C05犬種・猫種別ケア

パピヨンと暮らすなら知っておきたい、毛のもつれの話

公開日 2020年12月22日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で静かに座っている、耳に長い毛のある小型犬
長い毛と短い毛が同居する体では、手を入れる場所を先に絞れます。写真:Edyttka1388/Pixabay

耳のふちの毛を根元でつまんで、指を下へ滑らせてみてください。途中で指が止まるとしたら、止まる場所はほぼ決まっています。耳、胸元、しっぽ、後ろ脚。パピヨンのもつれは、この4か所に集まります。背中やわき腹の毛は、同じ日に同じだけ汚れていても絡みません。伸び続ける毛と、ある長さで止まる毛が、1匹の体に同居しているからです。つまり、全身を毎日ブラッシングする必要がありません。手を入れる場所を、先に絞れます。

伸び続ける毛と、止まる毛が同居している

パピヨンの被毛は、下毛がほとんどない一枚の毛でできています。まっすぐで、なめらかで、光を通します。そして体の毛は、ある長さまで伸びると止まります。背中も、わき腹も、前脚の前側も、数センチのところで揃ったまま伸びていきません。

ところが、決まった場所の毛だけは止まりません。耳の外側、胸元、しっぽ、後ろ脚の後ろ側。ここは飾り毛と呼ばれ、体の毛の何倍もの長さになります。1匹の体の中で、毛の役目が2つに分かれています。この作りが、パピヨンのもつれが出る場所を決めています。

場所ごとの、毛の伸び方
場所毛の状態
背中・わき腹・脚の前側数センチで伸びが止まり、地肌に沿って寝ている
耳の外側立った耳から放射状に広がり、顔の横で揺れる
胸元あごの下から前脚の間まで、下向きに垂れる
しっぽ背中の上に乗り、左右に大きく振れる
後ろ脚の後ろ側と、足の裏床にいちばん近く、座るたびに折れ曲がる

毛が伸び続ける場所は、そのまま「よく動く場所」でもあります。耳は顔をかくたびに前足が当たり、胸元は水を飲むたびに濡れ、しっぽは座るたびに体と床の間に入り、後ろ脚の毛は歩くたびに前後します。長さと動きが重なった4か所が、もつれの場所になります。

Note下毛が少ないぶん、抜けた毛の行き先が偏ります

パピヨンは下毛が少ないので、換毛期でも床に落ちる毛はそれほど目立ちません。ただし抜けた毛は、近くにある長い毛へ引っかかって残ります。冬は静電気でいっそう寄ります。「抜け毛は少ないのに、飾り毛だけ束になる」というのは、この行き先の偏りから来ています。

絡む毛と絡まない毛|同じ体で分かれる違い

体の毛と飾り毛を並べると、もつれの起き方の違いがはっきりします。分けているのは長さそのものではなく、その毛がどれだけ動き、動いた先で何に触れるかです。

体の毛と飾り毛の違い
体の毛(背中・わき腹)飾り毛(耳・胸元・しっぽ・後ろ脚)
伸び方ある長さで止まる止まらずに伸び続ける
毛が動く量地肌の上でほとんど動かない歩くだけ、風だけでも揺れる
触れる相手隣の毛としか触れない床・服・食器・自分の前足に触れる
抜けた毛の行き先そのまま落ちる長い毛に引っかかって残る
濡れる機会ほとんどない水を飲む、食べる、床に座るたび
必要な手入れ撫でるだけで足りる分けて、ほどく

表のいちばん上と下は、対応しています。止まる毛には、ほどく作業が要りません。背中に毎日ブラシをかけても、もつれの量は変わりません。変わるのは、飾り毛に手を入れた回数だけです。

ここが、他の犬種と大きく違うところです。全身が長い毛の子であれば、全身が同じだけ絡みます。パピヨンでは、面積でいえば1割ほどの場所に、もつれのほぼ全部が集まります。だから「毎日全身を」ではなく、「この4か所だけを」という組み立てになります。

手を入れるのは4か所だけ|耳・胸元・しっぽ・後ろ脚

4か所には、それぞれ絡む理由があります。理由が分かると、どの向きに手を入れればいいかも決まります。

  1. 耳の外側|前足が当たり、食器のふちに触れる

    顔をかく動作のたびに、前足の爪が耳の毛を横切ります。食事のときは器のふちに垂れます。根元を指で軽く押さえてから、外側へ向かって毛先まで通してください。耳そのものを引っぱらないよう、必ず毛の根元を支えます。

  2. 胸元|下を向く姿勢で、毎日濡れる

    水を飲むとき、食べるとき、においを嗅ぐとき。パピヨンは1日に何度も下を向きます。そのたびに胸元の毛が前へ集まり、湿ったまま乾きます。ここは上から下へ、あごの下から順に。濡れた直後にとかすのではなく、乾いてからにしてください。

  3. しっぽ|座るたび、体と床の間に入る

    背中に乗る形のしっぽは、座る動作で必ず下敷きになります。同じ場所が繰り返し押しつぶされるので、束は根元寄りにできます。しっぽは付け根を手で支え、毛先のほうから少しずつ。先端から根元へ向かって進みます。

  4. 後ろ脚の後ろ側と足の裏|床にいちばん近い

    床の水気、砂ぼこり、抜けた毛。すべてがここに集まります。座る・立つで毛が折れ曲がる場所でもあります。足の裏の毛は自分で見えないので、脚を持ち上げず、横になっているときに確かめてください。指の間に入り込んだ毛は、はさみを使わずサロンにお願いするほうが安全です。

4か所を合わせても、全身の面積のごく一部です。1回にかかるのは、4か所で3分ほど。全身をやろうとして15分かけて途中でやめるより、この4か所を最後まで通すほうが結果が残ります。

この4か所は、絡む場所であると同時に、毎日汚れる場所でもあります。胸元は水と食べもので濡れ、足の裏と後ろ脚の毛は床のほこりを拾います。犬の体は毎日脂を出しますから、昨日ここをきれいにしても、今日また同じ場所が湿ります。ほどく前に、汚れのほうを落としておきたい4か所です。飾り毛に使えるのが mofuwa グルーミングスプレーで、余分な皮脂と外の汚れは水と油の乳化で落ちます。舐めても問題のない基準でつくられているため、口の届く胸元やあごの下にも、量を気にせず当てられます。毎日きれいにしておきたい場所が1割ほどに決まっているぶん、1回に使う量もわずかです。

毛先で止まっているか、根元まで来ているか

同じ束でも、手の入れ方は3段階に分かれます。見分け方は、指を根元でつまんで下へ滑らせ、どこで止まるかです。3秒で分かります。

止まる場所で分ける、3段階
指が止まる場所状態その場でやること
毛先の手前で止まる毛先だけが引っかかっている指で左右に開けば、そのままほどける
中間で止まる束の中に指が入らない束を細く分けてから、毛先の側だけ順にほどく
根元で止まり、地肌が持ち上がる根元まで詰まっている引っぱらない。サロンか動物病院に相談する

パピヨンの飾り毛は根元がやわらかく、皮膚も薄い場所に生えています。根元まで詰まった束を引くと、毛ではなく皮膚が動きます。痛みが出れば、次からその場所を触らせてくれなくなります。1回の無理が、その後の数か月に効いてきます。

Caution束をはさみで切らないでください

根元で詰まった束は、皮膚を巻き込んで持ち上がっています。毛だけを切っているつもりでも、はさみの先に皮膚が入ります。耳のふち、足の指の間、しっぽの付け根はとくに危険です。切るのではなく、ほどけるところまでで手を止めて、あとはサロンにお願いしてください。

毎日の2か所と、週に一度の2か所

4か所は、必要な頻度が同じではありません。濡れる場所は毎日、床に触れる場所は週に一度。この使い分けで、1日の手数がさらに減ります。

道具の選び方も、この2つに合わせます。毎日の2か所には、目の粗いものを1本。回数が多いので、毛先に負担の少ないほうを選びます。週に一度の2か所には、粗いもので通してから細かいもので仕上げる、という2本の使い分けにします。いきなり細かいほうを入れると、束の手前で引っかかります。

乾いた飾り毛を無理に通すと、毛先が切れます。冬は静電気で毛が寄るので、なおさらです。とかす前に、毛先を一度湿らせてください。グルーミングスプレーはブラッシングスプレーとしても作られているので、耳やしっぽに当ててから梳かすと、静電気の起きにくい状態で通せます。うるおいが少し戻るだけで、コームの通り方がまるで変わります。ずぶ濡れにする必要はなく、毛先が落ち着く程度で足ります。

体の毛まで絡みはじめたとき

ここまでは、パピヨンの毛の作りから説明がつくもつれの話です。作りは急に変わりません。だから飾り毛以外の場所が絡みはじめたときは、この4か所の話では説明がつきません。毛ではなく、地肌のほうを見てください。

Cautionほどく手より先に、地肌を見せる合図

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、同じ場所をなめ続けている、触ると嫌がる、飾り毛以外の場所に束が広がっている、元気や食欲が落ちている。これらが出ているときは、ほどく手より先に獣医師に見せてください。束を片づけてから行こうとすると、地肌の様子がいちばん伝わる状態が消えてしまいます。

相談に行く前に、いつから、どの場所か、家で使っているものはあるかをメモしてください。束は無理にほどかず、そのまま連れて行くほうが状態が伝わります。同じ場所を週に一度撮っておくと、広がっているのか止まっているのかを後から比べられます。

パピヨンのもつれは、毛が長いから起きるのではなく、長い毛が動く場所に集まって起きます。だから手を入れる場所は、耳・胸元・しっぽ・後ろ脚の4か所で足ります。今日は耳と胸元だけでかまいません。根元をつまんで指を下へ滑らせて、止まらずに抜けるかどうかを確かめてください。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

パピヨンは毎日全身をブラッシングしたほうがいいですか?
全身に手を入れる必要はありません。体の毛はある長さで伸びが止まり、地肌の上でほとんど動かないため、撫でるだけで足ります。もつれが起きるのは耳の外側・胸元・しっぽ・後ろ脚の4か所です。毎日やるのは、そのうち濡れる2か所(耳と胸元)だけで十分です。
飾り毛は、短く切ってしまってもいいですか?
切る前に、その毛が何をしているかを見てください。耳の毛は顔の横で揺れ、後ろ脚の毛は床との間に入ります。長さを変えれば絡みは減りますが、切る場所と長さはその子の暮らし方で変わります。自分ではさみを入れるのは避け、サロンで相談してください。
もつれをほどくのに、どんな道具を選べばいいですか?
毎日触る耳と胸元には目の粗いものを1本。週に一度のしっぽと後ろ脚は、粗いもので通してから細かいもので仕上げる2本立てにしてください。細かいほうをいきなり入れると、束の手前で引っかかって毛先が切れます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。