C09シーン別・暮らし

共働きで時間がない人が夜勤・不規則な勤務で困ること、その手当て

公開日 2021年5月29日|文=mofuwa編集部

明るい光の中、淡い色の床でクリーム色の猫と白っぽい犬が並んで休んでいる
毎日同じ時刻にやることは、この暮らし方では最初から選べません。決めるのは間隔のほうです。写真:Nuri Askerhan/Pexels

夜勤明けの朝10時に帰ってきて、次に起きるのが夕方6時。その日、その子に触ったのは玄関での20秒だけでした。翌日は日勤、その次は遅番。カレンダーに書かれた勤務の並びを見ながら、どこにケアを入れるのかを考えて、結局どこにも入れられない。不規則な勤務で働いている人が最初にぶつかるのは、時間がないという問題より前のところにあります。「毎日やる」という前提が、この働き方では最初から成立していません。だからここでは、手順ではなく頻度の話をします。何日空いてよいか、まとめてよいか、やらない日を作ってよいか。7つの問いに順番に答えます。

3日続けて触れない週があります。何日まで空いても大丈夫ですか

体に触れる手は、4日空いても組み直せます。3日ではまだ何も起きていません。不規則な勤務でペットと暮らしている人からいちばん多い相談がここなので、先に答えを置きます。ただし、4日という数字が当てはまるのは体のほうだけです。その子が使っているもの、つまり食器・水皿・寝床の布は、もっと短い間隔で動かします。空けてよい日数は、場所ごとに違います。

体の毛と皮膚は、1日や2日で状態が変わるようにはできていません。皮脂は毎日少しずつ出て、被毛の表面に広がり、その子自身の毛づくろいや、床とのこすれで動いていきます。ここに人の手が入らない日が3日あっても、4日目に入れば元に戻せます。時間がないという条件のもとで、まず捨ててよいのは「毎日」のほうです。

不規則な勤務で、場所ごとに空けてよい日数
場所空けてよい日数空きすぎたときに起きること
体(背中・わき腹)4日毛の流れが寝て、指が入りにくくなる
足先・肉球のあいだ3日外から持ち帰ったものが残り続ける
首まわり・首輪の下3日毛が寝たまま、湿りが抜けにくくなる
寝床の布2日においがいちばん濃く集まる場所です
食器・水皿1日ここだけは間隔を空けないでください
においの記録空けてよい気づいた日に書けば足ります

食器と水皿だけは、勤務の並びに関係なく毎日です。ここは時間がないという理由で飛ばすと、他をどれだけやっても追いつきません。逆に言えば、毎日と決めるのはこの1つだけで足ります。不規則な勤務のもとでのペットのケアは、毎日の枠を1つに絞るところから始まります。

休みの日にまとめてやってもいいですか

半分はまとめられます。半分はまとめられません。まとめられるのは、洗う・寝床の布を替える・爪を見る・道具を洗うといった、その日で完結する用事です。まとめられないのは、観察と、体に手を当てることです。理由は簡単で、まとめた日にしか見ていないと、その変化がいつ始まったのか分からなくなるからです。

不規則な勤務の人が休日にやりがちなのは、その日に全部を詰めることです。洗って、乾かして、爪を切って、全身をブラッシングして、寝床を洗う。ペットの側から見ると、その日だけ手の量が5倍になっています。次の休みまでの5日間はゼロで、休みの日だけ5倍。この波は、こちらが思うより負担になります。

休みの日は、やる量を増やす日ではなく、次の勤務の並びに向けて置き場所を整える日にしてください。玄関に布を出しておく、寝床の替えを1枚たたんでおく、食器を2組にしておく。これをやっておくと、時間がない日の20秒が成立します。

夜勤明けの朝と、日勤の夜。不規則な勤務では、どちらに寄せるほうが続きますか

夜勤明けの朝です。ただし、こちらの都合ではなく、その子の側の条件でそうなります。夜勤明けの朝、犬も猫も、人が帰ってくるまでの数時間はほとんど動いていません。体は落ち着いていて、毛も寝ています。ここに短い手を入れるのがいちばん抵抗が少ない時間帯です。

日勤の夜は、その子の側が一日の中でいちばん動いている時間です。人が帰ってきて、食事があって、遊びたがる。ここで押さえて触ろうとすると、時間がないうえに拒まれるので、二重に続きません。不規則な勤務では、どちらの日も来ます。だから日によって中身を変えます。

勤務の型ごとに、何をどこに置くか
勤務の型手を入れる時間帯その日にやること
夜勤明け帰宅してすぐ、寝る前の5分体に手を当てる。今日の1か所
夜勤に入る日出る前の3分食器と水皿。寝床の布を確認
日勤帰宅後ではなく、朝の支度のついで足先と首まわりだけ。20秒
遅番出る前の昼体に手を当てる。落ち着いている時間帯
休み起きて1時間後まとめてよいものだけ。置き場所を整える

帰宅後に必ずやると決めないでください。不規則な勤務では、帰宅後の状態が日によってまったく違います。眠い日、腹が減っている日、まだ気が張っている日。同じ行動を置けるほど、条件がそろいません。寄せるなら、出る前か、寝る前です。この2つは、どの勤務の型にも必ずあります。

毎日やらなくていいことを、先に知りたいのですが

ここが、この記事でいちばん役に立つところかもしれません。やらなくてよいことを3つ挙げます。時間がない人に向けたペットの記事は、たいてい手を増やす方向にしか書かれていません。増やす前に、降ろせるものを降ろしてください。

  1. 全身をブラッシングすること。これはやらなくて構いません

    毎回、頭から尾まで通す必要はありません。その子自身の毛づくろいや、床とのこすれで、動いている場所があるからです。人の手が要るのは、その子が届かない場所だけです。首のうしろ、背中のまん中、尾のつけ根。ここだけで足ります。全身を目標にすると、時間がない日は最初から手をつけなくなります。

  2. 洗う回数を増やすこと。これもやらなくて構いません

    不規則な勤務でにおいが気になると、洗う回数を増やしたくなります。けれど洗うたびに、乾かしきるまでの時間が要ります。時間がない人にとって、洗う日は最も重い日です。回数を増やすより、洗う日と洗う日のあいだに手を入れるほうが、勤務の並びに合います。皮膚と被毛の側から見ても、洗う間隔を詰めるほうが負担になります。

  3. 飛ばした日を、次の日に取り返すこと。これはやめてください

    昨日できなかったから今日は2か所、という足し算をすると、遅番と夜勤が続いた週に必ず破綻します。飛ばした日は、飛ばしたまま次へ進んでください。順番に回しているなら、次は次の場所です。ケアは帳簿ではありません。不規則な勤務で3年続けている人は、ほぼ全員この取り返しをやめています。

降ろした3つのぶんだけ、毎日の枠が軽くなります。残るのは、食器と水皿を毎日、体は4日以内に1回、寝床の布は2日に1回。これが不規則な勤務で回る最小の形です。時間がないという条件のもとでは、増やすより先に、この形まで削るほうが結果が変わります。

時間がない日は、体のどこから手をつければいいですか

足先です。次に首まわり。この2か所だけを覚えてください。理由は、外から持ち帰ったものが最初に乗る場所と、道具が当たっていて湿りが抜けにくい場所だからです。背中は目につきますが、時間がない日に優先する場所ではありません。

足先は、指のあいだと肉球のふちです。1本ずつ開いて、軽くはさむように拭き取ります。4本で40秒。首まわりは、首輪の下と、その周囲をぐるりと一周。20秒。合わせて1分です。この1分なら、夜勤に出る前でも、日勤から帰った直後でも入ります。

拭き取りに使うものは、乾いた布より、わずかに湿った布のほうが向いています。乾いた布は表面を滑らせるだけで、細かいものを空気のほうへ舞い上げます。湿らせすぎないこと。触ったあとに毛が濡れて見えるなら、水が多すぎます。時間がないときほど、乾くまでの時間を増やさない選び方をしてください。

この1分の湿らせる役は、水よりも mofuwa グルーミングスプレーのほうが向いています。アルカリ電解水が皮脂の油と乳化するので、力を入れてこすらなくても、なでるだけで指のあいだと首輪の下が片づきます。毛に直接吹きかけて構いません。舐めても問題のない基準でつくられているので、足先に使う量を加減せずに済みます。ブラッシングスプレーでもあるため、梳かす前にひと吹きしておくと、冬場でも毛が逆立たずに指が入ります。洗う日を予定に置ける週と置けない週が交互に来る勤務でも、グルーミングスプレーを玄関に置いておけば、この1分の中身は日によって変わりません。

Point1分の中身を、日によって変えないでください

不規則な勤務では、日ごとに時間の長さが違います。だからこそ、いちばん短い日にできることを固定してしまうほうが続きます。足先40秒、首まわり20秒。この1分は、どの勤務の日にも同じ形で入ります。余裕のある日は、この1分のあとに今日の1か所を足すだけ。基本の形を毎日変えると、時間がない日に何をするかを毎回考えることになります。

間隔が空いた日は、いつもより長くやるべきですか

長くしないでください。回数で戻します。4日空いたあとに、いつもの4倍の時間をかけると、ペットの側は途中で嫌がります。嫌がられた記憶は次に響くので、間隔が空いた週ほど、1回を短く保ってください。

戻し方には順番があります。1回目は確かめるだけ、2回目から手を入れる。4日ぶりに触るときは、まず手のひらを背中に当てて、首から腰まで1往復。引っかかる場所があるかどうかだけを見ます。ここで道具を出さないでください。引っかかる場所が分かってから、翌日にその場所だけへ手を入れます。

毛が絡んで面になっている場所を見つけたときも、同じです。力で一度にほどこうとすると、生えている毛と皮膚を一緒に引くことになります。1回に出せるのは層1枚ぶんで構いません。不規則な勤務でも、3日あれば3回は触れます。3回に分けるほうが、結果として早く終わります。

不規則な勤務で回っている状態とは、何を指しますか

定義を書きます。回っている状態とは、毎日やれていることではなく、どの場所も決めた日数以内に一度は手が入っている状態のことです。週に何回かではなく、最長で何日空いたかで見ます。この見方に変えると、勤務の並びが荒れた週でも、ペットのケアが足りているかどうかを判断できます。

確かめ方は1つで足ります。カレンダーに、その日にやった場所を1文字で書く。足先なら「足」、体なら「体」、寝床を替えたら「床」、食器だけなら「器」。文章は書きません。1週間並べたときに、同じ文字が5日以上空いていなければ、回っています。時間がない人ほど、記録は短くしてください。

回っているかどうかを、最長の空き日数で見る
場所最長の空き5日以上空いたときにやること
食器・水皿1日その日のうちに。ここは例外なし
寝床の布2日替えの1枚と入れ替える。洗濯は後日
足先・首まわり3日1分の形をそのまま。長くしない
体(今日の1か所)4日確かめる回から戻す。道具は出さない
においの比較決めない気づいた日に「同・強・弱」を1文字

そして、ここが家庭のケアで扱える範囲の外側との境目です。皮膚が赤い、じくじくしている、脱毛が広がっている、同じ場所をなめ続けている、においの質が急に変わった、触ると痛がる、食欲や元気が落ちている。いずれかに当てはまるときは、間隔を詰める前に動物病院にご相談ください。不規則な勤務だと受診の予定も立てにくいのですが、こればかりは、空いている日を待たないほうがよい種類のものです。

7つの答えを、勤務表の側に並べ直す|不規則な勤務で残る疑問の切り分け方

最後に、ここまでの答えを勤務表の側から組み直します。やることを日課の表にせず、勤務の型ごとの短い指示にしてください。不規則な勤務では、日課の表は最初の1週間で意味を失います。勤務の型は、来月も再来月も同じ顔ぶれで戻ってきます。

勤務の型ごとの、その日の指示
勤務の型その日にやること所要
夜勤に入る日出る前に食器と水皿。寝床の布を見る2分
夜勤明け帰宅してすぐ、足先と首まわり。今日の1か所4分
日勤朝の支度のついでに、足先と首まわり1分
遅番出る前の昼に、今日の1か所3分
休み洗う・布を洗濯する・置き場所を整えるその日の都合で
連勤の3日目以降食器だけ。あとは飛ばして構いません30秒

この表の最後の行が、いちばん大事な行です。連勤が続いた日は、食器だけで構いません。時間がないと分かっている日に、無理な枠を置かないでください。置いた枠を守れなかった経験は、翌週の分まで気持ちを削ります。ペットのケアで長く続いている人は、やらない日をあらかじめ表に書いています。

Note残った疑問は、この2つで切り分けられます

ここに書いていない場面に出くわしたら、「これは体の側の話か、その子が使うものの側の話か」と「これは今日でないと困るか、4日以内ならよいか」の2つで分けてください。使うものの側で今日困るものは、食器と水皿だけです。体の側は、ほぼすべてが4日以内で足ります。この2つの問いだけ覚えておけば、勤務表がどう変わっても組み直せます。

不規則な勤務でペットと暮らすことは、続けられない働き方ではありません。毎日という形が合わないだけです。間隔で考えて、いちばん短い日にできることを固定して、やらない日を先に決める。この3つで、勤務表がどう並んでも回ります。時間がないという言葉を、時刻がそろわないという言葉に置き換えたところから、組み立て方が変わります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。