C11比較・選び方
電解水製品の見分け方
棚に並んだボトルの裏に「電解水」と書いてあっても、その3文字が指す中身は1つに決まりません。電気分解は水をアルカリ側と酸性側に分ける操作なので、同じ言葉で呼ばれる水が2種類あります。どちらの水を使った製品なのかは、色もにおいも手がかりになりません。電解水の製品を見分けるときに読むのは、極・薄め方・試験条件・規格基準の4か所です。この4か所は、書いてある言葉がどれだけ細かいかが、そのまま差になって出ます。
同じ「電解水」の表示で、製品の中身が分かれるところ
電解水は、水に電気を通してつくるという製法の呼び名です。できあがるものの名前ではありません。だから同じ3文字の表示でも、指している水が違うことが起こります。見分けが必要になるのは、ここが理由です。
- どちらの極でできた水か:陰極側ならアルカリ性の還元水、陽極側なら酸性の酸化水。働く相手が変わります
- 薄めているかどうか:原料の水そのものが電解水なのか、できあがった製品に少し混ぜてあるのか。「配合」という言葉だけでは、どちらかが分かりません
- どんな試験条件で確かめたか:対象・接触時間・結果の3つがそろって、はじめて数字の意味が決まります
- 何の規格基準を通ったか:規格基準という言葉が出てきたら、何の規格基準かまで書いてあるかを見ます
この4つは、どれも製品の良し悪しを決める項目ではありません。書いてある言葉がどれだけ細かいかを見るための、読みどころです。粗く書いてあるものが悪いという話ではなく、粗い表示からは、その製品が何をする水なのかを決められないというだけです。決められないまま買うと、使い方も頻度も手探りになります。
電解水の製品を選ぶ人がつまずくのは、成分表を読む力がないからではありません。読んだあとに何が分かるはずなのかが決まっていないからです。この記事では、4か所を読んだ結果として「洗う側の製品か、体に残して使う側の製品か」がその場で言えることを、見分けの到達点にします。
還元と酸化、どちらの極でできた水かが製品の違いになります
電気分解は、1つの水を2つに分ける操作です。陰極側にはアルカリ性の電解還元水が、陽極側には酸性の電解酸化水が生まれます。同じ装置から出てくる水でも、働きかける相手が違います。ここが、製品の違いのいちばん上の分かれ目です。
アルカリ側の電解還元水は、油となじんで乳化します。皮脂に近いごま油で比べた洗浄力の検証が、東洋ビューティーとウェーブコーポレーションの調べとして残っています。洗う工程に組み込む製品は、この側の水を使っていることが多くなります。汚れのもとになっている余分な脂が浮くので、界面活性剤の量を増やさなくても落ちる量が確保できます。
酸性側の電解酸化水は、届き方のほうに特徴があります。水分の浸透力は精製水の35倍とされ、体に残したまま使う製品はこちらの側です。菌についての試験も、この側の水で行われています。標準混合菌や黄色ブドウ球菌などを対象にした試験条件で、接触から30〜60秒後に生菌が検出されなかったという結果が、江東微生物研究所・日本食品分析センター・ユニオンバイテックなどの検査機関の名前とともに公開されています。
「30〜60秒で生菌が検出されなかった」は、その試験条件のもとでの結果です。家の中の床や毛の上で同じことが起きるとは書かれていません。試験条件と検査機関が書いてある製品は、その線をどこに引いたかまで読めます。数字だけが大きく書いてあって条件が見当たらないときは、どの範囲の話なのかを決められません。
電解水の製品を見分けられる時期は、開ける前だけです
電解水は無色で、においもほとんどありません。手に取って振っても、還元側か酸化側かは分かりません。つまり見分けの作業をやれる時期は、買う前の、表示が読める時間に限られます。使い始めてから調べ直すことになると、その子に何回使ったかの記録だけが先に積み上がります。
| 読む条件 | 言葉が粗いときの書かれ方 | 言葉が細かいときの書かれ方 | 細かい側から分かること |
|---|---|---|---|
| どちらの極の水か | 「電解水」とだけある | 還元水/酸化水、またはアルカリ性/酸性まである | 洗う側の製品か、残して使う側の製品か |
| 薄めているか | 「電解水配合」 | 原料の水に使用、精製水で薄めていない | 水の働きが製品にどこまで残っているか |
| 試験条件 | 「除菌」の2文字だけ | 対象・接触時間・結果の3つがある | どの条件の話として受け取ればよいか |
| 誰が確かめたか | 自社調べとだけある | 検査機関の名前が出ている | 数字の出どころを自分でたどれるか |
| 何の規格基準か | 「規格基準をクリア」 | 何の規格基準かまで書いてある | 口や前足が届く場所に使えるかの手がかり |
| 特許の書き方 | 「特許技術」 | 特許5253483のように番号がある | 登録の中身を誰でも読みに行けるか |
| 結論の行 | 粗い側の表示だけで決めない | 細かい側が1つでもあれば、そこから残りを問い合わせられる | 電解水の製品の見分けは、言葉の粒度で決まります |
表の最後の行が、この記事の答えです。4か所すべてが細かく書いてある製品は多くありません。ただ、1か所でも細かく書いてあれば、その会社が何を公開できる状態にしているかが分かります。検査機関の名前が出ている製品なら、試験条件を問い合わせたときに返ってくる見込みが高くなります。特許番号が書いてあれば、番号から登録内容を自分で読みに行けます。
書き方の例を1つ挙げます。mofuwa のグルーミングスプレーとスキンケアミストは、飲みものに使う水に求められる規格基準の側で確かめています。何の規格基準かまで書いてあると、読む側は「口が届く場所に使ってよいか」を自分で判断できます。「規格基準をクリア」だけでは、その判断まで届きません。
モイストシャンプーが原料の水を電解水にした理由と、製品どうしの使い分け
泡立ちをよくするいちばん簡単な方法は、界面活性剤を増やすことです。よく泡立ち、よく落ちます。ただ、よく落ちるほど必要なものまで落ちるので、洗い上がりがごわつき、戻す工程が要ります。工程が1つ増えるということは、その子が浴室で耐える時間がそのぶん延びるということです。
mofuwa モイストシャンプーは、ここを逆から組み立てています。洗浄成分はアミノ酸系だけにして、量も少なくしました。そのうえで、原料の水に電解水を使っています。精製水で薄めていません。電解水そのものに油と乳化する働きがあるので、少ない洗浄成分でも泡が立ち、洗う力が足ります。落としすぎないぶんごわつかず、戻す工程を置かずに済みます。
無香料にしてあるのも、同じ引き算の続きです。犬も猫も、自分についているにおいのほうを好みます。余分なにおいはその子にとって負担になるので、香りは足していません。減っているのは飼い主の手間だけではなく、浴室にいる時間そのものです。
製品どうしの使い分けは、浴室を使う日かどうかで分かれます。湯を使う日はモイストシャンプー、そのあいだの日は mofuwa グルーミングスプレーです。どちらも同じアルカリ側の電解水を原料にしているので、水の働きが日ごとに入れ替わりません。散歩から帰った日に1本、湯を使う日にもう1本、という置き方にすると、表示を読み直す機会は最初の1回で足ります。
洗う頻度を週1回から2週に1回へ落として1か月たっても、同じ場所のフケが同じ量で出る/泡を流す時間を1分延ばしても、洗った翌日に地肌が赤い箇所が4か所以上ある/間の日のケアを毎日30秒続けても、においだけが1週間で戻る/洗った日の夜に、同じ場所をなめ続ける。こうした残り方は、製品の表示をどれだけ細かく読んでも説明がつきません。洗った頻度と、赤みが出た場所の数、いつから変わったかを書き出して、動物病院で診てもらう日を決めてください。使っている製品の表示を写真に撮って持っていくと、そこから先の話が早くなります。
書いてある言葉の粒度で、電解水の製品は選び分けられます
見分けの作業は、成分を1つずつ調べることではありません。4か所の書かれ方を見て、細かく書いてある側がいくつあるかを数えるだけです。数えたあとに残るのは、その製品が洗う側なのか、残して使う側なのかという1行です。
- 1か所も細かくない:どちらの側の水かが決まらないので、使う場所と頻度を自分で決められません
- 1〜2か所が細かい:残りは問い合わせで埋められます。検査機関か特許番号のどちらかが出ていれば、たどる先があります
- 3か所以上が細かい:買う前に、口が届く場所に使えるかまで判断がつきます
次に棚の前に立ったときは、裏面の「電解水」の3文字から、すぐ下の行へ目を移してください。そこに極か、薄め方か、試験条件か、規格基準の種類が書いてあれば、その製品は読める側です。書いていなければ、読めないという情報が手に入ります。見分けは、そこで半分が終わります。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- アルカリ性と酸性では、どちらが強い電解水ですか。
- 強さの比べ方が、この2つには共通していません。アルカリ側は油と乳化して汚れを浮かせる側、酸性側は浸透して届く側です。汚れを落としたい場面でアルカリ側の水を酸性側に替えても、落ちる量は増えません。逆に、体に残して使いたい場面でアルカリ側を選ぶと、目的から外れます。棚の前で決めるのは強さの順位ではなく、その製品に何をさせたいかのほうです。そこが決まれば、読むべき表示も1か所に絞れます。
- 「電解水配合」と書いてある製品は、電解水の製品と呼べますか。
- 呼び方の問題ではなく、割合が書かれていないという事実が残ります。原料の水そのものが電解水なのか、できあがった製品に少量を加えてあるのかで、水の働きがどこまで残っているかが変わります。「配合」しか書かれていないときは、そこから先を表示だけでは決められません。製造元に問い合わせるか、原料の水について書いている製品を選ぶか、どちらかになります。判断できないことを判断できないまま置いておくのも、見分けの一部です。
- 検査機関の名前が書いてあれば、家でも同じ結果になりますか。
- なりません。試験は、対象・濃度・接触時間・温度といった条件をそろえた場所で行われています。家の床や毛の上は、その条件から外れます。検査機関の名前が書いてあることの価値は、結果を家へそのまま持ち込めることではなく、どの条件で確かめたかを後からたどれることにあります。数字を見たら、まず条件を探してください。条件が見つからない数字は、範囲の分からない数字のままです。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
