C05犬種・猫種別ケア

ダルメシアンのケア|かゆがるしぐさを減らす3つの習慣

公開日 2021年4月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、白い体に黒い斑のある犬が静かに伏せている
白い部分と黒い斑では、地肌の色が違います。同じ体の中で、変化の確かめ方が逆になります。写真:Bethany Ferr/Pexels

後ろ足で首をかく回数が、1日に何度も増えていた。ダルメシアンと暮らしている方から、そんな話を聞くことがあります。気になって体を見てみると、白い部分にはうっすら赤みが出ている。けれど、その子がいちばん気にしていたのは、黒い斑のあるほうの脇でした。かゆみが出ている場所と、こちらが変化を見つけられる場所が、ずれているのです。白い地に黒い斑という被毛は、同じ体の中に地肌の色が違う場所が混ざっているということでもあります。この記事では、白い部分と斑の部分を並べて比べながら、かゆがるしぐさを減らす3つの習慣を組み立てます。

白い地肌と黒い斑|ダルメシアンのかゆみは、出た場所と気づく場所がずれる

ダルメシアンの被毛は短く、硬く、体にぴたりと寝ています。ここまでは、ほかの短毛の犬種と大きく変わりません。違うのは、白い地の上に黒い斑が散っていることです。そしてこの斑は、毛の色だけの話ではありません。斑のある場所は、その下の皮膚まで色がついています。

つまり1頭のダルメシアンの体には、地肌の色が違う場所が、まだらに混ざっています。白い部分の地肌は薄い色で、下の血の色が透けます。斑の部分の地肌は濃く、下の色が表に出てきません。ここから、かゆみをめぐるやっかいなずれが生まれます。

皮膚に赤みが出たとき、白い部分ではそれが色の差として見えます。うっすらでも、まわりが白いので分かる。ところが斑の部分では、同じ赤みが出ていても、色としては表に出てきません。濃い地肌の上に赤が重なっても、目で区別できないからです。

その結果、何が起きるか。その子がかゆがっている場所と、飼い主が変化を見つけられる場所が、一致しなくなります。白い部分ばかりを見て「今日は落ち着いている」と判断していても、斑の下では違うことが起きている、ということが起こりえます。逆に、白い部分に見えた赤みを追いかけて、その子が本当に気にしている場所を通り過ぎてしまうこともあります。

だからダルメシアンのケアは、見る力を上げる話ではありません。見て分かる側と、見ても分からない側を、はじめから分けて扱うこと。ここが出発点になります。かゆがるしぐさを数えるとき、しぐさが出た場所がどちら側なのかを一緒に覚えておくと、あとから比べられるようになります。

Noteかゆがるしぐさは、場所を教えてくれます

かく、なめる、床や家具に体をこすりつける、急に体を大きく振る。しぐさは、その子がかゆみを感じている場所を指し示しています。白い部分に何も見えなくても、しぐさが同じ場所に戻り続けているなら、そこには何かが起きています。斑の部分では、しぐさのほうが先に手がかりになります。

見て分かる側と、触って分かる側|ダルメシアンの2つの地肌の違い

同じ体の中で条件が2つに分かれるので、確かめ方も2つに分けます。白い部分は見る。斑の部分は触る。この違いをそのまま手順にしてしまうのが、いちばん迷いません。

白い部分と斑の部分で、確かめ方が逆になる
白い部分斑の部分
地肌の色薄く、下の色が透ける毛の下まで色がついている
赤みの出方色の差として見える色としては表に出ない
先に気づくもの目手のひら
手がかりになるもの赤み、白い粉、毛の乱れ熱っぽさ、ざらつき、湿り
見落とす理由光が弱いと差が出ない見て探し続けてしまう
しぐさとの前後しぐさより先に見えることがあるしぐさのほうが先に出る
白い部分と斑の部分で、確かめ方が入れ替わる ダルメシアンの体は、地肌の色が薄い白い部分と、地肌まで色がついている斑の部分に分かれます。赤みが色として見えるのは白い部分だけで、斑の部分は温度と手ざわりで探すことになります。 同じ日の、同じ1頭の体です 白い部分 地肌の色が薄い 赤みが色として分かる 確かめ方は、見る 光の向きで見え方が変わる 斑の部分 地肌まで色がついている 赤みは色として出ない 確かめ方は、触る 温度と手ざわりで探す どちらか片方だけで判断すると、体の半分を見ていないことになります
同じ体の中で、目と手の役割が入れ替わります。

斑の部分でかゆみの手がかりになるのは、まず温度です。手のひら全体を当てて、まわりより温かいと感じる場所を探します。指先ではなく、手のひらの中央から手首寄りの面のほうが、わずかな差を拾えます。次に手ざわり。ざらつき、粉っぽさ、逆に湿っている感じ。被毛が短いので、地肌の状態が手にそのまま伝わります。

白い部分を見るときは、光の向きで見えかたが変わることを覚えておいてください。真上からの照明では、うっすらした赤みは飛びます。横から光が当たる場所に立たせると、色の差も毛の乱れも出やすくなります。窓際で、日中の明るい時間。同じ場所、同じ時間帯にそろえると、昨日との違いが比べられるようになります。

Point境目は、両方のやり方で確かめます

白と斑の境目は、どちらの方法でも拾えます。逆にいえば、境目だけを見て全体を判断すると、斑の中央で起きていることを取りこぼします。境目は最初に確かめて、そこから斑の内側へ手を進めてください。

習慣1と習慣2|白い部分は毎日30秒見て、斑の部分は週に一度なぞる

3つの習慣は、それぞれ時間の単位が違います。1つ目は1日単位、2つ目は1週間単位、3つ目は季節単位。同じ粒度で3つ並べると、どれも中途半端に終わります。まずは短い2つから組みます。

  1. 習慣1|窓際で30秒、白い部分だけを見る

    1日1回、明るい時間に窓の近くへ立たせます。見るのは白い部分だけ。お腹、内股、胸、脇の白いところ、耳のふち。横からの光で、赤み・白い粉・毛の流れの乱れを探します。全身を見ようとしないでください。30秒で終わる範囲に絞るから、毎日続きます。

  2. 習慣1の記録|見えたら、場所だけメモする

    程度を書く必要はありません。日付と場所だけ。同じ場所に3日続けて出ているかどうかが、あとで効いてきます。かゆがるしぐさが出た場所も、同じメモに並べてください。しぐさと見えた場所がずれているとき、それが斑の部分の合図です。

  3. 習慣2|週に一度、手のひらで斑をなぞる

    週の決まった曜日に、5分だけ取ります。手のひら全体を体に当てて、首から背中、腰、後ろ足へと、ゆっくり滑らせます。探すのは温度差と手ざわりです。まわりより温かい、ざらつく、湿っている。見つかったら、そこも場所だけメモします。

  4. 習慣2の順番|左右を続けて比べる

    片側をなぞったら、すぐ反対側の同じ場所をなぞります。時間を空けると、手のほうが温度に慣れて差が分からなくなります。左右を続けて比べるのが、いちばん確実な見つけ方です。片側だけに差があるときは、寝る向きや、いつも当たっているものを思い出してください。

この2つを分けておくと、白い部分に何も見えない週でも、斑の部分に出たかゆみの手がかりを拾えます。逆に、白い部分にだけ赤みが続いていて、斑の部分は手ざわりが変わらないというときもあります。どちらか片方だけで判断しないというのが、この2つの習慣の目的です。かゆみの出どころを、体の半分だけで探さずに済みます。

ブラッシングは、習慣2と同じ日にまとめてしまうのが続けやすい形です。短い被毛なので、ほどく作業はほとんどありません。ラバー製のように面で当たるものを、毛の向きに沿って軽く動かします。ブラッシングをしながら手のひらを挟むと、なぞる工程を別に取らなくて済みます。力を入れると、硬い毛の先が地肌に当たります。

習慣3|季節の変わり目に見直す、道具の選び方と使い分け

ダルメシアンのかゆみをめぐる3つ目の習慣は、毎日でも毎週でもありません。季節が変わるタイミングで、洗う頻度と道具の組み合わせを一度だけ見直します。年に4回。回数が少ないぶん、変えたことの結果が分かりやすくなります。

季節の変わり目に見直す3つと、その決め方
見直すもの何を基準に決めるか変えすぎたときに出ること
洗う頻度汚れた日数ではなく、汚れた場所の数洗いすぎで、白い部分の粉が増える
洗うものの選び方泡切れと、すすぎに要る時間すすぎ残しが、地肌に乾いて残る
乾かし方風の強さより、当てている時間熱が同じ場所に集まる
ブラシの使い分け毛をほどく用ではなく、面で当たるもの硬い毛の先が地肌に当たる
部屋の湿度犬が寝ている高さで感じる乾き加湿しすぎて、寝床が湿ったままになる

ダルメシアンの洗う頻度は、日数で決めないほうがうまくいきます。全身が汚れた日は洗い、足だけ汚れた日は足だけにする。ダルメシアンは長い距離を走ることを仕事にしてきた犬種で、いまも運動量の多い子が多い。散歩のたびに全身を洗っていると、洗いすぎの側に倒れます。うるおいは、洗う回数を減らすだけでも残り方が変わります。

道具の使い分けは、白い部分と斑の部分で変える必要はありません。分けるのは確かめ方であって、手入れの道具ではないからです。ただし、赤みが見えている場所と、手ざわりが変わっている場所には、その週だけブラシを当てる回数を減らしてください。かゆがるしぐさが出ている場所を、道具でこすらないことです。

ダルメシアンは長い距離を走ることを仕事にしてきた犬種なので、散歩の量も自然と多くなります。体は毎日脂を出しますし、外から帰れば土やほこりも一緒に戻ってきます。それでも、洗う頻度を上げる方向には倒せません。白い部分の粉が増えるのは、洗いすぎたときです。つまりダルメシアンでは、毎日きれいにしてあげたいという気持ちと、洗う回数は増やせないという条件が、同じ体の上で同時に立っています。

ここに入るのが、洗い流さずに使えるケアスプレーです。mofuwa グルーミングスプレーは、吹きかけたあとに手のひらか薄い布で毛の向きに沿ってなでるだけなので、習慣2で斑の部分をなぞる工程と、手の動きがそのまま重なります。なめても差し支えのない基準でつくられていて、白い部分から斑の部分までひと続きに吹きかけても、量を数えながら使う必要がありません。硬い短毛はブラッシングで静電気が起きやすいのですが、さきにグルーミングスプレーを当てておくと、抜けた毛が舞わずにブラシの側へ集まります。

使うときに、1つだけ決めておいてください。かゆがるしぐさが出ている場所は、スプレーを当てたあともこすらないことです。手のひらでならすところで止めます。斑の部分は変化が色として出ないので、そこだけ手数を増やしてしまっても、増やしたこと自体に気づけません。当てる回数は、白い部分と同じにそろえておくほうが読めます。

Caution季節の変わり目に、3つ以上を同時に変えない

洗う頻度も、洗うものも、ブラシも、部屋の湿度も一度に変えると、何が効いたのかも、何が合わなかったのかも分からなくなります。気になるものを全部まとめて入れ替えて、様子を見るという進め方は取らないでください。変えるのは1回につき1つか2つ。2週間おいてから、メモを見返します。

時期が変わっても同じ場所に戻るときは、地肌の色の話ではありません

ここまでは、地肌の色の違いで説明のつくかゆみの話でした。白い部分にも斑の部分にも同じ変化が出ているとき、季節が変わっても同じ場所に戻るときは、別の見方をしてください。地肌の色の違いは、かゆみに気づけるかどうかを分けるだけで、その出どころを分けるものではありません。

Caution斑の側は見た目に出ないので、線を手前に引きます

地肌が赤いまま戻らない、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄くなって地肌が広く見えている、眠れないほどかゆがる、元気や食欲が落ちている。こうした変化が1つでもあるときは、家での習慣を足すより先に、動物病院にご相談ください。斑の部分は色として表に出ないので、白い側だけを見ていると、気づくのが一日か二日遅れます。その遅れを見込んで、線は手前に引いておいてください。

相談に行くときは、習慣1と習慣2で取ったメモをそのまま持って行ってください。いつから、どの場所に、白い側と斑の側のどちらで気づいたか。この並びがあると、その場で見えている状態だけでは分からない経過が伝わります。写真は白い部分なら役に立ちますが、斑の部分では色が写らないので、無理に撮らなくてかまいません。

白い地に黒い斑という被毛は、ダルメシアンの体つきそのものです。この作りを変えることはできませんし、変える必要もありません。変えられるのは、確かめ方のほうです。白い部分は見る、斑の部分は触る。1日30秒と、週に5分と、季節ごとの見直し。3つの時間の単位を分けておけば、かゆみが出た場所を、体の半分だけで探さずに済みます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

黒い斑のところは、白い部分より皮膚が強いのでしょうか?
強い弱いという話ではありません。違うのは色で、色が濃いぶん赤みが表に出てこないというだけです。同じ体の同じ皮膚なので、起きていることに差はありません。だからこそ、白い部分と同じ「見る」やり方で斑の部分を確かめようとすると、見つけられないままになります。手のひらで温度と手ざわりを拾ってください。
短毛なので、ブラッシングはあまり必要ないと思っていました。
毛をほどく目的ではほとんど不要です。ただ、ダルメシアンの硬い短い毛は抜けると布や衣類に刺さって残るので、抜けた毛を先に外へ出しておくという意味では役に立ちます。面で当たるラバー製のものを、毛の向きに沿って軽く。手のひらで斑をなぞる週1回と同じ日にまとめると、工程が1つで済みます。
かゆがるしぐさを数えるとき、何をしぐさに含めればいいですか?
後ろ足でかく、口で毛をかじる、床や家具に体をこすりつける、急に立ち止まって体を大きく振る。この4つを数えれば足ります。大事なのは回数より、どの場所に対して出たかです。場所と日付だけを並べておくと、白い部分で見えた変化と一致しているのか、ずれているのかが後から比べられます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。