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グリセリンとは?犬や猫の被毛の中の水を引き寄せる成分

公開日 2022年5月6日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、淡い色のラグの上に落ち着いて横になっている淡い色の犬
保湿の話は、何を足すかより、水がどちらへ動くかで見ると分かりやすくなります。写真:Iza Ponchie/Pexels

犬や猫のケア用品の成分表で、水のすぐ次あたりに並んでいることが多いグリセリンとは、まわりの水を引き寄せて抱えておく性質をもつ成分です。無色で、少しとろみがあり、水によく混ざります。保湿成分として語られることがいちばん多い言葉ですが、やっているのは「うるおいを与えること」ではなく「水を動かすこと」だと考えると、家で感じる不思議がいくつか解けます。犬や猫の皮膚は被毛におおわれていて、毛の中の空気は部屋の空気とは別の状態になっています。だから、同じものを同じように使っても、季節でも、体の場所でも、感触が変わります。この記事では、グリセリンという言葉が指しているものと、定番と呼ばれるようになった理由、そして成分の側ではなく水の側から考えるという道筋を、順番に書いていきます。

グリセリンとは、まわりの水を引き寄せて抱えておく成分のこと

グリセリンとは、まわりの水を引き寄せて抱えておく性質をもつ成分です。化学的には多価アルコールと呼ばれる仲間で、無色、においはほとんどなく、少しとろみのある液体です。水にはよく混ざります。この「水を引き寄せる」性質を持つ成分は、まとめて湿潤剤と呼ばれることがあります。

犬や猫のケア用品では、洗うものにも、洗い流さないものにも入っていることがあります。用途は化粧品や食品や医薬品にもまたがっていて、それだけ広く使われている成分です。成分表で見つけたときは、「グリセリン」とだけ書かれている場合と、「濃グリセリン」のように書かれている場合があります。

人の化粧品では、配合量の多いものから順に並べるのが基本とされています(1%以下のものは順不同でよいとされます)。だから、水の次にグリセリンが来ているものは、それなりの量が入っている、と読めます。ただし、量が多いことが良いという意味にはなりません。また、犬や猫に使うケア用品は、人の化粧品と同じ表示のルールで扱われているわけではないので、そもそも全成分が書かれていないことがあります。順番を読む前に、書かれているかどうかを見てください。

由来のところで、少しだけ補足します。植物由来か合成かで、成分そのものの性質が変わるわけではないとされています。由来の表示は、原料をどこから取ったかの情報であって、できあがったグリセリンの働きの違いを表すものではありません。ここは、成分表を読むときに混ざりやすいところです。

Note「保湿成分」という呼び方が、少し話をぼやけさせます

保湿成分という言葉は、水を抱える成分と、水を逃がしにくくする成分の両方を指して使われます。グリセリンは前者です。水を引き寄せて抱えるほうで、油のように表面をおおって逃がしにくくするタイプとは、やっていることが違います。同じ「保湿」という言葉でくくられているぶん、比べにくくなっています。どちらが優れているという話ではなく、担当している仕事が違います。

水を与えているのではなく動かしている|犬のグリセリンで感じる変化の理由

グリセリンは、水を与える成分ではありません。すでにどこかにある水を、こちら側へ引き寄せる成分です。この違いは、言葉遊びではありません。引き寄せる以上、引き寄せてくる先があるということだからです。

引き寄せてくる先の候補は、大きく3つあるとされています。1つめは、その製品自体に入っている水。ほとんどのケア用品は、成分表の一番上が水です。グリセリンは、まずその水を抱えています。2つめは、空気中の水分。湿度が高いほど、空気の側から引き寄せられる量が増えます。3つめは、塗った相手の側にある水です。どの経路がどれだけ働くかは、その日の湿度や、処方全体の組み立てで変わります。

ここから、家で感じる変化の理由がひとつ説明できます。空気が乾いている日は、空気の側から引き寄せられる量が減ります。同じものを、同じ量、同じように使っているのに、季節で感触が変わるのはそのためだと考えられます。梅雨のころはしっとりと感じ、真冬の暖房の効いた部屋では違って感じる。使い方が悪くなったわけでも、製品が変わったわけでもありません。まわりの条件が変わると、水の動く向きも変わります。

湿度が高い日と、低い日で、引き寄せてくる先が変わる 同じグリセリンでも、まわりの空気の状態によって、水をどこから集めるかの比重が変わります。 どちらが良い悪いではなく、条件の違いです 湿度が高い日 空気の側に水が多い 空気から引き寄せやすい とろみを重く感じやすい 乾くまでの時間が伸びる べたつきとして出やすい 湿度が低い日 空気の側の水が少ない 空気から集めにくい 同じ量でも軽く感じる 乾くまでの時間が短い 物足りなく感じやすい 季節で感触が変わるのは、使い方ではなくまわりの条件が動いているためと考えられます
使い方は同じでも、条件が違えば感触が変わります。製品の側の問題とは限りません。

犬や猫のケアで考えると、条件はもう少し複雑になります。被毛があるぶん、皮膚の表面のまわりの空気は、部屋の空気とは別の状態になっているからです。毛の中は、部屋よりも湿っていることがあります。逆に、風が通る場所や、乾かした直後は、部屋よりも乾いていることがあります。同じ部屋の中でも、体の場所によって条件が違う、ということになります。

グリセリンを「水を動かす成分」として見たときの読み替え
よく言われる形動きとして言い直すと家で出てくる形
うるおいを与えるまわりの水を引き寄せて抱える湿度で感触が変わります
保湿力が高い抱えられる水の量が多い量が多いほどとろみが増します
季節で効き方が違う引き寄せてくる先の水の量が違う冬と梅雨で使用感が変わります
べたつく抱えた水が表面にとどまっている湿度の高い日に出やすくなります
物足りない引き寄せられる水が少ない乾いた日に感じやすくなります
たくさん入っているほどよいそうとは限らない処方全体の組み立てで決まります

最後の行だけ、もう少し書きます。グリセリンは、量を増やせば増やすほどよくなる、という成分ではないとされています。とろみが増え、べたつきとして感じられるようになり、他の成分の入る余地も減ります。だから、処方を作る側は、量を増やす方向ではなく、他の成分との配分で決めています。成分表の位置が上だから良い、下だから劣る、という読み方はできません。

定番になったのは扱いやすいから|多くの処方に入っている理由と考え方

定番と呼ばれるようになった理由の多くは、効き目の順位ではなく、作る側から見た扱いやすさの側にあります。グリセリンとは、と調べると「定番の保湿成分」という説明によく出会いますが、ここを「効き目が優れているから」と読んでしまうと、成分表の読み方を1つ間違えます。

この6つは、どれも「よく効くから」ではありません。組み立てやすいから、という理由です。処方は、成分をひとつ選べば完成するものではなく、水と、油と、洗浄する成分と、保つための成分を、全体で釣り合わせる作業です。その中で、混ざりやすくて安定していて無臭で無色の成分は、置き場所が多くなります。定番とは、そういう意味の言葉です。

だから、成分表の読み方としてはこうなります。グリセリンが入っているかどうかだけでは、その製品について何も決まりません。入っているものの多くに入っている成分なので、区別の材料になりにくいのです。同じことは、入っていない場合にも言えます。入っていないから物足りない、ということにもなりません。別の成分が同じ役割を担っていることも、そもそも設計の方向が違うこともあります。

他の保湿成分についても、ひとこと書いておきます。水を抱えるタイプ、表面をおおって逃がしにくくするタイプ、すきまを埋めるタイプ。役割が違うものが、同じ「保湿成分」という棚に並んでいます。どれが上でどれが下という順番はありません。何を担当させたい処方なのかが違うだけです。比べるなら、成分の名前ではなく、その製品が何をしようとしているかで比べるほうが、話が噛み合います。

家で確かめられることも書いておきます。指で少量を取って、のばしてみたときのとろみの残り方。それから、同じものを湿度の高い日と乾いた日に、同じ場所に使って、感触の差が出るかどうか。この2つは、成分表を読むより実際的です。犬や猫なら、背中のように毛が厚い場所と、内股のように毛が薄い場所で差が出ることもあります。明日から成分表を見るときは、名前を探すより、その製品が水をどう扱おうとしているかを想像してみてください。これが、この言葉を知ると変わる部分です。

引き寄せる水と、届ける水|水の側から考え直した経験と背景

保湿という話には、入口が2つあります。水を引き寄せて抱える成分を足す入口と、そもそも使っている水そのものを見直す入口です。グリセリンの話は前者にあたります。この章では、後者の側の話を書きます。

mofuwa の製品は、ワンテンスという会社の電解水を原料水に使っています。電解水とは、水に電気を通して性質を変えた水のことです。この技術は、三室ダブルイン型 電解分解技術として登録されています(特許5253483)。カソード室・中間室・アノード室という3つの部屋を並べ、あいだをイオン交換膜で仕切る構造です。ここで断っておくと、特許は技術の登録であって、効果が証明されたという意味ではありません。認められたのは、その作り方が新しいものである、という一点です。

この構造で何が変わるのかを、数字で1つだけ挙げます。電解効率と呼ばれる指標があります。投入した水のうち、どれだけが目的の性質に変わったかを指す言葉です。一般的な飲料用のアルカリイオン水では約20%とされるのに対し、ワンテンスの電解還元水ではほぼ100%とされています。同じ「電解水」という言葉でも、中身の比率がここまで違うことがある、という比較の話です。

電解効率の比較(投入した水がどれだけ変わったか) 一般的な飲料用アルカリイオン水と、ワンテンスの電解還元水を、電解効率で比べた棒グラフ 一般的な飲料用アルカリイオン水 約20% ワンテンス 電解還元水 ほぼ100%
電解効率とは、投入した水のうちどれだけが目的の性質に変わったかを指す言葉です。比較の相手は一般的な飲料用アルカリイオン水です。

水そのものの側で、もう1つ測られているのが浸透です。自社での検証として、精製水と比べたときに水分の浸透力が35倍という数字が出ています。これは自社検証であり、比較の相手は精製水です。ここも、数字だけを取り出さずに、何と比べたどういう条件の数字なのかとセットで見てください。グリセリンが「まわりの水を引き寄せる」側の工夫だとすれば、こちらは「水そのものを届きやすくする」側の工夫、という位置づけになります。

水を引き寄せる側と、水そのものを設計する側
成分を足す入口水を見直す入口
代表的な例グリセリンなどの湿潤剤電解水を原料水に使う
やっていることまわりの水を引き寄せて抱える水そのものの性質を変える
条件で変わるものその日の湿度、まわりの水の量電解の条件、原水の状態
確かめ方季節による感触の差試験条件を決めて測る
どちらが上か順番はありません担当している仕事が違います

検証の話も、条件つきで書いておきます。この電解水については、外部の検査機関で調べられた結果があります。試験条件のもとで、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかった、というものです。検査を行ったのは、江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターといった機関です。これは決められた試験条件のもとでの結果であって、家庭のどんな場面でも同じことが起きるという意味ではありません。数字と結果は、条件から切り離すと意味が変わってしまいます。

犬や猫は塗ったところをなめるので、成分の側の条件はそこで決まります。mofuwa スキンケアミストの原料に使われている水は、清涼飲料水の規格基準をクリアした成分でつくられています。これは成分の基準の話であって、飲むためのものという意味ではありません。飲んでも安全な水ですという書き方をしないのは、そのためです。基準は基準として、そのまま読んでください。

成分表を上から読んでいくと、mofuwa スキンケアミストは短いところで終わります。入っているのは電解水で、アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つを足していません。グリセリンのような湿潤剤も置いていません。これは、湿潤剤を入れた処方が劣っているという意味ではありません。まわりの水を引き寄せる成分に働いてもらうか、使う水そのものの側で組むか、という入口の違いです。グリセリンとは何かを一度おさえておくと、この違いが読み分けられるようになります。湿潤剤が入っている処方は、その日の湿度によって感触が動く幅を持っています。足した成分がない処方は、その幅を持ちません。決まるのは、水の側の条件のほうです。どちらを選ぶかは、その子の皮膚の様子と、使う季節を見てから決めてください。皮膚の状態が気になるときは、ケアの内容を変える前に動物病院にご相談ください。

最後に、定義に戻ります。グリセリンとは、まわりの水を引き寄せて抱えておく性質をもつ成分のこと。うるおいを足しているのではなく、水を動かしている。だから、まわりの条件が変われば結果も変わります。この見方を1つ持っておくと、成分表に並んだ名前を「良いもの・悪いもの」で仕分けるのをやめられます。そこに書かれているのは、その製品が水をどう扱おうとしているかの設計図です。名前の数ではなく、向いている方向のほうを読んでみてください。

Product

mofuwa スキンケアミスト

mofuwa スキンケアミスト

200ml / 3,300円(税込)

アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。

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よくある質問

犬のシャンプーにグリセリンが入っていても大丈夫ですか?
成分表にあるかどうかだけでは決められません。グリセリンは入っている製品がとても多い成分なので、区別の材料になりにくいからです。見るのは、使ってよい場所が書かれているかと、使ったあとに被毛や皮膚の様子が変わらないかの2つで、気になる変化があるときは動物病院にご相談ください。
冬になると、同じものを使っても物足りなく感じます。なぜですか?
空気の側にある水が少ないからだと考えられます。グリセリンは、その製品の中の水、空気中の水分、塗った相手の側の水を引き寄せます。乾いた日は空気から集められる量が減るので、同じ量を同じように使っても軽く感じます。使い方が変わったわけではありません。
べたつくのは、グリセリンが多いからですか?
抱えた水が表面にとどまっていると、べたつきとして感じられます。湿度の高い日に出やすく、量が多いほどとろみも増します。量が多いほどよい成分ではないので、被毛に残る感じが気になる日は、使う量のほうを減らして様子を見てください。
猫のケアでも、同じ見方でいいですか?
同じです。ただし猫は毛づくろいで体に唾液を広げるので、付けたものが口に入るまでの距離が短い場所が多くなります。成分の名前より先に、使ってよい場所の表示があるかどうかを見てください。

本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。