりつけの獣医師に確認してください。触れてよい範囲と、続けてよい時間を教えてもらうほうが安全です。

ベタつきと一緒に、別のものが変わっていないか

シニア期は、たいていの変化を「歳だから」で説明できてしまいます。そこが落とし穴でもあります。次のような変化は、加齢とは別に見てください。

Cautionベタつきの強さが、数日で変わったとき

短期間でベタつきが急に強くなった、左右対称に毛が薄くなってきた、皮膚が黒く厚くなってきた、飲水量や食欲が一緒に変わった、以前と違う強いにおいが続く。こうした変化は、日常のケアで対応する範囲を超えていることがあります。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。

とくに「かゆがらないのに毛が薄くなる」「ベタつきと一緒に体重や飲水量が変わる」という組み合わせは、皮膚の外側の話ではないことがあります。ケアを工夫して手ごたえがないときほど、早めに相談してください。

逆にいえば、それ以外の緩やかな変化は、届く手を増やすことでかなり補えます。若い頃と同じケアでは追いつかないのは当然で、必要なのは量を増やすことではなく、届かなくなった場所に手を入れることです。

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よくある質問

シニア期は、シャンプーの頻度を減らしたほうがいいですか?
回数そのものより、1回の負担を減らすことを優先してください。立っていられる時間が短くなっているなら、全身を一度に洗うより、部分ごとに日を分けるほうが現実的です。持病がある場合は、頻度も含めてかかりつけの獣医師にご確認ください。
背中だけベタつきます。部分的に洗ってもいいですか?
部分ケアは有効です。ただし濡らした場所を乾かしきることが条件になります。根元が湿ったまま残ると、翌日には同じ状態に戻りやすくなります。
ドライヤーを嫌がるので乾かしきれません。どうすればいいですか?
びしょ濡れにしないところから始めてください。根元が軽く湿る程度に留めれば、乾いたタオルを2〜3枚替えて押さえるだけでも水分は取れます。風を使う場合は、弱い風を距離を取って当て、音が届きにくい向きにすると受け入れやすくなります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。