C09シーン別・暮らし

サロン通いをしている人が帰省で困ること、その手当て

公開日 2021年5月1日|文=mofuwa編集部

明るい和室の畳の上で、落ち着いて休んでいる淡い毛色の犬
帰省先の床は、家の床と違います。毛が引っかかる場所が変わることが、トリミングとトリミングのあいだに効いてきます。写真:Marisa Fahrner/Pexels

帰省して2日目の朝、こたつから出てきたその子の胸元に指を入れたら、途中で止まりました。サロンから帰ってきた日は、同じ場所をすっと通っていました。サロン通いをしている人にとって帰省がやっかいなのは、行った先にペットサロンがないことです。予約と予約のあいだは4週間から6週間。そのうちの数日から1週間が、まるごと知らない家の床の上で過ぎていきます。畳、カーペット、こたつ布団、暖房で乾いた部屋。家とは違う条件が同時に並びます。この記事では、帰省とトリミングをめぐって実際に出てくる問いを7つ並べ、それぞれに短く答えます。最後に、帰省の前・最中・戻ってからの3つへ並べ直します。

帰省の前にトリミングの予約を入れるべきですか、それとも戻ってからですか

前に入れてください。理由は、帰省中に崩れるのが「整えた形」ではなく「毛の中の状態」だからです。形だけの話であれば、戻ってから直してもらえば済みます。ところが、毛の中でもつれの起点ができてしまうと、次のトリミングでその場所だけ切ることになります。サロン通いをしている人が守りたいのは、長さや形そのものよりも、この起点を作らないことのほうです。

戻ってから予約する形にすると、帰省の数日から1週間が、予約と予約のあいだのいちばん長い空白の中に入ります。条件がふだんと違う期間を、いちばん手薄な時期に重ねてしまう組み方です。帰省の前に入れておけば、実家で過ごす日はプロの手が入った直後の状態から始められます。毎日こちらがやることも、そのぶん少なくて済みます。

帰省とトリミングの順番を入れ替えたときに、何が変わるか
帰省の前に入れる戻ってから入れる
帰省中の状態プロの手が入った直後から始まる空白のいちばん後ろの数日にあたる
毎日の手数短く済む。指が通る場所が多い1日ごとに増えていく
次の予約でやること全体を整えるだけで済むことが多い起点になった場所を切る相談が入る
予約の取りやすさ連休の前は混む。早めに押さえる戻ってからなので取りやすい

取りやすさだけで言えば、戻ってからのほうが楽です。ただ、ペットサロンが混むのは連休の前で、帰省の日程とちょうど重なります。帰省の予定が決まった日に予約を取る、と決めてしまうのがいちばん確実です。日程が動く可能性があるなら、その旨を伝えて仮で押さえておくこともできます。

予約は帰省の何日前に入れると、いちばんもちますか

3日前から5日前です。前日や当日ではありません。トリミングの直後は、毛が乾いたばかりで一本ずつが立っています。この状態で車や電車に乗り、実家のカーペットの上で過ごすと、立った毛どうしが触れ合う回数が増えます。3日ほど置くと毛の流れが落ち着き、同じ環境でも引っかかりにくくなります。

もう一つ、前日を避ける理由があります。帰省の前日は、人の側の荷造りで手が埋まります。その日にペットサロンへ連れて行き、迎えに行き、家に戻ってからもう一度荷造りをする。時間の配り方として無理があります。3日前に済ませておけば、前日は荷物のことだけを考えられます。

Noteトリミングの日に、次の予約まで一緒に取っておく

ペットサロンでは、その場で次回の予約を取れることが多くあります。帰省をはさむ月は、次の予約を先に押さえておくと、戻ってからの間隔が伸びません。帰省で1週間空いたぶん、次のトリミングを遅らせてしまうと、空白が合計で7週間近くになります。カレンダーの上で先につないでおくのが、いちばん簡単な手当てです。

帰省先ではなぜ、家にいるときより毛がもつれるのですか

床が変わるからです。家のフローリングの上では滑っていた毛が、畳やカーペットの上では引っかかります。畳は目に沿って細かい溝があり、カーペットは繊維が立っています。そこに体をこすりつけたり、寝返りを打ったりすると、毛が同じ向きに押されます。押された毛は元に戻らず、その場所が起点になります。

姿勢の時間も変わります。実家では、こたつ布団の下や、家族の座っているそばで長く同じ姿勢のまま過ごすことがあります。同じ場所が同じ向きに押され続ける時間が、家にいるときより長くなります。もつれは、動いている場所ではなく、押されたまま止まっている場所からできます。

帰省先で、家と違っている条件
条件家では帰省先では
床の材質フローリングで毛が滑る畳とカーペット。毛が引っかかる
同じ姿勢の時間自分の寝床で向きを変えるこたつや家族のそばで長く止まる
部屋の乾きいつもの暖房と湿り具合暖房が強く、乾きやすい部屋がある
なでられる回数決まった人だけ家族が入れ替わり、毛の流れが乱れる
移動の時間ないキャリーや車の中で、同じ面が当たり続ける

5つのうち、こちらで動かせるのは「同じ姿勢の時間」と「なでられる回数」の2つです。床の材質と部屋の乾きは、よその家の話なので変えられません。変えられないものに手を出さず、その子が長く止まる場所に敷くものを1枚持っていく。それだけで条件の半分が家のものに戻ります。

実家に持っていくペット用の道具は、どこまで必要ですか

手のひらに乗る量で足ります。持っていくのは4つ、置いていくのは3つ、と決めてしまうと荷物が膨らみません。ペット用の荷物は、人の荷物と違って現地で買い足しにくいので、迷って全部入れたくなります。ただ、帰省の数日でやることはもともと少ないので、道具の数もそこに合わせます。

持っていくものと、置いていくもの
もの理由
持つふだん使っているブラシ1本道具が変わると、毛の流れも変わります
持つ目の細かいコーム1本指が止まった場所を確かめるために使います
持つその子が寝るときに敷いている布1枚畳とカーペットの上に、家の条件を1枚だけ戻せます
持つmofuwaのグルーミングスプレー1本梳かす前に含ませると、乾いた部屋でも毛が寄りません
置くハサミ帰省先で切ると、次のトリミングで形が合わなくなります
置くシャンプーとドライヤーよその家の風呂と時間を使う前提を作らないためです
置く新しく買った道具その子が試したことのない道具を、帰省中に初めて使わないこと

持っていく4つめが、mofuwaのグルーミングスプレーです。これは梳かすときに使うスプレーでもあります。暖房で乾いた部屋では、コームを通すたびに毛が静電気で寄ります。寄った毛は、押された向きのまま戻りません。指が止まった場所に少し含ませてからコームを入れると、下から開くときにかける力が小さくて足ります。原料は電解水で、清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、胸元でも口の周りでも量を気にせずに使えます。ペットは体から脂を出すので、昨日きれいにした場所が今日また汚れます。毎日きれいにしておきたい人が、実際に毎日やれるようにしたのがグルーミングスプレーです。実家にいる数日も、家でやっている手がそのまま続きます。

Point布を1枚持っていくと、いちばん条件が戻る

その子が家で寝るときに敷いている布を1枚だけ持っていってください。実家で長く止まる場所に敷けば、畳とカーペットに直接体をこすりつける時間が減ります。においの面でも、知らない家の中に慣れた手がかりが1か所できます。帰省から戻ったら、その布は洗う前に一度だけ、いつもの寝床に戻してください。

帰省中に、やらなくていいことはどれですか

洗うこと、切ること、そして全身のブラッシングです。この3つは、帰省中にはやらなくて構いません。むしろ、やらないほうが次のトリミングが楽になります。手を増やせば安心できるように思えますが、条件のそろわない場所で手数を増やすと、戻せない変化のほうが増えます。

やらないことを決めておくと、帰省中に残るのは「1日1か所」だけになります。数日から1週間なら、これで持ちます。サロン通いをしている人がこの期間にやることは、状態をよくすることではなく、次の予約まで大きく崩さないことです。目的が違えば、手の数も違います。

Caution実家の犬猫と同じ道具を使い回さないこと

実家に先住の犬や猫がいる場合、ブラシやコームはそれぞれのものを使ってください。道具を通じて毛やふけが移ると、どちらの状態なのか分からなくなります。食器と水皿も分けます。帰省のあいだだけの話なので、紙皿で代えても構いません。同じ部屋で過ごす時間は作れますが、口と皮膚に触れるものは分ける、と決めておくほうが後で困りません。

1週間サロンに行けない期間があっても大丈夫ですか

日数そのものは大丈夫です。もともとトリミングの間隔は4週間から6週間なので、1週間はその一部にすぎません。問題になるのは長さではなく、その1週間のあいだに、もつれの起点がいくつできたかのほうです。起点ができていなければ、次の予約は通常どおりの内容で終わります。

起点ができたかどうかは、指で確かめられます。毛の流れと直角に、指を1本まっすぐ沈めてください。地肌まで届けばその場所は通っています。途中で押し返されるなら、そこが起点です。押し返された場所は、ブラシの先だけで表面をなでても変わりません。コームで少しずつ分けて、下から順に開いていきます。

帰省中に、指で確かめて分ける
指を沈めたときの手ざわりその日にやること
地肌まですっと届くその場所は今日は何もしません
途中で少し止まるが、ほどけるコームで下から開きます。1か所だけ
押し返されて動かない無理に開かず、戻ってからサロンに伝えます
触ると嫌がる、声を出すその日はそこで手を止めます

3つめと4つめは、帰省先で解決しようとしないでください。実家の床の上で無理に力を入れると、毛ではなく皮膚のほうが持ち上がります。戻ってからペットサロンに伝えれば、それで足ります。「帰省中の3日目から、右の脇の下が動かなくなりました」と言えるだけで、担当の方はその場所から手をつけられます。

サロンの手を家で代わる、とはどこまでのことですか

ペットサロンでやってもらっている手を並べると、洗う、乾かす、切る、整える、爪を見る、耳を見る、という順に並びます。このうち家で代われるのは、いちばん最後の「見る」だけです。切ることも、乾かしきることも、道具と場所がそろっていない帰省先では代われません。代われないものを代わろうとすると、次のトリミングでやり直しになります。

サロンの手と、帰省中に家で代われる範囲
サロンの手帰省中に代われるか代わりにやること
洗う代われませんよその家の風呂を使う前提を作らず、毎日のブラッシングの側に寄せます
乾かす代われません濡らさない、という選び方でそもそも作らないようにします
切る代われません見つけた場所を記録して、戻ってから伝えます
整える代われません毛の流れに沿ってなでるところまでにします
爪を見る見るだけ代われます床で音が鳴るかどうかを聞いておきます
耳を見る見るだけ代われますにおいと、外側の汚れの有無だけを見ます

この表の右の列は、どれも「やる」というより「残す」です。帰省中にできるのは、次のトリミングの担当者に渡す情報を増やしておくことだと考えてください。いつから、どこが、どう変わったか。3つそろっていれば、次の予約はそこから始まります。サロン通いをしている人の強みは、プロの手が定期的に入ることそのものです。その強みを、空白のあいだに使い切らないようにします。

帰省の前・最中・戻ってからで、トリミングの手を3つに分ける|7つの答えを、知りたい順に並べ直す

ここまでの7つを、時間の順に並べ直します。帰省でやることは、前に1つ、最中に1つ、戻ってから1つ。合わせて3つで足ります。数が少ないほうが、実家という落ち着かない場所でも最後まで残ります。

帰省とトリミングを、3つの時間に分ける
時間やることやらないこと
帰省の3〜5日前トリミングに入れる。次の予約も同時に押さえる前日と当日に入れること
帰省の最中1日1か所、指を沈めて確かめる。止まった場所を記録する洗う・切る・全身をやる
戻ってから記録した場所をサロンに伝える。予約の間隔を伸ばさない戻った日にまとめてやり直すこと

3つのうち、いちばん抜けやすいのが最後の「間隔を伸ばさない」です。帰省で1週間空いたぶん、次を1週間遅らせてしまうと、空白が合計で7週間近くになります。帰省の前に次の予約まで取っておくのは、この抜けを防ぐためです。カレンダーの上で先につないでおけば、戻ってから考えなくて済みます。

毎日の習慣についても、ひとつだけ。帰省先では、なでる時間そのものが増えます。家族が入れ替わり立ち替わり手を伸ばすからです。その回数を減らす必要はありませんが、なでる向きだけは毛の流れに沿ってもらうよう伝えておくと、帰宅後の状態が違います。逆立てるようになでられた場所は、そのままにしておくと起点になります。子どもがいる家では、なでていい場所を先に決めておくと伝えやすくなります。

Caution動物病院に相談したい変化

地肌が赤い、じくじくしている、においが急に変わった、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、触ると痛がる、食べない。帰省の最中や帰宅後にこうした変化があるときは、トリミングの予約を待たずに動物病院にご相談ください。慣れない場所で数日過ごしたあとは、いつからの変化なのかが分かりにくくなります。気づいた日をメモしておくと、それだけで相談が早く進みます。指を沈めて押し返される場所が、1か所から3か所へ増えたという形で数を言えると、その場で切り分けてもらえます。

帰省先にペットサロンはありません。それは変えられない条件です。変えられるのは、その空白をどこに置くかと、空白のあいだに何をやらないかの2つです。予約を前に寄せて、持っていく道具を4つに絞り、1日1か所だけ指を沈める。帰省中にやることは、これで終わりです。残りの時間は、実家の人にその子を見てもらう時間に使ってください。次のトリミングは、その記録から始まります。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。