C09シーン別・暮らし

旅行とペットホテルを楽にする、保護犬・保護猫を迎えた人の毎日の習慣

公開日 2022年5月7日|文=mofuwa編集部

明るい窓のそばで、淡いクリーム色の犬が薄い色の布の上に静かに横たわっている
行く日に持たせた布は、戻ってきた日にもう一度、同じ役目を果たします。写真:SophiaMartin/Pixabay

旅行の日程が決まった日、カレンダーに書き込んだのは出発の日と帰る日の2つだけでした。ペットを預けるのは出発の朝、迎えに行くのは帰った日の夕方。そう決めた時点で、行きと帰りは別々の用事になっていました。保護犬・保護猫を迎えた家では、この分かれ方があとで効いてきます。預けることと迎えに行くことを、行って、戻ってくる、という一続きの手順にしておくと、帰宅後の室内でこちらが迷う時間が短くなります。この記事では、旅行でペットを預ける日と受け取る日に、同じ布を持たせ、同じ迎え方をあらかじめ決めておく、という毎日の習慣を書きます。特別な道具は増えません。増えるのは、家を出る前に決めておくことのほうです。

預ける日だけを決めていた|保護犬・保護猫と暮らす家が、旅行でペットを預けたときの経験

旅行の日程が決まって、最初にやったのはペットホテルの空きを調べることでした。予約の画面で選んだのは、預ける日と、引き取る日の2つです。そこまでは何もつまずきませんでした。手が止まったのは、旅行から戻って玄関の鍵を開けた瞬間です。キャリーを下ろして、さあここからどうするか、というところで動けなくなりました。保護犬・保護猫を迎えて1年目の家では、こういう「決めていなかった数分」がいちばん長く感じます。

預ける日の朝は、やることがはっきりしています。キャリー、いつも食べているフード、寝床に敷いている布、かかりつけの動物病院の連絡先。持ち物のリストが手元にあるので、迷いようがありません。ところが迎えに行く日には、そのリストがありません。手ぶらで出かけて、帰りに荷物が全部戻ってくるだけです。旅行のあいだ預けていたペットを受け取って、車に乗せて、家に着く。ここまではどの家でも同じですが、玄関を上がってからの数分だけが、家ごとに違います。

保護犬・保護猫を迎えた家には、ほかの家にはない前提があります。触られることに、まだ慣れている途中だということです。どこなら触っていいか、どの順番なら手を受け入れてくれるか。それは迎えた日から毎日少しずつ積み上げてきたもので、家族の頭の中にしかありません。旅行から帰った日にだけ、その順番を飛ばして全身に手を入れると、積み上げてきた側から外れます。戻った日にやることは、いつもの毎日より少ないほうがうまく進みます。

実際、はじめてペットを預けたときの帰宅後は、こうなりました。玄関で足を拭こうとして避けられ、抱き上げようとしてまた避けられ、結局その場に座り込んで15分。室内へ入れたあとも気になって、何度も触りに行ってしまいました。やることを決めていなかったので、その場で思いついた手を全部試してしまったわけです。時間がかかったのは、その子の側の事情ではありません。こちらに手順がなかった、というだけの話でした。

Note行きと帰りが、別々の用事になっていました

旅行でペットを預けるという場面は、予約の画面の上では2つの日付です。けれど家の側から見ると、持ち物を積んで出ていき、荷物と一緒に戻ってくる、という一続きの動きです。行きだけを準備して帰りを準備していないと、戻ってきた日の玄関に、決まっていないことがまとめて集まります。保護犬・保護猫を迎えた家では、その数分がいちばん手を出しにくい時間になります。

同じ布が2回出てくる|旅行でペットを預ける荷物と、迎えに行く日の背景

行きの荷物と帰りの荷物は、見た目には同じです。同じバッグに、同じフードの残りと、同じ布が入っています。違うのは、その子の体についているもののほうです。預け先の床材、そこで使われている洗剤、ほかの子が同じ空間にいた時間。どれも問題のあるものではありませんが、家のにおいの基準からは少しずれます。旅行のあいだに変わるのは荷物ではなく、体のほうだ、と考えるとつながります。

帰宅後に飼い主が気づくのは、たいてい室内に入ってしばらくたってからです。ソファに座った子のそばで、いつもと違う気配がする。それで手を伸ばして触ってしまう。ここが、保護犬・保護猫を迎えた家でいちばん組み替えたいところです。においを確かめるために触る、という動きは、こちらの都合で回数が増えます。その子の側から見れば、旅行に行って戻ってきた日に、ふだんより多くの手が来ることになります。

そこで持ち出せるのが、行きに持たせた布です。寝床に敷いていた布を預ける日に持たせておくと、その布は預け先でもその子の下にあります。戻ってきたとき、その布は行きと帰りの両方を知っている唯一のものになります。玄関で先に室内へ運ぶのは、体ではなく、この布です。布が先にいつもの場所へ戻っていれば、その子が自分で移動する先ができます。こちらが運ぶ必要が減ります。

旅行でペットを預ける日と、迎えに行く日で、何が同じで何が違うか
預ける日迎えに行く日
持ち物こちらが用意して積む向こうから戻ってくる
体についているもの家のにおいだけ預け先の床・洗剤・ほかの子の空間
こちらの手の数キャリーに入れるまでの数回決めていないと、際限なく増える
使える時間出発時刻から逆算できる決まっていない。その場で伸びる
布の役目家のにおいを持たせて出す先に室内へ運んで、居場所を作る
その子がすること移動して、預け先で過ごす戻った室内で、自分の場所を探す

もうひとつ、預け先へ渡す情報の話です。フードの量と回数は誰でも伝えます。そこに1行だけ足すとすれば、触ってよい場所と、触られると動く場所です。保護犬・保護猫を迎えた家では、この情報が家族の頭の中にしかありません。書き出して渡しておくと、預け先の手も同じ順番になります。旅行から戻ったときに、その子が受けていた手の順番が家と同じであれば、帰宅後に戻す幅がそのぶん狭くなります。

Point書き出すのは、性格ではなく手順です

「人見知りです」と書くより、「背中から肩までは触れます。前から手を出すと下がります。首輪はつけたままにしています」のほうが、預け先で使えます。以前どうだったかを想像して書く必要はありません。この2週間で実際にできていたことだけを、そのまま書けば足ります。紙1枚で、旅行のあいだのその子への手の入り方が変わります。

迎え方を先に決めておく理由|旅行でペットを預ける保護犬・保護猫の家の、毎日の習慣

ここからが本題です。やることは、旅行の当日ではなく、2週間前から始まります。と言っても増える作業はほとんどありません。毎日やっていることに、名前をつけて固定するだけです。行って、戻ってくるまでを一続きの手順にする、というのは、要するに「帰ってきたときにやることを、出かける前に決めておく」ということです。

  1. 旅行の2週間前に、布を1枚だけ決める

    寝床に敷いている布のうち、1枚を「行く布」と決めます。特別なものを買う必要はありません。むしろ、いつも使っていて、その子が自分から乗る布であることのほうが大事です。決めたら旅行の日まで、その布は洗わずに使い続けます。家のにおいを移しておくのが役目だからです。予備をもう1枚、同じ場所に置いておくと、戻ってきた日に交換ができます。

  2. 預ける日に、布と一緒に「触り方の1枚」を渡す

    布をキャリーに敷いて、フードと連絡先に加えて、触ってよい場所を書いた紙を渡します。ここまでが、旅行でペットを預ける日にやることの全部です。受付での説明を長くする必要はありません。渡した紙のほうが正確に残ります。保護犬・保護猫を迎えた家では、口頭で伝えた条件が現場で薄れやすいので、紙にしておくほうが確実です。

  3. 迎えに行く日は、家を出る前に「帰宅後の3つ」を決める

    受け取ってから決めようとすると、その場で手が増えます。玄関でやることを、家を出る前に3つまでに絞ってください。たとえば、布を先に室内へ運ぶ、足の裏だけ拭く、水を置く。この3つだけ、と決めて出かけます。3つで終わらせると決めておくと、帰宅後にこちらが迷いません。

  4. 帰宅後の玄関では、体より先に布を運ぶ

    玄関に着いたら、キャリーからその子を出す前に、行きに持たせた布をいつもの場所へ戻します。戻る先ができてから、扉を開けます。そのあと足の裏だけ拭いて、あとは自分で動くのに任せます。抱き上げて全身を拭く、という手はここでは使いません。旅行から戻った日は、こちらが触る回数をふだんより減らすほうが、室内に落ち着くまでの時間が短くなります。

  5. 翌日から、いつもの毎日の時間割にそのまま合流する

    戻った翌日に、埋め合わせのようなケアを足さないでください。ごはんの時刻も、触る場所も、旅行の前と同じに戻します。特別扱いをしないことが、いちばん早く元の毎日へ戻す手になります。気になるところがあれば、その日ではなく、数日かけて見ていきます。

旅行から戻った日に、その子が自分で最初にやるのは毛づくろいです。預け先の床や洗剤のにおいを、自分の舌で確かめて、自分で落とそうとします。だから帰宅後にこちらが置いたものは、そのままその子の口へ回ります。ここは、拭き方を工夫するより、置くものの側を選ぶ場面です。

mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、清涼飲料水の規格基準をクリアしています。舐めても問題のない基準でつくられているので、戻った日の毛づくろいを止めずに済みます。使うのは体ではなく、布のほうです。行きに持たせた布を室内へ戻したあと、別の布に含ませて、背中を一往復だけ。保護犬・保護猫を迎えた家では、旅行から戻った日に触れる場所が、預ける前より狭くなっていることがあります。狭いなら狭いままで構いません。背中で終えて、翌日に肩まで、という進み方で足ります。

旅行の前後で、いつ何を決めておくか
いつ決めることかかる時間
2週間前行く布を1枚決めて、洗わずに使い続ける0分。毎日の中に入る
前日触ってよい場所を紙1枚に書き出す5分
預ける日布・フード・紙を渡す受付の中で終わる
迎えに行く前帰宅後の玄関でやること3つを決める1分
帰宅後布を先に運ぶ、足の裏、水3分
翌日からいつもの時間割に戻す。足さない0分
Note手順を減らすほど、続きます

旅行でペットを預ける場面では、心配のぶんだけやることを足したくなります。けれど保護犬・保護猫を迎えた家では、足した手はそのままその子に触る回数として届きます。3つに絞るのは手抜きではなく、こちらの迷いを室内に持ち込まないための決め方です。次の旅行のときは、この3つが去年と同じであることのほうが効きます。

戻ってきてからの数日で見るのは、体についているものの変化です

旅行から帰った日に全部を確かめようとしないでください。見るのはその日ではなく、戻ってからの3日から1週間です。預け先で過ごした時間は、体の側に少し遅れて出てきます。帰宅後の室内で、いつもの場所に座って、いつもの時刻に食べて、いつもの時間だけ眠っているか。まずそこを見ます。ここが同じなら、多少においが違っていても、数日で戻ります。

書き留めることに意味があるのは、保護犬・保護猫を迎えた家では「もともとそうだったのか、旅行のあとに変わったのか」が判断しにくいからです。以前どうだったかを想像で埋める必要はありません。埋められるのは、迎えてからのこちらの記録だけです。1行でも残しておくと、次に旅行でペットを預けるときの前提になります。

Caution家のケアではなく、相談に切り替える目安

下痢や嘔吐が続く、水を飲む量が明らかに減った、食べない日が2日以上ある、地肌が赤い、じくじくしている、においが強くなって戻らない、同じ場所をなめ続けている、触ると痛がる、元気がない。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを増やす前に動物病院にご相談ください。旅行から帰ったあとという時期の情報は、受診のときにそのまま役に立ちます。預けた日数と場所も一緒に伝えてください。

最後にもうひとつ。次の旅行の予約を取るときに、今回の3つをそのまま使ってください。布を決める、紙を渡す、帰宅後の3つを決める。2回目からは準備がほとんど要らなくなります。保護犬・保護猫を迎えた家にとって、旅行でペットを預けることが特別な行事でなくなるのは、手順が同じ形で2回目を迎えたときです。

預けることと迎えに行くことを、行って、戻ってくる、という一続きの手順にする。書いてしまえばそれだけの話です。変えたのはその子ではなく、こちらの決め方のほうです。同じ布と同じ迎え方を先に決めておけば、帰宅後の玄関で立ち止まる時間はなくなります。毎日の習慣として残るのは、寝床の布を1枚だけ特別扱いしておくこと。それだけで、次の旅行の準備はもう半分終わっています。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。