C05犬種・猫種別ケア

バーニーズマウンテンドッグのケア|抜け毛を減らす3つの習慣

公開日 2021年2月9日|文=mofuwa編集部

毛の量が多い大型犬が、明るい室内で落ち着いて伏せている
下毛の量が多い子は、抜ける量そのものより「いつ抜けるか」の形が変わります。写真:Yaroslav Shuraev/Pexels

3月に取れた毛の量と、8月に取れた毛の量が、ほとんど変わらない。バーニーズマウンテンドッグと暮らしていると、この感覚に覚えがあると思います。春と秋にまとめて抜けて、あとは落ち着く——よく見かける説明ですが、この犬種では換毛期の区切りがぼやけて、一年中だらだらと抜け毛が続くことがあります。背景にあるのは、スイスの山岳地帯で使われていた頃に必要だった下毛の量です。この記事では、季節で区切れる被毛と区切れない被毛を並べたうえで、区切れない側に合う3つの習慣にまとめます。

換毛に山がある子と、裾野が続く子|バーニーズマウンテンドッグはどちら側か

抜け毛の話は、たいてい「春と秋が換毛期です」から始まります。年に2回、量が跳ね上がって、そのあと落ち着く。グラフにすれば、山が2つある形になります。この形が当てはまる犬種と、当てはまりにくい犬種があります。バーニーズマウンテンドッグは後者です。

理由は原産地にあります。この犬種はスイスの山岳地帯で、農場の仕事を担ってきました。寒い場所で外にいる時間が長い犬に必要なのは、厚くて量の多い下毛です。上毛が長く、その内側にびっしり下毛が詰まる。この作りが、いまも同じように受け継がれています。

そこに日本の気候が重なります。冬でも室内は暖かく、夏は湿度も気温も高い。体は「いま何月か」ではなく「いまどれだけ暑いか、明るいか」で毛を入れ替える判断をしていますから、原産地の寒さに合わせた量の下毛を持ったまま日本で暮らすと、入れ替えの合図が年に2回で終わらなくなります。結果として、山が低くなり、裾野が長く続く形になります。

Noteだらだら続くのは、この子に問題があるからではありません

一年中抜けることを「手がかかる」と受け取らないでください。山岳地帯の寒さに合わせた被毛を、暖かい家の中で着ているという状況が、そのまま毛の抜け方に出ているだけです。犬の側は何も間違えていません。合わせるのは、こちらのやり方のほうです。

この記事で比べるのは、犬種どうしではなく「季節で区切れる被毛」と「区切れない被毛」という2つの型です。バーニーズマウンテンドッグの抜け毛が区切れない側だと分かれば、春と秋にまとめてやるという組み立て自体を変えることになります。

季節で区切れる被毛と、区切れない被毛の違いを並べる

2つの型を、家で起きることの側から並べます。どちらが良い悪いではなく、やり方の前提が逆になるという話です。

2つの型で、家で起きることがどう違うか
見るところ季節で区切れる被毛区切れない被毛(この犬種)
抜ける量の形年2回、はっきり山ができる山が低く、裾野が一年続く
換毛期の始まり数日で分かるほど急に増えるいつ始まったか、あとから気づく
集中してやる時期山の2〜3週間に手数を寄せる寄せる先がない。毎日に薄く配る
道具の使い分け山の時期だけ、下毛を出す道具を足す一年を通して、道具を2つ持ち回す
根元の詰まり方山を越えれば、いったん軽くなる抜けた下毛が根元に残り続けやすい
冬の静電気毛量が減る時期があるので出方も変わる毛量が落ちないぶん、乾く時期に出やすい

いちばん効いてくるのは、3行目です。季節で区切れる被毛なら、山の2〜3週間だけ本気を出せば、あとは楽になります。区切れない被毛では、その「本気を出す2週間」がどこにも見つかりません。だから同じつもりで待っていると、抜け毛はいつまでも減らないまま、家の中に毛が積もっていきます。

5行目も見てください。抜けた下毛は、必ずしも床に落ちません。上毛が長いぶん、抜けた下毛が毛の内側に引っかかったまま残ります。根元に古い下毛が詰まると、そこだけ空気が通らなくなり、湿り気が抜けにくくなります。バーニーズマウンテンドッグの抜け毛で本当に手を入れたいのは、床に落ちた毛ではなく、このまだ落ちていない毛のほうです。

冬の話も一つ。毛量が一年を通して落ちないので、空気が乾く時期には静電気が起きやすくなります。毛先が広がって手にまとわりつくなら、ブラッシングの前に部屋の湿りを上げてください。乾いた毛のまま道具を入れると、根元まで届く前に毛先で止まります。

うちの子はどちら側か|ブラシ1回ぶんの毛を、週で数える見分け方

同じ犬種でも、住んでいる家の環境によって出方は変わります。冷暖房の使い方、外にいる時間、日の当たる部屋かどうか。ですから犬種名だけで決めずに、その子で1か月だけ数えてみてください。やり方は簡単です。

  1. 毎週、同じ曜日・同じ時間にブラッシングする

    場所は首の後ろか腰のあたり、どちらか1か所に決めます。時間も5分と決めてください。比べるためのものなので、条件を揃えることのほうが大事です。

  2. 取れた毛を、手のひらに乗せて写真を撮る

    量を測る必要はありません。同じ手のひらの上で比べれば、多いか少ないかは写真で分かります。日付が残るので、あとから並べられます。

  3. 4週間ぶんを並べて、形を見る

    1週目と4週目で大きく差があるなら、山のある型です。4週とも似た量なら、裾野が続く型だと考えてください。バーニーズマウンテンドッグでは、後者になる子が多くいます。

  4. 季節をまたいで、もう1か月やる

    できれば、暖房を使う時期と使わない時期の両方で試してください。季節をまたいでも量が動かないなら、区切れない型であることがはっきりします。そこまで分かれば、この先の使い分けで迷わなくなります。

数えるのは、記録のためではありません。「今年は春にまとめてやろう」という組み立てを、自分の中で降ろすためです。抜け毛の量が動かないと分かってはじめて、毎日に薄く配るやり方が納得できます。

Point指が根元に届いているかを、毎回1回だけ確かめる

ブラッシングのあと、毛を分けて指を根元まで差し込んでください。すっと地肌に届けば、その日は足りています。途中で綿のような毛に当たって止まるなら、そこに古い下毛が残っています。量を数えるより、この一手のほうが日々の判断には使えます。

1日・1週間・1年に1つずつ|抜け毛を減らす3つの習慣

3つの習慣を挙げますが、粒度をわざとずらしてあります。1つ目は1日の中の話、2つ目は1週間の中の話、3つ目は1年をかけて回す話です。同じ大きさの手を3つ並べても、区切りのない抜け毛には追いつきません。

  1. 習慣①(1日):朝の3分、触る場所を1か所だけ決める

    体ぜんぶをやろうとすると続きません。首の後ろか、腰の上。どちらか1か所を決めて、そこだけ根元まで手を入れます。3分で終わります。場所を固定するのは、変化に気づくためでもあります。同じ場所を毎朝触っていると、詰まり方が変わった日にすぐ分かります。

  2. 習慣②(1週間):週に一度、下毛を運び出す日をつくる

    毎日のブラッシングは、表面の毛を整えるだけで終わりがちです。週に一度、道具を替えて、根元に残った下毛を外に出す日を決めてください。曜日を決めるのがコツです。この日は体を上半分と下半分に分け、片方ずつ15分。翌週はもう片方から始めます。全身を一度に終わらせないほうが、続きます。

  3. 習慣③(1年):月に1つだけ、部屋の側を入れ替える

    抜け毛の量そのものは減らせません。変えられるのは、抜けた毛がどこに落ちるかと、根元に残る時間の長さです。ここは犬ではなく部屋の側の話なので、月に1つと決めてゆっくり回してください。寝床の位置、床に敷くものの素材、乾燥する時期の湿度、換気の通り道。1か月に1つ替えて、次の月に効いたかどうかを見ます。12か月あれば、12回試せます。

3つの使い分けは、こう考えてください。①は毎日の状態を保つため、②は根元をリセットするため、③は家の側を犬に合わせるため。効き方の速さも違います。①は当日、②は数週間、③は季節をまたいでから分かります。

3つの習慣の選び方(いま何に困っているかで決める)
困っていること先に手をつける習慣理由
床に落ちる毛が多い習慣②(週1回)落ちる前に運び出す量を増やすほうが早い
根元に指が届かない習慣①(毎日)毎日の短い手数でしか、詰まりは戻せない
洋服や家具に付く毛が多い習慣③(月1つ)毛が動く経路は、部屋の側でしか変えられない
冬に毛先が広がる習慣③(月1つ)乾く時期は、湿りを先に上げるほうが効く
どれも当てはまる習慣①からいちばん短く、その日のうちに結果が出る
Caution抜け毛を減らしたくて、洗う回数を増やさないでください

抜け毛が多いから、シャンプーの回数を増やす——これは逆に働くことがあります。下毛の量が多いこの犬種は、乾かしきるまでに時間がかかります。根元が湿ったまま残れば、そこに抜けた毛が張りついて、かえって出しにくくなります。うるおいを保つという意味でも、洗う回数を足すより、乾かす時間を先に確保してください。

抜ける量に山がないということは、毎日きれいにしてあげたい相手が、一年を通して毎日いるということでもあります。体から脂が出るのは季節と関係がないので、昨日手を入れた場所も、今日また下毛と皮脂が混ざります。mofuwa グルーミングスプレーは、その毎日のほうに合わせてつくられたものです。舐めても問題のない基準でつくられているため、この体格の広い面にも量を気にせずかけられます。乾く時期に毛先が広がって道具が止まるときは、グルーミングスプレーをかけてから梳かすと、根元まで入りやすい状態から始められます。洗う日と洗う日のあいだは、この一手で埋めておいてください。

一年中続くのが普通の犬種で、それでも手を止めたい抜け方の変わり方

ここまで書いてきたとおり、この犬種で抜け毛が一年続くこと自体は、体の作りから説明がつきます。ですから「量が多い」だけでは、相談の目安になりません。目安になるのは、量ではなく抜け方の形が変わったときです。

Caution毛の量に隠れて見つかりにくい変化

1か所だけ地肌が見える、片側だけ抜け方が変わった、抜けたあとの皮膚が赤い、においがある、しきりに舐めたり掻いたりしている、毛の質が急に変わった、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのブラッシングを続けずに動物病院にご相談ください。毛の量の多い犬種は、皮膚の変化が毛に隠れて見つかりにくいことがあります。形が変わったと気づいた日をメモして、その日のうちに連絡してください。

受診の前に、いつから、体のどこか、家でどんな道具を使っているかをメモしてください。週に一度の写真を続けていれば、そのまま経過の記録になります。診察の直前に念入りにブラッシングしてしまうと、抜け方の様子が分からなくなることがあります。気になる場所は、そのままにして連れて行ってください。

最後にもう一度。バーニーズマウンテンドッグの抜け毛が年に2回で終わらないのは、この犬種が持っている下毛の量から見れば自然なことです。春と秋にまとめる組み立てを降ろして、日・週・年の3つに分けて置き直す。それだけで、追いかけている感覚はずいぶん軽くなります。

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よくある質問

バーニーズマウンテンドッグの換毛期は、いつですか?
はっきりした時期を答えにくい犬種です。原産地の寒さに合わせた下毛の量を持っているため、日本の気候では入れ替えの合図が年に2回で終わらず、一年を通してだらだら続くことがあります。春と秋を待つより、同じ曜日に4週間ブラッシングして、量が動くかどうかを見てみてください。
抜け毛が多いので、短くカットしてもいいですか?
自己判断で短くする前に、トリミングサロンでこの犬種の被毛について相談してください。上毛と下毛の役割が違うため、短くすることで暑さや寒さの感じ方が変わることがあります。抜け毛の量そのものは、長さを変えても大きくは動きません。
毎日ブラッシングしているのに、床の毛が減りません。
表面だけを整えている可能性があります。ブラッシングのあと、毛を分けて指を根元まで差し込んでみてください。途中で綿のような毛に当たって止まるなら、抜けた下毛がまだ体の中に残っています。週に一度、道具を替えて根元から運び出す日をつくってください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。