C03使い方・お手入れ手順

口のまわりに使うときの手順

公開日 2022年1月19日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、白い陶器の食器のそばに立っている淡い色の犬
食べ終えた直後の10秒に手が入るかどうかで、翌朝に残るものが変わります。写真:MART PRODUCTION/Pexels

食べ終えた食器の前で、その子が顔を上げて自分の口のまわりをなめ始めるまでは、だいたい10秒あります。その10秒を逃すと、舌が届く範囲だけが片づいて、届かない場所だけが毎日残っていきます。口周りのケアの手順は、拭き方や力の入れ方より先に、この舌が届かない3か所をどう回るかで決まります。鼻すじの上、口角の外側のたるみ、あごの下。ここでは、食器の前でしゃがんだまま終わる10秒の順番と、その3か所を外さないための置き方を書きます。

舌が届かない3か所だけが毎日残る|口周りのケアで順番を決める前提

口周りは、その子が自分で手入れをしている数少ない場所です。背中や足とちがって、こちらが何もしなくても、食べ終えたあとに舌が回ります。だから毎日のケアで考えることは、全体をどう拭くかではありません。その子の舌が届かなかった場所はどこか、という1点です。そこだけが、毎食ぶん積み上がっていきます。

舌が届く場所と、届かずに残る3か所
場所その子の舌そこに残るもの見え方の変わり方
下唇の内側と外側毎回届くほとんど残らない変わらない
鼻すじの上届かない水と脂が混じったもの毛が束になって立つ
口角の外側のたるみ届かない食べたものの細かい粒折り返しの奥から色が変わる
あごの下の毛届かないしたたって乾いたもの先のほうが固まってくる
鼻の先毎回届くほとんど残らない変わらない

表の3か所は、どれも顔の外側へ向かって折り返している場所です。舌はまっすぐ前と横へは伸びますが、折り返した面の裏側へは回りません。きれいに見えている子ほど、残っているのはこの3か所だけに絞られています。口周りのケアの手順を、顔全体を回る形で組むと、その子がすでに済ませた場所をもう一度なぞることになり、時間だけが増えます。

使うものは mofuwa グルーミングスプレーです。犬も猫も体から脂を出すので、昨日きれいにした場所は今日また同じように汚れます。毎日シャンプーをするわけにはいきませんし、サロンへ毎日通うこともできません。その間を毎日の側から埋めるためにある1本なので、顔の3か所という狭い範囲を、毎日同じ形で回るという使い方に向いています。還元水が中身で、香料も色もアルコールも足していません。口のまわりは、手を離した直後にその子が自分でなめる場所なので、足しているものがないという1点がそのまま手順の組みやすさになります。

食べ終えてから翌朝までに、3か所で起きること 食べ終えた直後は、水分と脂が毛の表面にのっているだけです。10秒でその子が自分でなめ始め、舌の届く範囲が片づきます。残った3か所はそのまま乾き、次の食事のぶんが同じ場所に重なります。翌朝には毛に固まり、10秒では動かなくなります。 同じ1日でも、3か所とそれ以外では時間の進み方が違います 0秒 食べ終えて顔を上げる 水分と脂が毛の表面にのっている 10秒 自分でなめ始める 舌の届く範囲だけが片づく 1分 3か所が残って乾き始める 鼻すじ・口角の外側・あごの下 夜 同じ3か所に2食ぶんが重なる 色が変わって見えるのはここから 翌朝 乾いたものが毛に固まる 10秒では動かない状態になる
毎日のケアで手を入れる場所は、この表で残ったほうだけです。

食器の前でしゃがんだまま10秒|口周りのケアで家でできる4つの手順

家でできる口周りのケアの手順は4つです。場所は食器の前、時刻は食べ終えた直後。抱き上げず、呼び戻さず、その子が立っている位置のまま、こちらがしゃがみます。回る順番は下から上へ。上から始めると、その子は顔を上げてこちらの手を見るので、あごの下が奥へ隠れてしまいます。

  1. 1|食器を下げる前に、しゃがんで指2本に取る

    食器を片づけに立ち上がると、その10秒はもう戻りません。先にしゃがんで、膝の上で人さし指と中指の腹に取ります。顔に向けて押して出す動きは、この手順には入れません。音と、飛んでくるものが同時に起きると、その子は食器から離れます。2本に取るのは、3か所のうち2か所が細い線の形をしているからです。

  2. 2|あごの下から始める。毛の流れに沿って手前へ1回

    しゃがんだ姿勢だと、あごの下はちょうど目の高さに来ます。ここは自分では見えない場所で、したたったものが乾いて残ります。指2本をあごの先へ当て、のどのほうへ向かって1回だけ滑らせます。往復させません。その子から見ると、下から入ってくる手は視界の外から来るので、顔の向きが変わらないまま終わります。

  3. 3|口角の外側へ、折り返しを開いて1回

    口の端から頬へ折り返している場所です。指を寝かせて、折り返しを軽く開いてから手前へ1回。開かずに表面だけをなでると、色が変わっているのは折り返しの奥なので、毎日拭いているのに毎日残る、という形になります。左右で1回ずつ、合計2回です。

  4. 4|最後に鼻すじの上。目に向かわず、鼻の先へ向けて

    3か所のうち、ここだけは顔の正面にあります。手が視界に入るので最後に回します。鼻すじの真ん中に指2本を置き、鼻の先へ向かって1回。目のほうへは動かしません。終わったら手を引いて、そのまま10秒さわらないでおきます。この10秒で乾くので、その子が自分でなめに戻っても、残っているものがほとんどありません。

4つで合計10秒です。この手順が短く終わるのは、その子がすでに済ませた場所を回っていないからです。口周りのケアを顔全体で組むと、同じ内容でも40秒ほどかかり、そのあいだに食器から離れていきます。離れた子を呼び戻すと、次の日は食べ終わったあとに先に離れるようになります。10秒で終わるかどうかは、丁寧さの問題ではなく、回る場所を絞れているかどうかの問題です。

mofuwa グルーミングスプレーの中身の水は、余分な皮脂や油となじんで乳化するという性質をもっています。口周りに残るのは、食べたものと、その子自身から出た脂が混じったものです。だから指2本で1回滑らせるだけでも、指先には薄く色が移ってきます。移ったかどうかを見れば、その日どの場所に何が残っていたかが分かります。落とすほうにだけ働く水ではなく、毛を守っているセラミドやスクワランのほうは残る、という作りになっているので、毎日1回ずつ回っても毛の手ざわりが変わりません。

Point猫では、3か所のうち2か所がすでに片づいている

猫は食後の毛づくろいで前足を使うので、鼻すじの上と口角の外側には前足が回ります。残るのは、あごの下の1か所だけになることが多いです。そのぶん、あごの下には毎日同じものが積み上がります。猫の口周りのケアでは、手順2だけを1日2回。手順3と4は、前足が届いていない日だけ足します。前足が届いたかどうかは、毛づくろいの時間を見ていれば分かるので、食後にその場を離れないでいるだけで判断できます。

なめ終わってから手を出している|口周りのケアで3か所を外す3つと、外さないコツ

3か所を外してしまう原因は、拭き方ではなく、手を出すまでの時間にあります。10秒を過ぎてから手を出すと、その子はすでに舌の届く範囲を片づけています。こちらの手が触れるのは、片づいた場所のほうです。毎日やっているのに残っている、という状態は、ここから生まれます。

外さないコツは、数えるものを「拭いた回数」から「指先に色が移った場所の数」に変えることです。紙に日付と、その日色が移った場所の数だけを書いてください。3か所とも移る日、1か所しか移らない日があります。毎日3か所とも移り続ける子は、食事のあとの時間が短いか、食器の縁が浅くて口周り全体が入っている可能性があります。手順ではなく、食器のほうを1つ深いものに替えると、翌週から数が減ることがあります。

被毛の長い犬では、あごの下と口角の毛がそのまま垂れて、食器の水に浸かります。乾いたときに毛が束になり、次の日はその束の中に入り込む形で残ります。ブラッシングのときに口周りの毛を先に梳かしておくと、翌日の10秒で指2本が通ります。順番としてはブラッシングが先で、そのときに乾いた毛へ1回かけておくと、静電気で毛が浮かないぶん束ができにくくなります。

Caution3か所のうち、同じ1か所だけ毎日色が移り続けるとき

左右のうち片方の口角だけ、毎日色が移る/あごの下だけが、拭いた翌朝にもう湿っている/食べ終えてから10秒たっても、自分でなめに行かない/口周りの毛をかき分けると、地肌が赤く見える、さわると熱い/においが1週間前と変わった。こうした残り方は、手順の順番を変えても数が減りません。口の中の側か、皮膚の側で起きていることは、家からは見えない場所にあります。紙に書いてきた日付と、色が移った場所の数を持って、動物病院で口のまわりと口の中を見てもらってください。どの場所が、いつから毎日になったのかが、その数字でそのまま伝わります。そのうえで、家で続ける10秒は同じ形のまま戻せます。

食べる回数に、そのまま合わせる|口周りのケアの頻度の決め方

口周りのケアの頻度は、日数ではなく食事の回数で決めます。3か所に残るものは食事から来ているので、1日2食の子なら2回、3食の子なら3回。この合わせ方にしておくと、今日は何回目だったかを覚えておく必要がありません。食器の前という場所と、食べ終えた直後という時刻が、そのまま回数を数えてくれます。

1日の中で手を入れるところと、入れないところ
時刻手を入れるか理由
朝ごはんの直後入れる(10秒)3か所が乾く前で、いちばん短く終わる
散歩から帰った直後入れない口周りより先に足のほうに手がいる時間帯
夜ごはんの直後入れる(10秒)翌朝まで時間が空くので、ここが分かれ目になる
寝る前入れない乾いたものを動かすには10秒では足りない
おやつのあと移った日だけ口角の外側に色が移ったときだけ1回

週に1度だけ、回数を数えずに見る日をつくります。その週に色が移った場所の数を足して、先週と比べてください。減っていれば、順番と時刻はその子に合っています。変わらなければ、手順ではなく食器か食べる速さのほうを1つだけ変えて、また1週間。一度に2つ変えると、どちらが動かしたのか分からなくなります。毎日の口周りのケアは、変える条件が1つに絞れているあいだは、記録が必ず読めるものになります。

シニアの子では、顔を下げている時間が長くなり、あごの下に残る量が増えます。回数を増やすより、あごの下の1か所だけを、朝と夜に1回ずつ。お風呂そのものが負担になってきた子ほど、この10秒の積み重ねが1週間の差になります。口周りだけを毎日続けるという選び方は、体全体を洗う日を減らしたぶんの埋め合わせではなく、その子の1日のなかで無理なく手が入る場所を選んだ結果です。

今夜の食事のあとは、しゃがんで指2本にとって、あごの下を1回だけ手前へ滑らせるところまでで終わりにしてかまいません。4つの手順のうち、いちばん残りやすい場所はそこです。紙には日付と、指先に色が移ったかどうかだけを書いておきます。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

食べ終わってすぐに顔を拭こうとすると、嫌がって逃げてしまいます。
手順の1つ目を、しゃがむところではなく、しゃがんで何もしないところに変えてください。食器の横に座って、指を出さずに5秒。それを3日続けます。その子から見ると、食後にこちらがしゃがむのは、これまで手が伸びてくる合図でした。何も起きない5秒が3日続くと、その合図が別の意味に変わります。4日目から、あごの下の1か所だけを1回。3か所を一度に回すのは、そのあとです。逃げるのは口周りが苦手だからではなく、食器の前で起きることが読めていないからで、読めるようにすれば順番は元に戻せます。
水を飲んだあとの口周りも、同じ手順で拭いたほうがいいですか。
水だけのときは、あごの下の1か所で足ります。水は脂と混じらずに垂れるので、残る場所が下へ集まります。鼻すじの上と口角の外側には、水はほとんど回りません。ただし、飲み方が変わって口角から横へこぼれるようになったときは別です。3か所のうち口角の外側にだけ、毎日色が移るようになります。手順を増やすより、その変化が何日続いているかを紙に書いておいてください。飲み方の変化は、こちらが数えていないと気づけません。
1日に何回まで使ってかまいませんか。
回数の上限を決めるより、食事の回数に合わせるほうが続きます。1日2食なら2回、3食なら3回。おやつのあとは、口角の外側に色が移った日だけ足します。1か所あたり1回ずつなので、1日3食の子でも合計9回の動きにしかなりません。数を増やすことより、同じ時刻に同じ順番で回れているかどうかのほうが、翌週の残り方に差が出ます。回数を増やしたくなるのは、たいてい前の日に落としきれなかったときですが、その場合に変えるのは回数ではなく、手を出すまでの10秒のほうです。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。