C15組み合わせ提案
はじめて猫を迎えた人のスターターセット
猫を迎えて3日目、爪とぎにも寝床にも入らないまま、その子がずっといたのは本棚のいちばん下の段でした。用意してあったのは爪とぎ、寝床、キャリー、コーム、水を使わないケア用品。どれも評判のよいものを選んで、置く場所も決めてありました。初めて猫を迎える家でそろえるスターターセットは、犬のときとほとんど同じ顔ぶれになります。ところが、そろえたはずのものが2週間まったく使われない、ということが起きます。うちで実際に起きたのがこれでした。この記事では、犬に用意するものと猫に用意するものを、置く場所・逃げ場・触る時間の3つで並べて比べます。同じ道具でも、どこに置けるかが変わると、使われるかどうかが変わります。
そろえた道具が2週間そのままだった|猫を初めて迎えた家で、セットが動かなかった3日
順に書きます。1日目、キャリーの扉を開けたまま部屋の隅に置きました。その子は出てきません。2日目の朝、キャリーは空で、姿がありません。探すと本棚のいちばん下の段、本を抜いてあった30センチほどの隙間にいました。3日目も同じ場所です。用意した5つのうち、この3日間で使われたものは1つもありませんでした。初めて猫を迎える家では、わりとよく起きます。
犬を迎えたときは、こうはなりませんでした。寝床は初日から使われ、コームも1週間以内に当てられるようになりました。同じようにそろえて、同じように置いたのに、猫では2週間動かない。違っていたのは道具の中身ではなく、置いた場所のほうでした。犬に用意したものは、人がよくいる場所の近くに置いてあります。猫にも同じ考えで置いたので、全部が人の動線の中にありました。
ここから先の見方を1つ決めておきます。初めて猫を迎えた家のスターターセットは、物の一覧ではなく、置ける場所の一覧として組みます。どんなに良い寝床でも、その子が近づけない場所にあれば、性能は0のままです。逆に、段ボールの空き箱でも、離れていられる場所にあれば毎日使われます。この記事で比べるのは商品ではなく、犬と猫でセットの置き方がどう変わるか、という条件のほうです。
- 置く場所:人の動線の中か、外か。ここが犬と猫でいちばん大きく分かれます
- 逃げ場:こちらが近づいたときに、その子が移動できる先があるか
- 触る時間:始める時刻と終える時刻を、どちらが決めているか
- 高さ:床の上だけで暮らすか、上下に動けるか
- 出入口の数:入った場所から、別の方向へ抜けられるか
- 道具を出すタイミング:迎えた日に全部出すか、あとから足すか
この6つのうち、犬と猫で答えが変わるのは上の3つです。置く場所、逃げ場、触る時間。比較の軸をこの3つに絞ります。初めて猫を迎える人が、犬の経験をそのまま持ってきたときに引っかかるのも、だいたいこの3つでした。順に見ていきます。
この記事は、犬より猫のほうが難しい、という話ではありません。用意するものの並べ方が違う、というだけの話です。犬では置く場所を人が決められるので、道具の選び方が先に来ます。猫では置ける場所が先に決まるので、道具はそのあとに来ます。順番が入れ替わっているだけで、必要な物の数はほとんど同じです。初めて猫を迎えた家でつまずきやすいのは、犬のときと同じ順番で買って、同じ順番で出してしまうときです。
軸1・犬に用意するもの|置く場所も終わる時刻も、人の側で決められる並び
犬に用意するものから見ます。特徴は、置く場所を人が決めても成立することです。寝床を居間の隅に置けば、そこで寝ます。食器を台所の入口に置けば、そこで食べます。人がいる場所に近いほうが落ち着く子が多いので、動線の中に置いても問題が起きにくい。だから犬のスターターセットは、物を選んだ時点でほとんど決まります。
- 寝床:人の見える範囲に置けます。人が行き来する場所でも使われます
- 食器:置き場所を固定しやすく、食べるところを見ていられます
- コーム・ブラシ:こちらが呼んで、こちらが終える形にできます
- 足を拭くもの:玄関に置けます。帰宅の動線にそのまま組み込めます
- 水を使わないケア用品:使う場所を1か所に決めておけます
- リード・ハーネス:外に出る前提の道具が最初から要ります
触る時間についても、犬では人の側に主導権があります。呼べば来て、終わりを告げれば離れる。始まりと終わりの両方を人が決められるので、1回2分と決めれば2分で終わります。犬で週ごとの予定表が組めるのも、この性質があるからです。時刻を固定して、同じ動きを毎日繰り返せます。逃げ場についても、犬では「逃げる場所」よりも「戻ってくる場所」を用意する形になります。
初めて犬を迎えた家では、置き場所より先に、物の性能で迷います。ブラシの目の細かさ、寝床の大きさ、食器の高さ。迷う場所が物の側にあるということは、置く場所のほうは、ほぼ自由だということです。この自由が、猫では大きく減ります。ここが2つの軸の分かれ目になります。
軸2・猫に用意するもの|逃げ場のぶんだけ、セットの置ける場所が後ろに下がる
猫に用意するものは、置ける場所が先に決まります。その子が離れていられる場所を1つ確保すると、残りの物はその場所からの距離で並びが決まる、という組み方です。初めて猫を迎える家でそろえる物の数は犬とほとんど変わりませんが、置く順番が逆になります。犬は物を選んでから場所を決め、猫は場所を決めてから物を置きます。
- 離れていられる場所:人が入っていかないと決めた1か所。ここが最初です
- 寝床:その場所の中か、すぐ隣に置きます。人の動線には置きません
- 食器:離れていられる場所から見える位置に。人が立つ場所の正面は外します
- トイレ:食器と離し、行き止まりにならない場所に置きます
- コーム:出したままにせず、使う日だけ持っていきます
- 水を使わないケア用品:使う場所は、その子がいつもいる場所の側です
逃げ場になっているかどうかの見分け方は、こちらが近づいたときに何が起きるかで分かります。その子が動かないままなら、そこは逃げ場です。移動するなら、そこは通り道でしかありません。本棚の下の段が使われたのは、上から見えず、こちらが手を伸ばしても届かず、奥からもう一方の側へ抜けられたからでした。買った寝床が使われなかったのは、部屋の真ん中にあって、四方から見えていたからです。物の質ではなく、位置の条件です。
触る時間の主導権も、猫では向こう側にあります。呼んでも来ないことのほうが多いので、始まりを人が決められません。決められるのは終わりだけです。だから猫のケアは、時刻を決めて呼び寄せる形ではなく、その子がこちらの近くに来た時間に、短く1回だけ足す形になります。1回にかける時間は10秒でも構いません。回数を稼ぐより、来た回のうちに終わっているほうが、次の回が来やすくなります。
初めて猫を迎えた家で、いちばんもったいないのは、逃げ場を用意しないまま道具を先にそろえてしまうことです。逃げ場がない部屋では、その子は道具のある場所を通らずに移動する経路をつくります。そうなると、寝床も食器もその経路から外れた位置に取り残されます。あとから逃げ場を足しても、いったんできた経路はしばらく変わりません。だから順番として、場所が先です。
2つを並べて比較する|猫を初めて迎えた家で、どっちを先に用意するかの選び方
ここまでの2つを、置く場所・逃げ場・触る時間で並べます。同じ名前の道具でも、置く条件が変わると、用意する順番まで変わります。初めて猫を迎える人が犬の経験を持っている場合、この表の右側だけを読み替えれば足ります。
| 条件 | 犬に用意するもの | 猫に用意するもの |
|---|---|---|
| 置く場所 | 人の動線の中に置ける | 動線の外に置く。人が入らない1か所が先 |
| 逃げ場 | 戻ってくる場所として用意する | 離れていられる場所として最初に用意する |
| 触る時間 | 始まりも終わりも人が決められる | 始まりは向こう、終わりだけこちらが決める |
| 用意する順番 | 物を選んでから、置く場所を決める | 場所を決めてから、物を置く |
| 1回の長さ | 2分を毎日、同じ時刻に | 10秒でよい。来た回に足す |
| 道具を出す日 | 迎えた週から少しずつ出せる | 逃げ場が決まってから出す |
| 置き直すとき | 場所を動かしても使われ続ける | 動かすと、しばらく使われなくなる |
では、猫を初めて迎える家ではどっちを先に用意するか。離れていられる場所のほうです。これは買う必要がありません。本棚の下の段を1つ空ける、押し入れの下段を10センチ開けておく、使っていない部屋の隅に段ボールを1つ置く。どれでも成立します。条件は3つで、上から見えないこと、人の手が届きにくいこと、入った方向とは別の方向へ抜けられること。この3つがそろっていれば、費用は0円です。
選び方としてもう1つ書いておくと、買う物のほうは、迎えてから1週間待って決めるほうが外れません。その子がどこにいたか、どの高さを使ったか、どの向きで寝ていたかが、1週間で見えてきます。寝床の大きさも、食器の高さも、そのあとで決められます。初めて猫を迎える家のセットは、迎える前に完成させるものではなく、迎えてから1週間かけて埋めていくものだと考えると、無駄が減ります。
| いつ | 用意するもの | 決め方 |
|---|---|---|
| 迎える前 | 離れていられる場所を1か所 | 上から見えない・手が届かない・抜けられる |
| 迎える前 | トイレ・食器・水 | 場所は仮でよい。1週間で動かす前提にしておく |
| 迎える前 | キャリー | 扉を開けたまま、逃げ場のそばに置いておく |
| 1週間後 | 寝床 | その子が実際に寝ていた場所と、その向きで選ぶ |
| 1週間後 | コーム | 触らせてくれた場所の毛の長さで選ぶ |
| 1週間後 | 水を使わないケア用品 | 触れる場所が1か所できてから足す |
最初に要るのは道具ではなく、離れられる場所|猫を初めて迎えた人が今日できること
結論はここまでで出ています。初めて猫を迎える家のスターターセットで、最初に要るのは道具ではなく、離れていられる場所です。場所が決まると、残りの物は全部その場所からの距離で並びます。逆に、場所が決まっていないまま物だけがそろっている家では、うちの最初の3日と同じことが起きます。良いものを買ったのに、2週間まったく使われないという形です。
毎日のケアも、その場所を基準に組みます。やり方は1つで、その子が離れられる場所を背にした側から触る、というだけです。正面から近づくと、逃げ場との間にこちらが入ってしまいます。横から、しかも逃げ場側に道が開いている向きで近づくと、その子は移動しないで済みます。触るのは背中を一往復、10秒。それで終わりにします。皮膚と被毛のケアは、この10秒の中に収まる形にしておくほうが、猫では長く続きます。
水を使わないケアを1つだけ足すなら、mofuwa グルーミングスプレー のような洗い流さないタイプが扱いやすくなります。その子に直接向けるのではなく、布に含ませてから、毛の流れに沿って一往復させる形にしてください。この形なら、こちらの手の動きは何もつけずになでるときと同じままです。無香料・界面活性剤不使用なので、なでたあとにその場所をなめる子でも、家族に説明しやすくなります。原料は特許5253483(3室ダブルイン型電解システム)でつくる電解水で、電解槽が3室に分かれる構造により、電解質由来の不純物が電解水に含まれません。そのため、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。初めて猫を迎えた家で毎日使うものを選ぶとき、何をクリアした成分なのかが言えると、家の中の話が短く済みます。
離れていられる場所ができると、そこにいる時間は自然に長くなります。ただし、2日以上まったく食べていない、水を飲んでいない、トイレの回数が減ったまま戻らない、呼吸が速い、同じ場所をなめ続けている、触れる場所を極端に嫌がるようになった。こうした様子があるときは、慣れていないからだと考えて待たずに、動物病院にご相談ください。初めて猫を迎えた家では、その子の平常がまだ分からないので、環境のせいなのか体の側の話なのかを家で切り分けることはできません。何日目から、どの様子が続いているか。日付だけのメモが1枚あると、そのまま説明に使えます。
場所を決めたあとにやりがちなのが、その場所を覗きに行くことです。1日に何度も顔を出して確かめると、その場所は「人が来る場所」に変わります。そうなると、その子は次の場所を探し始めます。決めた場所は、こちらからは見ない、手を入れない、掃除も出ているときだけ。この3つを守れると、猫を初めて迎えた家でも、2週間ほどで出てくる時間が増えていきます。物を足す前に、覗かない期間のほうを先に用意してください。
最後に、今日できることを1つだけ書きます。部屋を見回して、上から見えず、手が届きにくく、奥から抜けられる場所を1つ探してください。なければ、段ボール箱を1つ横に倒して、両端を開けたまま部屋の隅に置きます。買うものはありません。初めて猫を迎える家のセットは、この1か所から始まって、あとの物は1週間かけて後ろに並んでいきます。犬と猫で比べたときに入れ替わっていたのは、物の中身ではなく、1番目に用意するものだけでした。今日ぶんは、その1番目を置くところまでです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- すでに道具を全部そろえてしまいました。買い直しになりますか。
- 買い直しは要りません。動かすのは物ではなく、置く場所のほうです。まず離れていられる場所を1か所決めて、そこから見える位置に食器と水を移します。寝床は、その子が実際に寝ている場所を1週間見てから、その近くへ動かしてください。使われていない寝床は、いったん片づけてしまっても構いません。初めて猫を迎えた家では、そろえた物が多いほど部屋の中に人の動線が増えるので、置き場所を減らすほうが早く落ち着きます。
- 先住犬がいる家で猫を迎えます。用意するものはどう変わりますか。
- 猫の側に必要な条件は変わりません。むしろ強くなります。離れていられる場所は、犬が入れない高さか、犬が通れない幅の場所を選んでください。犬用の寝床や食器は、その場所から見える位置には置かないほうが落ち着きます。触る時間も別にします。犬は時刻を決めて呼ぶ形のまま、猫は来た回に10秒だけ足す形です。同じ部屋で同時にやろうとすると、猫の側の回数だけが減ります。セットとしては、2つの並びを1つにまとめないでおくのが要点です。
- 子猫と成猫で、用意するものの順番は変わりますか。
- 順番は変わりません。どちらも場所が先です。変わるのは高さで、子猫では上下に移動できる範囲が狭いので、床から近い場所を選びます。成猫では高いところのほうが落ち着くこともあるので、棚の上を1段空けておく形も使えます。どちらの場合も、上から見えないこと、手が届きにくいこと、抜けられることの3つは同じです。猫を初めて迎える家では、この3つだけを条件にして探すと、部屋の中に必ず1か所は見つかります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
