C05犬種・猫種別ケア

アメリカンブリーと暮らすなら知っておきたい、顔のシワの汚れの話

公開日 2022年5月10日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、明るい色の敷物の上に落ち着いて伏せている、頭の広い短毛の犬
シワの汚れは、深さではなく端から端までの距離のほうで難しくなります。写真:Amina Filkins/Pexels

鼻すじの左端から拭き始めて、右端に着いたときには、布のその面はもう乾いた土色に変わっていました。指を入れても爪一枚ぶんも沈まない、浅いシワです。それなのに、1本の端から端までは指3本ぶんの距離がありました。アメリカンブリーの顔で手こずるのは、シワの奥行きではありません。1本が長いせいで、最初の区間で布に取った汚れを、そのまま残りの区間へ運んでしまうところです。この記事では、浅くて長いシワと、深くて短いシワを並べて、汚れのたまり方と手の入れ方がどう変わるかを書きます。

1本が長い|アメリカンブリーのシワの汚れは、深さではなく距離で決まる

シワのある犬種と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、指の第一関節が隠れるような深いひだです。アメリカンブリーの顔を実際に触ると、その予想は外れます。指を当てても、ほとんど沈みません。鼻の上も、目の下も、口の両わきも、段差としては浅い。それなのに、拭いたあとの布には汚れがしっかりついています。

理由は、シワの走っている距離のほうにあります。この犬種は頭が大きく、口の幅が広い作りを持っています。頬から口角にかけて、顔の面が横に張り出しています。面が広いぶん、そこにできる折り目も横へ長く伸びます。深さで受け止めきれないものが、長さのほうに出ている、という言い方が近いかもしれません。

これはアメリカンブリーのシワの汚れを考えるときの出発点です。深いシワなら、汚れは1か所にたまります。指を入れて、そこだけ拭けば終わります。浅くて長いシワでは、汚れが1か所にたまらず、線に沿って薄く広がります。だから「たまっている場所を探す」というやり方が、そもそも合いません。探しても、山になっている場所は見つかりません。

そしてもう一つ。長いということは、1回の手の動きでは端まで届かない、ということでもあります。布を人差し指に巻いて左端から入れると、指が動かせるのはせいぜい2〜3センチです。そこから先へ進むには、同じ布の同じ面のまま、汚れを連れて進むことになります。アメリカンブリーのシワの汚れが、拭いたのに残って見えるのは、たいていここです。

Note深さを探すと、アメリカンブリーのシワの汚れは見つかりません

深いシワを持つ犬種の記事を読んで、同じやり方をそのまま持ち込むと、最初につまずくのがここです。アメリカンブリーで数えるのは、シワの深さではなく、1本の長さです。長さを数え始めると、次に決めることが自動的に決まります。1本を何回に分けるか、布の面をいくつ使うか。深さの話をしているあいだは、この2つが出てきません。

浅くて長いシワと、深くて短いシワ|アメリカンブリーで汚れのたまり方に出る違い

2種類のシワを、同じ項目で並べます。比べるのは見た目の目立ちやすさではなく、汚れがどこに置かれるかと、拭き終わるまでに何が起きるかです。アメリカンブリーの顔には前者が多く、あご下や口角の一部に後者が混じります。同じ顔の中に両方あるので、1本ずつ見分ける必要があります。

深くて短いシワでは、汚れが底に落ちて、そこに留まります。開けば底が見えます。汚れは点として存在していて、綿棒でも布の角でも、その1点に触れれば取れます。拭く距離が短いので、布は最後まできれいなままです。難しさは「開けるかどうか」に集中していて、拭くこと自体はむずかしくありません。

浅くて長いシワでは、汚れが底に落ちません。落ちるほどの深さがないからです。かわりに、折り目の線に沿って薄く、長く広がります。1点ではなく、1本の帯として存在しています。そして帯の全長を1枚の布で追いかけると、先へ進むほど布のほうが汚れていきます。アメリカンブリーのシワの汚れは、この帯としての性質を持っています。

シワの作りが変わると、汚れのたまり方と拭き終わり方が変わります
浅くて長いシワ深くて短いシワ
汚れの置かれ方線に沿って帯のように広がる底の1点にたまる
1本の長さ指3本ぶん以上のことがある指1本ぶんで収まる
指を入れたときほとんど沈まない第一関節あたりまで沈む
見つけ方長さをたどる開いて底を見る
布の汚れ方進むほど布が先に汚れる最後まで布がもつ
拭き残る場所拭き始めから遠い端開ききれなかった奥
1本にかける回数区間に切って3〜4回1回で足りる
浅くて長いシワと、深くて短いシワ アメリカンブリーは口幅が広く頭が大きいので、顔のシワは深さではなく長さで作られます。浅いかわりに1本が長く、汚れは底ではなく線に沿って帯のように広がります。 同じ顔の中に、2種類のシワが混ざっています 浅くて長いシワ 鼻すじ・目の下・頬から口角 汚れは帯として広がる 布は途中で汚れきる 区間に切って進む 深くて短いシワ あご下・口角の一部 汚れは底の1点にたまる 布は最後までもつ 開いて1回で拭く 1本の長さを先に測ると、布の面をいくつ使うかが決まります
アメリカンブリーのシワの汚れは、深さではなく距離の問題として扱います。

この違いは、道具の選び方にも出ます。深くて短いシワには、先の細いものが向きます。底に届かせることが目的だからです。浅くて長いシワに先の細いものを使うと、帯の一部しかなぞれません。点で触る道具は、線を追いかける仕事に向いていません。アメリカンブリーの顔では、面で当たるやわらかい布のほうが合う場面が多くなります。

もう一つ、この犬種の被毛の性質も関係します。毛は短く硬めで、体に密着しています。換毛期には、その短い毛が抜けて顔の面を転がり、浅いシワの線に入り込みます。皮脂と混ざった短い毛が、帯の中身になります。体のブラッシングを1日おきに入れて抜け毛を先に減らしておくと、顔のシワの汚れの量そのものが変わってきます。

どこからどこまでが1本か|アメリカンブリーのシワの汚れの見分け方

帯として扱うと決めたら、次は帯の長さを知る必要があります。ここでやるのは、汚れを取ることではなく、1本がどこから始まってどこで終わるかを決めることです。明るい窓辺で、その子を座らせたまま、片手で顔を支えて、もう片方の手の指1本だけで確かめます。所要は片側1分ほどです。

  1. 指の腹を顔の面に当てて、横へまっすぐ滑らせる

    鼻すじの中央から左へ、次に右へ。指が段差に乗り上げたところが、シワの1本目です。アメリカンブリーは面が横に広いので、中央から始めて左右へ分けたほうが端を見つけやすくなります。押し込まないでください。表面をなでる程度で足ります。

  2. 段差に乗ったら、その段差から離れずに端まで進む

    段差の上を指で追いかけます。段差が消えたところが、その1本の端です。途中で段差が浅くなっても、完全に消えるまでは同じ1本です。ここで別の本と数えてしまうと、区間の切り方がずれます。

  3. 始まりと終わりのあいだを、指の幅で数える

    指が何本ぶん入るかを数えるだけです。指3本ぶんを超えたら、その1本は区間に切る対象です。指1本ぶんで収まったなら、深くて短いシワと同じ扱いで構いません。数えた結果は、その子の顔ではしばらく変わりません。

  4. 同じことを、目の下と口角と、あご下でくり返す

    顔の中でも場所によって作りが変わります。目の下は短く、口角から頬にかけてはいちばん長くなる子が多くなります。1日で全部を測らなくて構いません。今日は鼻すじだけ、明日は口角だけで足ります。嫌がったら、その日はそこで終わりです。

測った長さで、その1本の扱いが決まります
1本の長さ汚れのたまり方その1本の扱い
指1本ぶん底の1点にたまりやすい開いて1回で拭く
指2本ぶん帯のはじまり。中央がやや濃い2区間に切る
指3本ぶん以上全長に薄く広がる3〜4区間に切り、布の面を替える
途中で段差が浅くなる浅い部分に汚れが残りやすい浅い側から先に拭く
Point見た目で長さは分かりません

アメリカンブリーの被毛は短く、色が濃い子も多いので、シワの汚れは外から見てもほとんど分かりません。白っぽい子でも、浅い段差の線は影になりません。目で探すのをやめて、指の腹で段差をたどってください。長さは指の本数で測れます。一度測ってしまえば、次からは数えなくても手が覚えています。

1本を何回に分けるか|アメリカンブリーのシワで布の面の使い分けを決める

ここからが毎日のケアです。やることは一つだけ、1本を区間に切って、区間ごとに布の面を替えるということです。布を何枚も使うという話ではありません。1枚のやわらかい布を四つ折りにすれば、面は8つできます。アメリカンブリーの顔1つぶんには、それで足ります。

  1. 布を四つ折りにして、面の順番を決めておく

    折った布を手に取ったとき、どの面から使うかを決めます。時計回りに使う、と決めてしまえば、途中で迷いません。湿らせるのは、これから使う面だけ。全体を濡らすと、汚れた面と使う面の区別がつかなくなります。

  2. 1本のいちばん端から、指2本ぶんだけ拭く

    端から中央へ向かって、一方向に。往復させないでください。往復すると、いま取った汚れを元の場所へ戻すことになります。指2本ぶん進んだら、そこで一度止めます。まだ半分残っていても止めます。

  3. 布の面を次へ回してから、続きの区間に入る

    止めた場所から、また端に向かって一方向に。面を替えたぶんだけ、汚れを運ばずに済みます。アメリカンブリーの長いシワで最後の区間だけ残るのは、面を替えていないからです。1本につき3〜4面を使い切るつもりで構いません。

  4. 深くて短いシワは、最後にまとめて扱う

    あご下や口角のくぼみのように、指1本ぶんで収まる場所は最後です。ここは開いて、底に一度触れれば終わります。長いシワと同じ布の面を使わないでください。底の汚れは濃いので、そこから面を回すと残りの区間に持ち込むことになります。

布の使い分けは、シワの長さで決まります
場所1本の目安使う面の数
鼻すじの上指2〜3本ぶん2〜3面。中央から左右へ分ける
目の下指1〜2本ぶん1〜2面。目から遠ざかる向きだけ
口角から頬指3本ぶん以上3〜4面。いちばん長い1本
あご下のくぼみ指1本ぶん1面。最後にまとめて

頻度についても書いておきます。毎日のケアとして全部を回す必要はありません。アメリカンブリーの顔で、毎日触ったほうがいいのは口角から頬にかけての1本だけです。いちばん長く、食器に触れる場所に近く、汚れの帯がいちばん早く育つからです。鼻すじと目の下は2〜3日に一度、あご下は週に一度で足りる子が多くなります。全部を毎日にすると続きません。

顔のシワは、その子が自分ではどうにもできない場所です。前足で顔をこすることはできても、折り目の線の中までは届きません。そのうえ、アメリカンブリーの口角から頬にかけての1本は、舌が届く場所でもあります。顔を拭いたあとに口のまわりをなめる子は多く、置いたものはそのまま口に入ります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。口に入っても中身が変わらないので、いちばん長いこの1本にも、目の下と同じものを使えます。顔に直接吹きかけず、四つ折りにした布の、これから使う面にだけ含ませてください。含ませた面で、決めた区間を一方向になでる。短い被毛の滑りがそろうので、布が段差に引っかかりません。目のふちには近づけないでください。

Caution拭いたあとを、濡れたままにしないでください

浅いシワは、深いシワよりも乾きやすい作りです。ただし体格があるぶん顔の面が広く、拭いた面積そのものは大きくなります。湿らせた布で拭いたら、必ず乾いた面で同じ道筋をもう一度なぞってください。濡れた状態が続くと、汚れとは別の問題が重なります。地肌が赤い、においがある、触ると嫌がるというときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。

区間で分けても同じ端に汚れが戻るときは、拭く向きの選び方の話ではありません

ここまでは、シワの長さで説明のつく汚れの話でした。区間に切って、布の面を替えて、一方向に拭いていても、同じ端だけが短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、拭き方の選び方の話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所を家具にこすりつけ続けている、被毛が抜けて地肌が見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。アメリカンブリーのシワは浅いので、外からは何も起きていないように見えます。見えにくいぶん、迷ったら早いほうを選んでください。

相談の前には、どの1本か、その中のどの区間か、いつからかの3つをメモしてください。この3つがあると、シワの長さで説明のつく汚れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭くと、もとの状態が分からなくなります。手を加えず、そのまま連れて行ってください。

アメリカンブリーと暮らすうえで、頭の大きさと口幅の広さは変わりません。顔の面が横に張り出しているのは、この犬種が持っている体格の一部です。変えられるのは、その長い1本を一度に拭こうとするかどうかのほうです。長さを測って、区間に切って、面を替えて、一方向に。アメリカンブリーのシワの汚れで動かせるのは、そこです。

Product

mofuwa スキンケアミスト

mofuwa スキンケアミスト

200ml / 3,300円(税込)

アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。

商品ページを見る

よくある質問

アメリカンブリーのシワは浅いので、拭かなくてもいいですか?
浅いことと、汚れがつかないことは別です。浅いシワでも、折り目の線に沿って皮脂と抜けた被毛が帯のようにたまります。深いシワのように山にならないので目立たないだけです。いちばん長い口角から頬の1本だけを毎日、ほかは2〜3日に一度なぞる、という頻度から始めてみてください。
綿棒と布では、どちらが向いていますか?
1本の長さで変わります。指1本ぶんで収まる短いくぼみは、綿棒のように点で触れる道具が向きます。指3本ぶんを超える長いシワは、線をたどる仕事なので、面で当たるやわらかい布のほうが合います。同じ顔の中で両方を使い分ける、という前提で道具を用意してください。
換毛期になると、顔のシワの汚れが増えるのはなぜですか?
この犬種の被毛は短く硬めなので、抜けた毛が顔の面を転がって、浅いシワの線に入り込みます。皮脂と混ざると、そのまま帯の中身になります。顔だけを拭く回数を増やすより、体のブラッシングを1日おきに入れて抜け毛を先に減らすほうが、結果として顔にたまる量が減ります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。