C04悩み解決

シニア期のおしっこのにおい|若い頃と同じケアでは追いつかない

公開日 2021年6月7日|文=mofuwa編集部

やわらかい寝床で休んでいるシニア期の犬
においの出どころは、体と寝床の両方にあります。写真:Jessika Arraes/Pexels

まず、においの出どころを体か寝床かに分けてください。体についているのか、寝床やトイレに残っているのか。どちらを手当てするかで、やることがまったく違います。シニア期におしっこの臭いが気になりはじめるとき、尿の量も回数も変わっていないことがよくあります。姿勢が保ちにくくなる、自分で届く範囲が狭くなる、寝ている時間が長くなって体に残る時間が延びる。この3つが重なると、若い頃と同じ回数だけ拭いていても追いつきません。手を入れる場所を変える時期です。

においの出どころは、体か、寝床か

臭いの出どころを決めないうちに手を動かすと、空回りします。まず分けます。体についているのか、寝床やトイレに残っているのか。どちらを手当てするかで、やることがまったく違います。

両方であることが、いちばん多いパターンです。体についたものが寝床に移り、寝床に残ったものがまた体につく。片方だけを手当てしても戻ってしまうため、順番を決めて両方に手を入れます。体を拭いた日の夕方にはもう同じにおいがする、という場合は、たいてい戻り先のほうが手つかずになっています。

Note洗い直す前に、場所を特定する

においが気になると全身を洗いたくなりますが、シニア期のシャンプーは負担の大きい作業です。まずどこから出ているのかを決めてください。多くの場合、必要なのは全身ではなく後ろ半分です。

後ろ半分を手入れしていたのは、本人でした

尿の量や回数が変わっていなくても、体に残る量は変わります。おしっこそのものは変わっていない、ということです。理由は3つです。

シニア期に変わる条件と、その影響
変わること起きること
姿勢を保つ時間が短くなるしゃがむ・持ち上げる姿勢が続かず、後ろ足やおしりまわりにかかりやすくなる
自分で届く範囲が狭くなる体をひねる動作が減り、後ろ半分の手入れが自分でできなくなる
寝ている時間が長くなる同じ量でも、体に接している時間が延びる
毛が細く、量が減る吸い込んだものが皮膚まで届きやすくなる

共通しているのは、出る量ではなく、残る時間が延びているということです。だから「若い頃と同じ頻度で洗っているのに」という感覚になります。頻度ではなく、タイミングを変える必要があります。

もうひとつ大きいのは、いちばんよく手入れしていた本人が、そこを手入れしなくなったことです。若い頃は、こちらが何もしなくても後ろ半分は本人が整えていました。その担当が抜けた穴を、こちらが引き受ける時期に入っている、と考えるとやることが決めやすくなります。増やすのは洗う回数ではなく、本人の代わりに触る回数のほうです。

かかったあとではなく、かかる前に

後始末を増やすより、かかる量そのものを減らすほうが負担が軽くなります。臭いの総量は、かかる前の一手で決まります。

  1. 後ろ半分の毛を、短く整えておく

    おしりまわり、後ろ足の内側、しっぽの付け根。毛が短いほど、かかっても届かず、拭くだけで済みます。自宅で難しければ、トリミングのときにその範囲だけ相談してください。

  2. 排泄のあと、その場で拭く

    戻ってからではなく、済んだ直後に。乾いたペーパーで押さえるだけでも、残る量が変わります。玄関やトイレの横にペーパーを置いておくと、取りに行くひと手間がなくなって続きます。

  3. 1日2回、後ろ半分だけ湿らせて拭く

    全身は要りません。湿らせて浮かせ、押さえるように拭き、必ず乾かす。3分ほどの作業です。朝と寝る前など、時間を決めてしまうほうが続きます。乾かすところまでを1セットにしてください。湿ったまま横になると、残る時間を自分で延ばすことになります。

  4. 姿勢を支える

    排泄のときにふらつくなら、体の下に手を添えて姿勢を保ちます。かかる量が減るうえに、本人の負担も減ります。

3番目で使うものは、洗面所ではなくトイレの横に置いてください。mofuwa グルーミングスプレーは、この「1日2回、後ろ半分だけ」を毎日続けるためにつくられた1本です。シニア期は寝ている時間が長く、同じ量でも体に残る時間が延びます。だから、毎日きれいにしておきたい場所ほど、こちらの手が毎日届く形にしておきます。吹きかけて浮かせ、押さえて乾いた面へ移すところまでで終わるので、3分の手順から外れません。

量を加減しなくていいことは、シニア期ではそのまま続けやすさになります。グルーミングスプレーは舐めても差し支えない基準でつくられているので、おしりまわりや後ろ足の内側のように、その子の口が届く場所にもそのまま使えます。毛が細くなって地肌まで届きやすい時期は、少量でこするより、たっぷり湿らせてから押さえるほうが地肌に触る回数が減ります。余分な皮脂と油は乳化して布の側へ移るので、おしっこの臭いが皮脂と混ざって強く感じていた日ほど、拭いたあとの差が分かります。湯を張る日を週に何度と決めて、それ以外の日をこの3分に寄せる形にすると、シニア期の体力の使い方としても軽く収まります。赤みが出ている場所、じゅくじゅくしている場所は、ケアの対象から外してください。次の段に挙げる変化のほうに当たります。

寝床とトイレの側でできること

おしっこが残る場所は、体の外にもあります。体だけ手当てしても、戻る先が同じままでは繰り返します。

とくに最後の2つは、においの話に見えないところが要点です。姿勢が保てるかどうかが、体につく量を決めています。床とトイレを先に変えるほうが、拭く回数を増やすより効きます。滑る床の上で踏ん張ろうとして体が傾けば、狙ったところから外れるのは当たり前で、これは本人の問題ではなく足元の問題です。

「強くなった」ではなく「前と違う」と感じたとき

おしっこの様子そのものが変わっているときは、別の話です。シニア期の変化としてまとめてしまうと、見落とすものがあります。臭いの強さより、前と違うかどうかを伝えてください。

Caution臭いより先に、おしっこ自体の変化を見る

おしっこの回数や量が急に増えた・減った、色が濃い・薄い、赤みがある、排泄のときに鳴く・力む時間が長い、水を飲む量が急に増えた、間に合わない日が急に増えた、おしりまわりの皮膚が赤い・じゅくじゅくしている、においの質が変わった。どれか1つでも重なっているときは、シニア期の変化として様子を見ずに、動物病院で診てもらってください。

とくににおいの質が変わったという感覚は、飼い主さんにしか分からない情報です。「強くなった」ではなく「前と違う」と感じたときは、そのまま伝えてください。診察の手がかりになります。

受診の前に、1週間分の回数と、気づいた時間帯をメモしておくと役に立ちます。可能であれば、その日の尿を持っていける状態にしておくと、確認できることが増えます。

メモがそろったら、家でやることは元の3分に戻ります。後ろ半分を短く整えて、排泄のあとに押さえて、1日2回だけ湿らせて拭く。毎日続けていれば、次に「前と違う」と感じた日に、比べる相手がいつも手元にあります。

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よくある質問

シニアになって、においが強くなりました。洗う回数を増やすべきですか?
シニア期のシャンプーは負担の大きい作業です。回数を増やすより、後ろ半分だけを1日2回、湿らせて拭くほうが体に優しく、実際の効果も出やすくなります。まず、においが体からか寝床からかを分けてください。
おしりまわりの毛は、短くしたほうがいいですか?
後ろ半分の毛が短いほど、かかっても皮膚まで届かず、拭くだけで済みます。自宅で難しければ、トリミングのときにその範囲だけ相談してください。全身を短くする必要はありません。
間に合わない日が増えました。年齢のせいでしょうか。
年齢による変化のこともありますが、急に増えたときは体の側に理由があることがあります。回数や量、水を飲む量の変化とあわせて、動物病院にご相談ください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。