C04悩み解決
泥汚れが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
同じ道を、同じ時間だけ歩いた2頭で、帰ったあとの泥汚れの量がまるで違うことがあります。差をつくっているのは、地面までの距離と、毛の長さ、毛の質、毛の量の4つです。この4つがどう重なっているかで、泥汚れのつく量とつく場所が決まります。泥汚れの犬種差と呼ばれているものの中身は、この条件の重なり方です。だからこの記事では犬種名を使わず、条件がいくつ当てはまるかで考えます。
同じ道を歩いて、汚れる量が違う
泥汚れは、地面にあるものが体に移ってくる現象です。移りやすさを決めているのは、どれだけ地面に近いかと、受け止める面がどれだけあるかの2つだけです。泥そのものの量ではありません。同じ量の泥が跳ねていても、届く高さより体が高ければつきませんし、届いても受け止める毛がなければ落ちていきます。
この見方をすると、犬種の名前を覚えなくても済みます。同じ犬種でも個体差がありますし、混血の子には当てはめようがありません。条件がいくつ重なっているかで見るほうが、実際の子に合います。
たとえば、雨あがりの同じ公園を歩いた2頭。片方は足先を拭くだけで終わり、もう片方はお腹まで一面に泥がついている。歩いた場所も時間も同じなのに差が出るのは、跳ね上がった泥が届く高さと、それを受け止める毛の面積が違うからです。しつけや歩き方でどうにかできる範囲は、思っているより小さいものです。「うちの子は水たまりを避けない」と気にされる方は多いのですが、水たまりを丁寧に避けて歩いても、濡れた土の上を歩けば跳ね上がりは同じだけ起こります。
これから挙げる4つの条件のうち、3つ以上当てはまる子は、帰宅後の手当てを前提に散歩の時間を組んだほうが楽になります。0〜1つなら、足先だけで足りることがほとんどです。
最初に効くのは、地面までの距離
4つのうち、影響がいちばん大きい条件です。犬種差として感じているものの多くは、ここの違いです。跳ね上がった泥がどこまで届くかが、これで決まります。逆にいえば、ここが当てはまらない子は毛の条件がそろっていても汚れは足先で止まりやすく、帰宅後の手当ては短く済みます。まずここを見てください。
- 体高が低い:胸やお腹が地面に近く、跳ね上がりが直接届きます。届く高さは体高と関係するため、小さい子ほど背中側まで及びます
- 胸が深い:地面に向かって面が張り出している形は、前から来る泥を受け止めます
- 足が短い:一歩ごとの跳ね上がりが、自分の体に戻ってきます
- 歩幅が小さい:同じ距離を歩くのに歩数が増えるため、跳ね上がる回数も増えます
- 地面に鼻を近づけて歩く:距離の条件を、その子自身の姿勢がさらに縮めています
この条件が強い子は、雨あがりの日にお腹の下側が一面に汚れます。足先だけ拭いて済ませると、家に入ってから床に跡が残ります。順番としては、お腹が先です。玄関で抱き上げてお腹を確かめてから足先に移ると、拭き直しが減ります。足先を先に拭くと、そのあとお腹を触った手でまた足先が汚れるためです。
毛の側にある、3つの条件
犬種差として語られる毛の話は、ここに集まります。残りの3つは毛の条件です。受け止める面の広さと、離しにくさに関わります。距離の条件が「どこまで届くか」を決めるのに対して、毛の条件は「届いたあと、どれだけ留まるか」を決めます。だから同じ場所についた泥でも、落とし方は毛の側で変わります。
| 条件 | 泥のつき方 | 落とすときの注意 |
|---|---|---|
| 毛が長い(とくに足まわりの飾り毛) | 先端から吸い上げるようにつく | 乾かしてから、根元を持って振るう |
| 毛が細い・柔らかい | 毛の間に入り込み、根元まで届く | 湿らせて浮かせてから拭く |
| 巻毛・縮れ毛 | からみついて離れにくい | こすらない。乾いてから毛を分けて外す |
| 下毛が厚い | 表面で止まる。実は届いていないことが多い | 表面のブラッシングで足りることがある |
| 毛の量が多い(密に生えている) | 受け止める面が広く、乾くまでの時間が延びる | 落とす前に、まず乾かす時間を長めに取る |
意外に思われるのが「下毛が厚い」の行です。下毛が厚い子は見た目の汚れが派手でも、皮膚まで届いていないことが多く、乾いてからブラッシングするだけで済みます。逆に毛が細く柔らかい子は、見た目が軽くても根元まで入っています。見た目の派手さと、実際の深さは一致しません。指の腹で毛を分けて根元を見ると、どちらなのかがすぐわかります。派手に見えるほうを念入りに洗い、軽く見えるほうを拭くだけで終える——というのは、たいてい逆になっています。
条件が重なる子で、汚れがつく場所
泥がつきやすい5か所
口まわり、胸元、お腹の下側、足先と指の間、しっぽの先は、地面に近いか、跳ね上がりを受け止める形になっている場所です。
1
2
3
4
5
- 1口まわり においを嗅ぐ姿勢で地面に最も近づく
- 2胸元 前から来る跳ね上がりを正面で受ける
- 3お腹の下側 体高が低い子ほど一面に及ぶ
- 4足先・指の間 飾り毛が吸い上げ、指の間に残る
- 5しっぽの先 振るたびに地面や草に触れる
犬種差ではなく、条件が重なった場所から確かめます。この順に確かめると、見落としが減ります。とくに口まわりは忘れられがちな場所です。においを嗅ぐ姿勢のとき、体のどこよりも地面に近づいています。散歩の途中で何度も鼻を地面につける子は、足先と同じ回数だけ口まわりが地面に触れていることになります。
胸元としっぽの先も見落とされます。胸元は前から来る跳ね上がりを正面で受けるため、雨の日は顔と足先より先に汚れていることがあります。しっぽは、本人が振るたびに地面や草に触れるので、歩いていない時間にも汚れが増えます。信号待ちや、飼い主さんが立ち話をしているあいだも、しっぽだけは動き続けているためです。
帰宅後3分と、作りでは説明できない汚れ方
条件が3つ以上重なる子は、帰宅後の手順を決めておくと迷いません。犬種差ではなく条件の数で決めるので、混血の子でも同じように組み立てられます。
-
乾くまで待つ(巻毛・長毛の子)
濡れた泥をこすると、毛にすり込みます。5〜10分置いて、乾いてから落とすほうが早く終わります。待っているあいだに家に上げたくないときは、玄関に大きめのタオルを1枚敷いておくと、その上で待てます。
-
上から順にブラッシングで落とす
乾いた土は、その多くがここで落ちます。湿らせるのは、これで落ちなかったぶんだけです。背中側から始めて、お腹、足先の順に下りていきます。下から始めると、落とした土が下の毛にまた乗ってしまいます。
-
残った泥だけを湿らせて拭く
ここで使うのが mofuwa グルーミングスプレーです。玄関で、お腹の下側と足先、それに口まわり。全身にかける必要はありません。泥と一緒に乗ってきた余分な皮脂と油は乳化して浮くので、こすらずに布へ移せます。毎日散歩に行く子ほど、帰ったその場できれいにしておきたくなりますが、土の上を歩けば跳ね上がりは毎回あるので、毎日やれる形でないと続きません。口まわりは体のどこよりも地面に近づく場所ですが、舐めても問題のない基準でつくられているため、ここも湿らせる量を気にせずに済みます。
-
指の間と内股を乾かす
湿らせた場所は必ず乾かします。ここを飛ばすと、においの元が残ります。指を1本ずつ広げて、間にタオルの角を差し込むように当てると、短い時間で水分が取れます。内股は毛をかき分けて、皮膚の面まで乾いているかを触って確かめてください。
汚れていない日でも同じ場所が黒ずんでいる、拭いても取れない赤みがある、同じ場所を舐め続ける、脱毛している、においが数日続く、片足だけ極端に汚れる(歩き方が変わっている可能性があります)。この形が出ているときは、体の作りの話ではありません。拭く手順を続ける前に、その場所を動物病院で診てもらってください。
赤くなっている部分やじゅくじゅくしている部分には、mofuwa グルーミングスプレーも含めて何も使わないでください。それ以外の日にやることは、帰宅後の4つに戻ります。条件が3つ以上重なる子は毎日同じ5か所が汚れるので、玄関に1本置いておくほうが、拭き終わるまでの時間は短くなります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 泥がついたら、すぐに洗ったほうがいいですか?
- 巻毛や長毛の子は、乾くまで5〜10分待ってから落とすほうが早く済みます。濡れた泥をこすると毛にすり込むためです。乾いた土はブラッシングでかなり落ち、残った分だけを湿らせて拭けば足ります。
- 足先だけ拭いているのに、床に跡が残ります。
- 体高が低い子は、跳ね上がった泥がお腹の下側まで届いています。足先より先にお腹を確かめてください。胸元としっぽの先も、見落とされやすい場所です。
- 犬種で汚れやすさは決まりますか?
- 犬種名より、地面までの距離と毛の長さ・質・量という条件がいくつ重なるかで見るほうが実際に合います。同じ犬種でも個体差がありますし、混血の子にも当てはめられます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
