C05犬種・猫種別ケア
ジャーマンシェパードのケア|抜け毛を減らす3つの習慣
腰から後肢のあいだの毛を指ではさんで持ち上げると、指2本ぶんの子と、指4本ぶんの子がいます。どちらもジャーマンシェパードです。犬種の名前が同じでも、被毛の長さはここまで分かれます。そして抜け毛の量も、抜けた毛がどこに残るかも、名前ではなく毛の長さのほうについてきます。だから「ジャーマンシェパードの抜け毛」としてまとめられた話が、目の前の子にそのまま当てはまらないことがあります。この記事では、上毛が短い子と長い子を並べて、うちの子がどちら側かを決めるところから始めます。
同じジャーマンシェパードでも、腰の毛の長さは揃っていません
ジャーマンシェパードと暮らしている方から聞く抜け毛の話は、よく聞くと二手に分かれます。「綿のような毛が舞って、部屋のすみに寄る」という話と、「毛が体に残ったまま、外へ出てこない」という話です。同じ犬種の、同じ換毛期の話をしているのに、困っている中身が違います。手の入れ方も、当然そこで分かれます。
ジャーマンシェパードの被毛は、上毛と下毛の2層でできています。上毛が外側にあって雨や日ざしを受け止め、下毛が内側で空気をためます。抜けるのは主に下毛のほうで、これは毛の短い子でも長い子でも変わりません。変わるのは、抜けた下毛が体の外へ出るまでに通り抜ける、上毛の長さのほうです。
そしてこの上毛の長さが、同じ犬種の中でかなり分かれます。背中の毛が寝ていて、体の輪郭がそのまま目で追える子がいます。一方で、腰から後肢にかけて毛が立ち上がり、輪郭がひとまわりふくらんで見える子がいます。同じ親から生まれたきょうだいでも、この長さが分かれることがあります。だから毛の長さは、見た目の印象ではなく、その子の体で測るものになります。
- 上毛が短い子:抜けた下毛が上毛を通り抜けて、そのまま床へ落ちます
- 上毛が長い子:抜けた下毛が上毛の根元に引っかかり、体の上に溜まります
- どちらも下毛は抜けます:抜ける量そのものは、上毛の長さで大きくは変わりません
- 毛先と根元で状態が違います:長い子は毛先がきれいでも、根元が詰まっていることがあります
この4つを重ねると、ジャーマンシェパードの抜け毛の困りごとが2種類に分かれているのが見えてきます。片方は床に落ちた毛をどう減らすか、もう片方は体に残った毛をどう外へ出すかです。同じ「抜け毛のケア」という言葉でも、この2つは別の作業になります。うちの子がどちら側かを決めないまま道具を選ぶと、手をかけているのに変わらない、という時間が続きます。
子犬から成犬になる過程で、上毛が伸びてくる子がいます。1歳のときに短かった子が、2歳では腰の毛が立っている、ということは珍しくありません。一度見分けたら終わり、という話ではありません。年に一度、同じ場所で同じように測り直してください。犬種の名前は変わりませんが、被毛の条件のほうは動きます。
上毛が短い子と長い子|ジャーマンシェパードの抜け毛の違いを並べる
2つの側を、同じ項目で並べてみます。抜け毛の量ではなく、抜けた毛がどこで止まるかで比べてください。止まる場所が違えば、手を入れる場所も、使う道具も、かける時間も変わります。ここが決まると、あとの手順は自動的に決まっていきます。
| 上毛が短い子 | 上毛が長い子 | |
|---|---|---|
| 抜けた下毛の行き先 | 上毛を抜けて床へ落ちる | 上毛の根元に留まる |
| 困りごとの出方 | 床とソファに毛が広がる | 手ざわりが重くなり、指が入らない |
| 溜まりやすい場所 | とくに偏らない | 腰・後肢の裏・しっぽのつけね |
| 先に使う道具 | 毛を集める側の道具 | 根元まで届く、目の粗い道具 |
| ブラッシングの向き | 毛の流れに沿って、面で動かす | 根元を分けて、毛先へ抜く |
| 静電気の影響 | 毛が短く、毛先が寄りにくい | 乾いた日は毛先どうしが寄る |
| 見落とす理由 | 落ちた毛を見て、済んだ気になる | 表面がきれいに見えてしまう |
上毛が短い子では、抜け毛はほとんど床の問題になります。体に触っても手ざわりは軽いままで、指はすっと根元まで入ります。やることは、落ちる前に集めることです。床に落ちてから追いかけると、掃除の回数だけが増えていきます。落ちる場所を先に決めてしまう、というやり方もここで役に立ちます。
上毛が長い子では、床の毛は思ったほど増えません。そのぶん、抜けた下毛が上毛の根元に溜まっていきます。腰に手を入れると途中で指が止まる、後肢の裏をなでると綿のような手ざわりが返ってくる、といった形で表に出ます。表面の毛先にはつやがあってきれいなのに、根元だけが詰まっているということが起こります。目で見て判断すると、まず気づけません。
同じ換毛期の時期でも、この2つは別の景色になります。短い子と暮らしている方が「掃除が追いつかない」と言い、長い子と暮らしている方が「そんなに落ちない」と言う。どちらも本当のことを言っています。違いは抜ける量ではなく、抜けた毛が目に見える場所にあるかどうかです。
腰から後肢のあいだを持ち上げる|どちら側かの見分け方
測る場所は背中ではありません。背中の毛は長い子でも寝ているので、目でも手でも差が出にくい場所です。腰から後肢のあいだを使ってください。ここは長い子でいちばん先に長さが出る場所で、短い子との差がはっきり分かれます。犬を立たせたまま、片手で体を支えて、もう片方の手だけで測ります。
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腰から後肢のあいだに、手のひらを当てる
背中の終わりから、後肢の付け根までのあいだです。まず手のひら全体を当てて、毛の上を数センチ滑らせます。手のひらが毛の上を滑るのか、毛の中に沈むのかを先に確かめてください。沈む感じがあれば、この時点で長い子の側です。
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毛を親指と人差し指ではさんで、まっすぐ持ち上げる
根元から引き抜くのではなく、毛の束を上へ起こすだけです。起きた毛の高さを、自分の指の幅で数えます。指2本ぶん(およそ3センチ)までなら短い側、指4本ぶん(およそ6センチ)を超えるなら長い側。定規は要りません。毎回同じ手で測れば、同じ基準になります。
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しっぽのつけねでも、同じことをする
腰で迷ったときの2か所目です。ここは長い子で毛が最後まで残る場所なので、差が出やすくなります。左右の後肢の裏も同じように起こしてみてください。1か所で決めず、3か所そろえて判断します。
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起こした指を、そのまま根元へ下ろす
毛を起こした指を、今度は地肌に向かって下ろします。すっと地肌に届けば、根元は詰まっていません。途中で押し返される、綿のような手ざわりが返ってくる、というときは、抜けた下毛がそこに溜まっています。長さの見分け方と、詰まりの確かめ方を、同じ動きで済ませられます。
指3本ぶん、という子はよくいます。そのときは長い子の側の手順で始めて、根元に詰まりが出ないようなら短い側へ寄せてください。長い子向けの手順は、短い子にやっても害になりません。逆はうまくいきません。迷ったら、手数の多いほうから入るのが安全な選び方です。
測った結果は、その日のうちにひとこと書き残してください。「6月1日、腰は指3本、根元は詰まりなし」。この1行があると、半年後に測り直したときに、伸びたのかどうかが分かります。成長期を過ぎても、被毛は季節と年齢で少しずつ動きます。記録があると、その動きを手ざわりの記憶ではなく数で追えます。
毎日する・一度だけ決める・年2回だけ入れ替える|抜け毛を減らす3つの習慣
ここからが毎日の話です。ただし、3つとも毎日やること、にはしません。間隔の違う3つを組み合わせます。毎日やるものを増やすと、忙しい週にまるごと止まります。止まっても崩れないように、粒度を分けておきます。
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習慣1:毎日30秒、腰に手だけを入れる
道具は持ちません。手のひらを腰から後肢のあいだに当てて、根元まで指を下ろす。それだけです。これは抜け毛を取る作業ではなく、今日の詰まり具合を知る作業です。詰まっていれば、その日のうちにブラシを出す。詰まっていなければ、出さない。30秒なので、疲れている日でも飛びません。触られることに慣れてもらう時間にもなります。
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習慣2:一度だけ、毛の長さに合う道具を1本決める
毎日やることではありません。道具の選び方を一度決めて、それ以外を引き出しにしまう、という決めごとです。上毛が短い子なら、抜けた下毛を集める側の道具を1本。長い子なら、根元まで歯が届く目の粗い道具を1本。2本も3本も出しておくと、その日の気分で使い分けることになり、どれが効いているのか分からなくなります。年に一度、腰を測り直したときに見直せば足ります。
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習慣3:年に2回、換毛期の時期に手を入れる順番を入れ替える
春と秋、下毛がまとまって動く時期だけの切り替えです。ふだんは背中から始めていた手を、この時期は腰と後肢の裏から始めます。先に始めた場所ほど、犬が落ち着いていて長く触らせてくれます。いちばん溜まる場所を、いちばん条件のいい時間に回す、という入れ替えです。時期が終わったら、順番も戻します。
| 何をするか | どれくらいの間隔で | |
|---|---|---|
| 習慣1 | 腰に手を入れて、根元まで指を下ろす | 毎日30秒 |
| 習慣2 | 毛の長さに合う道具を1本だけ決める | 一度決めて、年に一度見直す |
| 習慣3 | 手を入れる順番を、腰から始める形に変える | 年に2回、換毛期の時期だけ |
道具の使い分けについて、もう少し書きます。上毛が長い子に、細い歯の道具を上から強く入れると、毛先だけがほどけて根元が残ります。表面がきれいに整うので、できた気になってしまう。長い子は、根元を指で分けて地肌の線を出してから、毛先の側へ抜きます。短い子はその逆で、根元を分ける必要がありません。毛の流れに沿って面で動かすほうが、床へ落ちる前の下毛をまとめて集められます。同じ犬種でも、道具の入れ方がここまで違います。
空気が乾く時期は、どちらの側でも静電気が邪魔をします。とかすほど毛先が広がって寄る、という日です。梳かしはじめる前に mofuwa グルーミングスプレーを毛の表面へ吹きかけておくと、毛先の滑りがそろって、道具が途中で止まりにくくなります。上毛が長い子は、腰と後肢の裏にたっぷりかけてから、指で根元を分けてください。表面だけを湿らせて始めると、肝心の根元は乾いたままで、毛先どうしが寄る場所も変わりません。舐めても差し支えない原料で作られているので、体の大きい犬でも、かける量を数えずに済みます。
腰の根元が詰まっているときに、上から強く道具を入れると、抜けた毛ではなく、生えている毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。詰まりは1回でほどききらなくてかまいません。指で少しずつ分けて、ほどけた場所から外へ出す。声を出したり、腰をひねって逃げようとしたら、その回はそこで終わりにしてください。翌日にまた30秒を積み重ねるほうが、結果として早く進みます。
ジャーマンシェパードは体が大きいので、シャンプーを1回するだけで半日がかりになります。それでも散歩は毎日行きますし、犬は体から脂を出すので、きのうきれいにした腰の毛は、きょうまた汚れています。毎日きれいにしてあげたいという側から考えると、毎日のほうに置けるものが1つ要ります。習慣1の30秒のあいだに、mofuwa グルーミングスプレーを腰と後肢の裏にかけて、そのまま手で根元まで指を下ろす。ブラシを出す日も出さない日も、これだけは同じ形で残ります。毛が湿ったままにならないよう、かけた日はそのまま乾かしきるところまでを1回ぶんにしてください。
毛の長さでは説明がつかない抜け方に気づいたとき
ここまでは、上毛の長さで説明のつく抜け毛の話でした。測った長さと、出ている変化が噛み合わないときは、別の見方をしてください。短い子なのに腰が詰まる、長い子なのに床の毛が急に増えた、といった場合です。次のような変わり方は、毛の長さの話として片づけないほうが安全です。
- 換毛期の時期でもないのに、量がはっきり増えた:季節の区切りと合わない増え方です
- 左右のどちらか一方だけが薄い:寝る向きや、当たっているものを先に思い出してください
- 抜けたあとの地肌が広く見えている:毛が薄くなった面が、指の幅より広がっているとき
- その場所を気にしている:なめる、かく、床にこすりつける。毛より先に皮膚のほうを見ます
- 地肌が赤い、においがある:詰まりをほどいたあとに気づくことがあります
地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめ続けている、毛が薄い面が左右で違う、抜け方が急に変わった、元気や食欲が落ちている。この中のどれかが出ているときは、道具や回数を足す前に、かかりつけの獣医師に見てもらってください。大型犬は毛量があるぶん、地肌の変化が外から見えにくくなります。腰に手を入れて指が止まった日が続いているなら、その手ざわりも一緒に伝えてください。
相談に行くときは、腰の毛が指の何本ぶんか、いつから変わったか、いま使っている道具の3つをメモしてください。この3つがあると、毛の長さで説明のつく抜け方なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。ほどけなかった詰まりは、無理に触らずそのまま連れて行ってください。直前にほどこうとすると、詰まっていた深さが読めなくなります。
ジャーマンシェパードと暮らすうえで、下毛が抜けること自体はなくなりません。2層の被毛を持つ犬種の、当たり前の働きだからです。減らせるのは量ではなく、抜けた毛が体の上に留まっている時間のほうです。腰の毛が指の何本ぶんかを知って、その子に合う道具を1本決めて、換毛期の時期だけ順番を変える。この3つで、同じ犬種名の中の個体差はだいぶ扱いやすくなります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- ジャーマンシェパードの抜け毛が増えるのは、換毛期の時期だけですか?
- 下毛は一年を通して少しずつ入れ替わっていて、春と秋にその山が来ます。ただ、上毛が長い子では抜けた下毛が根元に留まるので、山が来ていても床の毛は増えず、体のほうが重くなる形で出ます。時期で判断するより、腰に手を入れて根元まで指が届くかどうかで見てください。
- 同じ犬種なのに、うちの子だけ毛が長いのはなぜですか?
- ジャーマンシェパードには、上毛が短い子と長い子がいます。同じ親から生まれたきょうだいでも分かれることがあり、珍しいことではありません。長い子は抜けた毛が体に残りやすいぶん、根元まで届く道具を選ぶ、というだけの違いです。手がかかる子、という話ではありません。
- ブラシは何本そろえたほうがいいですか?
- まず1本で足ります。上毛が短い子なら抜けた毛を集める側の道具、長い子なら根元まで歯が届く目の粗い道具です。何本も出しておくと、その日ごとに使い分けてしまい、どれが効いているか分からなくなります。腰の毛を測り直したときに、1本を見直せば十分です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
