C02技術・エビデンス
保湿成分ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドの違い
冬に猫の背中の毛をかき分けたら粉が見えて、猫向けの保湿ミストを探しはじめた年に、2本のボトルの裏で足が止まりました。一方には「セラミド配合」と大きく書いてあり、もう一方の成分表にはジラウロイルグルタミン酸Naという14文字が並んでいます。どちらが保湿なのかを決めようとすると、そこで止まります。この2つは、同じ列に並べて強さを比べられる相手ではありません。セラミドはその子の体が毎日つくり直している脂質で、ジラウロイルグルタミン酸Naは、外でアミノ酸と脂肪酸をつないでつくった形です。出どころが違うので、家で変化が見える時間も違ってきます。この記事は、その差をどこに置いて読むかという話です。
棚の前で2つの名前を見比べた経験|ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドは同じ列に並びません
売り場でも通販の画面でも、この2つの名前は同じ「保湿成分」という見出しの下に並びます。だから読む側は、どちらが強いのかという問いを立てます。ところが強さを比べようとした瞬間に、答えの出ない問いになります。ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドは、比べるための列が違うからです。片方は製品に入れる材料の名前で、もう片方は、その子の皮膚の中にもともとある物質の名前です。
セラミドとは、角質細胞のすきまを埋めている脂質とされています。皮膚のいちばん外側にある角質層は、平たい細胞が積み重なった構造をしていて、その細胞と細胞のあいだに、水を挟みこむように並んでいる脂質があります。つまりセラミドは、製品の中にある前に、その子の体の中にあります。成分表で見かける「セラミド」は、外から同じ種類のものを足している、という表示です。
| 見るところ | セラミド | ジラウロイルグルタミン酸Na |
|---|---|---|
| 体の中にあるか | 角質細胞のすきまにあるとされています | 体はつくりません |
| 名前が指すもの | 物質の種類の名前 | つないでつくった1つの成分の名前 |
| 製品での置かれ方 | 足す側で使われます | 洗う側にも留める側にも置けます |
| 読む人の問い | 足りているかどうか | 何番目に書かれているか |
| 比べられる相手 | その子の1週間前の状態 | 同じ処方に入っている他の成分 |
表の右下の行が、この記事の入口です。ジラウロイルグルタミン酸Naの働きは、名前だけでは決まらず、同じ処方に何がどれだけ入っているかで変わります。だから「セラミドより上か下か」という形の問いには、最後まで答えが出ません。出るのは、この成分がその製品の中でどちら側に置かれているか、という答えのほうです。
体がつくり直しているものと、つないでつくった形|ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドで出どころが違う背景
ジラウロイルグルタミン酸Naは、グルタミン酸とラウリン酸をつないだ形の成分です。グルタミン酸はアミノ酸の一種、ラウリン酸はヤシ油などに多い脂肪酸です。名前の長さは、材料をそのまま順番に並べているから出ているだけで、働きの強さとは関係がありません。ここで見ておきたいのは長さではなく、水になじむ側と、油になじむ側を、1つの分子が両方持っているという形のほうです。
台所の話にすると分かりやすくなります。油と酢を瓶に入れて振っても、置いておけば2層に戻ります。そこへ卵黄をひとつ落とすと、分かれなくなります。卵黄の中に、水になじむ側と油になじむ側を両方持った成分があるからです。水と油の境目に立てる形をしていると、油を水の側へ連れ出すことにも、水を油の側へ抱えこませることにも使えます。だからジラウロイルグルタミン酸Naは、洗う側の中心に据えることもできますし、うるおいを留める側に少量だけ入れることもできます。同じ成分が、置かれ方で呼ばれ方まで変わります。
セラミドのほうは、置き場所が決まっています。角質細胞のすきまという、決まった場所を埋めている脂質で、体の側が毎日つくり直しているとされています。外から足せる量には限りがあり、家でできることは、足すより先に減らさない側にあります。洗う回数、お湯の温度、濡れている時間。動かしているのはこの3つで、成分表の行ではありません。ここが、2つの名前の性質のいちばん大きな違いです。
この言い方は、セラミドを物差しとして使った比較の表現です。比べた相手がセラミドである、というところまでが読み取れる情報で、どれだけ上なのかは書かれていません。ジラウロイルグルタミン酸Naのようなアミノ酸由来の成分が並んでいる処方では、こうした比較がよく出てきます。読むときは、上か下かではなく、比べた相手の名前が書かれているかどうかを見てください。相手の名前がない比較は、家では確かめようがありません。
犬でも猫でも、洗った当日に出る変化と2週間で出る変化|ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドで見る時間が違う理由
2つの名前は、家で結果が見えるまでの時間も違います。洗う側に置かれた成分の結果は、洗ったその日の手ざわりに出ます。泡切れ、乾いたあとの指の通り、翌朝の毛のまとまり。ここは当日から翌日までの話です。一方で、体がつくり直している側の変化は、日数をかけてしか動きません。犬でも猫でも、粉っぽさや乾きの手ざわりを見る単位は週になります。
この時間差を知らないまま製品を替えると、判定がずれます。洗った当日の手ざわりで「この保湿成分は合わなかった」と決めてしまうと、日数をかけて動く側の変化を1度も見ないまま終わります。逆に、2週間たってから洗い上がりの話を持ち出しても、そのあいだに洗う間隔も気温も動いているので、どの条件が効いたのか切り分けられません。成分名で比べるより、見る時間を決めるほうが先です。
- 当日に見るもの:泡切れ、すすぎに要した時間、乾いたあとの指の通り
- 翌朝に見るもの:毛のまとまりと、寝床に落ちている粉の量
- 1週間で見るもの:かこうとするしぐさの回数と、出る場所
- 2週間で見るもの:同じ場所を同じ指で触ったときの手ざわりの平均
- どちらの時間でも見ないもの:成分名そのものの良し悪し
記録は1行で足ります。日付と、洗った日かどうか、触った場所の手ざわり。これだけで、当日の変化と2週間の変化を別の列に置けます。ジラウロイルグルタミン酸Naとセラミドを読み比べる時間は一度で済みますが、この1行は2週間ぶんたまってはじめて材料になります。2週間の列が動かないまま、粉の量だけが増えていくときは、成分表の側ではなく条件の側を見ることになります。
成分表の行数を減らす側から見る|ジラウロイルグルタミン酸Naを洗う側に置いて、あいだの日は水にする理由
mofuwa の側の設計も書いておきます。mofuwa モイストシャンプーは、洗浄成分にジラウロイルグルタミン酸Naを使っています。アミノ酸由来の洗浄成分として、洗う側の中心に置いているという意味です。泡立ちや洗浄の勢いを高く取るほど、洗い上がりで落ちるものが増えます。どちらが優れているという話ではなく、どちらの制約を引き受けるかの選択で、こちらは後者に寄せた設計です。
洗う側の成分を抑えるために、原料の水のほうにも手を入れています。水の部分に、精製水で薄めていない電解水を使っています。この電解水は、三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくられたもので、水そのものが油となじむ性質を持っています。水の側でその働きを受け持てるぶん、洗浄成分の量を上げなくて済む、という引き算の設計です。成分の行を足して補うのではなく、水を替えて行を減らしています。
洗う日と洗う日のあいだに置くほうは、さらに行が短くなります。mofuwa スキンケアミストは高機能性電解酸化水100%で、保湿成分を足していません。成分表を読む行が1行しかないので、その子に何を置いたのかを自分の言葉で説明できます。猫向けの保湿ミストを探している方に向けて書いておくと、猫は自分で毛づくろいをするので、置いたものは口に入る前提になります。この水は飲みものに使える水の規格基準に照らして水質を検査してあり(検査機関:江東微生物研究所)、舐める場所に使うことを前提に選ばれた水です。おすすめの置き場所は、毛をかき分けて地肌が見えたところで指を止め、そこへ直接なじませる形です。
そのうえで、成分表の読み比べでは切り分けられないものがあります。粉が急に増えた、同じ場所をなめ続けている、赤みが広がっている、においが変わった。スキンケアミストを置いた翌朝も同じ場所が同じままなら、材料は記録のほうに移ります。使っている容器と、2週間ぶんの1行を持って、動物病院で診察の枠を取ってください。成分の名前を1つずつ検索するより、容器を1本持っていくほうが切り分けは早く進みます。
| 置くもの | 読む行の数 | 家で見る時間 |
|---|---|---|
| 洗う側の1本 | 洗浄成分と保湿成分が並びます | 当日から翌朝まで |
| あいだの日に置く水 | 水の1行だけです | 2週間の平均 |
| 判定に使う材料 | 手ざわりと記録の紙 | どちらも同じ紙に書きます |
持ち帰るものは、名前の順位ではありません。ジラウロイルグルタミン酸Naは洗う側にも留める側にも置ける形の成分で、セラミドはその子の体が毎日つくり直している脂質だ、という2つの列です。この2列に置き直せると、次に長いカタカナに出会っても、どちらの列の話なのかで読めます。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
