C08季節・行事
散歩帰りの被毛に残る花粉|梳かしただけでは落ちきらない
玄関で背中を3回払ってから家に上げたのに、寝床のそばの床には、花粉の乗った毛が薄く広がっていました。払って落ちるのは、毛の表面に乗っているぶんだけです。被毛の中へ入り込んだものは、玄関の3回では動きません。ブラッシングをすれば落ちると思って梳かしても、落ちきらない場所が毎日同じ3か所に残ります。足の外側、胸の下、耳のうしろ。この3か所は、梳かす回数を2倍にしても減りませんでした。花粉の時期のブラッシングは、回数を足す組み方と、梳かす前にひと手間を足す組み方のどちらで通すかで、1週間にかかる分数まで変わってきます。
梳かしたあとに残る3か所|花粉が被毛のどこに残るかの見分け方
花粉の時期に、梳かしたあとの被毛へ残るのは、足の外側・胸の下・耳のうしろの3か所です。どこも、ブラシの背が当たりにくい面という点で共通しています。足の外側は地面にいちばん近く、歩くあいだじゅう草や土のきわをこすり続けています。胸の下は、その子が伏せたときに床と接する面で、ブラシを縦に入れると途中で毛の向きが変わります。耳のうしろは毛が細くて密なうえ、こちらが手を伸ばすと頭を動かされるので、いつも最後に回されます。
| 場所 | 歩いているあいだに起きていること | ブラシが届きにくい理由 | 触って分かる合図 |
|---|---|---|---|
| 足の外側 | 草のきわと地面に、いちばん長く触れている | 毛が短く寝ていて、ブラシの歯が滑る | 指の腹で下から上へなでると、ざらつきが返る |
| 胸の下 | 伏せるたびに床の面と入れ替わる | 毛の向きが途中で割れ、一方向に通らない | 手を差し入れて横へ動かすと、細かいものが指につく |
| 耳のうしろ | 頭を振るたびに空気が巻き込む | 毛が密で、頭が動くので手が止まる | 毛をかき分けると、地肌のきわに粉が見える |
この記事で数えるのは、1週間にブラッシングへ使った分数です。1回3分を1日2回やれば週42分、1回5分を1日1回なら週35分。花粉の飛ぶころに増やしたくなるのは、たいてい回数のほうです。ところが分数が増えても、3か所に残るものは減らないことがあります。帰宅後にその子が付き合ってくれる時間は決まっているので、何分を、どの面へ置くかを先に決めます。
紙は1枚で足ります。日付、梳かした分数、3か所のうちどこにざらつきが残ったか。室内に入ってから梳かし始めるまでに何分あいたかも、右端に書いておきます。花粉の飛ぶ時期は毎年くり返すので、この紙は来年の2月に、そのまま手順表として使えます。毎日つけると続かないので、書くのは残った場所の欄だけにして、分数は週の終わりに合計する形でかまいません。
軸1・回数を足す|乾いたままのブラッシングと、花粉が被毛から離れる量の違い
回数を足す組み方は、帰宅後に3分、寝る前に3分と、乾いたままの被毛へブラシを2回入れます。手数だけを見れば、これがいちばん素直な足し方です。ところが乾いた毛にブラシを通すと、花粉が落ちるより先に、毛のほうが浮き上がります。この順番が逆になっているあいだは、分数を足しても届く面は広がりません。
- 浮いた毛へ戻る:乾いた被毛は、ブラシとの摩擦で静電気を持ちます。一度離れた花粉が、浮いた毛に引き寄せられて同じ面へ戻るので、落としたぶんが手元で相殺されます
- 室内の空気へ出る:強く梳かすほど、離れたものは床ではなく空気の側へ出ます。室内で梳かすと、数分後にソファや寝床の上へ降りて、その子が乗った瞬間に毛へ戻ります
- 3か所には角度が届かない:回数を足しても、ブラシの入る向きは同じままです。足の外側も胸の下も耳のうしろも、届かない理由は時間ではなく、毛の向きと手の入り方のほうにあります
分数だけが増えて、残る3か所は変わらない。これが、回数を足したときに起きることです。毎日のブラッシングを2回に割ると、1回あたりの丁寧さも落ちます。帰宅後の1回目は、その子の呼吸がまだ上がっていて、こちらの手も夕食の支度に急かされています。急いだ手は、届く面の広い背中と腰だけを往復します。3か所は、急いでいるときにいちばん先に飛ばされる場所でもあります。
梳かし始める時間も、離れ方を変えます。玄関を上がって5分以内は、体温が上がっていて毛が立っています。逆に、寝床で丸くなってから起こすと、胸の下へ手を差し入れる姿勢そのものを嫌がられます。室内に入ってから10分ほど置いて、その子が水を飲み終えたあたりが、いちばん手の入る時間帯でした。花粉の時期はこの10分を毎日そろえておくと、梳かす分数を増やさずに済みます。
もうひとつ、乾いたまま梳かし続けると、部屋のにおいの出かたが変わります。花粉そのものはにおいませんが、被毛から離れた皮脂と土ぼこりが室内へ散ると、夕方に帰ってきた人が玄関で気づく空気になります。室内で梳かすかぎり、落としたものは家の中のどこかに置き換わるだけです。どこへ落とすかまで決めておかないと、翌日また同じ毛が同じ場所を拾います。
軸2・梳かす前にひと手間|花粉の時期に被毛が乾いている日と湿っている日の使い分け
もうひとつの組み方は、ブラッシングを1日1回に戻して、ブラシを入れる前に霧をひと通り当てることです。やることは1つ増えますが、梳かす回数は半分になります。1回5分のうち、最初の1分を霧に使い、残りの4分で梳かす配分です。週の合計は35分で、回数を足した側より7分短くなります。
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1|落とす先を玄関の内側に決める
たたきの内側1メートルを、その日ものを落とす面にします。ここで足の外側だけを先に済ませると、部屋へ運び込む量が減ります。決めた面はあとで拭くので、ラグやマットを敷きません。
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2|3か所へ先に当てる
足の外側、胸の下、耳のうしろの順です。背中から始めると、その子が飽きたころに3か所が回ってきます。毛の上ではなく、毛をかき分けて地肌の側から当てると、1回の量で足ります。
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3|30秒待つ
当ててすぐブラシを入れると、表面だけが湿った状態で梳かすことになります。30秒あれば毛の根元まで下りるので、そのあいだに反対側の手でブラシを持ち替えます。
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4|毛の向きに沿って一方向に梳かす
往復させません。往復は同じ1回でも、離れたものをもう一度毛の中へ押し戻します。3か所は最後に、いちばん時間をかけて通します。
この霧に mofuwa グルーミングスプレーを選ぶのは、3か所のうち2か所が、その子の舌の届く場所だからです。足の外側は、寝る前に前足を伸ばしてなめます。胸の下は、伏せたまま顔を下げれば口が届きます。帰宅後に吹きかけたものは、夜のうちにその子の口へ入ると考えて選んでおくほうが、量を数えずに済みます。中身は電解水で、清涼飲料水の規格基準を満たす水です。3か所へ届くまでかけても、何回押したかを気にせずにいられます。
花粉が被毛に残るのは、毛そのものに刺さっているからではありません。歩いているあいだに出た皮脂が毛の表面へ薄く乗っていて、外から来たものはその上に乗り換えています。この1本はアルカリ性の電解水なので、余分な皮脂と油が乳化して毛から離れやすくなります(deck p16)。下に敷かれていた側が動けば、上に乗っているものも一緒に動く。だから3か所では、落とす力を強くするより、乗っている土台のほうへ手を届かせます。
霧が通っていると、毛が浮きません。乾いた被毛にブラシを入れたときの、あのぱちぱちする感じが減るぶん、同じ4分でもブラシの入る面が広がります。花粉の時期に効いてくるのは、落とす強さより、毛が立ち上がらない状態のほうでした。浮かない毛からは、離れたものが空気の側へ出ていきません。床に落ちるので、そのあと拭けます。s2で書いた「室内のどこかへ置き換わるだけ」という問題が、ここで落ちる先の決まった話に変わります。
お風呂そのものが負担になる子では、この1動作の意味がもう少し大きくなります。湯につけると体力を使う子や、水の音で体が固くなる子は、花粉の飛ぶ時期だけ洗う回数を増やす、という組み方ができません。帰宅後の1分を霧に置くほうが、体にかかる負担が軽く、毎日の習慣として残ります。シニアの子では、3か所のうち胸の下がいちばん先に残るようになります。伏せている時間が長くなるぶん、床と接する面の時間が伸びるからです。
猫でも手順は同じですが、順番だけ入れ替えます。耳のうしろを先に、足の外側を最後にします。猫は前足を持たれるのを嫌がる子が多く、そこから始めると残りの2か所まで届きません。霧の音を嫌がる子には、mofuwa グルーミングスプレーをこちらの手のひらへ先に出して、手で3か所へ広げる形にします。ノズルを体へ向けないので、音の出る瞬間がその子の側から消えます。ブラッシングまで通せた日だけ、紙に分数を書けば足ります。
1週間の分数で並べる|花粉の時期の被毛とブラッシングの選び方
2つの組み方を、1週間にかかる分数と、3か所に手が届いたかどうかで並べます。分数だけを比べると差は7分で、それほど大きくありません。差が出るのは、その7分の使い道と、落としたものがどこへ行くかのほうです。
| 見るところ | 回数を足す(1日2回・乾いたまま) | 前にひと手間(1日1回・霧を通す) |
|---|---|---|
| 1週間の分数 | 3分×2回×7日で42分 | 5分×1回×7日で35分 |
| 1回のうち3か所へ回る時間 | 背中と腰で終わり、ほぼ0分 | 最後の2分をまるごと当てられる |
| 離れたものの行き先 | 空気の側へ出て、家具と寝床に降りる | 浮かない毛から、床へ落ちる |
| 静電気 | 乾いた毛どうしで起きる | 霧が通っているあいだは起きにくい |
| その子の負担 | 1日2回、押さえられる場面がある | 1日1回で終わる |
| 続けやすさ | 夜の1回が先に抜ける | 帰宅後の動線に乗せられる |
| 結論の行 | 分数は長いが、3か所は残る | 分数は短く、3か所まで手が回る |
選び方の線は、帰宅後にまとまった5分を取れるかどうかで引けます。取れる家は、1日1回へ寄せたほうが、その子の負担も分数も減ります。取れない家は、回数を足す側に見えますが、そのときも霧だけは先に通しておきます。3分の1回でも、浮かない毛を梳かすほうが、6分の乾いた2回より3か所へ近づきました。増やす対象を回数ではなく、最初の1分に置き換えるという選び方です。
週の途中で組み方を替えないでください。月曜と火曜で組み方が違うと、紙の分数がそろわず、どちらが効いたのかが分からなくなります。替えるなら週の頭から、丸ごと1週間で。花粉の飛ぶ時期は2週間から3週間ほど続くので、1週目で片方を通し、2週目でもう片方を通せば、同じ子の同じ被毛で並べられます。
耳のうしろだけが、霧を通して梳かした日も毎日ざらつく/足の外側の地肌が赤く見える、さわると熱い/組み方を替えて2週間たっても、同じ場所をなめる時間が増えていく/花粉の飛ばない時期につけた紙と並べても、3か所の残り方が変わらない。こうした残り方は、外から乗ったものだけでは説明がつきません。紙に書いた週の分数と、どの場所が何日残ったかを持って、動物病院で地肌のほうを見る日を取ってください。何分梳かした日に何が残っていたかが並んでいると、家で見えていた範囲がそのまま伝わります。
来年の2月へ渡すもの|花粉が飛ぶ時期を越えたあとの被毛とブラッシング
花粉の飛ぶ時期が過ぎると、3か所のざらつきは手を変えなくても減っていきます。減ったことを、その年の手柄にしないでください。減った理由は外の条件が動いたからで、来年の同じころには同じ条件が戻ります。残しておく価値があるのは、減ったという結果ではなく、何分でどこまで届いたかという紙のほうです。
| 残すもの | 中身 | 来年の使い道 |
|---|---|---|
| 週の分数 | 42分か35分か、実際に取れた数字 | 来年はその分数から始める |
| 残った場所の欄 | 3か所のうち、どこが何日残ったか | 最初から最後に回す場所を決める |
| 梳かし始める時刻 | 室内に入って何分後だったか | 同じ時刻へ最初から置く |
| 嫌がった日の1行 | 順番を入れ替えた日と、その理由 | 来年は入れ替えた順で始める |
この4つを持って次の2月に入れば、決め直すことは1つもありません。毎年くり返すものに対しては、去年の紙がいちばん早い手順書になります。花粉の飛ばない季節のあいだも、帰宅後の被毛に霧を通してから梳かす形はそのまま続けられます。時期が来てから始める手順ではないので、切り替えの日を決めずに済みます。
今夜は、帰宅後に3か所へ霧をひと通り当てて、毛の向きに沿って一度だけ梳かすところまでで終わりにしてかまいません。紙に分数と、残った場所を書いて壁に貼っておきます。来年の2月にその紙を出せば、何分から始めればいいかが、自分の字で書いてあります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 玄関で払ってから家に上げているので、室内でのブラッシングは省いてもよいのではありませんか。
- 払う動作と梳かす動作は、届く深さが違います。手で払って落ちるのは毛の表面に乗っているぶんで、被毛の中に入ったものは、毛を分けて手を入れないと動きません。玄関で払うのは、部屋へ運び込む量を減らすための一手で、3か所へ届かせる手ではないという分け方です。逆に、室内で梳かすなら玄関の払いを省いてよいかというと、そちらも省けません。払わずに上げると、落ちる先が玄関ではなく廊下と寝床になります。2つは同じ目的の重複ではなく、落とす場所を決める手と、深さを取る手です。
- 霧を当てたあと、ドライヤーで乾かしたほうがいいですか。
- 乾かしません。当てるのは、毛が浮かない程度の量です。指で触って、しっとりするが濡れてはいない、という状態で止めます。ここでドライヤーを使うと、乾く途中でまた毛が立ち上がり、せっかく落ち着いた状態を自分で戻すことになります。温風は皮脂の出かたも変えるので、花粉の時期に毎日当てる理由はありません。梳かし終えて数分たてば、室内の空気で乾きます。量が多すぎて乾くのに時間がかかると感じたら、次の日は押す回数を1回減らしてください。
- 花粉の時期だけ、シャンプーの回数を増やしたほうがいいですか。
- 回数を増やすかどうかより、増やせる子かどうかを先に見てください。若くて水を嫌がらない子なら、月に1回だったところを2回にする程度は無理がありません。ただし洗うたびに乾かす時間が要るので、平日の帰宅後に入れると、その日のブラッシングが丸ごと抜けます。毎日の3か所に手が届かないまま週末だけ洗う形になると、分数の合計はむしろ減ります。シニアの子や、湯を嫌がる子では、洗う回数は変えずに帰宅後の1分を足すほうが、1週間の合計で見て3か所に届きます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
