C05犬種・猫種別ケア
ペキニーズの長毛|顔のシワの汚れを毎日のケアで防ぐ
抱き上げたペキニーズの顔が、ちょうど自分の鼻の高さに来る。そのときに、前の日にはなかったにおいがする——気づき方として、これがいちばん多いと思います。目で見つけたのではなく、鼻が先に気づいている。顔のシワが長い毛の下に隠れていて、汚れがたまっていても表からは見えないためです。ですからこの記事は、拭き方の話ではなく「どこにシワがあるのかを見つける」ところから始めます。場所が分からないうちは、手の入れようがありません。
鼻が先に気づく|ペキニーズの飼い主に多い経験
顔を近づけたときに、少しだけ酸っぱいようなにおいがする。それで初めて顔まわりを見るのですが、のぞき込んでも、そこには長い毛しか見えません。指で分けてみて、その下に湿った汚れがあることに気づく。ペキニーズと暮らしている方の経験は、たいていこの順番をたどります。
同じように顔の短い犬種でも、被毛が短ければシワは外から見えます。ペキニーズは見えません。顔まわりの飾り毛が何層も重なって、シワの上にふたをしているためです。汚れは見えないところで進み、においが立つころには何日か経っている、ということが起こります。
- 抱き上げたとき:自分の鼻の高さに顔が来ます。においがいちばん分かる位置です
- 食後に口のまわりを拭こうとしたとき:布を当てた指先が、思ったより湿っています
- 寝ている顔に自分の顔を近づけたとき:あごの下から立ちのぼる形で気づきます
- ブラッシングの途中:ブラシが顔まわりで引っかかり、そこだけ毛が束になっています
においの強さは、汚れの量よりもそこが湿っていた時間の長さに沿って変わります。少量でも一日中湿ったままなら、においは立ちます。逆に、たくさん付いてもすぐ乾いた場所は、あまりにおいません。ですから「におった=ひどい汚れ」ではなく、「におった=乾く前に次が足されている場所がある」と読み替えてください。
顔まわりの豊かな毛は、ペキニーズという犬種がずっと持ってきた作りです。見えないのは毛のせいではなく、こちらがまだ場所を知らないからだと考えてください。位置さえ分かれば、毎日のケアにかかる時間は数十秒で済みます。
シワが毛の下にある背景には、短い顔と長い被毛の重なりがあります
ペキニーズは、鼻から口にかけての長さが短く、そのぶん顔の皮膚が前に余ります。余った皮膚はたたまれて、ひだになります。ここまでは顔の短い犬種に共通する話です。この犬種で事情が変わるのは、そのひだの上に、長い被毛がかぶさっているという一点です。汚れがたまる場所と、それを覆う毛が、同じ顔の上で重なっています。
| 場所 | そこに残るもの | 毛の重なり方 |
|---|---|---|
| 鼻すじの上を横に走るひだ | 涙と、水を飲んだあとの水滴 | 上下から毛が寄ってくるので、いちばん見つけにくい |
| 目の下から頬へ続く浅い段差 | 涙と、そこに落ちた抜け毛 | 毛の流れが下向きで、汚れも下へ運ばれてくる |
| 口の両わきのくぼみ | 食べたもののかけら、よだれ | 口ひげ状の毛が長く、乾きにくい |
| あごの下から、のどにかけて | 水を飲んだあとの水分 | 毛の量が多く、内側まで空気が入りにくい |
この4か所は、どの子にも同じ深さで揃っているわけではありません。同じペキニーズでも、鼻すじのひだがはっきりしている子もいれば、ほとんど平らな子もいます。ですから表は「探す順番」として使ってください。汚れが出る場所は、その子ごとに1か所か2か所に決まっていることが多く、そこを覚えてしまえば毎日の手間はほとんど増えません。
被毛の側の話もしておきます。上毛と下毛の二層を持ち、顔まわりにも下毛が入ります。下毛は細くて量が多く、水分をつかまえたまま離しません。皮脂は毛の根元から出るので、下毛が詰まっている場所ほど、そこにとどまります。湿り気と皮脂が同じ場所に居座ると、においの出方が変わってきます。換毛期には抜けた下毛が顔まわりにも残り、シワの中にたまり込むことがあります。
体格も効いています。胴が低く脚が短いので、顔が地面に近い位置にあります。床のほこりや、器のふちに残った水が、そのまま顔まわりに移ります。散歩から帰ったあと、足だけでなく顔も確かめてほしいのは、この体格の理由からです。
目でシワを探そうとすると見つかりません。指の腹を顔に当てて、ゆっくり滑らせたときに、毛が引っかかる場所を探してください。湿った汚れがある場所は、まわりの毛より重く、指に抵抗が残ります。目ではなく指で見つける、と決めたほうが早いです。
指で地図を作ってから|ペキニーズのシワの汚れを毎日のケアで防ぐ考え方
毎日のケアの前に、一度だけ手間をかけてほしいことがあります。その子の顔のどこにシワがあり、どこに汚れが出るのかを、自分の指で確かめて覚えることです。これは一度やれば済みます。地図ができてしまえば、あとは毎日そこだけ触ればよくなります。
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明るい場所で、指の腹だけで毛を分ける
窓のそばか、明るい照明の下で行ってください。ブラシやコームは使いません。指の腹を頬に当て、毛の流れに逆らってゆっくり分けます。爪を立てない、力を入れない。この2つだけ守れば大丈夫です。
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4か所を順に、指を滑らせて抵抗を探す
鼻すじ、目の下、口のわき、あごの下。この順に指を滑らせて、毛が引っかかる場所と、湿っている場所を見つけます。見つかった場所が、その子の汚れが出る場所です。1か所も見つからない日もあります。それは良い日です。
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見つけた位置を記録する
紙に顔の丸を描いて印を打つだけで足りますが、同じ角度で写真を撮っておくと比べやすいです。次に触るときに迷わなくなり、ご家族の誰が触っても同じ場所を見られます。
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乾いた布を当てて、押さえて離す
こすりません。柔らかい布かコットンを当てて、数秒押さえ、水分を布に移すだけです。汚れを落としきろうとしないでください。シワの中の皮膚は薄く、こすると赤くなります。
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ブラッシングは、シワの外側から
顔まわりのブラッシングは、シワそのものではなくその周囲の毛を整えるためのものです。周りの毛が寝ていれば、シワの中に空気が入り、乾く速さが変わります。目の近くに道具を入れるのは避けてください。
毎日のケアとして続けるのは、この5つのうち2番と4番だけです。時間にすると三十秒ほど。1番と3番は最初の一度と、季節の変わり目にもう一度で構いません。毎日のケアは、短くて場所が決まっているほど続きます。顔ぜんぶを毎日拭こうとすると、たいてい三日で終わります。
乾いた布で足りるのは、水分がおもな場所です。口のわきやあごの下のように、食べたものやよだれが混ざる場所は、押さえるだけでは残ります。ここで布に含ませて使えるのが mofuwa グルーミングスプレーです。顔を毎日洗うわけにはいきませんが、毎日きれいにしておきたい。その毎日のぶんを、布1枚とスプレーで片づける形にします。ペキニーズは口のまわりを自分で舐めますから、顔に使うものは、舐めても問題のない基準でつくられているかどうかが先に来ます。グルーミングスプレーはその基準でつくられているので、口のわきにもあごの下にも当てられます。含ませた布で拭いたら、そのまま置かずに乾いた面で水分を移してください。
綿棒でくぼみの奥を掘る/濡れたまま放置して自然に乾かす/人用の化粧品やアルコールを含む布で拭く。どれも避けてください。綿棒は汚れを奥へ押し込みますし、シワの中は皮膚どうしが向かい合っていて自然には乾きません。濡らしたら、必ず乾いた布で押さえるところまでを一組にしてください。
換毛期には、顔まわりの手数を少しだけ増やしてください。抜けた下毛が首やあごの下にたまり、そこに水分が加わると、シワの汚れとよく似たにおいが出ます。この時期は「シワの中」と「シワの周りに落ちた毛」を分けて見ると、どちらが原因か分かります。周りの毛を取り除いてにおいが引くなら、シワの中は無事です。
洗う日については、顔だけを別に考えてください。体を洗うときの流れで顔まで濡らすと、ペキニーズの顔まわりは毛の量が多いぶん、乾くまでに体の何倍も時間がかかります。濡れている時間を延ばすくらいなら、顔は洗わずに、乾いた布で押さえるほうが汚れの残り方は軽くなります。
においの出方が変わったときは、汚れの変化として扱わない
ここまでは、毎日のケアで扱える範囲の話です。顔の作りは急に変わりませんし、シワの位置も昨日と今日で動きません。ですから、次のような変化が出たときは、汚れの話として様子を見ないでください。構造では説明がつかないことが起きています。
- 片側だけにおう:左右の顔の作りは基本的に同じです。片側だけ変わるのは別の理由があります
- 数日で急ににおいが強くなった:シワの深さは変わっていないので、中で起きていることが変わっています
- 触ると嫌がる、顔を引く:昨日まで平気だった場所を嫌がるのは、痛みのサインとして受け取ってください
- シワの中の皮膚が赤い、じくじくしている:湿った状態が続いたあとに起こることがあります
- 顔を床や家具にこすりつける回数が増えた:かゆみか痛みのどちらかです
- 目のまわりの毛が、いつもより濡れている:涙の出方そのものが変わっている可能性があります
シワの中の皮膚が赤い、じくじくしている、においが急に強くなった、触ると嫌がる、片側だけ変化がある、目を開けにくそうにしている、顔が腫れている、元気や食欲が落ちている。これらが出ているときは、拭く回数を増やすのではなく獣医師に見てもらってください。顔まわりは皮膚が薄く、目がすぐ隣にあります。家で様子を見ながら延ばせる場所ではありません。
受診の前に、いつから、顔のどのあたりか、家で何を使っているかをメモしておいてください。指で作った地図や写真があれば、そのまま経過の記録になります。診察の直前に拭いてしまうと、汚れの色や状態が分からなくなることがあります。気になるところは、そのままにして連れて行ってください。
獣医師に見てもらったあとも、顔まわりに汚れをためない毎日は続きます。グルーミングスプレーを使うときは、顔に直接吹きかけず、布やコットンに含ませてから当ててください。目と鼻がすぐ隣にあります。シワの中で起きていることは獣医師に任せて、こちらはその周りの毛と、口のわき・あごの下を乾いた状態に戻す担当だと考えてください。
最後にもう一度だけ。ペキニーズの顔のシワは、探さなければ見つかりません。見つけ方を覚えることが、この犬種の毎日のケアの半分です。残りの半分は、見つけた場所を乾いた状態で保つこと。それだけで、においで気づく回数は目に見えて減っていきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
