C05犬種・猫種別ケア

キャバリアと暮らすなら知っておきたい、耳の汚れの話

公開日 2021年1月19日|文=mofuwa編集部

耳の長い小型犬が、明るい部屋のソファでくつろいでいる
耳そのものより下まで垂れる飾り毛が、めくった耳の入り口にもう一度かぶさります。写真:https://kaboompics.com//Pexels

キャバリアの耳には、耳そのものより下まで届く、絹のように細い飾り毛が生えます。成犬になるころには、あごの下あたりまで垂れてくる子もいます。垂れた耳が1枚目のふただとすると、この飾り毛が、その上にもう1枚のふたを作ります。だから耳を持ち上げても、飾り毛は重さで入り口に垂れかかったまま残ります。めくっただけでは、まだ開いていません。この記事では、飾り毛を留めたときと、そのままにしたときで、キャバリアの耳の汚れの条件がどう変わるのかを比較します。

キャバリアの耳には、ふたが2枚あります

1枚目は、耳そのものです。キャバリアの耳は頭の横から下へ垂れていて、頭を上げているときも、耳の内側の面が頬に重なっています。薄い板が、顔の横に一枚かぶさっている状態だと考えてください。ここまでは、垂れ耳を持つ犬種に広く当てはまる話です。

キャバリアに固有なのは、2枚目のほうです。この犬種の耳には、外側からも内側の縁からも、細く、長く、絹のようになめらかな飾り毛が生えます。飾り毛は耳の輪郭を超えて下へ垂れるので、耳を持ち上げても、毛の束は重さでそのまま落ちて、いま開けたはずの入り口を覆います。手を離せば、耳と一緒に飾り毛も戻ります。

2枚のふたは、性質が違います
見るところ1枚目(耳そのもの)2枚目(飾り毛)
何でできているか薄い皮膚と軟骨の板細く長い被毛の束
持ち上げるとそのまま上がる重さで下へ垂れて戻る
空気の通り方めくれば通る束のすきまにしか通らない
汚れの残り方面に薄く広がる毛の1本ずつにからむ
Note「めくった」と「開いた」は、同じことではありません

耳を持ち上げて中を見ようとしたとき、視界に入っているのは飾り毛の束で、耳の入り口ではないことがあります。めくったつもりで手を離し、そのまま終わってしまう。キャバリアの耳の汚れが「毎日見ているのに変わらない」と感じられるとき、この一手前で止まっていることがあります。開いたかどうかは、入り口の面が見えているかどうかで判断してください。

もうひとつ、飾り毛には皮脂が乗ります。飾り毛の根元は耳のつけ根に近く、皮膚のすぐそばから生えているので、皮脂を含んだ毛の束は、水分を抱えたまま乾きにくくなります。束が重くなれば、めくったときに戻る速さも上がります。汚れが残りやすいのは耳の中の面だけではなく、その手前にある毛の束のほうでもある、というのがキャバリアの条件です。

飾り毛を留めたときと、そのまま|キャバリアの耳の条件を比較する

同じ耳でも、飾り毛をどうしているかで条件が入れ替わります。留めるというのは、髪をまとめるときのように、左右の飾り毛を頭の後ろへ寄せて、やわらかい布や幅の広いバンドで軽く支えることです。食事のときに使う布のカバー(スヌード)も同じ役目をします。2つの状態を並べます。

飾り毛の扱いで入れ替わる、耳の条件
見るところ飾り毛を留めたときそのままのとき
耳の入り口開いた形が保たれる数秒で毛が垂れて戻る
空気の入れ替わり続く束のすきまの分だけ
食器や水入れ縁に触れない毛先が入り、濡れる
ブラッシング根元まで指と櫛が届く毛先だけ通って終わりやすい
家でできること時間を決めて留める留める前に、もつれをほどく

どっちが正しいという表ではありません。読み取ってほしいのは、留めている時間だけ、条件がまるごと入れ替わるということです。1日じゅう留めておくものではありませんし、ずっと引っぱられているのは犬にとって快適ではありません。時間を決めて、必要な場面にだけ使ってください。食事のとき、散歩から帰ったあと、ブラッシングのとき。この3つだけでも、耳が開いている時間は毎日まとまって増えます。

Caution留め方で、やらないでほしいこと

細いゴムで毛を直接しばらないでください。絹のような毛は切れやすく、根元が引っぱられます。使うなら幅の広いやわらかいバンドか、布のカバーです。指が2本すっと入るゆるさにしてください。眠るときと、一人で留守番をするときは外します。そして、嫌がる日は無理に続けないでください。留めることそのものより、明日も触らせてもらえることのほうが大事です。

留めているあいだに、耳の入り口の面を見ておいてください。飾り毛が退いている数分間だけが、家で面を確かめられる時間です。色を見て、においを嗅いで、同じ角度で写真を撮る。中を覗き込む必要はありません。見えるのは入り口までですし、それで足ります。左右を別々に撮っておくと、片側だけの変化に気づけます。

どっちの耳から始めるか|留める前に、もつれをほどく順番

飾り毛は細く、なめらかで、絡みやすい毛です。もつれたまま束ねると、留めた力が全部もつれの一点にかかります。だから、留めるより先にほどく順番があります。手順は4つです。

  1. 明るいところで、耳を手のひらに乗せる

    耳をつまんで持ち上げるのではなく、手のひらを下に入れて、耳の重さを受けてください。キャバリアは頭が丸く、耳のつけ根が頬に密着しやすい体格をしています。持ち上げるだけでつけ根が引っぱられるので、下から支える形にすると犬が動きません。膝の上に乗せて、同じ向きに座らせると、毎日のケアとして続けやすくなります。

  2. 毛先から、少しずつ根元へ向かってほどく

    根元から櫛を入れないでください。もつれをまとめて毛先へ押し出すことになります。毛先を数センチだけ指でさばいて、通るようになったら、そのすぐ上へ。これを繰り返して根元まで上がります。引っかかったところは、櫛を引くのではなく、毛束を指で分けてください。ブラッシングは、耳の飾り毛では「梳く」より「分ける」作業になります。

  3. 根元まで指が通ってから、留める

    根元に指が入るようになって、はじめて留められる状態です。ここを飛ばして留めると、束の内側にもつれと汚れを一緒に閉じ込めます。皮脂を含んだ毛は絡んだまま固まりやすいので、閉じ込めた日数だけ、ほどきにくくなります。留めるのは、ほどき終わったごほうびだと考えてください。

  4. 外したあと、もう一度だけ手を通す

    留めていたあいだに、毛は同じ方向へ寄っています。外したら、指で扇のように広げて、元の向きに戻してください。10秒で終わります。これをやるかどうかで、翌日ほどく時間が変わります。

そして、どっちの耳から始めるかを決めておいてください。いつも右から、と決めておくと、「今日は右が引っかかった」という差が記憶に残ります。左右で違う出方をしていることは、キャバリアの耳の条件からは説明がつきません。順番を固定するのは、汚れの出方に左右差があることに気づくための仕掛けです。

毎日ほどくものだから、毎日使えるものを手元に置くことになります。犬は体から脂を出すので、昨日指を通した飾り毛が、今日また同じように束になります。毎日シャンプーはできませんし、トリミングサロンに毎日通うこともできません。mofuwa グルーミングスプレーは、吹きかけて梳かすところまでで終わる形をしているので、ほどく前のひと手間として置いておけます。絹のような細い毛は、乾いた季節ほど静電気で寄り集まります。ほどく前に毛の面を湿らせておくと、静電気の起きにくい状態で、指と櫛が根元まで進みます。グルーミングスプレーに使われているのは電解した水で、舐めても差し支えのない基準で成分を調べたものなので、あごの下まで届く長さの毛にも、量を気にせず使えます。吹きかけるのは飾り毛の表面と耳の外側までで、耳の中へ向けては使いません。梳かし終わったら、湿った面を乾いた布で軽く押さえてください。

飾り毛が伸びる時期と、留めておく時間の長さ

生まれたときから、この2枚目のふたがあるわけではありません。子犬のうちは飾り毛が耳の輪郭の内側に収まっていて、めくれば入り口が見えます。飾り毛が耳より下まで伸びてくるのは、体ができあがっていく時期です。「去年までは要らなかったのに」と感じるのは、この犬種では自然なことです。時期ごとに、やることを分けます。

季節の影響も、飾り毛の側に出ます。湿度が高い時期は、束が乾き終わる前に次の日が来ます。雨の日の散歩のあと、水を飲んだあと、シャンプーのあと。毛先が濡れている時間が長いほど、外から乗った汚れが束の中に留まります。毛先が濡れたら、乾いた布ではさんで押さえてください。こすらず、水分を布へ移すだけで構いません。換毛期と梅雨が重なる時期は、ほどく回数を増やすほうが結果に出ます。

体格の面も、この犬種では条件のひとつです。キャバリアは小型で、頭が丸く、頬にふくらみがあります。耳のつけ根が頬に密着しやすく、めくったときに戻る力が強く働きます。そのぶん、留めることの意味が大きくなります。体が小さいので、床に置いた食器の縁の高さと、垂れた飾り毛の先の高さがちょうど重なるのも、この体格ならではです。食器を少し高くするだけで、毎日のケアの手間がひとつ減ります。

飾り毛の根元が、留めても乾かないままのとき

ここまでは、ふたが2枚あることで説明できる範囲の話でした。留めて開けているのに、耳の入り口の汚れが変わらない、あるいは増えていく。そのときは、条件の話ではありません。次のようなときは、動物病院にご相談ください。

Cautionこの出方は、飾り毛の条件では説明がつきません

片方の耳だけにおいや汚れが強い、頭を片側にかたむけている、耳を後ろ足でかき続けている、床や家具に耳をこすりつける、耳のふちや入り口が赤い、触ると痛がる・熱をもっている、耳から液体が出ている、飾り毛の根元がいつも湿っている、元気や食欲が落ちている。このどれかが出ているときは、ケアの回数を増やすより先に診てもらってください。耳は、家で様子を見ていられる期間がとくに短い場所です。片側だけが強いという出方は、ふたが2枚あることでは説明がつきません。

受診の前には、いつから気づいたか、片側か両側か、飾り毛を留め始めてどれくらいか、家で使っているものは何かをメモしてください。留めているあいだに撮っていた写真があれば、そのまま経過の記録になります。診察の前日に耳を掃除しないでください。元の状態が分からなくなり、その日に見てもらえることが減ります。飾り毛も、いつもどおりにしていってください。

経過を見ているあいだも、顔まわりを毎日きれいにしておくことはできます。洗う日と洗う日のあいだは、mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませて、耳の外側、飾り毛の表面、あごの下をなでるように拭いてください。耳の中には入れません。飾り毛は食器の縁や水入れに触れて毎日濡れるので、拭いて乾かすところまでを一続きにすると、束が湿りを抱えたまま夜になる日が減ります。赤みや痛みがある耳には何も足さず、そのまま連れて行ってください。

キャバリアの耳の汚れは、毎日めくっているのに変わらない、と感じられることがあります。見ていたのが飾り毛の束で、入り口の面までは開いていなかった、という順番でした。今日は、どちらの耳から手のひらを入れるかだけ決めてください。根元まで指が通れば、留めている数分間が、明日の耳を見る窓になります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

キャバリアの飾り毛は、切ってしまってもいいですか?
家でハサミを入れるのはおすすめしません。耳のふちは薄く、犬が動いた拍子に傷つける事故が起きます。長さを変えたいときは、トリミングサロンでその子の耳に合わせて相談してください。切らずに、必要な場面だけ留めるやり方でも、耳が開いている時間は作れます。
飾り毛は、1日じゅう留めておいたほうがいいですか?
留めっぱなしにはしないでください。ずっと引っぱられているのは犬にとって快適ではありませんし、眠るときと留守番のときは外します。食事のとき、散歩から帰ったあと、ブラッシングのとき。この3つだけでも、耳が開いている時間はまとまって増えます。
耳をめくって見ているのに、汚れが変わりません。何が足りないのですか?
めくったときに見えているのが飾り毛の束で、耳の入り口の面までは開いていないことがあります。手を離せば飾り毛は重さで戻るので、数分だけ留めて、入り口の面が見える状態を作ってください。それでも変わらない、片側だけ強いというときは、記録を持って動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。