C04悩み解決

季節の変わり目に涙やけが増えるのは、なぜか

公開日 2020年12月7日|文=mofuwa編集部

目のまわりが白い小型犬の顔のアップ
涙の量が変わるのではなく、目に入るものが変わる時期があります。写真:Jhonny Salas Brochero/Pexels

涙やけは、あふれた涙が目の下の毛にとどまり、乾かない時間が続いたときに濃くなります。涙が出ること自体は、目の表面を守るための働きです。季節の変わり目に涙やけが増えるのは、目に入るものが変わって涙の出る回数が増え、乾く間もなく次が来るからです。だとすれば、手を打つ場所は目そのものより、その前後にあります。春と秋で条件が違うところも、押さえておきたいポイントです。

問題は「出ること」より「残ること」

涙は本来、目の表面を守るために出ているものです。出ること自体は困ったことではありません。問題になるのは、あふれた涙が目の下の毛にとどまり、そこが濡れたままになることです。涙が出た瞬間ではなく、そのあと何時間そこにとどまっていたかで、結果が変わります。

濡れた被毛が乾かずに残ると、色がつき、においが出て、皮膚の側も蒸れます。涙やけのケアが「拭くこと」より「乾かすこと」に寄るのは、そのためです。目薬を足すより、目の下を乾いた状態に戻すほうが現実的な場面が多くあります。拭いただけで終えると、水気は少し移っただけで、乾くまでの時間そのものは短くなっていません。

Note毛の色で見え方が変わります

白い被毛の子は変色が目立ち、濃い色の子は目立ちません。目立たない=起きていない、ではありません。色ではなく、目の下の毛が湿っているかどうかで判断してください。指の腹を当てて、ひやりとするかどうか。それだけで確かめられます。

春と秋で、入ってくるものが違う

変わり目に増えるのは、目に入るものが増える時期だからです。ただし春と秋では、入ってくるものが違います。

春と秋で条件がどう変わるか
春(3〜5月)秋(9〜11月)
外で目に入るもの花粉、砂ぼこり、伸びた草の先落ち葉のかけら、乾いた砂ぼこり、強い風
家の中の条件換気を増やし、外の空気が入りやすくなる暖房を入れ始め、空気が乾く
被毛の状態冬毛が抜け、顔まわりの毛が目に入りやすい毛が伸びて密になり、目の際に触れる
乾き方湿度が上がり、濡れた毛が乾きにくい乾燥するが、風で目が刺激されやすい
気づきやすさ抜け毛が増え、顔まわりを触る機会が増える毛が伸びて、目の際そのものが見えにくくなる
優先すること拭いたあとに乾かす。顔まわりの毛を目から外す目に入る風を減らす。乾いた汚れを落としてから拭く

共通しているのは、目のまわりの毛が目に触れていないかという点です。伸びた毛が目の際に当たると、それだけで涙が出ます。季節に関係なく効く手当てですが、変わり目はとくに影響が出ます。毛が伸びたり抜けたりする時期と、外から入ってくるものが増える時期が重なるため、条件が2つ同時に動くからです。

増える時期の前にやっておく3つ

起きてから対処するより、条件が変わる前に手を打つほうが手数は少なくて済みます。目安は去年増えた月の、2週間前です。

  1. 顔まわりの毛を、目から外す

    目の上と目頭の毛が、目の際に触れていないかを確かめます。自分で切るのが不安なら、トリミングのときに「目に当たる毛だけ短く」と伝えてください。ここがいちばん効きます。

  2. 目の下を拭いたあと、乾かす工程を足す

    拭くところで終えている家庭が多いのですが、濡れたまま残ると同じことの繰り返しになります。乾いた布を替えて押さえ、水分を取ってください。10秒で済みます。拭いた面とは別の面を使ってください。同じ面で押さえると、取ったものを戻すことになります。

  3. 散歩から帰ったら、顔まわりを先に見る

    足を拭くのは習慣になっていても、顔は見落とされがちです。目頭に砂やほこりが付いていないかを確かめ、付いていれば湿らせた布で押さえて取ります。こすらないでください。乾いた砂粒が付いたまま拭くと、その粒自体が目の際をこする材料になります。

3つとも、季節が過ぎれば頻度を戻して構いません。毎年同じ時期に同じ準備をすると決めておくと、その年ごとに考え直さずに済みます。

2つめの「拭いたあとに乾かす」を毎日通すなら、湿らせるものを1つ決めておくほうが手が止まりません。mofuwa グルーミングスプレーは、目に向けて吹かずに、コットンか手のひらに2〜3回取ってから目の下に当てます。固まった跡は湿らせて20秒ほどおくとゆるむので、その20秒のあいだに乾いた面を用意しておけば、押さえて水分を取るところまで一続きで終わります。目のまわりは口や舌が届く場所ですが、口に入っても差し支えのない基準でつくられているので、顔だからと量を減らす必要はありません。

目のまわりを触るときのルール

顔まわりは、体とは扱いを変えてください。目に入るものは、体に付くものより影響が大きくなります。

Point取れないものは、無理に取らない

固まった涙の跡は、一度で落ちるものではありません。1日1回、20秒だけ湿らせて押さえるを数日続けるほうが、こすって取るより結果的に早く、皮膚も傷めません。跡が濃いほど日数はかかりますが、途中でやり方を変えないほうが確実です。

季節では説明できない変化

変わり目に増えて、その時期が過ぎると落ち着く。この動き方であれば、条件を整えながら様子を見て構いません。ただし、次のような変化は季節では説明できません。

Caution季節ではなく、目の側に理由があるとき

片目だけ涙が多い、目を開けにくそうにしている、白目が赤い、目やにの色が変わった(黄色や緑がかっている)、まぶたが腫れている、目を気にして前足でこする、季節が過ぎても落ち着かない。当てはまる項目があれば、いつからどちら側に出ているかを控えて、季節が過ぎるのを待たずに動物病院で診てもらってください。

とくに片目だけという点は重要です。季節や環境が理由なら、両目に同じように出るのが自然です。片側に偏っているなら、そこに別の理由があると考えてください。左右で毛の長さが違わないか、片側だけ枕やクッションに当たっていないか。心当たりを一緒に確かめておくと、相談のときに伝えられる材料が増えます。

家で続けるのは、目の下の毛を乾いた状態に戻しておくことです。朝に一度、目頭から外側へ。湿っていた日は、グルーミングスプレーを取ったコットンでゆるめてから、乾いた面で押さえる。去年増えた月の2週間前から、この10秒を足しておいてください。季節そのものは変えられませんが、目の下が乾いている時間は毎日のほうで長くできます。

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よくある質問

涙やけは、拭けば落ちますか?
固まった跡は一度では落ちません。湿らせて20秒ほどおいてから押さえて拭き、そのあと乾かす。これを数日続けるほうが、こすって取ろうとするより皮膚を傷めません。落ちにくい場合でも、力で取ろうとしないでください。
毎年同じ時期に増えます。放っておいて大丈夫ですか?
その時期が過ぎて落ち着くなら、条件の影響と考えられます。ただし毎年強く出るなら、一度動物病院で相談しておくと、次の年の備え方が変わります。目に当たる毛を短くしておくだけでも違いが出ます。
猫にも涙やけは起きますか?
起きます。とくに鼻の低い猫種では、涙が流れる道が短く、目の下に残りやすい傾向があります。毛の色によって目立ち方が違うだけで、条件そのものは犬と同じです。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。