C05犬種・猫種別ケア

ジャーマンポインターと暮らすなら知っておきたい、耳の汚れの話

公開日 2022年7月5日|文=mofuwa編集部

明るい光の入る部屋で、淡い色の床に短い毛の犬が落ち着いて伏せている
耳を持ち上げるまで、外からは見えない面があります。そこが一日じゅうこすれています。

ジャーマンポインターの耳をそっと持ち上げると、付け根から数センチのところに、折り目のような線が一本走っているのが分かります。耳が前へ倒れるとき、毎回ほぼ同じ場所で曲がるからです。その線から先は頭の側にかぶさっていて、二つの面が合わさったまま一日を過ごしています。耳の汚れを探すとき、目が向かうのはたいてい穴のほうです。ところが指で折れ目の内側をなぞると、そちらに先に汚れがついていることがあります。この記事では、耳の穴と折れ目という2か所を並べて、ジャーマンポインターの耳のどこに手を入れる日なのかを見分けられるようにします。

付け根が高く、前へ折れて垂れる|ジャーマンポインターの耳に汚れが出る面

ジャーマンポインターの耳は、頭のかなり高い位置から始まります。目の高さより上、頭骨の上面に近いところに付け根があり、そこから耳の面が前へ倒れて垂れます。高い場所から前へ倒れるので、耳は自分の重さで、付け根の少し先を折り曲げます。この曲がる線が、毎日ほぼ同じところに来ます。持ち上げたときに見える折り目のような線が、それです。

この作りは、この犬種が担っていた仕事から来ています。野原を広く走って鳥のいる場所を探し、止まって姿勢を保つ。走る、止まる、また走るをくり返す仕事です。耳が高い位置にあれば、走っているあいだも耳の先が地面の草に届きません。そのうえで薄く、短い被毛でおおわれているので、耳そのものは軽く、体格のわりに小さくまとまっています。垂れた耳のなかでは、動きの少ない部類に入ります。

動きが少ない、というところが、汚れの話につながります。折れ目より先の面は、頭の側の面と合わさったまま、その日ずっと同じ位置にいます。走ったときの上下の揺れで、合わさった二つの面はわずかにこすれ続けます。こすれる場所には、皮脂と、抜けた短い被毛が残ります。ジャーマンポインターの被毛は短いので、抜けた毛は目立たないまま折れ目の線に沿って溜まっていきます。

つまり、ジャーマンポインターの耳の汚れは、外から入ってくるというより、その場で作られている割合が高くなります。飾り毛が地面のものを拾って持ち帰る犬種とは、出どころが違います。だから散歩に出なかった日でも、折れ目の内側の条件はほとんど変わりません。週末だけ手を入れるという組み方が合いにくいのは、このためです。

Note汚れの多くは、穴の中で作られていません

耳の汚れというと、穴の中から出てくるものだと考えがちです。ジャーマンポインターの場合、指で最初に汚れが触れるのは、折れ目の内側であることが多くなります。ここを分けておかないと、手を入れる先が毎回、家庭では触れないほうの場所に向かってしまいます。掃除の対象がどこにあるのかを先に決めるほうが、結果として早く落ち着きます。

耳の穴と、折れ目の内側|ジャーマンポインターの耳で汚れの出どころが分かれる違い

同じ「耳の汚れ」という言葉で呼んでいる2か所を、同じ項目で並べます。比べるのは汚れの量ではなく、どこで作られているかと、家庭の手がどこまで届くかです。この違いがはっきりすると、毎日のケアで持つ道具も、触らないと決める場所も、自然に決まります。

一つ目は、耳の穴です。外から見えるのは入り口までで、その先は曲がっていて見えません。ここは家庭で器具を入れる場所ではありません。綿棒のような細いものを入れると、奥にあるものを手前へ運ぶのではなく、奥へ押し込む向きに力がかかります。ジャーマンポインターの耳でも、穴の中に対して家庭でできるのは、持ち上げて入り口を見ることと、においをかぐことまでです。

二つ目は、折れ目の内側です。耳を持ち上げれば全体が見え、指も布も届きます。ここは日中ずっと合わさっている面なので、皮脂と抜けた被毛が残ります。見える、届く、毎日変わる。この3つがそろっているのは折れ目の側だけです。ジャーマンポインターの耳の汚れで家庭が手をかけるのは、こちらになります。

ジャーマンポインターの耳で、2か所がどう違うか
折れ目の内側耳の穴の中
汚れができる仕組み合わさった面のこすれと皮脂耳の中で作られたものが出てくる
外から見えるか持ち上げれば全部見える入り口までしか見えない
家庭の手が届くか指と布が届く届かない。器具は入れない
変化の速さ1日でも変わる数日から数週の単位で変わる
家でやること持ち上げて拭く見る。においをかぐ
散歩に行かない日条件はほとんど変わらない条件はほとんど変わらない
変化に気づいたら拭く回数と乾き方を見直す動物病院に相談する
耳の穴と、折れ目の内側 ジャーマンポインターの耳は付け根が高く、前へ折れて垂れます。折れ目の内側は毎日こすれている面で、家庭の手が届きます。耳の穴の中は、家庭で器具を入れる場所ではありません。 同じ「耳の汚れ」でも、出どころが2か所に分かれます 折れ目の内側 合わさった面が一日こすれる 皮脂と抜けた短い被毛が残る 持ち上げれば見える/届く 毎日のケアの対象になる 耳の穴の中 見えるのは入り口まで 器具を入れる場所ではない 見る、においをかぐだけ 変化があれば動物病院へ 手を入れる場所と、見るだけの場所を分けておきます
掃除の対象は、穴の側ではなく折れ目の側にあります。

この2か所には、順番の関係もあります。折れ目の内側を毎日見ていると、耳の穴の側の変化に早く気づけます。持ち上げる動作が習慣になっていれば、入り口の色やにおいがいつもと違う日に、手が止まるからです。逆に、折れ目を見ないまま穴の中ばかり気にしていると、気づく機会そのものが減ります。

もう一つ、換毛期の話をしておきます。短い被毛でも、季節の変わり目には抜ける量が増えます。抜けた毛は体の表面を滑って落ちますが、折れ目の内側に入ったものは、合わさった面にはさまれてそこに残ります。換毛期には、折れ目の内側だけ汚れの出方が変わることがあります。耳の穴の側の条件は、この時期でも大きく動きません。

折れ目に沿って指を送る|ジャーマンポインターの耳の汚れの見分け方

手を入れる場所が決まったら、今日その場所に手を入れる日かどうかを見ます。毎日ごしごし拭く必要はありません。見分け方の中心にあるのは、耳を持ち上げてから指を離すまでの十数秒です。座らせるより、立たせたまま横から行うほうが、ジャーマンポインターの体格には合います。次の順で回してください。

  1. 耳の先ではなく、付け根に手を添えて持ち上げる

    先をつまんで引き上げると、折れ目の線に引っぱる力がかかります。付け根の側に手のひらを当てて、耳全体を後ろへ倒すように開きます。この持ち方だと、折れ目の内側の面がそのまま上を向きます。嫌がる子には、開いたらすぐ戻す動きを何度か先に見せてください。

  2. 折れ目の線に沿って、指の腹を一往復させる

    線と直角ではなく、線に沿って送ります。指の腹が引っかかるか、すっと滑るか。引っかかるなら、そこに抜けた被毛と皮脂が溜まっています。滑るなら、その日は拭かなくて構いません。爪は立てず、指の腹だけを使ってください。

  3. 指を離してから、その指のにおいと色を見る

    耳に鼻を近づけるより、触れた指を見るほうが分かります。色がつくか、つかないか。においが移るか、移らないか。色もにおいも移らない日が続いているなら、いまの毎日のケアで足りています。移った日だけ、拭く手を入れます。

  4. 左右の耳で、同じことをして比べる

    ジャーマンポインターは左右で耳の垂れ方がわずかに違う子がいます。片側だけ折れ目の内側の条件が変わるのは、寝るときの向きや、いつも同じ側で頭を床につけていることと関係することがあります。左右をそろえて見る癖をつけると、片側だけの変化に早く気づけます。

指で確かめた結果と、その日にすること
指で確かめたことその日にすること
滑る。指に色もにおいも移らない何もしません。耳を戻して終わりです
わずかに引っかかる。色は移らない折れ目の内側だけ、乾いた布で一度なでます
色が移る。においは強くない布を湿らせて、折れ目の線に沿って拭きます
においが移る。持ち上げると気づく拭いてから、翌日と翌々日も同じ場所を見ます
入り口が赤い。触ると嫌がる拭かずに、動物病院に相談してください
Pointジャーマンポインターは、外から見ても分かりません

耳が薄くて短毛なので、垂れたままの状態では表面がいつもきれいに見えます。外から見て変わりないことは、折れ目の内側が変わっていない証明にはなりません。散歩から帰ってリードを外すときに、そのまま両耳を一度持ち上げる。動作を一つにまとめてしまうと、思い出さなくても回るようになります。ブラッシングのついでに、と決めてしまっても同じように回ります。

拭く面と、触らない面|ジャーマンポインターの耳のケアの使い分け

ここからは、実際に手を動かす話です。ジャーマンポインターの耳では、手を入れる面と、見るだけで触らない面を最初に決めます。この線を引かないまま道具を持つと、届かない場所を目指して力が入ります。手を入れるのは折れ目の内側と、その先の頭に触れている面まで。耳の穴の入り口から先には、指も布も入れません。

  1. 折れ目の内側は、線に沿って一方向になでる

    布を人差し指と中指に巻いて、折れ目の線に沿って、付け根から先の方向へ一度なでます。往復させないでください。往復させると、いま外へ運んだものを戻すことになります。一度なでたら布の面を変えて、もう一度。3回で足ります。ジャーマンポインターの耳は面積が小さいので、これで折れ目の内側は一周します。

  2. 頭に触れている側の面も、同じ回数だけ拭く

    こすれているのは二つの面です。耳の側だけ拭いて、頭の側を残すと、耳を戻した瞬間にまた同じ面が合わさります。こすれている場所は、必ず2枚で1組と考えてください。頭の側は毛の流れがあるので、流れに沿って一方向へ。

  3. 耳の入り口は、見るだけにする

    入り口の色を見て、においをかぐところで止めます。綿棒や指先を入れて、見えないところを探らないでください。入り口より先で気になることがあれば、それは家庭のケアではなく、動物病院に伝える情報になります。

  4. 拭いたあとは、数十秒だけ耳を開いたままにする

    拭いた面が湿ったまま合わさると、乾ききる前に元の状態に戻ります。耳を後ろへ倒したまま、体をなでるなどして数十秒おいてください。ジャーマンポインターの耳は薄いので、この数十秒で表面は乾きます。長く押さえておく必要はありません。

頻度の使い分け。毎日やることは1つだけです
何をするかどのくらい
持ち上げて見る折れ目に指を送り、色とにおいを見る毎日。10秒ほど
折れ目の内側を拭く線に沿って一方向に、布の面を変えて3回指に色が移った日だけ
頭に触れている面も拭く毛の流れに沿って一方向へ折れ目を拭く日と同じ日に
換毛期に回数を足す拭く日の間隔を短くする春と秋。時期が終われば戻す

皮脂についても書いておきます。折れ目の内側に残るものの一部は、その子の皮脂です。皮脂は本来、皮膚の表面を守っている側のものです。だからといって、洗う回数を増やす方向へは寄せないでください。洗う回数が増えると、皮脂と一緒に地肌のうるおいまで減ります。ジャーマンポインターは被毛が短いぶん、地肌が外の条件をそのまま受けます。動かすのは洗う回数ではなく、折れ目の内側を拭く日の間隔のほうです。

Caution折れ目の内側を、力を入れてこすらないでください

指に色が移ると、つい強くこすりたくなります。けれど折れ目の内側は、もともと一日じゅうこすれている面です。そこへさらに力を加えると、汚れより先に皮膚のほうが変わります。一度で落としきらなくて構いません。布の面を変えて3回なでて、残ったものは翌日に回してください。嫌がる、声を出すというときは、その場で手を止めます。

折れ目に残った汚れが指に色として移っているのに、乾いた布が引っかかって一方向で拭き終われない日があります。この耳は、人が持ち上げないかぎり一日じゅう合わさったままで、開くかどうかを決めているのは、いつも人の手のほうです。開けた10秒のあいだに終わらせたいので、布の滑りは先にそろえておきます。mofuwa スキンケアミストに入っているのは、ワンテンスの電解水そのものです。この電解水については、決められた試験条件のもとで、検査時間30〜60秒後に生菌が検出されなかったという結果が報告されています(江東微生物研究所、日本食品分析センターほか)。試験条件のもとで測られた結果であって、家庭のどの場面でも同じことが起きるという意味ではありません。数字と結果は、条件から切り離すと意味が変わります。使うときは耳に直接吹きかけず、布の面へ一度移してから、折れ目の内側と、頭に触れている面を一方向へなでます。濡らすためではなく、こすらずに拭き終えるためです。耳の穴の入り口から先には使いません。

折れ目を拭いても戻る汚れ|ジャーマンポインターの耳に当てる布の選び方

最後に、布そのものの話と、家庭のケアの外側の話をします。まず布です。選ぶ基準は素材の名前ではなく、折り返せる薄さかどうかです。厚い布は指に巻いたときにかさが出て、折れ目の線に沿って入りません。薄くて、面を何度か変えられるだけの大きさがあるものを選んでください。使い捨てにするか洗って使うかは、どちらでも構いません。同じ面で2度なでない、という点だけを守ります。

ここまでは、折れ目の内側という条件で説明のつく汚れの話でした。拭き方を変えても、間隔を詰めても、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、ジャーマンポインターの耳の作りの話として片づけないほうが安全です。

Caution早めの受診をおすすめするサイン

耳の入り口が赤い、腫れている、これまでと違うにおいがする、触ると痛がる、頭を傾けている、しきりに頭を振る、耳のまわりの毛が薄くなっている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。ジャーマンポインターの耳は垂れているぶん、外から様子が分かりません。迷ったら早いほうを選んでください。

相談に行くときは、いつから、左右のどちらか、その日に何で拭いたかの3つをメモしてください。この3つがあると、折れ目の内側の条件で説明のつく汚れなのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてしまうと、もとの状態が分からなくなります。気づいた日の状態のまま連れて行ってください。

ジャーマンポインターと暮らすうえで、耳が前へ折れて垂れること自体は変わりません。高い位置に付いた耳は、この犬種が野原を走って仕事をするためにそなえた作りだからです。減らせるのは汚れが出ること自体ではなく、折れ目の内側に残っている時間のほうです。穴の中は見るだけにして、折れ目の内側に手を入れる。持ち上げる10秒を毎日の側に置いて、拭く日は指が教えてくれた日だけにする。ジャーマンポインターの耳で動かせるのは、そこです。

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よくある質問

ジャーマンポインターの耳掃除は、毎日したほうがいいですか?
毎日必要なのは、耳を持ち上げて折れ目の内側に指を送り、色とにおいを見るところまでです。指に何も移らない日は、拭かずに戻して構いません。折れ目の内側は一日じゅうこすれている面なので、毎日拭くと、汚れより先に皮膚のほうが変わります。拭く日は、指が教えてくれた日だけにしてください。
耳の穴の中は、家で掃除しなくていいのですか?
家庭でできるのは、持ち上げて入り口を見ることと、においをかぐことまでです。綿棒のような細いものを入れると、奥のものを手前へ運ぶのではなく、奥へ押し込む向きに力がかかります。入り口より先で気になることがあれば、それは家庭のケアではなく、動物病院に伝える情報として持っていってください。
短い被毛なのに、耳の汚れが目立つのはなぜですか?
被毛が短いことと、汚れが出ることは別の話です。ジャーマンポインターの耳は付け根が高く前へ折れるので、折れ目より先の面が頭の側の面と合わさったまま動きません。その二つの面がこすれて、皮脂と抜けた短い毛が線に沿って溜まります。短い毛は外から見えないので、指で触れてはじめて分かる、という順番になります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。