C15組み合わせ提案

保護犬を迎えた家の3か月プラン

公開日 2021年12月15日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の木の床で、静かに休んでいる淡い色の犬
1か月目にやっていたのは、この距離のまま、毎日同じ時刻に座ることだけでした。写真:Photostock Editor/Pexels

保護犬を迎えて11日目、その子が初めて背中を触らせたのは、フードの器を置いてこちらが2歩下がったあとの、3秒間だけでした。その3秒を、1か月ごとにどこまで広げていくか。最初の3か月に組み立てるのは、洗う日や道具の予定表ではありません。触れる範囲の地図のほうです。触れない場所には、ケアも届きません。だから範囲が広がった順に、やれることが1つずつ増えていきます。1か月目は触らない、2か月目は背中と首だけ、3か月目に足と顔。この順番を入れ替えて急ぐと、それまでの2か月ぶんが戻ります。うちは実際に一度戻しました。この記事では、3か月を月ごとの手順に分けて、範囲が広がるたびに何を足せるのかを書きます。

触れる範囲が、そのままケアの届く範囲になります|保護犬の3か月で家でできることの決まり方

保護犬を迎えた家が最初に作る予定表は、たいてい「いつ洗うか」から始まります。次にブラシの種類を調べ、爪の道具を買い、シャンプーの間隔を決めます。ところが、その予定表は最初の3か月ではほとんど動きません。どの工程にも、体のどこかを押さえて数十秒とどめる時間が含まれているからです。押さえられる場所がまだ1か所もない子には、予定表の1行目から実行できません。

だから最初の3か月で作るのは、日付の表ではなく、体の地図のほうです。いま触れる場所はどこで、触れない場所はどこか。この線が、そのまま「家でできることの範囲」になります。触れない場所は、汚れていても拭けません。毛がもつれていても、指を入れて確かめられません。皮膚に何か出ていても、めくって見られません。保護犬のケアで最初に足りなくなるのは道具ではなく、触れる面積です。

体を6つに区切って、それぞれに「いま触れるか」を書いておくと、3か月ぶんの記録が3行では済まないほど細かくなります。うちは紙に6つの枠を書いて、触れた日に日付を入れるだけにしました。丸やバツを付けるより、日付のほうが後から読めます。触れなかった月は空欄のまま残しておいてください。空欄は失敗の印ではなく、次の月にどこから始めるかを示す印です。

体を6つに分けて、そこに触れると家でできることがどう変わるか
区分触れるようになると、家でできること触れないあいだ、代わりに見ておくこと
背中毛の流れに沿って、ブラシやコームを一往復できる毛が立っている場所がないかを、離れた位置から見る
首の後ろ首輪の下の毛の乱れを、指を入れて確かめられる首輪の位置が左右にずれていないかを目で見る
脇と胸抱き上げるときに手を入れる位置を決められる歩き出すときの前足の出し方を見る
腰と尾のつけ根座ったあとに押しつぶれた毛を戻せるいつも同じ向きで座っているかを見る
足と指のあいだ散歩のあとに、濡れたところを拭ける床に足あとが残るかどうかを見る
顔と耳の外側目の下と口のまわりの汚れを取れる食器のふちに何が付いているかを見る

この表の右の列が大事です。触れないあいだも、見ることはできます。保護犬の3か月で何もしていない時期は1日もありません。触れない月は、離れた場所から見る月です。毛の立ち方、座る向き、食器のふちに付くもの。触らずに集められる材料はかなりあります。3か月目に足と顔へ進んだとき、それまでに見てきた材料が効いてきます。どこを先に見ればいいかが、もう分かっているからです。

Note3か月という区切りは、その子の期限ではありません

3か月で全身に触れるようになる子もいれば、背中の一部で1年止まる子もいます。この記事の3か月は、こちらが手を出す順番を決めておくための区切りです。その子の側の締め切りではありません。3か月たっても足に触れないなら、足の月をもう3か月続けます。順番だけは変えないでください。順番を守っているかぎり、時間がかかっても後ろへは戻りません。前の暮らしを想像して手順を変える必要もありません。家に来てからの記録だけで、次の月にやることは決まります。

1か月目は触らない、2か月目は背中と首、3か月目に足と顔|保護犬の3か月ケアの手順

ここからが手順です。月ごとに「触る範囲」を1段ずつだけ広げます。広げる幅は毎月ほぼ同じで、増やすのは面積であって回数ではありません。1日にやる時間は最後まで3分から5分のままです。保護犬のケアで3か月かけて変えるのは長さではなく、手の届く場所の数です。

  1. 迎えた週:手を出さない。決めるのは場所と時刻だけ

    最初の1週間で決めるのは2つです。その子が人の入ってこない場所を1か所持っていることと、こちらが毎日同じ時刻に、同じ場所に座ること。抱き上げない、追いかけない、名前を呼んで反応を待たない。ケア用品はまだ何も出しません。この週にやることは、生活の音の中に「人が静かにしている時間」を1つ足すことだけです。うちは夕食の片づけが終わった時刻に置きました。

  2. 1か月目:触らない。見る時間と、においを覚えてもらう時間に使う

    1か月目は触りません。やるのは、離れた場所からの観察と、においの受け渡しです。こちらが使った布を1枚、その子の休む場所の近くに置きます。撫でるためではなく、人のにおいがその場所にある状態を作るためです。観察は表の右の列を使います。毛の立ち方、座る向き、食器のふちに付くもの。1日3つだけ書きます。ここで触りたくなるのを我慢するのがいちばんきついのですが、この1か月が2か月目の速さを決めます。

  3. 2か月目:背中と首の後ろだけ。毛の流れに沿って一往復

    背中から始めます。理由はその子が後ろへ下がれる姿勢のまま触れる場所だからです。手のひらを開いて、首の後ろから腰へ向かって一往復。3秒で離します。次の日も3秒です。1週目が3秒、2週目が5秒、3週目が10秒。伸ばすのは秒数で、範囲は背中と首の後ろから動かしません。嫌がる日は、その日だけ0秒に戻します。戻した日を書いておくと、翌週に何秒から始めればいいかが決まります。

  4. 3か月目:足と顔のまわり。最後に回す理由がある

    足と顔は最後です。足を持たれた姿勢では後ろへ下がれず、顔に手が来ると視界が塞がるからです。この2か所は、背中で10秒が続くようになってから始めます。足は持ち上げずに、床に着いたまま指の外側を触ります。顔は正面からではなく、横から、目の下と口のまわりだけ。耳は外側までで、中には入りません。1回1か所、それで終わりにします。ここまで来ると、散歩のあとに濡れたところを拭く、という家でできることが1つ増えます。

  5. 3か月のあと:止まった場所を記録して、そこで止める

    3か月やって、どこかで範囲が止まります。止まった場所を書いて、そこで止めてください。止まった場所を無理に進めると、進んだ場所まで一緒に戻ります。止めたうえで、触れる範囲の中だけで間隔を決めます。背中は毎日、足は2日に1回、顔は3日に1回。範囲が狭いほど、1か所あたりの回数は増やせます。保護犬の3か月が終わったあとのケアは、この「狭い範囲を毎日」の形で続きます。

月ごとに、触る範囲・こちらがやめること・その月に足せるもの
時期触る範囲こちらがやめることその月に足せるもの
迎えた週触らない抱き上げる、追いかける何も足さない。場所と時刻を決めるだけ
1か月目触らない名前を呼んで反応を待つ人のにおいのついた布を1枚置く
2か月目背中と首の後ろ毛を逆立てて地肌を確かめる歯の細かすぎないコームを1本
3か月目足の外側と顔のまわり足を持ち上げて固定する水を使わないケアを1つだけ
3か月のあと止まった場所までその先へ進めようとする足さずに、間隔だけ決め直す

右の列を見てください。足せるものは、その月に触れるようになった範囲の分だけです。2か月目にコームが入るのは、背中に手が届くようになったからです。3か月目に水を使わないケアが入るのは、足と顔を短時間なら触らせてもらえるようになったからです。順番が逆になると、道具はあるのに使う場所がない、という状態になります。保護犬のケア用品が余ってしまう家は、たいていこの順番が入れ替わっています。

3か月で広げるのは、時間の長さではなく触れる面積 迎えた週から3か月のあとまで、月ごとに触る範囲がどこまで広がるかを縦に並べた図。1日にかける時間は最後まで3分から5分のままで、変わるのは手の届く場所の数だけです。 週の数はおおよその目安です。止まった月があっても、順番は入れ替えません 0〜4週 触らない 見る時間と、においを渡す時間に使う 5〜8週 背中と首の後ろだけ 毛の流れに沿って一往復。3秒から10秒へ 9〜12週 足の外側と顔のまわり 下がれる姿勢を残したまま、1回1か所 12週〜 止まった場所で止める 広がらない範囲は、間隔のほうを決め直す 触れる範囲が広がった月にだけ、道具を1つ足します
1日の長さは変えません。変えるのは、手が届く場所の数のほうです。

2週間早めた日に、範囲が首まで戻りました|保護犬の3か月のやり方でつまずく3か所

うちが戻したのは2か月目の終わりでした。背中で10秒が続くようになった週に、あと2週間待てばよかったところを、その日のうちに前足まで手を伸ばしました。翌日から、背中に手を置くと立ち上がるようになりました。戻るまでに11日かかっています。保護犬の3か月のやり方でつまずくのは、うまくいかなかった日ではなく、うまくいった日のほうです。

急いだときにつまずく3か所と、その場での戻し方
つまずくところそのとき起きていること戻し方
うまくいった日に範囲を広げる1回の成功を、次からの前提として扱っています同じ範囲を、もう1週だけ続ける
足を先に触る後ろへ下がれない姿勢を、先に作っています背中へ戻り、足は翌月に回す
触る人が2人になるその子の側では、範囲が2倍に増えたことになります3か月のあいだは、触る人を1人に決めておく

1つめ。うまくいった日に広げたくなるのは、こちらの側に「進んでいる実感」が要るからです。実感が要るのは人のほうで、その子には要りません。10秒が続いた週は、10秒のまま次の週へ持ち越します。同じことを2週続けたあとに広げると、戻る回数がはっきり減ります。うちも2度目からはこの形にしました。

2つめ。足を先に触ってしまうのは、散歩のあとに汚れが目に入るからです。気持ちは分かりますが、順番を守るほうが早く終わります。足の汚れが気になる月は、拭くのをやめて、玄関に敷くものを1枚替えるほうへ手を回してください。その子に触らずに、汚れの量を減らせます。3か月目に足へ進んだとき、拭く作業がすでに軽くなっています。

3つめは、家族が増えるパターンです。同じ範囲でも、触る人が変わると、その子の側では新しい手が1つ増えたことになります。3か月のあいだは、触る人を1人に固定してください。ほかの家族は、同じ部屋で座っている役に回ります。3か月が終わって範囲が定まってから、2人目が同じ順番でもう一度たどります。2人目は1人目より速く進みますが、順番を飛ばすと同じように戻ります。

毎日の記録は3行で足ります。日付、触れた区分、何秒だったか。触れなかった日は「0秒」と書きます。空欄にすると、書き忘れなのか触れなかったのかが後から分かりません。3か月ぶん並べると、進んだ週と止まった週がはっきり分かれます。動物病院で体を触られる予定があるときは、この記録を持っていくと、どこまで触れるかをその場で伝えられます。

Caution体の側の変化は、慣れの途中と切り分けずに動物病院にご相談ください

触れる範囲を広げている途中でも、同じ場所をなめ続けている、触れていないのに体をかき続ける、被毛が一部だけ薄くなってきた、皮膚に赤みやふけが出てきた、食べる量や水を飲む量が変わった、歩き方が変わった。こうした変化があるときは、慣れていく途中だからと待たずに、動物病院にご相談ください。保護犬を迎えた直後は、環境が変わったせいなのか体の側の話なのかを、家では切り分けられません。触れない場所に何か起きている可能性もあります。迷ったら早いほうを選んでください。何週目に何があったかを書いた紙が1枚あると、その場で話が早く進みます。

範囲が広がった順に、道具を1つだけ足す|保護犬と過ごす3か月の毎日のケア

3か月を通して、足すものは全部で2つか3つです。コームが1本と、水を使わないケアが1つ。これで足ります。保護犬を迎えると用品の一覧を先に揃えたくなりますが、揃えた順に使えるようにはなりません。使えるようになるのは、触れる範囲が広がった順です。だから買う順番は、その子の側が決めます。

3か月目に足す「水を使わないケア」について書いておきます。この時期のその子にとって、押さえて洗う工程はまだ重すぎます。足せるのは、こちらの手が届くようになった範囲の中だけで終わるものです。2か月目に触れるようになった背中と首の後ろは、その子自身の毛づくろいも届かない場所です。触れる範囲を広げるというのは、その子が自分では手入れできない面を、人が代わって引き受ける範囲を広げることでもあります。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%でつくられていて、なめても問題のない基準の中に収まっています。布に含ませて、背中を毛の流れに沿って一往復。この一往復なら、3分の中に収まります。足と顔に短く触れられるようになったら、同じ布で口のまわりを一度だけ。その子に直接吹きかけるのは、音に慣れてからにしてください。音のほうが先に負担になります。保護犬の3か月では、こちらが足すものより、その子の側で減るもののほうを先に見ます。

中身の話も一度しておきます。mofuwaの中身は、特許5253483(三室ダブルイン型の電解システム)でつくる電解水です。電解槽が3つの室に分かれる構造のため、電解質に由来する不純物が電解水に含まれません。そのため、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。各種の試験条件下では、30〜60秒後に生菌が検出されなかったという結果が出ています(江東微生物研究所ほか調べ)。水分の浸透については、精製水の35倍という測定があります。保護犬を迎えたばかりの時期は、口のまわりを触ったあとにその子が自分をなめることが多くなります。何をクリアした成分なのかを言えるようにしておくと、家族のあいだで説明が短く済みます。

Point進んだ日ではなく、止まった週のほうを書き残す

記録は、うまくいった日だけを書きたくなります。止まった週を書いておくほうが、あとで役に立ちます。3か月を並べたとき、止まった週の前後に共通点が出ることがあります。来客のあった週、模様替えをした週、こちらの帰宅時間が遅かった週。保護犬のケアが止まる理由は、その子の側ではなく家の側にあることが少なくありません。止まった週を3つ並べると、次に何を避ければいいかが見えます。進んだ日は、書かなくても覚えています。

最後に、今日やる1つを決めます。今日は、座る時刻と場所を決めるだけで足ります。3か月ぶんの手順を今日から全部やろうとすると、たいてい3日目で止まります。決めるのは時刻と場所の2つ、書くのは3行。それだけを、明日も同じようにやってください。保護犬の3か月のケアは、触れる範囲を広げる計画です。範囲が広がった月にだけ、道具を1つ足す。急がなければ、2か月ぶんが戻ることもありません。毎日やることは最後まで3分から5分のままで、増えるのは手の届く場所の数だけです。

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よくある質問

保護犬を迎えて3か月たちましたが、まだ背中しか触れません。やり方が違うのでしょうか。
順番どおりに進んでいるなら、そのままで問題ありません。3か月という区切りは、こちらが手を出す順番を決めるためのもので、その子の側の締め切りではありません。背中で止まっているなら、背中の月をもう3か月続けてください。範囲が狭いあいだは、そのぶん1か所あたりの回数を増やせます。毎日3分、同じ時刻に、同じ範囲を続けるほうが、先へ進めようとするより結果的に早く広がります。体の側に変化が出ているときは、慣れの話と切り分けずに動物病院にご相談ください。
2か月目に入る前に、どうしても足の汚れを拭きたいときはどうしますか。
その子に触る側ではなく、汚れの量のほうを減らしてください。玄関に敷くものを1枚替える、散歩のコースから水たまりの多い道を外す、帰宅後に歩かせる範囲を区切る。この3つは触らずにできます。どうしても足に触れる必要があるときは、その日1回きりにして、翌日は背中の手順に戻します。1回だけなら、範囲が戻ることはあまりありません。連日になると戻ります。
先住の犬がいる家では、3か月の手順は変わりますか。
触る人を1人に固定するところは同じです。変わるのは、先住の子のケアをどこでやるかです。新しく迎えた子から見えない場所で、先住の子のブラッシングを済ませてください。同じ部屋でやると、次は自分の番だと分かって、こちらが近づく前に姿勢が変わります。3か月目に足と顔まで進んだあとなら、同じ部屋で順番にやって構いません。どちらの子にも、途中で切り上げられる逃げ場を残しておいてください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。