C04悩み解決
耳をかく・振るが出やすい子には共通点がある|体の構造から考える
耳をかく、頭を振る。これが出やすい子は、耳の中にある3段の通り道のどこか1か所で、運び出しが止まっています。ふた、通路、出口。耳の犬種差として語られてきた部分は、この3段のどこが詰まりやすいかの違いです。ここでは犬種の名前を使いません。犬種差だけで語ると、混血の子にも猫にも当てはめられなくなるからです。どの段で止まっているかが分かれば、やることは1つに決まります。
耳の中は、3段の通り道でできている
犬種差として語られる耳の話も、この通り道の作りに行き着きます。耳の中で作られたものは、外へ運び出されるようにできています。この運び出しが止まると、たまったものが刺激になって、かく・振るが出ます。止まる場所は、大きく3つしかありません。
| 段 | 体のどこか | 止まると何が起きるか |
|---|---|---|
| ふた | 耳の垂れ方 | 耳が入口をふさぎ、空気が入れ替わらない。中が乾かない |
| 通路 | 耳の中と入口まわりの毛 | 毛が湿りを抱え込み、運び出されるものが引っかかる |
| 出口 | 耳の穴までの深さと曲がり | 出てくるまでの距離が長く、途中で戻る |
3つが同時に問題になることは、あまりありません。たいてい、その子の耳ではどこか1か所だけが強く効いています。犬種の名前ではなく、この3段のどこかで考えるのは、そのためです。混血の子でも、耳を1回持ち上げれば当てはめられます。
どの段で止まっているかを、1か所に決める
犬種差ではなく、止まっている段で決めます。見分けは、上から順に確かめます。先に見つかったところで止めてください。3つとも対策しようとすると、どれが効いたのか分からなくなります。
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耳を持ち上げて、入口が見えるかを見る
垂れ耳で、持ち上げないと入口がまったく見えない子は、ふたの段で止まっています。耳を下ろした状態で、耳の内側の皮膚と体側の皮膚がぴったり合わさっているかを確かめてください。
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入口のまわりに毛があるかを見る
入口が見えたら、次はその周囲です。穴の縁から毛が生えている、入口に毛がかぶさっている子は、通路の段です。毛の量は同じ犬種でも幅があります。名前ではなく、その子の耳を見てください。
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入口から穴までの距離と向きを見る
ふたも毛も問題がないのに、たまるものが多い。この場合は出口の段です。耳の穴が深く、途中で曲がっている子は、運び出されるものが外まで届く前に戻ります。
ふたの段で止まっている子は、湿った日にだけかきます。通路の段の子は、季節に関係なく毎日少しずつかきます。出口の段の子は、しばらく落ち着いていて急にまとまって出ます。かく頻度の出方も、見分けの手がかりになります。
立ち耳の猫でも、同じことが起きる
耳が立っていればふたにはなりません。それでも猫が耳をかくのは、3段のうち残りの2つが効いているからです。
- 通路:猫の耳の入口には、房のように毛が生えています。この毛は外からの侵入を防ぐためのものですが、量が多い子では湿りを抱えます
- 出口:猫の耳の穴は、犬より細く、入口からすぐに曲がります。出てくるまでの距離が短いのに、途中の曲がりが急です
- 後ろ足で届いてしまうこと:猫は後ろ足で耳をかけます。かける子は、少しの違和感でも自分でかき続けてしまいます
立ち耳の犬も同じです。「耳が立っているから風が通っているはず」という思い込みが、確かめる機会を減らします。立ち耳の子ほど、耳の中を見る習慣がないまま何か月も過ぎていることがあります。月に一度でいいので、入口の色とにおいを見てください。
止まっている段ごとに、やることが違う
体の作りそのものは変えられません。変えられるのは、止まっている場所の手前で条件を減らすことだけです。1か所に絞ったうえで、その段の手を打ってください。
| 止まっている段 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| ふた | 1日1回、耳を持ち上げて10分ほど風を通す。濡れた日は必ず行う | 耳を固定して開いたままにしない |
| 通路 | 入口まわりの毛の長さをサロンで整えてもらう。抜かない | 自分で毛を抜く。ピンセットを使う |
| 出口 | 月に一度、入口の色とにおいを記録する。変化の速さを見る | 奥まで綿棒を入れて取ろうとする |
耳の中のものは、外へ向かって運ばれています。綿棒はその流れと逆向きに、奥へ押し込む力をかけます。見えている入口だけを、指に巻いた柔らかい布で押さえてください。奥に見えるものは、動物病院で取ってもらうものです。
3段のどこで止まっていても、人の手を入れられるのは耳の外側と入口のまわりだけです。ふたの段の子は、耳の内側の皮膚と体側の皮膚が合わさっていた面に湿りが残ります。通路の段の子は、入口のまわりの毛に外から持ち帰ったものが引っかかります。猫は後ろ足で耳をかき、そのあとで足の先を舐めます。犬も、耳をこすった前足をそのまま舐めます。耳のまわりに置くものは、口に入る前提で選ぶことになります。
mofuwa グルーミングスプレーは、その前提のまま毎日使えるように作られています。中身はアルカリ電解水で、香りは足していません。耳のにおいや耳垢の変化を手がかりにしているあいだは、香りが乗らないほうが読み取りやすくなります。余分な皮脂と外から乗った油は、電解水と混ざってから布のほうへ移ります。毎日シャンプーをして流すわけにはいかない場所なので、1日1回の風を通す時間と同じ回数で続けられることに意味があります。
当てる場所は、段ごとに変わります。ふたの段なら、耳を持ち上げて10分風を通すあいだに、合わさっていた面を。通路の段なら、入口のまわりの毛を、毛の流れにそって外へ。出口の段なら、月に一度の記録の日に、耳のふちまで。グルーミングスプレーは、指に巻いた布のほうへ出してから当ててください。液が入口へ流れ込まないので、奥へ向けて何かを差し込む必要がなくなります。
通り道では説明がつかない、かき方
犬種差でも構造でも説明がつかない変化があります。耳の作りは急には変わりません。だから「急に始まった」「片方だけ」は、通り道の話では説明がつきません。
- 片方の耳だけかく:左右の耳の作りは基本的に同じです。片側だけなら、作り以外の理由を考えてください
- 数日で急に増えた:構造は変わっていないので、耳の中で何かが起きています
- 頭をいつも同じ方向に傾けている:かゆみとは別の変化として扱ってください
- 触ろうとすると痛がる:かゆがるのと痛がるのは別です。痛みが出ているときは家で触らないでください
頭を振り続ける、耳を床や家具にこすりつける、耳の中が赤い、においが急に強くなった、耳垢の色や量が変わった、片耳だけ様子が違う、頭を傾けている、耳を触られるのを痛がる、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、家でのケアを続けず動物病院にご相談ください。耳は、家で様子を見てよい期間がとくに短い場所です。気になる変化が出てから48時間を目安にしてください。
受診の前に、いつから、どちらの耳か、1日に何回かいているか、家で使っているものはあるかをメモしてください。3段のどこで止まっていると思ったかも、そのまま伝えて構いません。診察の直前に耳の中をきれいにしてしまうと、耳垢の状態が分からなくなることがあるため、拭かずに連れて行ってください。
止まっている段が決まったら、毎日やることは2つになります。耳を持ち上げて風を通すことと、外側を拭くこと。かく回数は、その日ごとではなく1週間ごとに数え直してください。段の見立てが合っていれば、数え直すたびに山が低くなっていきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 垂れ耳の子は、耳を折り返して留めておいたほうがいいですか?
- 留め続けることはおすすめしません。耳の付け根に無理な力がかかり、その子が嫌がります。濡れた日や湿度の高い日に、10分ほど手で持ち上げて風を通すだけで十分です。
- 耳の中の毛は、抜いたほうがいいですか?
- ご自身で抜かないでください。抜いたあとの皮膚に刺激が残り、かえってかくことがあります。量が多くて気になるときは、トリミングサロンか動物病院で相談してください。
- きょうだい犬なのに、片方だけよく耳をかきます。なぜですか?
- 同じ親から生まれても、耳の垂れ方や入口の毛の量には差が出ます。名前や血のつながりではなく、その子の耳を1回持ち上げて、3段のどこで止まっているかを見てください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
