C05犬種・猫種別ケア
ビーグルのケア|耳の汚れを減らす3つの習慣
ビーグルは、鼻を地面から数センチのところに置いたまま、何十分も歩き続けます。この姿勢のとき、大きな垂れ耳は重力で前へ回り込み、顔の横をふさぎます。つまり散歩に出ている1時間は、耳が閉じている1時間です。ビーグルの耳の汚れの条件を決めているのは、掃除の回数よりも、この時間のほうです。同じ耳が、外を歩いているときと家にいるときで、まったく違う状態になっています。この記事では、その2つの状態を比較したうえで、耳の汚れを減らす3つの習慣を、粒度を変えて並べます。
鼻を下げた1時間は、耳が閉じている1時間
ビーグルは、においをたどることを仕事にしてきた犬種です。地面に残ったにおいを追うので、歩いているあいだ、鼻はほとんど地面のそばにあります。体格も、それに合った作りになっています。脚がそれほど長くなく、胸に厚みがあるので、鼻を地面に近づけるのに体を大きく折り曲げる必要がありません。無理のない姿勢のまま、長く続けられます。散歩に出ると、ずっと下を向いたまま進んでいく子が多いのはこのためです。
そして、ビーグルの耳は大きく、幅があり、薄く垂れています。頭の横から下がっているので、頭を水平に保っているあいだは、耳と頬のあいだに隙間があります。ところが頭を下げると、耳は重さで前へ回り込み、頬に重なります。耳の内側の面と、頬の面が、そのまま合わさった状態になります。この1時間のあいだに、耳の中で起きていることを並べます。
- 空気が入れ替わらなくなる:耳が動いても、ふさいでいる面はふさいだままです
- 温度が上がる:体温と、走ったあとの息づかいが、閉じた面のあいだにこもります
- 外から細かいものが乗る:草の粉、乾いた土、花粉。鼻の高さにあるものが、そのまま耳の縁に触れます
- 皮脂と混ざる:乗ったものは落ちずに、耳の内側の皮脂と一緒になって面に残ります
ビーグルの耳は大きいものの、地面をなでるほど長くはありません。起きているのは、耳の先から何かが入ることではなく、面と面が合わさってふさがることです。だから、耳の先だけをきれいにしても、条件は変わりません。見るべきなのは、つけ根から縁までの、内側の面全体です。
ここが分かると、掃除の回数を増やしても手ごたえがない理由も説明がつきます。掃除は、すでに残ったものを減らす作業です。閉じている時間そのものは、掃除では動きません。ビーグルの耳の汚れを考えるときは、まず1日のうちで耳がどれだけ閉じていたかを数えるところから始めてください。
散歩中と家にいるとき|ビーグルの耳の条件を比較する
同じ耳でも、頭の高さが変わると条件がまるごと入れ替わります。2つの状態を並べて比較します。
| 見るところ | 散歩中(鼻を下げている) | 家にいるとき(頭が上がっている) |
|---|---|---|
| 耳の位置 | 前へ回り込み、顔の横をふさぐ | 横へ垂れ、頬とのあいだに隙間ができる |
| 空気の入れ替わり | ほとんど止まる | 頭を振るたびに入れ替わる |
| 外から乗るもの | 草・土・花粉が縁と内側の面につく | ほとんど増えない |
| 温度と湿り | 上がっていく | 時間とともに下がる |
| 家でできること | 時間を区切る | 開いている時間を長くする |
どっちを動かすかを決めるために、時間の割合を見てください。散歩は長くても1日に1〜2時間、家にいるのは20時間以上です。散歩の時間を削ることは、この犬種にとって現実的ではありませんし、においをたどる時間はビーグルにとって大切な時間でもあります。動かしやすいのは、残りの20時間のほうです。
床に置いたクッションや低いベッドで、あごを床につけて寝る姿勢が続くと、家にいても頭は下がったままです。散歩から帰ったあとにそのまま寝てしまうと、閉じている時間は散歩のぶんだけでは終わりません。表の右側は、放っておいて手に入る状態ではなく、作る状態だと考えてください。
この比較でもうひとつ分かるのは、汚れが増えるのは散歩中で、条件が決まるのは家にいるときだということです。外で乗ったものが、そのあと何時間ふさがれた面のあいだに置かれるか。そこで残り方が変わります。次の3つの習慣は、この2つの軸に沿って組み立てます。
耳の汚れを減らす3つの習慣|30秒・1日の配り方・週1回
3つの習慣は、大きさがそろっていません。そろえないことに意味があります。同じ粒度で3つ並べると、いちばん軽いものだけが続いて、時間の使い方を変える習慣が抜け落ちます。かかる時間の順に並べます。
-
帰ってすぐの30秒|耳を1枚めくって、開けたままにする
玄関で足を拭くのと同じタイミングです。耳のつけ根に指を入れて持ち上げ、頭の上か後ろへ倒します。ビーグルは首が太く、耳のつけ根も厚いので、指2本で支えるとめくった形が保てます。犬は頭を振って戻そうとするので、なでながら30秒だけそのままにしてください。乾いた布を使うのは、内側の縁の面を軽く押さえるところまでです。こすらないでください。耳の中に布や綿棒を入れないでください。目的は、外を歩いていたあいだ閉じていた面に、空気を通すことだけです。
-
1日の配り方|頭が上がっている時間を作る
これが3つの中でいちばん効き目の幅が大きく、いちばん忘れられます。散歩から帰ってすぐ寝かせず、水を飲ませる、おやつを探させる、名前を呼んで顔を上げさせる。休む場所を、床のクッションから少し高さのあるベッドに変えるのもここに入ります。あごを床につける姿勢が減るだけで、耳と頬のあいだに隙間ができる時間が伸びます。何分やる、という数え方ではなく、1日の過ごし方の設計として考えてください。
-
週1回の記録|つけ根から縁へ、扇形にたどる
週に1度、明るい場所で耳をめくって、つけ根から縁に向かって、指で扇を開くようにたどります。においを嗅ぎ、内側の面の色を見て、同じ角度で写真を撮ってください。中を覗き込む必要はありません。見えるのは入り口までですし、それで足ります。記録するのは面の状態です。左右を別々に撮ると、片側だけの変化に気づけます。週に1回だけにするのは、毎日見ると小さな変化が分からなくなるからです。
3つの粒度を、もう一度整理します。30秒の習慣は「毎回やること」、1日の配り方は「暮らしの形を変えること」、週1回の記録は「変化を測ること」です。どれかひとつを100点にするより、3つを60点で回すほうが、耳の汚れの出方は落ち着きます。ブラッシングをする日は、被毛と一緒に耳のまわりも手を通してください。ビーグルは被毛が短く、換毛期には抜けた毛が耳のふちや頬に残ります。抜け毛が皮脂と混ざると、面に留まる時間が長くなります。梳かす前に mofuwa グルーミングスプレーをひと吹きしておくと、抜けた毛が耳のふちや頬に乗ったまま残りにくくなります。
どっちから手をつけるか|においが立つ時間で分かれる汚れの見分け方
3つの習慣のどれから始めるかは、家で決められます。見分け方の手がかりは、においが立つ時間帯です。1日のうちで、いつ気になるか。それだけを1週間メモしてください。
| 家で分かること | どう見えるか | どっちの軸の話か |
|---|---|---|
| 帰った直後だけにおう | 30分ほどで落ち着く | 散歩中の軸。30秒の習慣から |
| 夕方から夜に強くなる | 日中は気にならない | 家にいるときの軸。1日の配り方から |
| 時間帯と関係なく続く | 雨で散歩に行かない日も同じ | 習慣では説明がつかない。記録して相談 |
| 片側だけ強い | 左右で違いがはっきりしている | 条件の話ではない。記録して相談 |
上の2行は、家でできることが残っています。下の2行は、耳が閉じている時間で説明がつきません。ビーグルの耳の条件は左右そろっているので、片側だけ強いというのは、条件からは出てこない出方です。ここは習慣を積み増すところではなく、記録を持って相談するところだと考えてください。
体格の面でも、ひとつ補足します。ビーグルは中型で力があり、めくられるのを嫌がると頭ごと動きます。正面から押さえ込まず、横か斜め後ろに座って、片手であごを支えてください。嫌がる日に無理に続けると、次の週に耳を触らせてもらえなくなります。週1回の記録が続くかどうかは、この持ち方で決まります。子犬のうちから、めくって離すだけを毎日の遊びに混ぜておくと、あとが楽になります。
散歩に行かない日も汚れるとき
ここまでは、耳が閉じている時間で説明できる範囲の話でした。その説明が当てはまらない出方をしているときは、毎日のケアで様子を見る対象ではありません。次のようなときは、動物病院にご相談ください。
片方の耳だけにおいや汚れが強い、頭を片側にかたむけている、耳を後ろ足でかき続けている、床や家具に耳をこすりつける、耳のふちや内側が赤い、触ると痛がる・熱い、耳から液体が出ている、散歩に行かない日も同じように汚れる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、耳のケアを増やす前に受診してください。耳は、家で様子を見ていられる期間がとくに短い場所です。半日で見た目が変わることもあるので、気づいた日のうちに連絡してください。
受診の前には、いつから気づいたか、片側か両側か、散歩のあとに強いのかどうか、家で使っているものは何かをメモしてください。週に1回撮っていた写真があれば、そのまま経過の記録になります。診察の前日に耳を掃除しないでください。元の状態が分からなくなり、その日に見てもらえることが減ります。
経過を見ているあいだも、顔の下側に汚れを残さないことはできます。散歩から帰ったら、グルーミングスプレーを布に含ませて、耳の外側と頬、あごの下をなでてください。耳の中には入れません。見えている面に乗ったものを、その日のうちに持ち出しておくための道具です。ビーグルは鼻を下げて歩くぶん、顔の下側がいちばん汚れます。毎日きれいにしてあげたいと思う場所と、実際に汚れる場所が重なる犬種です。舐めても問題のない基準でつくられているので、口の近くでも量を気にせず使えます。赤みや痛みがあるときは、耳のまわりには何も足さずにおいてください。
耳の条件を決めているのは、掃除の回数ではなく、耳が閉じている時間の長さです。帰ってすぐの30秒と、頭が上がっている時間の作り方。この2つは毎日の暮らしの中で動かせます。週に1回の写真が並んでいれば、変わったのが条件のほうか、それ以外かも自分で見分けられます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- ビーグルの耳は、毎日掃除したほうがいいですか?
- 耳の中に毎日ものを入れる必要はありません。ビーグルの耳の汚れは、閉じている時間の長さで条件が決まるので、掃除の回数より、散歩から帰ったあとに耳をめくって空気を通す30秒のほうを毎日にしてください。中まで見る記録は、週に1回で足ります。
- 散歩のあと、耳を拭くのはどこまでですか?
- 乾いた布で、耳の内側の縁の面を軽く押さえるところまでです。こすらないでください。布や綿棒を耳の中へ入れると、汚れを奥へ運ぶことになります。めくって開けたままにする30秒のほうが、拭くことより比重が大きいと考えてください。
- 雨で散歩に行かない日でも、耳が汚れます。何が違うのですか?
- 散歩中の軸では説明がつかない出方です。家であごを床につけて寝る時間が長く、耳が閉じたままになっている場合と、条件とは別のことが起きている場合があります。片側だけ強い、赤みや痛みがあるときは、記録を持って動物病院にご相談ください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
