C02技術・エビデンス
眼刺激性試験をクリアするとはどういうことか
「眼刺激性試験クリア」という一行を、目のまわり用と書かれた商品の箱の裏で見つけたとします。この一行を見て知りたくなることは、たいてい1つに絞られます。目に入ってしまっても大丈夫という意味なのか、それとも目に差してよいという意味なのか。眼刺激性試験が答えているのは、前者の側だけです。決められた手順で目への刺激の強さを調べ、その結果が基準の範囲に収まっていた。そこまでを指す言葉だからです。この記事では、眼刺激性試験をめぐる6つの問いに分けて、この試験から言えることと、言えないことを並べていきます。
眼刺激性試験とは、そもそも何を測っている試験ですか
眼刺激性試験とは、ある物質が目に入ったときに、どれくらいの刺激が出るかを、決められた手順で調べる試験のことです。測っているのは、物質の良し悪しではありません。「入ってしまった場合にどうなるか」という、一点だけです。
見るところは、目の中でも表に近い3か所です。黒目を覆っている角膜、その奥で瞳の大きさを決めている虹彩、まぶたの裏から白目を覆っている結膜。この3か所に変化が出ているかどうかを、時間を区切って何度も観察します。1時間後、24時間後、48時間後というふうに、見る時刻まで決まっています。
観察したものは、そのまま点数になります。にごりが出ていれば何点、赤みが出ていれば何点と、あらかじめ決めた物差しに当てはめて足していく。手順と時刻と点数の付け方を先に決めてしまうのは、誰が見ても同じ数字になるようにするためです。眼刺激性試験がひとつの試験の名前として通じるのは、この決め事の部分が共通しているからです。
近年は、動物を使わずに調べるやり方も広く使われています。培養した細胞でつくった角膜に近いモデルへ当てて、その変化を見る方法です。資料に「眼刺激性試験」とだけ書かれている場合、どちらのやり方で調べたのかまでは読み取れません。そこまで知りたいときは、試験の名前ではなく、試験報告書の側を見ることになります。
眼刺激性試験をクリアした、というのはどこまでを指す言葉ですか
クリアという言葉が指しているのは、点数の合計が基準の範囲に収まっていた、という判定のことです。試験の名前と、その判定。この2つをくっつけて短くしたものが「眼刺激性試験クリア」の一行になります。
台所の表示で考えると分かりやすくなります。器の裏に「電子レンジ可」と書いてあるとき、それは電子レンジで温める条件で確かめた、という意味です。同じ器をオーブンに入れてよいとは、その一行から読めません。確かめた条件の外側については、表示は何も言っていない。眼刺激性試験のクリアも、同じ構えで読むものです。
| この一行に入っているもの | この一行に入っていないもの |
|---|---|
| 決めた条件で当てたときの、刺激の強さ | 毎日くり返し当てたときにどうなるか |
| 決めた時刻に観察したときの、目の変化 | その子の目がいま炎症を起こしているかどうか |
| 点数の合計が基準の範囲だったという判定 | 目に差す用途として設計されたかどうか |
| 試験の手順が公開された形で残ること | どの検査機関がその試験を担当したか |
右の列の4行目は、書き手の側の問題です。試験名だけを書いて、測った機関の名前を書かない表示が、実際にはよくあります。眼刺激性試験という言葉には重みがあるので、名前だけで通じてしまう。通じてしまうからこそ、機関名が付いているかどうかを見る値打ちがあります。
なぜ眼刺激性試験という名前の試験が、ペット用品に要るのですか
犬や猫のケア用品の多くは、法律のうえでは雑貨に分類されます。医薬品でも、医薬部外品でも、化粧品でもない。つまり、売り出す前に誰かが中身を審査する仕組みがありません。試験を受けずに棚へ並べることもできますし、受けたかどうかを書く義務もありません。
だから眼刺激性試験は、義務として受けるものではなく、出す側が自分で選んで受けにいくものになります。受けた事実がそのまま、その会社が顔まわりをどう見ているかの表明になる。ここが、審査のある分野との大きな違いです。
| 条件 | 何が起きるか |
|---|---|
| 目のまわりの皮膚が薄い | 同じ量でも、背中に当てたときとは反応の出方が変わります |
| その子は自分で洗い流せない | 人なら流水で流せる場面でも、犬や猫は目を閉じてこらえるしかありません |
| 顔に触れる場面のほうが多い | 目やに、涙のあと、口のまわり。手が伸びる回数そのものが多い場所です |
3つ目が見落とされやすいところです。顔は、1日のうちに何度も触られる場所です。回数が多いということは、入ってしまう機会もそのぶん多いということになります。眼刺激性試験が顔まわり用の商品に付いてくるのは、上手に使えば入らないから、ではなく、回数を重ねればいつか入る前提で考えているからです。
眼刺激性試験を通っていれば、犬や猫の目に使っても大丈夫ですか
大丈夫という言葉を、2つに割って考えてください。1つは「万が一入ってしまったときに、強い刺激が出ないか」。もう1つは「目に差す用途として設計されているか」。眼刺激性試験が答えているのは、前のほうだけです。
- 入ってしまったときの話:決めた条件で当てたときの刺激の強さが、基準の範囲に収まっていたということです
- 用途としての話:目に差すものは、刺激だけでなく、入れる量、pH、濃さ、無菌かどうかまで別の条件で設計されています
- 犬と猫の話:試験の手順の多くは人の目を想定して組まれています。犬や猫の目でそのまま同じ結果になるとまでは書かれていません
3つ目について補足します。犬の目は人より少し大きく、まばたきの速さも涙の出方も違います。猫はさらに違う。眼刺激性試験の一行から、犬は大丈夫、猫も大丈夫、と広げていくことはできません。広げた分だけ、試験が引き受けていない範囲に入っていきます。
では家ではどうするか。線の引き方は単純です。目そのものには当てず、まぶたのふちより外側の毛にだけ当てる。直接吹きかけず、コットンやガーゼへ含ませてから、涙の伝ったあとを外側へ向かってなでる。この順番にしておけば、眼刺激性試験の結果を家の中で試すような場面が、そもそも起きません。
眼刺激性試験を通っているという一行は、入ったときに備えてあるという意味であって、入れてよいという意味を持ちません。目が赤い、まぶたが腫れている、白目ににごりがあるといった変化が出ているときは、何を当てるかを決める前に、その変化のほうを診てもらってください。試験の一行は、そこまでの判断をしてくれません。
眼刺激性試験と、飲みものの基準に照らした水質検査は、どこが別の試験なのですか
入っていく道が違うからです。口から入るものを調べる検査は、飲み込んだあとに体の中で何が起きるかを見ています。目から入るものを調べる試験は、粘膜に触れた瞬間に何が起きるかを見ています。同じ液体でも、通る道が違えば、確かめる場所も別になります。
| 見るところ | 飲みものの基準に照らした水質検査 | 眼刺激性試験 |
|---|---|---|
| 入る道 | 口から飲み込む経路 | 目の粘膜に触れる経路 |
| 確かめるもの | 水の中に何がどれだけ入っているか | 触れたあとに刺激が出るかどうか |
| 結果の形 | 基準に適合しているかどうか | 点数の合計が範囲に収まったかどうか |
| 言えること | 舐めてしまう場所に置けるということ | 入ってしまったときの刺激の強さまで |
ここで、うちの商品について正直に書いておきます。mofuwa スキンケアミストは、中身が高機能性電解酸化水100%の処方です。この水について公開されているのは、飲みものの成分と同じ基準に照らした水質の検査と、菌やウイルスを相手にしたときの試験の結果です。この記事は試験名の読み方を書いたもので、特定の商品が眼刺激性試験を通ったという案内ではありません。言える範囲の外に出ないように、ここは分けて書きます。
そのうえで、水質のほうの検査から言えることはあります。中身が水だけで、舐めてしまう場所にも置けるということです。だから涙のあとが残りやすい頬の毛や、口のまわり、耳のふちのように、その子の舌が届く場所でも手が止まりません。止まらないぶん、同じ場所へ毎日続けて当てられます。続いた日数のぶんだけ、毛の固まり方や手ざわりに差が出ます。スキンケアミストで書けるのは、この範囲までです。
眼刺激性試験について知りたいとき、表示のどこを読めばいいですか
読む場所は3つで、読む順番も決まっています。大きい文字の言い切りではなく、小さい文字のほうから読みます。
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試験の名前が書いてあるかを見る
「安全性試験済み」のような言い方だけで、試験の名前が出ていないことがあります。眼刺激性試験なのか、別の試験なのかで、確かめた道が変わります。名前のない一行は、比べる材料になりません。
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誰が測ったのかを見る
検査機関の名前が付いているか、社内で測ったものかを分けます。社内で測ることが悪いわけではありませんが、読むときの重さが変わります。名前が書いていなければ、書いていないと読みます。
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何を測ったのかを見る
原料の水を測った結果と、商品そのものを測った結果は別のものです。主語が水で書かれている試験は、水の話までしか言えません。商品名に言い換えられていないかを、指でたどって確かめます。
3つのどこかが書かれていなかったときに、「書いていないから、たぶん大丈夫だろう」と埋めないでください。書いていないことは、分からないことです。眼刺激性試験について知りたい人がいちばん確実に持ち帰れるのは、その一行に何が書かれていて、何が書かれていなかったか、という事実のほうです。
6つの答えを1枚に並べる|眼刺激性試験という疑問が、どこで止まるか
ここまでの6つを、短い答えの形にして並べ直します。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 何を測っている試験か | 目に入ったときの刺激の強さを、決めた手順と時刻で調べています |
| クリアとは何を指すか | 点数の合計が基準の範囲に収まった、という判定までを指します |
| なぜペット用品に要るのか | 雑貨には発売前の審査がなく、出す側が自分で選んで受けるからです |
| 犬や猫の目に使ってよいか | 入ったときの話であって、入れてよいという話にはなりません |
| 水質の検査とどこが別か | 口から入る道と、目から入る道で、確かめる場所が別になります |
| 表示のどこを読むか | 試験の名前と、測った機関と、水か商品かの3つを順に見ます |
6つを通して見ると、眼刺激性試験という言葉が止まる場所がはっきりします。止まるのは「入ってしまったとき」の手前です。その先にある「入れてよいかどうか」までは、この試験名は歩いていきません。
顔まわりに何かを当てる日は、これから何百回も来ます。そのたびに試験報告書を読み直す人はいません。だから、覚えて帰るのは1つで足ります。眼刺激性試験は、備えの試験であって、許可の一行ではない。この1行だけ持っておけば、次に棚で同じ表示を見たときに、手の止め方が変わります。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
