C12Q&A・豆知識
セラミドとは?細胞のすきまを埋める脂質
成分表の後ろのほうに並ぶカタカナの中で、セラミドという6文字だけが読めた、というところから調べ始める方が多いと思います。セラミドとは、角質細胞のすきまを埋めている脂質とされています。皮膚のいちばん外側にある角質層は、平たくなった細胞が積み重なってできていて、その細胞と細胞のあいだに、水を挟みこむようにして並んでいる脂質があります。それがこの言葉の指しているものです。ここで一つ、言葉の使われ方に気をつけたいところがあります。この成分は「塗って足すもの」として語られることが多いのですが、もともとは体の側が毎日つくっているものです。だから家でできることは、足すことより先に、減らさないことのほうにあります。この記事は、セラミドという言葉が指す物質そのものを見て、毎日のケアの考え方をどこに置くかを書く読みものです。犬と猫の皮膚と被毛を前にしたときに、この6文字がどう役に立つのかまで書きます。
セラミドとは、角質細胞のすきまを埋めている脂質|成分表で見かけて調べ始めた経験
調べ始めると、最初に出てくるのは働きの説明です。うるおいを保つ要である、外からのものを入れにくくしている、といった書き方が並びます。ただ、それは何をしているかの説明であって、何であるかの説明ではありません。この記事では、先に物のほうを見ます。セラミドとは、脂質の一種です。油の仲間だと考えて構いません。ただの油と違うのは、水になじむ部分と、油になじむ部分の両方を1つの分子の中に持っている、という点です。
その性質があると、水と脂を交互に重ねた層をつくることができます。角質細胞のすきまで実際に起きているのは、この積み重なりだとされています。脂の層、水の層、脂の層。並んでいるので、すきまが埋まり、水がそこにとどまります。セラミドとは、その並びをつくっている側の物質だ、という理解がいちばん近いと思います。埋めているというより、水を抱えたまま整列している、と言ったほうが実際に近いかもしれません。
| 問い | 答え | 補足 |
|---|---|---|
| どこにあるのか | 皮膚のいちばん外側、角質層の中 | 細胞そのものではなく、細胞と細胞のあいだ |
| 何なのか | 脂質の一種とされています | 水になじむ部分と油になじむ部分をあわせ持ちます |
| どうやってできるのか | 体の側でつくられるとされています | 外から入れなくても、もともとそこにあります |
| 1種類なのか | いくつもの種類があるとされています | 成分表では番号や記号で書き分けられることがあります |
| 犬や猫にもあるのか | 皮膚のつくりは種によって違いますが、同じ枠の脂質があるとされています | 厚みや層の数は人と同じではありません |
| 塗ると同じ場所に入るのか | そこは製品と成分の設計によります | 配合という表示だけでは決まりません |
表の最後の2行が、この記事で開きたいところです。セラミドとは体の中にある物質の名前であって、製品の名前ではありません。だから「セラミド配合」と書かれた製品と、体の中にあるセラミドは、同じ言葉で呼ばれていても、置かれている場所が同じとは限りません。ここを分けずに読むと、成分表を見るたびに判断がぶれます。
セラミドについては、研究が続いている領域です。種類の数え方も、犬や猫での分布も、資料によって書き方が変わります。ここでは「〜とされています」の形を崩さずに書きます。そして、塗ったセラミドが皮膚の状態をどう変えるか、という部分については、この記事では踏み込みません。家で確かめられないことを書いても、読んだ方が使えないからです。皮膚の状態そのものについては、動物病院で見てもらう領域として置いておきます。
なぜ「塗って足すもの」として語られるのか|セラミドが体の側でつくられている背景
この言葉が広く知られるようになったのは、化粧品の表示を通してでした。成分として書けるものは、入れたものだけです。体がもともとつくっているものは、成分表には載りません。だから、目に入る場所に出てくるセラミドは、いつも「入れたほう」のセラミドになります。語られ方が足す側に寄るのは、その仕組みの結果です。誰かが誇張したというより、表示という仕組みが持っている偏りだと思います。
体の側の話をします。角質層は、下から新しい細胞が押し上げられてできています。細胞が上へ向かう途中で、その細胞が持っていたものからセラミドがつくられていく、とされています。つまり、皮膚が入れ替わっていく過程そのものが、この脂質をつくる工程を含んでいます。毎日のケアで触っているのは、その工程の出口にあたる部分です。工程が回っているかぎり、外から足さなくても、そこには常につくられたものがあります。
ここから、表示の読み方が変わります。「セラミド配合」という4文字だけでは、決まらないことが3つあります。どの種類が入っているのか、どれくらいの量が入っているのか、そして塗ったあとどこにとどまるのか。この3つが分からないまま「入っているから良い」と読むと、成分表を見る意味がなくなります。逆に、この3つを問いとして持っていれば、書かれていることと書かれていないことが分かれます。
| 内容 | 確かめ方 | |
|---|---|---|
| 読める | その成分が入っていること | 成分表に名前が載っています |
| 読める | 成分表の並び順から、おおよその位置 | 多い順に書かれることが多いとされます |
| 読めない | どの種類が入っているのか | 番号や記号がなければ、表示だけでは分かりません |
| 読めない | どれくらいの量が入っているのか | 配合量は書かれないことがほとんどです |
| 読めない | 塗ったあとどこにとどまるのか | 処方全体の設計によります |
| 読めない | その子の皮膚でどうなるか | 個体差があるため、表示からは決まりません |
こう並べると、少し身も蓋もない結論になります。「セラミド配合」という表示は、選ぶときの決め手にはなりにくい、ということです。ただ、これは製品を否定する話ではありません。表示に書けることには限りがある、というだけの話です。だから選ぶ材料は、この4文字の外側に置いたほうがいい。無香料かどうか、どこに使うと書かれているか、使ったあとに何を見るか。そちらのほうが、家で確かめられます。
そして、体の側でつくられているという事実は、もう一つの向きを開きます。つくられている量が同じでも、そこから減っていく量が変われば、残る量は変わります。入れる側だけを見ていると、この向きが見えません。次のセクションは、減る側の話です。ここが、この記事でいちばん実際的なところになります。
温度・濡れている長さ・洗う回数|セラミドを減らさない側から毎日のケアを見る理由
減る側にある条件は、家で動かせるものが多いのが特徴です。足すほうは製品を選び直さないと動きませんが、減らさないほうは今日から動かせます。ここでは3つに絞ります。お湯の温度、濡れている時間の長さ、洗う回数。順番に書きます。
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お湯の温度|脂は、温度が上がるほど動きやすくなる
脂質は、温度が上がると流動しやすくなる性質を持ちます。熱いお湯のほうがさっぱりするのは、その動きやすさのぶん、表面のものが多く流れるからです。ぬるいと感じるくらいの温度で、汚れは十分に動きます。人が気持ちいいと感じる温度は、犬や猫にとってはやや高いことがある、とされています。温度計を1つ置いておくと、その日の気分で上げてしまうことがなくなります。
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濡れている時間の長さ|濡らしてから乾くまでが1回分
洗っている時間だけでなく、濡らしてから地肌が乾くまでの全体が、皮膚にとっての1回です。すすぎに手間取った日、乾かすのが途中で止まった日は、同じ回数でも中身が違います。時間を短くしたいときに削るのは、乾かす工程ではなく、濡れている状態でだらだら過ごす時間のほうです。
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洗う回数|間隔の側から見る
回数そのものより、前回からどれくらい空いたかで、1回に落とすものの量が変わります。間隔が長いほど1回が重くなり、1回が重いほど、そこで動くものが増えます。間に洗わない日のケアを挟むと、この重さが分散します。回数を減らすことが目的ではなく、1回を軽くすることが目的です。
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こする強さ|手のひらか、指先か
指先で1点に力が集まると、そこだけが強くこすられます。手のひら全体を使うと、同じ力でも面に散ります。泡を動かすのに必要な力は、思っているよりずっと小さいものです。力の話は、温度や時間ほど数字になりませんが、毎日のケアでは効いてきます。
この4つは、どれも「セラミドを守る方法」として書かれているわけではありません。脂質という物質が、熱と水と時間でどう動くかを考えると、自然にこの4つになる、というだけです。物のふるまいから考えると、覚えることが減ります。温度が上がれば動きやすい、濡れている時間が長ければそのぶん動く、という2つを押さえておけば、状況が変わっても自分で判断できます。
では、家で何を見ればいいのか。おすすめは、洗った翌日の手ざわりです。背中に手のひらを置いて、そのまま尾のつけ根まですべらせる。指が引っかかるか、すっと抜けるか。3段階でメモしておくだけで足ります。そして、細かい粉のようなものが出る日が、洗った翌日に寄っているかどうか。寄っているなら、その1回の中の条件を1つだけ変えて、次の回と比べます。変えるのは1つだけです。2つ変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。
| 回 | 変えたところ | 翌日に見るもの |
|---|---|---|
| 1回目 | 何も変えない(基準にする) | 背中の手ざわりを3段階でメモ |
| 2回目 | お湯の温度を少し下げる | 同じ場所を、同じ手つきでなぞる |
| 3回目 | 濡れている時間を短くする | 細かい粉が出る日がずれたか |
| 4回目 | 間に洗わない日のケアを挟む | 1回で落ちる量が変わったか |
| 5回目 | こする力を手のひらに散らす | 被毛の流れが、翌日にそろっているか |
| まとめ | 効いた1つだけを残す | 残りは元に戻して構いません |
5回分の記録があれば、その子にとって何がいちばん効いているかが見えてきます。セラミドという言葉を知ったあとに手に入るのは、この比べ方のほうです。成分表の読み方が精密になることではありません。皮膚の中で起きていることは家では見えませんが、翌日の手ざわりは毎回見られます。見られるものだけで組み立てるほうが、毎日続きます。
足すより減らさない、という考え方|洗わない日を1日置いたあとに残るもの
ここまでの話を、1日の中に置き直します。減らさないという方針を実行に移すと、いちばん形になりやすいのが「洗わない日」です。洗わない日というのは、何もしない日のことではありません。水とお湯を使わずに、体の表面に乗ったものだけを外す日のことです。この日があると、次に洗う1回が軽くなります。1回が軽くなれば、その回で動くものも減ります。
やることは1つで足ります。背中の真ん中から尾のつけ根までは、その子の口も前足も届きません。毛づくろいの跡をたどっていくと、どこにも届いていない帯が背中に1本だけ残っているのが分かります。ここは人が代わる場所です。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%です。何かを足して守るのではなく、水だけでできています。この記事の言い方に合わせるなら、足す側の道具ではありません。前のセクションで決めた「洗った翌日に手のひらをすべらせる場所」と、この帯はちょうど同じところです。手ざわりを確かめるついでに、布に含ませて毛の流れに沿って一往復させる。確かめる手と、置く手が1回にまとまります。舐めても問題のない基準でつくられているので、そのまま毛づくろいの届く範囲まで広げても、途中で手を止めなくて済みます。
- 帰宅後の1分:足の裏と腹側だけ。布に含ませて、押し当てる
- 寝る前の1分:背中を毛の流れに沿って一往復。手ざわりを確かめる時間にもなります
- 週に1回:寝床の布を洗って完全に乾かす。被毛の側だけを追いかけない
- 洗う日の前日:もつれている場所を先にほどく。当日のすすぎが短くなります
- 洗った翌日:手ざわりを3段階でメモする。これが比べる材料になります
- 月に1回:メモを見返して、効いた条件を1つだけ残す
この6つを並べてみると、セラミドという言葉がほとんど出てきません。それでいいのだと思います。言葉を知ることの価値は、その言葉を毎日口にすることではなく、毎日の手つきが少し変わることのほうにあります。熱いお湯を使わなくなった、濡れている時間を短くするようになった、洗わない日を意識するようになった。この3つが残れば、成分表の6文字は役目を果たしています。
最後に、成分表の話に戻ります。セラミドとは何かを知ったあと、ラベルの見え方は少し冷静になるはずです。入っているかどうかで選ぶのではなく、その製品をどう使うつもりかで選ぶ。洗わない日に使うのか、洗う日に使うのか。顔まわりに使うのか、体だけなのか。用途が決まっていれば、成分表に何が書いてあっても、判断の軸は動きません。用途が決まっていないときだけ、成分表の一語に判断を預けたくなります。
温度や回数を変えても、地肌が赤い、細かい粉が続けて出る、同じ場所をなめ続ける、被毛が部分的に薄くなった、においが強くなった、触ると嫌がる場所がある。こうした変化があるときは、毎日のケアを組み直す前に動物病院にご相談ください。皮膚の中で起きていることは、家では見えません。いつから、どこに、どんな変化が出たか、洗った日はいつだったかをメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。セラミドという言葉は、状態を判断するためのものではなく、日々の条件を整えるための手がかりとして持っておくのがちょうどよい距離だと思います。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
