C09シーン別・暮らし

共働きで時間がない人のための車内のにおい|5分で終わらせるケア

公開日 2021年2月20日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの差す車の座席に、淡い色の毛の犬が落ち着いて座っている
においが育つのは、この座席に誰も乗っていない数時間のほうです。写真:Valeria Boltneva/Pexels

金曜の夜に停めた車のドアを、月曜の朝に開ける。あの一呼吸で分かるにおいは、その2日半のあいだに車の中で育ったものです。ペットと車で出かけるのは週末の数時間で、あとの時間、車はずっと駐車場で閉じたままになっています。共働きで時間がないと、車に手を入れるのは乗る前の数分か、乗ったあとの片づけのどちらかになりがちです。ところが、においが濃くなっているのはその両方の外側、誰も乗っていない密閉された数時間のほうです。時間がない人が置けるいちばん短い一手は、降りた直後の30秒にあります。この記事では、車のにおいがいつ育つのかと、その30秒に何を入れるかを書きます。

停めたままの数時間に、においは育っている|共働きで時間がないという背景

平日、車は駐車場に停まっています。その子を乗せるのは土曜の午前か、日曜の夕方。ドアが開いているのは合わせて数時間で、残りの5日以上は閉じたままです。車のにおいの話は、この停まっている時間のほうから始めたほうが早く進みます。共働きで時間がないと、車の中に手を入れるのは月に一度あるかどうかになります。それでも週明けの朝、ドアを開けた最初の一呼吸だけは、毎週やってきます。

気づく場所は、だいたい決まっています。運転席ではなく、その子が座っていた側の後部座席。あるいは荷室に敷いたままの布です。ペットを乗せた直後は、窓を開けて走っているので空気が動いています。においが分かるのは、いつも次に乗るときです。つまり、においを作った時間と、それに気づく時間が、何日もずれています。

共働きの家庭では、この5つのうち手を入れられるのが最初の2つしかありません。平日の昼に駐車場へ降りて窓を開ける、という手は最初から選べないからです。時間がないというのは、使える時間が短いという話であると同時に、使える時刻が決まっているという話でもあります。朝と夜、それも車のそばにいる数分だけ。この条件からずらさずに、手を入れる場所を決めていきます。

Note掃除の回数を増やす話にはしません

車のにおいが気になると、次の休みに車内を全部やる、という計画になりがちです。ただ、その計画は月に一度しか回りません。月に一度の大きな一手より、週に一度の30秒のほうが、停めている時間の条件を変えられます。時間がない人にとっては、続く長さのほうが先です。この記事で増やすのは、回数でも道具でもなく、手を入れる時刻のほうです。

乗っていない時間のほうが長い|車のにおいがペットの体から動いていく理由

車のにおいの出どころは、ほとんどがペットの体です。ただし、体そのものが車の中に残るわけではありません。移動するのは、体から出たもののほうです。皮脂、口のまわりの唾液、肉球のあいだの湿り、それに散歩から持ち帰った土や草の粉。乗っているあいだ、これらは体から離れて、触れている面へ少しずつ移っていきます。

移った先が布だと、そこで止まります。シートの生地、シートベルトの帯、足元のマット、荷室に敷いたブランケット。布は、移ってきたものを繊維の奥で抱えたまま乾きます。拭き取りをしていない布は、そのままの状態で数日間、閉じた車の中に置かれることになります。

車の中で、においが留まる場所と、停めているあいだに起きること
場所そこへ移るもの停めているあいだに起きること
後部座席の生地背中と脇腹の皮脂温度が上がると、繊維の奥から表面へ動く
シートベルトの帯口のまわりの唾液帯が巻き取られ、乾きにくい状態で残る
足元のマット肉球の湿りと外の土湿りが下に留まり、雑菌の増えやすい条件になる
荷室のブランケット全身から落ちた毛と皮脂たたまれたまま重なり、内側が乾かない
エアコンの吹き出し口空気に乗った細かい毛次に送風したとき、車内へ戻ってくる

ここに温度が加わります。閉じた車の中は、外が涼しい季節でも日が当たれば温度が上がります。温度が上がると、布の奥にあったものが表面側へ動き、空気に混ざります。そして夜になって温度が下がると、その空気が持っていた湿気が、また布へ戻ります。乗っていない数日のあいだ、これが毎日くり返されています。換気が一度も入らないので、外へ出ていく先がありません。

ペットを乗せなかった週でも、においが薄くならないのはこのためです。新しく持ち込まれたものはゼロでも、前に移ったものが車の中で行き来しているだけだからです。においを減らす手は、新しく持ち込む量を減らす側ではなく、移ったものを車から出す側にあります。そして車から出す作業は、移った直後がいちばん短く済みます。乾いて繊維の奥に落ち着いたあとでは、同じことをするのに何倍も時間がかかります。

降りた直後の30秒に寄せる|時間がないときの、車のにおいの考え方

手を入れる時刻を、降りた直後に決めます。乗る前ではありません。乗る前は、出かける支度で手がふさがっていて、しかもその時点ではまだ何も移っていないからです。乗ったあとの片づけでもありません。荷物と犬を家に入れてしまうと、もう一度車へ戻る足が出ないからです。その子を降ろして、ドアを閉める前。まだ車のそばに立っている、この30秒だけを使います。

  1. 対角のドアを2枚開けて、10秒立つ

    運転席側の前と、その子が座っていた側の後ろ。斜めに向かい合う2枚を開けると、車内の空気がまっすぐ抜けていきます。この10秒の換気だけで、これから数日ぶん閉じ込める空気の中身が入れ替わります。荷物を降ろすあいだ開けたままにしておけば、立って待つ時間はいりません。

  2. その子が座っていた面だけを、10秒で拭く

    車内全体はやりません。座面の中央と、背もたれの下半分。触れていた面積は、思っているより狭いはずです。拭き取りは、移った直後なら表面をなでるだけで足ります。湿らせた布をドアポケットに1枚置いておくと、探す時間がゼロになります。

  3. 敷いていた布を、5秒で車から降ろす

    マットやブランケットを敷いていたなら、車に残さず持って上がります。布は、車の中で乾かないまま数日を過ごす面です。これを1枚外へ出すだけで、停めているあいだの湿りの量が大きく変わります。玄関に置き場所を1つ決めておけば、迷いません。

  4. 停める向きと、窓の数ミリを5秒で決める

    日が当たる面がどちらかを見て、可能なら日陰側へ頭を向けます。安全に管理できる駐車場であれば、窓を数ミリだけ残す手もあります。温度が上がりきらない条件をつくるのが目的で、完全に防ぐ話ではありません。できない日は、この手順だけ飛ばして構いません。

4つのうち、毎回やるのは最初の2つだけで足ります。3つめは布を敷いた日だけ、4つめは停める場所を選べる日だけ。時間がない日に全部を通そうとすると、次の週から4つとも止まります。2つに減らしても、換気と拭き取りという、においがいちばん動く2つが残っています。

体の側にも30秒あります。車から降ろしたその場で、グルーミングスプレーを布に含ませて、足元と口のまわりをなでます。ペットの体は毎日脂を出していて、その日に外でついたものもそこに乗っています。玄関で落としておくと、次に車へ持ち込む量がそのぶん減ります。すすぎがいらないので、時間がない日でも、降りたその場の30秒で終わります。舐めても問題のない基準でつくられているため、口のまわりに使う量を気にしなくて済みます。強くこすらず、その子が嫌がるようなら、その日はやめてください。

Point思い出さなくても回る場所に置く

30秒の手順が続かない理由は、忘れることではなく、道具を取りに行く距離のほうにあります。グルーミングスプレーと布を入れた袋をドアポケットに、外した布を入れる袋を玄関に。この2か所を決めた週から、手順は考えずに回りはじめます。ペットと車で出かける家庭のケアは、覚える量ではなく、置き場所の数で続き方が変わります。

2週間おなじ30秒を続けたあと、車のにおいとペットの状態をどう見比べるか

変化は、週明けの朝に測ります。ドアを開けた最初の一呼吸だけを基準にしてください。乗ってしばらくすると鼻が慣れるので、そのあとの判定はあてになりません。最初の一呼吸で「先週より弱い」「同じ」「強い」の3つだけを決めて、スマートフォンのメモに一行だけ書きます。時間がないので、記録もこれ以上は増やしません。

最後の1つについて書きます。車の中で手を打っても変わらないにおいは、車が作っているものではありません。体のどこか一か所から出ているにおいが、いちばん狭い空間である車で先に分かるようになった、という順番のことがあります。車は密閉されているぶん、家のリビングより早く気づける場所です。その意味では、週明けの一呼吸は体の記録としても使えます。

Caution車ではなく、体のほうを見てほしいとき

耳や口のまわりから今までと質の違うにおいがする、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、じくじくしている、抜け毛が急に増えた、水を飲む量や食欲が変わった。いずれかがあるときは、車の掃除の頻度を上げる前に、動物病院にご相談ください。時間がない中で受診の日をつくるのは負担ですが、いつからか・どこか・週明けのにおいがどう変わったかの3つをメモしていけば、診察の時間そのものは短く済みます。

共働きで時間がないという条件は、この先も変わりません。使える時刻が朝と夜しかないことも、平日の昼に駐車場へ降りられないことも同じです。変えられるのは、においが育っていく数時間の入り口に、どんな空気と、どれだけの湿りを残して閉めるかだけです。ペットと車で出かける週末を減らす必要はありません。降りた直後の30秒。車のにおいに対して、時間がない人がいちばん短く払える代金は、そこにあります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

商品ページを見る

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。