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シニア期の肉球のベタつき|若い頃と同じケアでは追いつかない

公開日 2021年2月15日|文=mofuwa編集部

床の上に置かれたシニア期の犬の前足
同じ場所に接している時間の長さが、そのまま条件になります。写真:Inge Van den Heuvel/Pexels

緊張した犬や猫が診察台に足跡を残すのは、肉球が汗をかく場所だからです。体のほとんどが被毛に覆われているぶん、肉球は数少ない汗の出口になっています。若い頃は、歩き回るあいだに汗が乾いていました。シニア期に肉球のベタつきが気になりはじめるのは、寝ている時間が長くなって、その乾く機会が減るからです。だとすれば、拭く回数を増やすより、乾く条件を作るほうが早く落ち着きます。

肉球は、汗をかく場所

体のほとんどが被毛に覆われている犬や猫にとって、肉球は数少ない、汗をかく場所です。緊張したときに診察台の上に足跡が残るのは、そのためです。

若いうちは、歩く、走る、立ち上がる、といった動きのなかで空気に触れ、そのつど乾きます。ところが横になっている時間が長くなると、肉球は床に接したままになります。汗が乾かず、そこに皮脂と床のほこりが混ざる。ベタつきとして感じるのは、この混ざったものです。指の腹で触ったときに、しっとりではなく少し引っかかる感じがするのは、ほこりが混ざっているからです。

Noteにおいが出るのも同じ理由です

「シニアになってから足のにおいが強くなった」という相談も、たいてい同じ経路をたどっています。乾かないまま、指の間にたまり続けているという状態です。においを消すことより、乾かすことのほうが近道になります。

乾く機会が減る3つの理由

シニア期に条件が変わるのは、次の3つが同時に進むからです。

  1. 寝ている時間が長くなる

    一日のうち、肉球が床に接している時間が伸びます。とくに横向きで寝る子は、下になった側の足がずっと接したままになります。同じ寝姿勢が続く子ほど、左右で状態に差が出ます。

  2. 歩数が減り、指を広げる動きが減る

    歩くとき、犬は指を広げて着地します。歩数が減ると、指の間が開く回数そのものが減ります。閉じたままの隙間は乾きません。

  3. 毛が伸びて、隙間をふさぐ

    指の間の毛は伸び続けます。若い頃は歩くたびにすり減っていたぶんが残り、通気をさらに悪くします。滑りやすくもなるので、二重に影響します。

3つとも、汗の量とは関係ありません。変わっているのは乾く側の条件だけです。ここを取り違えると、拭くほど良くなるはずだ、という方向に進んでしまいます。3つのうち手を入れやすいのは、最後のひとつです。指の間の毛の長さは、こちらの都合で整えられます。寝る時間の長さと歩数は、年齢に沿って変わっていくものなので、無理に戻そうとしないでください。

拭く回数を増やしても追いつかない

ベタつくから拭く。数時間で戻る。また拭く。この繰り返しに入ると、肉球の側にも負担がかかります。困っているのは飼い主さんのほうで、回数だけが積み上がっていく——というのが、この状態のいちばん厄介なところです。

拭く回数を増やしたときに起きること
やっていること起きること
濡らして拭くのを1日に何度もそのたびに濡れる。乾かす前に次が来る
ウェットシートで表面だけ拭く指の間には届かず、表面だけ湿った状態が残る
強くこすって取ろうとする薄くなっている皮膚を削り、荒れる
拭いたあと、そのまま寝かせる湿ったまま床に接し、条件が元に戻る
気になるたびに、その場で拭く1回あたりが短くなり、乾かす工程がいつも抜け落ちる
Point拭いたあと、5分だけ足を開けておく

いちばん効くのは、この一手です。拭いたら指を軽く広げた状態で、5分ほど空気に触れさせる。膝の上に乗せている時間で構いません。回数を増やすより、1回を最後まで終わらせるほうが結果が変わります。

横になったままできる、1回3分

立たせずに、上になっている側の2本だけ。全部を一度にやろうとしないでください。

  1. 指を1本ずつ広げて、乾いた状態で確かめる

    間に毛が伸びていないか、汚れが固まっていないか、赤くなっていないか。広げる動作そのものが、久しぶりの通気になります。

  2. 指の間を、湿らせた布で押さえて拭く

    こすらず、押さえて汚れを移します。表面より、間のほうが目的です。乾いた布では、皮脂とほこりが混ざって固まったものは動きません。mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませてから当ててください。肉球に直接かけるより、布の側に水気を持たせたほうが、余分に濡らさずに済みます。

  3. 乾いた布で、水分を取る

    同じ場所を、乾いた布に替えて押さえます。ここを省くと、拭く前より条件が悪くなります。布の角を指の間に差し込むようにすると、狭いところまで届きます。

  4. 5分、指を広げたままにする

    手で軽く支えるだけで構いません。この5分が、一日のうちで唯一まとまって乾く時間になります。テレビを見ている時間や、夜のくつろぐ時間に重ねてしまうと、続けやすくなります。

  5. 翌日、反対側の2本を同じ手順で

    体位を変える負担が減ります。2日で4本と考えれば、無理なく続きます。

シニアの肉球を拭くのは、風呂に入れられないからではありません。この年齢で変わったのは乾く条件だけで、毎日きれいにしておきたいという前提は、若い頃と何も変わっていません。湯船そのものが負担になる子は、湯に入れないという選択をしたうえで、毎日の側を厚くする道が残っています。

mofuwa グルーミングスプレーを使うのは、手順2の1か所だけで足ります。膝に乗せている5分のうち、最初の1分です。アルカリ電解水が余分な皮脂と油を乳化させるので、力を入れずに汚れが布へ移ります。薄くなっている肉球の皮膚を削らずに済むのは、ここです。舐めても問題のない基準でつくられているので、寝たまま足を口元に運ぶ子でも、量をためらわずに使えます。指の間の毛を短く整えたあとなら、静電気で毛が寝ないぶん、根元まで布が届きます。

4本の肉球のうち、1本だけ様子が違うとき

シニア期は、たいていのことを「歳だから」で説明できてしまいます。ですが次のような変化は、加齢とは分けて見てください。

Caution加齢と分けて見る変化

1本の足だけ状態が違う、指の間が赤い・じゅくじゅくしている、腫れている、強いにおいがする、同じ足を舐め続けている、歩き方が変わった・足を上げている。これらはどれも、拭いて乾かす手順の外側で起きている変化です。1つでも見つかったら、その足を動物病院で診てもらってください。

とくに同じ足を舐め続けるのは見逃さないでください。舐めれば濡れ、乾くときに水分が奪われ、また気になる。この繰り返しは自力では止まりません。癖として片づける前に、その足の裏を明るいところで確かめてください。

また、床で滑るようになった、立ち上がるのに時間がかかるようになった、という変化があるときは、指の間の毛と爪の長さも確かめてください。滑ると踏ん張る回数が増え、肉球にかかる力が変わります。持病がある子は、ケアの内容と時間について、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。

家でやることは、この先も同じです。上になっている2本を拭いて、5分だけ指を広げて乾かす。翌日は反対の2本。2日で4本というペースのまま、毎日の側に寄せていけば足ります。

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よくある質問

肉球のベタつきは、拭けば取れますか?
拭くこと自体は有効ですが、拭いたあとに乾かす工程まで終えないと数時間で戻ります。指を広げた状態で5分ほど空気に触れさせてください。回数を増やすより、1回を最後まで終わらせるほうが結果が変わります。
ウェットシートで拭くだけではだめですか?
表面は拭けますが、指の間には届きにくく、湿った状態が残ります。指を1本ずつ広げて間を押さえ、そのあと乾いた布で水分を取る、という2段階にしてください。
シニアになってから足のにおいが強くなりました。病気でしょうか?
乾く機会が減って、汗と皮脂が指の間にたまっていることが多くあります。まずは拭いて乾かす手順を試してください。ただし1本だけにおいが強い、赤みや腫れがある、舐め続けているという場合は、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。