C09シーン別・暮らし
旅行とペットホテルを楽にする、保護犬・保護猫を迎えた人の毎日の習慣
旅行の日程が決まった日、カレンダーに書き込んだのは出発の日と帰る日の2つだけでした。ペットを預けるのは出発の朝、迎えに行くのは帰った日の夕方。そう決めた時点で、行きと帰りは別々の用事になっていました。保護犬・保護猫を迎えた家では、この分かれ方があとで効いてきます。預けることと迎えに行くことを、行って、戻ってくる、という一続きの手順にしておくと、帰宅後の室内でこちらが迷う時間が短くなります。この記事では、旅行でペットを預ける日と受け取る日に、同じ布を持たせ、同じ迎え方をあらかじめ決めておく、という毎日の習慣を書きます。特別な道具は増えません。増えるのは、家を出る前に決めておくことのほうです。
預ける日だけを決めていた|保護犬・保護猫と暮らす家が、旅行でペットを預けたときの経験
旅行の日程が決まって、最初にやったのはペットホテルの空きを調べることでした。予約の画面で選んだのは、預ける日と、引き取る日の2つです。そこまでは何もつまずきませんでした。手が止まったのは、旅行から戻って玄関の鍵を開けた瞬間です。キャリーを下ろして、さあここからどうするか、というところで動けなくなりました。保護犬・保護猫を迎えて1年目の家では、こういう「決めていなかった数分」がいちばん長く感じます。
預ける日の朝は、やることがはっきりしています。キャリー、いつも食べているフード、寝床に敷いている布、かかりつけの動物病院の連絡先。持ち物のリストが手元にあるので、迷いようがありません。ところが迎えに行く日には、そのリストがありません。手ぶらで出かけて、帰りに荷物が全部戻ってくるだけです。旅行のあいだ預けていたペットを受け取って、車に乗せて、家に着く。ここまではどの家でも同じですが、玄関を上がってからの数分だけが、家ごとに違います。
保護犬・保護猫を迎えた家には、ほかの家にはない前提があります。触られることに、まだ慣れている途中だということです。どこなら触っていいか、どの順番なら手を受け入れてくれるか。それは迎えた日から毎日少しずつ積み上げてきたもので、家族の頭の中にしかありません。旅行から帰った日にだけ、その順番を飛ばして全身に手を入れると、積み上げてきた側から外れます。戻った日にやることは、いつもの毎日より少ないほうがうまく進みます。
実際、はじめてペットを預けたときの帰宅後は、こうなりました。玄関で足を拭こうとして避けられ、抱き上げようとしてまた避けられ、結局その場に座り込んで15分。室内へ入れたあとも気になって、何度も触りに行ってしまいました。やることを決めていなかったので、その場で思いついた手を全部試してしまったわけです。時間がかかったのは、その子の側の事情ではありません。こちらに手順がなかった、というだけの話でした。
- 預ける日:持ち物・出る時刻・預け先の受付時間まで決まっていた
- 預け先で伝えること:フードの量と回数は伝えたが、触り方は伝えていなかった
- 迎えに行く日:受付に何時に着くかだけ決めて、そこで終わっていた
- 帰宅後の玄関:何も決まっていない。その場で考えることになった
- 室内に入ってから:いつもの毎日に戻すのか、特別扱いするのかも決めていなかった
旅行でペットを預けるという場面は、予約の画面の上では2つの日付です。けれど家の側から見ると、持ち物を積んで出ていき、荷物と一緒に戻ってくる、という一続きの動きです。行きだけを準備して帰りを準備していないと、戻ってきた日の玄関に、決まっていないことがまとめて集まります。保護犬・保護猫を迎えた家では、その数分がいちばん手を出しにくい時間になります。
同じ布が2回出てくる|旅行でペットを預ける荷物と、迎えに行く日の背景
行きの荷物と帰りの荷物は、見た目には同じです。同じバッグに、同じフードの残りと、同じ布が入っています。違うのは、その子の体についているもののほうです。預け先の床材、そこで使われている洗剤、ほかの子が同じ空間にいた時間。どれも問題のあるものではありませんが、家のにおいの基準からは少しずれます。旅行のあいだに変わるのは荷物ではなく、体のほうだ、と考えるとつながります。
帰宅後に飼い主が気づくのは、たいてい室内に入ってしばらくたってからです。ソファに座った子のそばで、いつもと違う気配がする。それで手を伸ばして触ってしまう。ここが、保護犬・保護猫を迎えた家でいちばん組み替えたいところです。においを確かめるために触る、という動きは、こちらの都合で回数が増えます。その子の側から見れば、旅行に行って戻ってきた日に、ふだんより多くの手が来ることになります。
そこで持ち出せるのが、行きに持たせた布です。寝床に敷いていた布を預ける日に持たせておくと、その布は預け先でもその子の下にあります。戻ってきたとき、その布は行きと帰りの両方を知っている唯一のものになります。玄関で先に室内へ運ぶのは、体ではなく、この布です。布が先にいつもの場所へ戻っていれば、その子が自分で移動する先ができます。こちらが運ぶ必要が減ります。
| 預ける日 | 迎えに行く日 | |
|---|---|---|
| 持ち物 | こちらが用意して積む | 向こうから戻ってくる |
| 体についているもの | 家のにおいだけ | 預け先の床・洗剤・ほかの子の空間 |
| こちらの手の数 | キャリーに入れるまでの数回 | 決めていないと、際限なく増える |
| 使える時間 | 出発時刻から逆算できる | 決まっていない。その場で伸びる |
| 布の役目 | 家のにおいを持たせて出す | 先に室内へ運んで、居場所を作る |
| その子がすること | 移動して、預け先で過ごす | 戻った室内で、自分の場所を探す |
もうひとつ、預け先へ渡す情報の話です。フードの量と回数は誰でも伝えます。そこに1行だけ足すとすれば、触ってよい場所と、触られると動く場所です。保護犬・保護猫を迎えた家では、この情報が家族の頭の中にしかありません。書き出して渡しておくと、預け先の手も同じ順番になります。旅行から戻ったときに、その子が受けていた手の順番が家と同じであれば、帰宅後に戻す幅がそのぶん狭くなります。
「人見知りです」と書くより、「背中から肩までは触れます。前から手を出すと下がります。首輪はつけたままにしています」のほうが、預け先で使えます。以前どうだったかを想像して書く必要はありません。この2週間で実際にできていたことだけを、そのまま書けば足ります。紙1枚で、旅行のあいだのその子への手の入り方が変わります。
迎え方を先に決めておく理由|旅行でペットを預ける保護犬・保護猫の家の、毎日の習慣
ここからが本題です。やることは、旅行の当日ではなく、2週間前から始まります。と言っても増える作業はほとんどありません。毎日やっていることに、名前をつけて固定するだけです。行って、戻ってくるまでを一続きの手順にする、というのは、要するに「帰ってきたときにやることを、出かける前に決めておく」ということです。
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旅行の2週間前に、布を1枚だけ決める
寝床に敷いている布のうち、1枚を「行く布」と決めます。特別なものを買う必要はありません。むしろ、いつも使っていて、その子が自分から乗る布であることのほうが大事です。決めたら旅行の日まで、その布は洗わずに使い続けます。家のにおいを移しておくのが役目だからです。予備をもう1枚、同じ場所に置いておくと、戻ってきた日に交換ができます。
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預ける日に、布と一緒に「触り方の1枚」を渡す
布をキャリーに敷いて、フードと連絡先に加えて、触ってよい場所を書いた紙を渡します。ここまでが、旅行でペットを預ける日にやることの全部です。受付での説明を長くする必要はありません。渡した紙のほうが正確に残ります。保護犬・保護猫を迎えた家では、口頭で伝えた条件が現場で薄れやすいので、紙にしておくほうが確実です。
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迎えに行く日は、家を出る前に「帰宅後の3つ」を決める
受け取ってから決めようとすると、その場で手が増えます。玄関でやることを、家を出る前に3つまでに絞ってください。たとえば、布を先に室内へ運ぶ、足の裏だけ拭く、水を置く。この3つだけ、と決めて出かけます。3つで終わらせると決めておくと、帰宅後にこちらが迷いません。
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帰宅後の玄関では、体より先に布を運ぶ
玄関に着いたら、キャリーからその子を出す前に、行きに持たせた布をいつもの場所へ戻します。戻る先ができてから、扉を開けます。そのあと足の裏だけ拭いて、あとは自分で動くのに任せます。抱き上げて全身を拭く、という手はここでは使いません。旅行から戻った日は、こちらが触る回数をふだんより減らすほうが、室内に落ち着くまでの時間が短くなります。
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翌日から、いつもの毎日の時間割にそのまま合流する
戻った翌日に、埋め合わせのようなケアを足さないでください。ごはんの時刻も、触る場所も、旅行の前と同じに戻します。特別扱いをしないことが、いちばん早く元の毎日へ戻す手になります。気になるところがあれば、その日ではなく、数日かけて見ていきます。
旅行から戻った日に、その子が自分で最初にやるのは毛づくろいです。預け先の床や洗剤のにおいを、自分の舌で確かめて、自分で落とそうとします。だから帰宅後にこちらが置いたものは、そのままその子の口へ回ります。ここは、拭き方を工夫するより、置くものの側を選ぶ場面です。
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| いつ | 決めること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 2週間前 | 行く布を1枚決めて、洗わずに使い続ける | 0分。毎日の中に入る |
| 前日 | 触ってよい場所を紙1枚に書き出す | 5分 |
| 預ける日 | 布・フード・紙を渡す | 受付の中で終わる |
| 迎えに行く前 | 帰宅後の玄関でやること3つを決める | 1分 |
| 帰宅後 | 布を先に運ぶ、足の裏、水 | 3分 |
| 翌日から | いつもの時間割に戻す。足さない | 0分 |
旅行でペットを預ける場面では、心配のぶんだけやることを足したくなります。けれど保護犬・保護猫を迎えた家では、足した手はそのままその子に触る回数として届きます。3つに絞るのは手抜きではなく、こちらの迷いを室内に持ち込まないための決め方です。次の旅行のときは、この3つが去年と同じであることのほうが効きます。
戻ってきてからの数日で見るのは、体についているものの変化です
旅行から帰った日に全部を確かめようとしないでください。見るのはその日ではなく、戻ってからの3日から1週間です。預け先で過ごした時間は、体の側に少し遅れて出てきます。帰宅後の室内で、いつもの場所に座って、いつもの時刻に食べて、いつもの時間だけ眠っているか。まずそこを見ます。ここが同じなら、多少においが違っていても、数日で戻ります。
- いつもの場所に戻っているか:寝る場所が変わったまま3日以上続くときは、書き留めておいてください
- ごはんの量と時刻:初日は減ることがあります。3日たっても戻らないなら、量を記録します
- 水を飲む量:置き場所を変えていないのに減っている、という変化は見やすい指標です
- 触れる場所が減っていないか:旅行の前に触れていた場所が触れなくなったら、無理に戻さず日数をかけます
- 同じ場所をなめている、かいている:回数と場所を、日付とセットで書いておきます
- においの出どころ:全身ではなく、耳・口まわり・足先・尾のつけ根のどこから出ているかを分けます
書き留めることに意味があるのは、保護犬・保護猫を迎えた家では「もともとそうだったのか、旅行のあとに変わったのか」が判断しにくいからです。以前どうだったかを想像で埋める必要はありません。埋められるのは、迎えてからのこちらの記録だけです。1行でも残しておくと、次に旅行でペットを預けるときの前提になります。
下痢や嘔吐が続く、水を飲む量が明らかに減った、食べない日が2日以上ある、地肌が赤い、じくじくしている、においが強くなって戻らない、同じ場所をなめ続けている、触ると痛がる、元気がない。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを増やす前に動物病院にご相談ください。旅行から帰ったあとという時期の情報は、受診のときにそのまま役に立ちます。預けた日数と場所も一緒に伝えてください。
最後にもうひとつ。次の旅行の予約を取るときに、今回の3つをそのまま使ってください。布を決める、紙を渡す、帰宅後の3つを決める。2回目からは準備がほとんど要らなくなります。保護犬・保護猫を迎えた家にとって、旅行でペットを預けることが特別な行事でなくなるのは、手順が同じ形で2回目を迎えたときです。
預けることと迎えに行くことを、行って、戻ってくる、という一続きの手順にする。書いてしまえばそれだけの話です。変えたのはその子ではなく、こちらの決め方のほうです。同じ布と同じ迎え方を先に決めておけば、帰宅後の玄関で立ち止まる時間はなくなります。毎日の習慣として残るのは、寝床の布を1枚だけ特別扱いしておくこと。それだけで、次の旅行の準備はもう半分終わっています。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
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商品ページを見る本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
