C12Q&A・豆知識

目のまわりに使えるものの見分け方は?

公開日 2022年3月18日|文=mofuwa編集部

明るく片づいた部屋で、澄んだ目を開けて落ち着いている淡い色の犬
目のまわりに使えるかどうかは、手ざわりではなく、表示に書かれている試験の名前で分かれます。写真:Zachtleven/Pixabay

目のまわりの毛についた茶色い跡を拭こうとして、手に持っていたボトルの裏をひっくり返しました。そこに書いてあったのは「やさしい処方」「低刺激」という2行で、目のまわりに使ってよいかどうかは、どこにも書かれていませんでした。目のまわりに使えるかどうかは、「眼刺激性試験」を通っていると表示されているかどうかで見ます。「やさしい」「低刺激」「無添加」は、目のまわりに使ってよいという意味ではありません。その言葉が表示になければ、目のまわりには使わない。線はそこで引きます。この記事では、犬と猫の顔まわりで使うものをどう見分けるのか、毎日のケアでどこまでを自分の範囲にするのかを、8つの問答に分けて書きます。

目のまわりに使えるかどうかは、何を見れば分かりますか

答えは1つです。容器か箱に「眼刺激性試験済み」「眼刺激性試験をクリア」と書かれているかどうかを見ます。書かれていれば、目のまわりを想定して確かめた製品です。書かれていなければ、目のまわりを想定していないか、想定していても表示していないかのどちらかで、外から区別がつきません。犬でも猫でも、この見方は同じです。

「そんなに厳しく見なくても」と思われるかもしれません。ただ、目は、体のほかのどことも条件が違う場所です。皮膚には角質という層があって、外から来たものをある程度そこで受け止めます。目の表面にはその層がありません。皮膚に使って何ともなかったものが、目のまわりでも同じとは限らない。だから、ほかの場所とは別に確かめた記録があるかどうかを見ます。

表示に出てくる言葉と、それが何を示しているか
表示の言葉何を確かめた言葉か目のまわりの判断に使えるか
眼刺激性試験済み目に対する刺激の有無を調べた記録使えます
低刺激作り手が設計上そう呼んでいる状態使えません
やさしい基準のない、印象を伝える言葉使えません
無添加何かを入れていない、という事実使えません
舐めても差し支えない口に入る前提で見た条件口の話で、目の話ではありません
用途に「目のまわり」と明記作り手が使い方として想定した範囲使えます

この表の下から2行目が、混同されやすいところです。口に入っても差し支えない、という条件と、目に入っても差し支えない、という条件は別物です。口の中は粘膜ですが、唾液があり、飲み込む道があります。目にはどちらもありません。犬や猫の顔まわりのケアでは、この2つの条件を1つにまとめないでください。

眼刺激性試験とは、どういうことを調べた試験のことですか

その製品が目に触れたときに、刺激が起きるかどうかを調べた試験のことです。化粧品や日用品の分野で使われている言い方で、決められた条件のもとで確かめ、基準を満たしたものが「眼刺激性試験済み」と表示できます。「絶対に刺激が起きない」という意味ではありません。試験の条件のもとで確かめた、という記録です。

ここは正確に書いておきます。試験をクリアしていることと、その子に何も起きないことは、同じではありません。体質は1匹ずつ違いますし、目の状態もその日によって違います。試験の表示が意味しているのは、「目のまわりで使うことを想定して、確かめてある」という一点だけです。それでも、想定していない製品との差は、この一点でしっかり分かれます。

3つ目と4つ目が大事なところです。「目のまわりに使える」と「目に入れてよい」は、まったく別の話です。眼刺激性試験の表示があっても、目そのものに入れる使い方は想定されていません。犬や猫の顔まわりのケアでは、まぶたの外側の毛と皮膚までが範囲で、そこから内側は範囲の外です。

「やさしい」「低刺激」では、なぜ判断できないのですか

理由は単純で、この2つの言葉には主語がないからです。誰にとってやさしいのか、体のどこにとって低刺激なのかが書かれていません。人の手にとってやさしい、という意味かもしれませんし、洗い上がりの感触の話かもしれません。言葉が指している対象が決まっていないものは、目のまわりという特定の場所の判断には使えません。

誤解のないように書いておきますが、これはその製品がよくない、という話ではありません。「低刺激」と書かれた製品の多くは、実際に体のケアのために作られた、きちんとしたものです。ただ、その言葉は目のまわりについて何かを言っているわけではない、というだけです。使う場所の話と、製品の善し悪しの話を混ぜないでください。

同じことが「無添加」にも当てはまります。何かを入れていない、という事実は、目のまわりで使ってよいかどうかとは別の軸です。入れていないものが10あっても、入っている残りが目のまわりを想定していなければ、想定していないままです。犬や猫のケア用品を選ぶときは、入っていないものの数ではなく、どこに使う前提で作られたかを見ます。

書いてはいけない言い方も並べておきます。やさしい処方なので目のまわりにも安心です 低刺激だから犬の目のまわりにも使えます。この2つは、確かめた記録の話と、印象の話をつないでしまっています。つないでいいのは、試験の表示か、用途としての明記があるときだけです。

表示に何も書かれていないときは、どうすればいいのか知りたいです

目のまわりには使わない、で終わりにします。調べる、問い合わせる、少しだけ試す、のどれも選ばなくていいのがこの答えの利点です。表示がないものを目のまわりから外しても、犬や猫のケアで困ることはほとんどありません。顔のそれ以外の場所と、体には、そのまま使えるからです。

「使わない」と決めたあとに残るのは、では目のまわりをどうするか、という問いです。ここも答えははっきりしています。ぬるま湯で湿らせた清潔なガーゼやコットンで、外側から拭く。これで足ります。毎日のケアとしては、製品を1つ増やすより、この形のほうが確実です。乾いたもので強くこすらない、というのだけ守ってください。

  1. 目のまわりに使う前に、表示を3か所見る

    容器の裏、箱、作り手のサイトの製品ページ。3か所のどこにも「眼刺激性試験」と「目のまわり」の文字がなければ、そこで決まりです。探す時間は1分もかかりません。

  2. 見つからなければ、その製品は体と顔まわり用に回す

    捨てる必要も、使うのをやめる必要もありません。使う場所から目のまわりを外すだけです。犬でも猫でも、体のケアにはそのまま使えます。

  3. 目のまわりは、湿らせたガーゼで外側から

    目頭から外へ向かって、一方向に。往復させると、取ったものを戻すことになります。1回拭くごとに、ガーゼの面を変えてください。左右で同じ面を使わないのも同じ理由です。

  4. こびりついて動かないものは、その日は置く

    力を入れれば取れそうに見えても、皮膚ごと引っぱることになります。湿らせて数十秒あててから、動くぶんだけ。動かないぶんは翌日に回します。毎日少しずつのほうが、結局は早く終わります。

Note「少しだけ試す」を、目のまわりでやらない

体のケア用品を新しく使うとき、目立たない場所で少量から試す、という進め方があります。目のまわりは、その進め方が使えない場所です。少量で確かめようとしても、まばたきや前足でこする動きで、想定した範囲にとどまりません。犬も猫も、顔に触れられたあとに自分で顔を洗う動きをします。試すという段階を置けないからこそ、使う前の表示だけで決めます。

目のまわりと、顔のそれ以外の場所は、どこで線を引くのですか

線は「まばたきや毛づくろいで、目に届きうる範囲かどうか」で引きます。距離で決めるのではありません。まぶたの外側、目頭、目尻、そしてそこから頬へ落ちる毛の筋。ここまでが目のまわりです。そこから外れた鼻筋、口のまわり、あごの下、耳のつけ根は、別の条件で見ます。

目のまわり・目のまわり以外の顔・体 顔まわりというひとつづきに見える場所は、使えるものの条件で3つに分かれます。分ける基準は目からの距離ではなく、表示に何が書かれているかです。 同じ1本の製品でも、使える範囲がここで変わります 目のまわり まぶたと目頭の側 眼刺激性試験の表示 無ければ使わない 顔のそれ以外 口のまわり・あご 口に入る前提で見る 布に取ってから 体 背中・腹・足 用途表示のとおりに 毎日のケアの範囲 表示で引く線 口に入る線 迷ったときは、内側の部屋の条件を外側にも当てはめます
線は毛の生え方ではなく、製品の表示で引きます。

3つの部屋は、内側ほど条件が厳しくなります。いちばん内側の目のまわりは、眼刺激性試験の表示があるものだけ。その外側の口のまわりは、舐めても差し支えない条件が要ります。いちばん外側の体は、用途表示のとおりに使えます。犬と猫で、この並びは変わりません。

使い方も、内側ほど間接的になります。目のまわりには、直接スプレーしません。霧は思ったより広がりますし、音でその子が動きます。布やコットンに取ってから、当てる。この一手間で、範囲を自分で決められるようになります。顔まわりのケア全般に言えることですが、目のまわりでは必須と考えてください。

顔まわりの3つの範囲と、使う前に見る条件
範囲見る条件使い方
まぶた・目頭・目尻眼刺激性試験の表示湿らせたガーゼで外へ一方向
目の下から頬へ落ちる毛同上。ここまでが目のまわりコットンに取って当てる
鼻筋・鼻のわき用途表示に顔まわりとあるか布に取って、毛の流れに沿って
口のまわり・あごの下口に入る前提で見た条件布に取ってから。直接かけない
耳の外側用途表示のとおり外側だけ。奥へは入れない
首から下用途表示のとおりそのまま使えます

目やにや涙の跡が気になるとき、家でできることはどこまでですか

家でできるのは、出てきたものを、乾く前に外へ運び出すところまでです。出る量そのものには手が届きません。目のまわりに跡が残るのは、出たものが毛に留まって、そこで色が変わっていくからです。だから毎日のケアでやることは、留まる時間を短くする、というだけになります。

跡の色が変わる速さは、その子の毛の色でも変わって見えます。白や淡い色の被毛では、同じ量でもはっきり見えます。濃い色の被毛では、目で見るより先に、指でさわったときのごわつきで気づくことのほうが多くなります。犬でも猫でも、見えているかどうかと、出ている量は別だと考えてください。

拭く回数が日に日に増えているときは、家のケアの範囲を超えています。目のまわりの変化は、目そのものの状態から来ていることも、まぶたの形や毛の向きから来ていることもあります。どれなのかは、外から見て決められません。拭く回数と、いつからかをメモして、動物病院にご相談ください。拭き方を変えるより、そのほうが早く片づきます。

Cautionこの様子があるときは、拭き方を変える前に受診してください

目を開けにくそうにしている、まばたきが増えた、白目が赤い、目やにの色や量が急に変わった、目のまわりを前足でこすり続ける、片方だけ様子が違う、目の下の皮膚がじゅくじゅくしている。こうしたときは、目のまわりのケアの内容を見直す前に、動物病院にご相談ください。犬も猫も、目の不調は進み方が早いことがあります。拭く回数の記録と、いつからかを伝えられると、その場で切り分けてもらえます。

顔まわりの毎日のケアに使うものは、どう選べば大丈夫ですか

選び方は、これまでの線の引き方をそのまま道具にあてはめるだけです。目のまわりに使うものと、顔のそれ以外に使うものを、最初から分けておく。1本で全部をまかなおうとすると、いちばん条件の厳しい目のまわりに引きずられて、使えるものがなくなります。分けたほうが、毎日のケアはむしろ楽になります。

自社の製品についても、同じ線で書きます。口のまわりとあごの下は、その子が自分の舌で回れる場所です。人が手を離した数秒後には、拭いた面をもうなめています。だから顔まわりのうち、ここだけは表示のどこよりも先に、口に入る前提かどうかが条件になります。mofuwa スキンケアミストは、電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。3つの部屋でいえば、真ん中の部屋にそのまま入る条件です。ただし、目のまわり専用という表示はありません。だから顔まわりで使うときも、まぶたと目頭と目尻は外して、鼻筋より下から始めます。設計の説明と、使う場所の条件は、別の話です。いちばん内側の部屋に入れる条件は、自社の製品にも同じように問います。

顔まわりで、道具を場所ごとに分ける
場所使うもの決め方の根拠
まぶた・目頭・目尻ぬるま湯で湿らせたガーゼ表示のない製品を目のまわりに使わないため
目の下から頬の毛同上。コットンでも可同上
鼻筋・鼻のわき布に取ったケアスプレー用途表示の範囲内。直接かけない
口のまわり・あご布に取ったケアスプレー口に入る前提で条件を見ます
耳の外側布に取ったケアスプレー外側だけ。奥へは入れません
首から下・足そのまま使えるもの用途表示の範囲内。毎日のケアに使えます

洗える日には、まとめて落とせます。アミノ酸系の洗浄成分を使ったシャンプーで洗う日は、顔だけ最後に回して、目のまわりには泡を乗せないという順番にしてください。犬でも猫でも、顔から始めると、そのあとの工程で必ず目のまわりに何かが流れます。順番を変えるだけで、道具を増やさずに済みます。

毎日のケアとして続けるコツは、範囲を欲張らないことです。目のまわりは湿らせたガーゼ、それ以外は布に取ったもの。この2つだけ決まっていれば、その日の状態がどうであれ迷いません。犬と猫の顔まわりは、皮膚も被毛も薄く、こする回数が増えるほど負担がたまります。道具を減らして、手の回数も減らすほうが向いています。

表示・線引き・相談の3つに畳む|目のまわりのケアに最後まで残る疑問

ここまでを3つに畳みます。1つ目、目のまわりに使えるかどうかは、眼刺激性試験の表示で見る。2つ目、表示がなければ目のまわりから外して、顔のそれ以外と体に回す。3つ目、拭く回数が増え続けるなら、動物病院にご相談する。犬でも猫でも、この3つで判断はつきます。

3つの判断を、いつ使うか
いつ見るところ決まること
買う前製品ページの用途と試験の表示目のまわりに使えるかどうか
買ったあと容器の裏と箱使う場所を3つに分ける
毎日のケアのとき拭いた回数その日の範囲でよかったか
1週間ごと回数が増えているか自分の範囲か、相談の範囲か
様子が変わったとき目そのものと、目の下の皮膚受診するかどうか
受診のとき回数の記録と、いつからかその場で切り分けてもらえます

最後に残る疑問は、たいてい「今まで使っていたものは、まずかったのか」というところです。まずかった、という話ではありません。表示がないものを目のまわりに使っていたなら、これから外せばそれで済みます。確かめた記録があるものだけを、いちばん条件の厳しい場所に使う。それが、この記事でいちばん残したい線の引き方です。

もう1つ、覚えておくと迷わなくなることがあります。目のまわりのケアで判断に困ったときは、いつでも「湿らせたガーゼで外側から」に戻れます。道具を選ばず、表示も要らず、犬にも猫にも使えます。新しいものを探しているあいだも、この形は続けられる。選べないことが、そのままケアが止まる理由にはなりません。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。