C02技術・エビデンス
常在菌はなぜ全部落としてはいけないのか
ブラシを通したあとの手のひらに残る、あの少しぬるりとした感触の中に、落としてよい脂と、残しておきたい脂が混ざっています。常在菌は、その残しておきたい側といっしょに暮らしています。皮脂の膜と角層の上にいて、毎日少しずつつくり直されている層です。だから常在菌のバランスという言葉は、菌を増やすか減らすかの話ではなく、手入れのたびにどこで線を引くかの話になります。この記事では、汚れを「その日に外から乗ったもの」と「体がつくり直しているもの」の2つの軸に分け、台所にあるぬか床とまな板の手入れにたとえながら、全部落とさないという線の引き方を書きます。
軸1・その日に外から乗ったもの|落としてよいものと、常在菌が住んでいるものの違い
散歩から帰った犬の背中を手のひらで撫でると、砂の粒と、少しぬるついた脂が一緒についてきます。この2つは同じ「汚れ」という言葉でまとめられますが、皮膚の上での立場が違います。砂も、道路の油膜も、風で飛んできた花粉も、その日の外で乗ったものです。前の日の夜にはありませんでしたし、明日また同じ量が乗るとも限りません。落とす対象として考えたときに、迷いが要らないのはこちら側です。
表面にたまった余分な脂も、この軸に入ります。犬も猫も、体から脂を出し続けています。出たばかりの皮脂は薄く広がっていますが、時間がたつと空気に触れて酸化し、ほこりや砂と混ざって、においのもとになります。その日に出た脂のうち、行き場をなくして表面にたまったぶんが、落としてよい側です。毎日出るものなので、毎日乗ります。1週間ぶんをまとめて落とすより、その日のぶんをその日に動かすほうが、扱う量は少なくて済みます。
- 散歩で足先とお腹につく砂と土。乾くと自分で落ちるぶんと、毛の根元に残るぶんがあります
- 道路の油膜と、雨の日の跳ね返り。水だけでは動きにくく、脂と混ざって残ります
- 空気中のほこりと花粉。毛の表面に静電気で寄ってきます
- 表面にたまって酸化した余分な脂。においの出どころになりやすい部分です
- 食器のまわりやあごについた食べこぼし。猫では、あごの下に残りやすい場所です
この軸を先に置いたのは、常在菌の話に入る前に、迷わず落としてよいものを分けておきたいからです。常在菌は皮膚の上にふだんからいる菌の集まりで、いること自体はふつうの状態として説明されます。外から乗ったものと違い、昨日も今日も同じ場所にいます。落とす側と常在菌の側を分けないまま「全部きれいに」と考えると、手の力も回数も、いちばん落としにくいものに合わせて決まってしまいます。常在菌のバランスは、そこで初めて動きます。
軸2・体がつくり直している層|常在菌のバランスが戻る時期は、日数で決まっていない
2つめの軸は、体の側がつくっているものです。皮脂の膜、角層、そこに住んでいる常在菌。この3つは、外から乗ったものと違って、落としても翌日に元どおりになるわけではありません。皮脂そのものは出続けますが、面として広がって膜になるまでには時間がかかります。常在菌のバランスも、一度減ったあとに元の顔ぶれへ戻るまでに、いくらかの時期をはさむとされています。
その時期がどれくらいなのかは、犬でも猫でも、はっきりした日数で決まっているわけではありません。体の場所によっても、季節によっても変わります。確かなのは、戻り切る前にもう一度落とすと、戻る途中の状態がずっと続くということです。常在菌のバランスを崩す引き金として、洗う力の強さより洗う間隔の短さのほうで差が出るのは、この時期の重なりかたによります。強くこすった1回より、詰まった3回のほうが、層には残ります。
- 皮脂の膜:出るのは毎日でも、面として広がるまでには時間がかかります
- 角層:下から押し上げられて入れ替わる層で、手入れで早めることはできません
- 常在菌:その子が生まれてから今日までに住み着いたもので、顔ぶれは家ごとに違います
常在菌のバランスが崩れているかどうかを、家の中で直接確かめる手立てはありません。数えるには培地と時間が要ります。そのかわり、前に洗った日から何日たったかは、カレンダーに書けば分かります。この記事で見ていく線は、全部こちら側にあります。見えないものを推し量るより、書ける数字を見るほうが、毎日の判断はぶれません。
台所のぬか床とまな板|犬と猫の常在菌の使い分けを、家の手入れにたとえる
台所には、性格の違う2つの手入れが並んでいます。まな板は使うたびに洗い、ぬか床は毎日かき混ぜます。どちらも手入れですが、ぬか床を洗剤で洗う人はいません。洗えば、そこまで育ったものが一度に消えて、また一から始めることになります。まな板は逆で、前に切ったものの汁が残っているほうが困ります。同じ台所の中で、落とす手入れと、混ぜて保つ手入れが並んで成り立っています。
犬や猫の皮膚の上では、この2つが同じ面に重なっています。その日に外から乗ったものはまな板の側、常在菌のバランスはぬか床の側です。一度の手入れで、片方は落としたく、もう片方は残したい。常在菌を全部落としてはいけない理由を短く言うなら、洗剤でぬか床を洗ったときと同じことが起きるからです。落ちたものの中身は選べません。
| 見るところ | その日に外から乗ったもの | 体がつくり直している層 |
|---|---|---|
| いつから そこにあるか | その日の外で乗った | 生まれてから今日まで続いている |
| 落としたあと | 翌日また同じように乗る | 戻るまでに時期をはさむ |
| 家で見えるか | 砂・毛のもつれ・においで見える | 手ざわりと乾き方にだけ出る |
| 常在菌との関係 | 菌の住処ではない | 常在菌が住んでいる層そのもの |
| 失敗のしかた | 残したまま重ねる | 戻る前にもう一度落とす |
| 決めるもの | その日のうちに動かすかどうか | 次に落とすまでの間隔 |
表の右の列だけを見て手入れを決めると、回数はどうしても増えます。においが気になった日に洗い、翌週も同じ理由で洗い、間隔が縮んでいることに気づかないまま冬を越す。常在菌のバランスが動く場面は、たいてい強い洗い方ではなく、この静かな短縮のほうにあります。左の列は毎日動かしてよく、右の列は間隔だけを決める。使い分けの線は、この一行に収まります。
落とす側と残す側が名指ししてある|毎日の1本の選び方が変わるところ
手入れの品を選ぶときに見るところは、強さの表示ではありません。何を落とすと書いてあり、何を残すと書いてあるかです。mofuwa が使っている電解水の資料では、この2つが名指しで書き分けられています。落とす側は、汚れのもとになっている余分な脂。残す側は、セラミドとスクワランです(自社資料に基づく記載)。電解水と油がなじんで乳化する働きによるもので、強さを上げて全部持っていく設計とは別の考え方です。
落とす側の線が引かれていると、洗う日と洗う日のあいだの手入れが組みやすくなります。その日に乗ったぶんだけを動かせば足りるので、間隔を詰めずに済むからです。常在菌のバランスを守る手は、足す手入れよりも先に、落とす回数のほうに現れます。毎日ブラシを通し、乗ったものをその日のうちに動かす。それだけで、右側の列に手を入れる回数は減ります。
そのうえで、地肌の側に足すものを1本決めておくと、手入れの幅が広がります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、口のまわりや指のあいだのように、その子が数秒後に舌を通してしまう場所にも置ける処方です。犬も猫も、人が手を入れたところを自分でなめます。だから足すほうの1本は、場所で使い分けるより先に、口に入る前提で選ぶことになります。スキンケアミストを使う日も、落とす側の回数は増やさずに済みます。
資料に並んでいる試験の数字を、ここで皮膚の話につなげないでください。30〜60秒で生菌が検出されなかったという結果は、試験条件のもとで水そのものを調べたもので、検査機関の名前とセットで読む一行です。犬や猫の皮膚の上にいる常在菌を数えた試験ではありません。粉が出続けている、地肌が赤い、同じ場所をなめ続けている。この3つが重なるときは、手入れの間隔を動かす前に、動物病院で皮膚の状態を見てもらってください。
全部落とさないという線を、手ざわりで確かめる3か所
常在菌のバランスという言葉は、家の中では手ざわりの言葉に置き換わります。見るのは3か所だけで足ります。背中の毛を分けたときの地肌の色、手のひらに移る脂の量、そして前に洗った日から今日までの日数。どれも道具が要りません。
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背中の毛を分けて、地肌の色を見る
淡い色をしていて、粉が浮いていなければ、そのままで足ります。粉が出ているときは、落とす側ではなく足す側に用事があります。洗う回数を増やすと、粉はたいてい増えます。
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撫でたあとの手のひらを、指でこすってみる
さらりとしていれば、表面の脂は膜として広がっている途中です。ぬるつきが指に残るなら、その日に乗ったぶんがたまっています。ぬるつきは落とす合図、粉は足す合図です。
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前に洗った日を、カレンダーで数える
日数そのものに正解はありませんが、先月より短くなっていたら、理由を思い出してください。においだったのか、来客だったのか。常在菌のバランスは、この間隔のほうに引きずられます。
全部落としてはいけない、という言い方は、手を抜いてよいという意味ではありません。毎日さわる回数は増やして構いません。減らすのは、層ごと持っていく手入れの回数のほうです。ぬか床を毎日かき混ぜる人が、洗剤を使わないのと同じ順番でできています。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 洗う回数を減らせば、常在菌のバランスは自然に整いますか。
- 減らすだけで整うとは言えません。間隔を空けたぶん、その日に乗ったものが落ちずに重なると、今度は脂とほこりが表面にたまったままになります。回数を減らすときは、そのぶん毎日の一往復を足してください。ブラシでも、乾いた布でも構いません。落とす手入れの回数と、毎日さわる回数は別の数です。常在菌のバランスの話でいうと、減らしてよいのは前者だけです。
- 猫は自分でなめて手入れをします。それでも同じ考え方になりますか。
- 同じ2つの軸で見られます。猫の場合、その日に乗ったものの多くは自分の舌で運び出されますが、あごの下と背中の後ろ半分には舌が届きにくく、そこだけ脂が残ります。逆に、なめる回数が多いぶん、人が何かを足したときにそれが口へ入る割合も高くなります。落とす側は届いていない場所だけ、足す側は口に入る前提で選ぶ。猫では、この2つの線がより離れます。
- 資料にある「30〜60秒で生菌が検出されず」という結果は、家でも同じように読めますか。
- 同じようには読めません。あの一行は、決められた試験条件のもとで、電解水そのものを調べた結果です。検査機関の名前が併記されているのは、条件を決めた側と確かめた側が別だと分かるようにするためです。家の床や、その子の被毛の上では測られていませんし、常在菌を対象にした試験でもありません。資料の数値は水の説明として読み、皮膚の手入れは手ざわりと間隔で決めてください。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
