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シニア犬と暮らす人のための夜勤・不規則な勤務|5分で終わらせるケア

公開日 2022年6月11日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋で、うすいクリーム色の年をとった犬がやわらかい敷物の上で眠っている
人が寝ているあいだ、その子も同じ向きのまま寝ています。動かない時間の長さは、人の側が決めています。写真:https://kaboompics.com//Pexels

夜勤明けに6時間寝て目を覚ましたら、その子は寝る前とまったく同じ向きで、同じ場所に伏せていました。床に手を入れると、体の下側だけが温かく、少し湿っています。不規則な勤務で困るのは、ケアの時間が取れないことではありません。ペットのケアを毎日同じ時刻に置けないこと、そしてもう一つ、人が寝ているあいだ、老犬も一緒に動かなくなることです。人の睡眠時間が、そのままその子の動かない時間の長さになっています。だからこの記事では、時刻ではなく「人が起きる瞬間」に5分を置く形を書きます。

目が覚めたら、寝る前と同じ向きのままでした|夜勤明けの昼と老犬の経験

夜勤明けの帰宅は10時すぎです。玄関を開けると、その子はもう起きていて、しっぽを振りながら待っています。ただ、若い頃のように駆けてはきません。後ろ脚に力を入れて、少し間を置いてから立ち上がります。ここ1年でいちばん変わったのは、この立ち上がりの数秒です。

水を替えて、ごはんをやって、11時にはこちらが寝ます。その子も寝室に入ってきて、ベッドの脇の敷物に伏せます。目覚ましは17時。起きて目を開けると、その子は11時に伏せたときと同じ向き、同じ位置のまま寝ていました。手を入れると、床に接していた側だけが温かく、毛が寝てつぶれています。

その日はたまたまだろうと思っていました。けれど、夜勤明けの日は毎回そうなります。日勤の日はそうなりません。違うのは、人が昼に寝ているかどうかだけです。不規則な勤務で暮らしていると、人の眠る時刻が動くたびに、老犬の動かない時間も一緒に動いています。ペットの生活が人に合わせてくれている、という言い方をよくしますが、実際に合っているのは睡眠のほうでした。

不規則な勤務の人がよく言われるのは、時間がないという話です。けれど夜勤明けの日に限れば、時間そのものはあります。足りないのは時間ではなく、毎日同じ位置に置ける時刻のほうです。そして老犬と暮らしていると、ペットの側にもう一つ、人が寝ているあいだの長さという条件が重なります。

人の睡眠時間が、その子の動かない時間になっている|不規則な勤務と老犬が重なる背景

若い頃は、人が寝ていても勝手に動いていました。水を飲みに行き、日の当たる場所へ移り、玄関の音がすれば起きる。年をとると、自分から動きはじめる回数が減って、人の動きのほうが合図になります。人が立てば立ち、人が横になれば伏せる。年をとったペットが人の生活へ同調していくのは、ごく自然な変わり方です。

この同調が、不規則な勤務と噛み合うと、時間の長さのほうに出ます。夜勤明けに人が昼の11時から17時まで寝れば、その6時間はそのまま、その子が同じ姿勢でいる時間になります。そして夜も一緒に寝ます。1日のうちに、動かない時間が2つの大きなかたまりとして並ぶことになります。日勤だけの生活では、こうはなりません。

勤務のかたちで、その子の動かない時間の並びが変わる
勤務人が寝ている時間その子の動かない時間の並び
日勤深夜0時〜6時ごろ夜に1つ。日中は人がいないが、自分の時刻で動ける
夜勤明け昼11時〜17時ごろ+夜昼と夜に2つ。あいだの起きている時間が短い
連続の夜勤毎日ずれた時刻に毎日ちがう時刻に、長いかたまりが来る
休みの日夜だけ夜に1つ。ただし人が家にいるので日中は動く

同じ姿勢が長く続くと、体の側で起きることは決まっています。床に接している面の被毛がつぶれて、風が通らなくなります。そこに体温と、皮膚から出た皮脂と、わずかな湿りが残ります。老犬は自分で寝返りを打つ回数も減るので、同じ面が同じ場所で続きます。背中側は毛が起きていて空気が通るのに、下側だけ条件が違う、という状態がここから生まれます。

ここで大事なのは、これが病気の話ではないということです。寝ている時間が長いこと自体は、老犬にとって自然です。変えられるのは、寝ている時間の長さではなく、その時間が終わったあとに何をするかのほうです。不規則な勤務は勤務表で決まっているので、人の側の睡眠も動かせません。動かせる場所はひとつしかありません。

Note寝かせないようにする、という方向へは行かないでください

動かない時間が長いなら起こせばいい、と考えたくなりますが、その方向は取らないでください。老犬にとって、まとまって眠れることのほうが先です。途中で起こすと、寝直すまでにまた時間がかかり、結局その子の負担が増えます。ペットの側の時間割をこちらで作り替えるのではなく、すでにその子が起きる瞬間に、こちらが合わせる。不規則な勤務でケアを続けるコツは、この向きの取り方にあります。

人が起きる瞬間に5分を置く|不規則な勤務でも毎日1回だけ必ず来る理由

夜勤のある生活では、「毎晩9時に」という形の習慣が作れません。時刻が動くからです。けれど、時刻が動いても必ず1日に1回あるものがあります。人が目を覚まして、最初に立ち上がる瞬間です。これは、勤務表がどう組まれていても消えません。ここにペットのケアの5分を置くと、不規則な勤務のままでも毎日が揃います。

この瞬間を選ぶ理由は、こちらの都合だけではありません。人が起きると、その子も一緒に起きます。つまり、体がいちばん長く同じ姿勢でいた直後にあたります。接地していた面はまだ温かく、毛のつぶれ方も残っていて、状態がそのまま読めます。数十分たって歩き回ったあとでは、この情報は消えています。読める時間は、起き上がる前後の数分しかありません。

  1. 30秒:立たせる前に、寝ていた面へ手を当てる

    まず床とその子のあいだへ手を差し入れます。温かさ、湿り、毛の寝ている向き。この3つだけ確かめてください。いつもより湿っている日、片側だけ熱を持っている日があります。老犬は自分で場所を変えないので、条件は毎回同じ場所に出ます。

  2. 30秒:立ち上がるまでの数秒を、そのまま見る

    呼んで急がせないでください。後ろ脚をどう使ったか、何秒かかったか、最初の1歩がどちらへ出たか。不規則な勤務だと日によって見る時刻が違いますが、見るのは時刻ではなく動きなので、比べられます。ここが毎日の記録になります。

  3. 3分:接地していた面だけを、毛の流れに沿ってなでる

    背中ではなく、下側です。おなか、内もも、胸の下、しっぽのつけ根。老犬を長く立たせておく必要はありません。伏せたまま、体を起こさずに触れる側だけをやって、次に起きたときに反対側にしてください。毛を起こして空気を通すところまでで終わりです。

  4. 1分:水を替えて、食器を乾く向きに置き直す

    人が寝ていた時間は、水にとっても置かれっぱなしの時間です。起きたついでにここまでやると、次に人が寝るまでのあいだが整います。1分で終わるので、5分の枠から出ません。

5分に収める理由は、夜勤明けの人が起きた直後にできる量が、それくらいだからです。長くすると、疲れている日に丸ごと飛びます。飛ぶくらいなら、面を半分にして2分半にしてください。不規則な勤務では、内容を削って回数を残すほうが結果が出ます。毎日5分より、毎日2分半のほうが強いということです。

この3分で使っているのは、mofuwa グルーミングスプレーです。布に含ませて、つぶれている面の毛を根元から起こす向きになでます。老犬にとって大きいのは、伏せたままの姿勢で終わることです。体を起こさせる必要も、立たせておく必要もありません。湯船は、この年齢になるとそれ自体が負担になります。洗ってあげられない子なのではなく、湯船に入れないほうがいい時期に入っている、というだけです。グルーミングスプレーは、立たせずに、接地していた面だけへ手を入れられる1本です。洗って乾かしきる日は休みのほうに寄せて、それ以外の日はこの3分に置いています。

Point勤務表が変わっても、この5分だけは動きません

夜勤が続く週も、日勤に戻る週も、人は必ず1日1回起きます。時刻ではなく動作に紐づけているので、勤務表が変わっても組み直しが要りません。不規則な勤務の人が習慣を失うのは、たいてい勤務が変わったときです。時刻で組んだ習慣は、そこで一度ゼロに戻ります。動作で組んだ習慣は戻りません。ここが、老犬と長く付き合ううえでの差になります。

先週は2秒、今週は4秒|老犬では起き上がりの秒数が線になる

毎日同じ瞬間を見ていると、そのうち差が出てきます。先週は2秒で立てていたのに、今週は4秒かかっている。この種の変化は、日中のどこかでたまたま見ただけでは拾えません。人が起きる瞬間という、条件のそろった1点を毎日通っているから比べられます。不規則な勤務でペットと暮らす人にとって、これは意外に強い持ち物です。

5分のあいだに見えるものと、その読み方
見る場所拾える変化続いたときの見方
寝ていた面の温度と湿りいつもより湿る、片側だけ熱を持つ3日続いたら、寝床の素材と位置を先に変える
起き上がるまでの秒数秒数が増える、後ろ脚から起きられない1週間で戻らないなら動物病院で相談
最初の1歩の出方同じ側の脚をかばう、ふらつくその日のうちに相談してよい変化です
接地面の皮膚赤い、じくじくする、毛が薄いこすらず、その日のうちに相談
下側の被毛つぶれたまま起きない、べたつく毎日の手入れの範囲。回数ではなく面で調整
においの質これまでと違うにおいが1か所から洗う回数を増やす前に相談

表の右の列を「相談」で寄せているのは、老犬の場合、家で待つ意味が若い子より小さいからです。2週間様子を見て、というやり方が向かない年齢に入っています。毎日のケアで扱えるのは、被毛のつぶれと、皮膚の表面に残る湿りまでです。そこから先は家の側の話ではありません。

Cautionその日のうちに動物病院へ相談したい様子

立ち上がれない、立ち上がったあとふらつく、後ろ脚をひきずる、寝ている場所が濡れている、食欲が落ちた、水を飲む量が急に増えた、呼吸が速い、体の同じ場所をなめ続けている、皮膚が赤くじくじくしている、触ると痛がる。いずれかに当てはまるときは、次の休みまで待たずに動物病院へご相談ください。不規則な勤務だと受診の時間を作りにくいのは確かですが、老犬では待った日数がそのまま条件になります。電話で相談の予約だけ先に取っておくと、勤務のあいだにも動けます。

受診のときは、この5分で見てきたことをそのまま伝えてください。いつから秒数が変わったか、どちら側の面が湿っていたか、勤務がどう並んでいた週か。不規則な勤務の人は、日付ではなく勤務表で記憶していることが多いので、勤務表をそのまま持っていくのが早いです。ペットの生活が人の勤務に同調しているぶん、勤務表が生活の記録になっています。

夜勤も、不規則な勤務も、こちらの都合で変えられるものではありません。人が昼に寝るかぎり、その6時間は老犬にとって動かない時間であり続けます。変えられるのは、その時間が終わる瞬間に、こちらが起きているという一点だけです。人が起きるときが、その子が動くとき。そこに5分を置いておけば、勤務表がどう変わっても、毎日は途切れません。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。