C05犬種・猫種別ケア

グレーハウンドのケア|皮膚の乾燥を減らす3つの習慣

公開日 2022年6月28日|文=mofuwa編集部

明るい部屋のやわらかい敷物の上で、短い毛の細身の犬がくつろいでいる
背中は触って確かめる面、胸と内股は見て確かめる面です。同じ1頭の中で、見つけ方が入れ替わります。

グレーハウンドを横から抱き寄せると、背中の毛と胸の地肌が、同じ手のひらの中に一度に入ります。背中側には短くて密な毛があり、指を滑らせると布のような手ざわりが返ってきます。そのまま手を下へ回すと、途中から毛がなくなり、地肌が直接指に触れます。胸の中央、お腹、内股。ここには、面として数えられるほどの被毛がありません。1頭の中に、条件のまったく違う2つの面があります。皮膚の乾燥がどこから出るか、どうやって見つけるか、何をすればいいか。その3つとも、どちらの面の話をしているかで変わります。この記事では、その2つの面を並べて比べます。

背中には被毛があり、胸と内股には地肌が出ている|グレーハウンドの体にある2つの面

グレーハウンドの被毛は、短く、密で、体に貼りつくように寝ています。1本ずつは細く、下毛の層をほとんど持ちません。それでも背中から体の側面までは、面としての被毛があります。手のひらを当てて滑らせると、指が毛の上を通っている感触が返ってきます。日ざしも、風も、まずこの毛に当たります。

同じ体の下側は、条件がまったく違います。胸の中央から腹、後ろ脚の内側にかけて、毛がまばらになり、最後には地肌がそのまま見える面になります。個体によって範囲は違いますが、この犬種と暮らしている方なら、抱き上げたときに一度は目にしているはずです。ここには、外から当たるものを受け止める毛がありません。

この作りは、この犬種が担っていた仕事から来ています。開けた土地を短い距離で走り抜けるための体です。厚い被毛は、走るときに熱を逃がすうえで邪魔になります。だから毛は短くなり、下側は空気に直接触れる面として残りました。多いか少ないかという話ではなく、上と下で役割が分かれている作りです。

皮膚の乾燥を考えるとき、この2つの面を一緒に扱うと話が合わなくなります。背中には粉が出ていないのに内股だけつっぱっている、逆に内股は落ち着いているのに背中に細かいざらつきがある。どちらもよく起こります。同じ1頭の話なのに結論が食い違うのは、条件が違う2つの面を、1つの「グレーハウンドの乾燥」としてまとめてしまうからです。

Noteどちらが弱い面か、という比べ方はしません

地肌が出ている面のほうが不利に見えますが、被毛のある面には「変化が隠れる」という別の条件があります。短い毛でも、面としてあるだけで、地肌の色も細かいしわも見えなくなります。むき出しの面は早く出るかわりに、早く気づけます。守られている面は遅れて出るかわりに、気づくのも遅れます。どちらが弱いかではなく、出かたと見つけ方が入れ替わる、と考えてください。

守られている面と、むき出しの面|グレーハウンドの乾燥はどこが違うか

2つの面を、同じ項目で並べます。比べるのは面積でも見た目でもなく、何に触れているか、湿度がどう届くか、そして何を見れば分かるかです。グレーハウンドの乾燥では、この3点が上下で反転します。

同じ1頭の中で、条件がここまで違います
背中・体の側面(被毛のある面)胸・腹・内股(地肌の面)
被毛短く密な1層。面としてあるまばら、または地肌がそのまま
何に触れているか空気、日ざし、寝るときの上側床、寝床、座面、自分の脚
部屋の湿度の届き方毛の層をはさむぶん、遅れて届くそのまま届く。数日で手ざわりが動く
洗いすぎたときの出かた毛が残るので、しばらく分からない色とつっぱりで、すぐ表に出る
見つけ方手のひらを滑らせて、ざらつきを探す目で見る。色・しわ・粉を確かめる
ブラッシングの出番流れをそろえる意味がある当てる相手がない。手のひらまで
変化に気づく速さ遅い。気づいたときには面で広がる早い。ただし毎日見ないと分からない
被毛のある面と、地肌の面 グレーハウンドは同じ1頭の中に、被毛が面としてある側と、地肌がそのまま出ている側を持っています。乾燥の出かたも、見つけ方も、この2つで入れ替わります。 同じ1頭の中で、条件が2つに分かれます 背中・体の側面 短く密な1層の被毛がある 触れているのは空気と日ざし 見つけ方:手のひらで探す 出るのが遅く、面で広がる 胸・腹・内股 地肌がそのまま出ている 触れているのは床と寝床 見つけ方:目で見て確かめる 出るのが早く、すぐ分かる 手のひらの面と、目で見る面。役割を分けます
上下で条件が違うので、手を入れるときも別々に考えます。

表の中で、いちばん実感しにくいのが湿度の届き方です。部屋の空気が乾いたとき、背中側は毛の層が空気をはさむぶん、変化が遅れて出ます。いっぽう地肌の面は、その日の空気がそのまま当たります。加湿を始めた日に内股の手ざわりだけ先に変わり、背中は数日たってから追いつく、ということが起こります。同じ部屋にいるのに、時間差があります。

床の側の条件も見ておきます。グレーハウンドは体が大きいわりに、寝ているあいだ体重が当たる面が限られます。胸の下と腰の外側は、寝床の素材にいちばん長く触れている場所です。硬い床、目の粗い敷物、冷たいタイルの上。そこに毛のない面が直接当たれば、うるおいが逃げる時間も長くなります。地肌の乾燥を考えるときは、部屋の湿度より先に、寝床の素材のほうを疑ってください。

手のひらと目を分ける|グレーハウンドの乾燥を確かめる使い分け

条件が違えば、確かめ方も違います。グレーハウンドでは、背中は触って探す面、胸と内股は見て探す面です。これを逆にすると、どちらの面でも見落とします。背中を目で見ても、短い毛が地肌を隠します。内股を手で撫でても、そこには手ざわりの基準になる毛がありません。使い分けは、次のとおりです。

  1. 背中:手のひら全体を当てて、毛の流れに沿って一度だけ滑らせる

    指先ではなく、手のひらの面で触ります。途中でざらつく、引っかかる、毛が逆立って戻らない。この3つのどれかがあれば、その場所は乾いています。細かい粉が指に残ることもあります。毎日同じ経路で1回滑らせるだけで足ります。長く撫でるほど分かるものではありません。

  2. 胸と内股:明るい場所で、目で見る

    抱き上げるか、その子が横になっているときに見てください。見るのは、色と、細かいしわと、つっぱった張りの3つです。いつもより白っぽい、細い線が網目に見える、指で軽く押したときに戻りが遅い。手で撫でて確かめようとしないでください。地肌の面では、触った刺激そのものが余計に働きます。

  3. 境目:毛がある側から、ない側へ、手を1回だけ通す

    脇の下から胸へ、腰から内股へ。毛のある面と地肌の面のあいだには、毛がまばらな境目があります。ここは両方の条件が重なる場所で、変化が最初に出ることがあります。手を通したときに引っかかりが増えていたら、次の日から見る回数を増やしてください。

  4. 記録:見た場所と日付だけ、1行残す

    毎日全身を見る必要はありません。今日は背中、明日は内股、と分けて、日付と気づいたことを1行だけ残します。グレーハウンドの乾燥は、季節や部屋の条件で行き来します。1行の記録があると、動物病院に相談するときにも、どの面がいつから変わったかを伝えられます。

Pointブラッシングの意味も、面によって変わります

背中側では、ブラッシングに意味があります。短い毛でも流れをそろえれば、皮脂が毛の面に行き渡り、手のひらで変化を拾いやすくなります。いっぽう地肌の面には、当てる相手がありません。そこへ道具を当てると、毛ではなく皮膚を直接こすることになります。内股や腹に道具を持ち込まない、と決めておくだけで、この犬種では余計な刺激がひとつ減ります。

順番・回数・湿度|グレーハウンドの乾燥を減らす3つの習慣と、その選び方

ここからが毎日の話です。3つ挙げますが、3つとも毎日やること、にはしません。1回のケアの中で決めることが1つ、1週間の中で決めることが1つ、1年の中で決めることが1つ。決める単位をずらしてあるので、忙しい週でも全部が同時に止まりません。どれから始めるかの選び方は、この節の最後に置きます。

  1. 習慣1:1回のケアの中で、被毛のある面から先に触る

    背中を先に、地肌の面をあとにします。順番に理由があります。地肌の面を先に触ると、そのあと背中を触るときに手の力加減が残り、強くなりがちだからです。背中で手のひらの当て方を決めてから、下側へ移ってください。下側では、力を半分に落とします。触る面積も、背中より小さくて構いません。時間がない日は、背中の1往復だけで終わってかまいません。順番が崩れていなければ、その日は成立しています。

  2. 習慣2:1週間の中で、洗う回数の上限を先に決める

    洗いすぎは、地肌の面に先に出ます。ただ、出たときには背中側でも同じことが起きています。回数を「汚れたら洗う」で決めると、上限がないまま増えていきます。週に何回までと先に決めて、それを超えそうな日は、汚れた場所だけを部分的に拭く方法に替えてください。全身を洗う日と、部分だけの日を分けるだけで、地肌の面が水にさらされる回数はまとめて減ります。散歩で泥がついた日も、ついた場所だけで足ります。

  3. 習慣3:1年の中で、湿度が動く時期にだけ寝床を替える

    空気が乾く時期は、地肌の面から先に変わります。このとき動かすのは加湿器の設定だけではありません。寝床の素材を、その時期だけ変えてください。目の粗いもの、硬いもの、冷たい面が出るものを、やわらかく面で当たるものに替えます。グレーハウンドは同じ姿勢で長く寝るので、当たっている素材の影響が時間として積み上がります。時期が過ぎたら、元に戻して構いません。

3つの習慣は、決める単位が揃っていません
何を決めるか決める単位先に効いてくる面
習慣1背中を先に触る、という順番1回のケアの中両方
習慣2洗う回数の上限と、部分だけで済ます日1週間の中胸・腹・内股
習慣3寝床の素材を替える時期1年の中床に当たっている面

選び方も書いておきます。いま気になっているのが地肌の面なら、習慣2から始めてください。洗う回数は、いちばん早く手ざわりに返ってきます。背中側のざらつきが気になるなら、習慣1から。触る順番を変えるだけなので、今日からできます。冬に入る前、あるいは梅雨明けのように空気の状態が動く時期なら、習慣3を先に置きます。3つを同時に始めなくて構いません。

習慣2で「部分だけで済ます日」と書いた、その部分の話をします。胸と内股は、その子が伏せているあいだ、ずっと床のほうを向いています。グレーハウンドは同じ姿勢で長く寝る犬なので、この面が人の目に入るのは、体を起こしたときと、抱き上げたときだけです。毛の層をはさまないので、ここに置いたものは地肌へ直接あたります。mofuwa スキンケアミストは電解水100%で、自社での検証では、精製水と比べて水分の浸透力が35倍という数字が出ています。比較の相手は精製水で、条件を決めて測った数字です。地肌がそのまま出ている面に置くものとしては、「何と比べた数字なのか」が書いてあること自体が、選ぶ手がかりになります。指の腹に一度受けてから、胸と内股に押さえるように当てる。面に向けて広く吹きかける必要はありません。こすらないこと、当てたあとに湿りを残さないことの2つだけ守ってください。乾燥が気になる時期でも、背中側は手のひらで探し、この面は目で見る、という使い分けはそのままにします。

2つの面の違いでは説明がつかない、グレーハウンドの乾燥

ここまでは、被毛のある面と地肌の面という条件の違いで説明がつく話でした。ただし、面の違いだけでは説明がつかない変わり方もあります。次のような様子があるときは、部屋の湿度や洗う回数を調整する前に、動物病院にご相談ください。グレーハウンドは地肌が見える面が広いぶん、変化が早く目に入ります。それを利点として使ってください。

Caution相談する前に、洗う回数を増やさないでください

気になる場所が出たときに、まず洗ってきれいにしよう、と考えたくなります。ただ、洗った直後は地肌の状態が変わるので、もとの様子が分からなくなります。気になっている面はそのまま連れて行ってください。伝えるのは、いつからか、どちらの面か、その間に変えたこと(寝床・湿度・洗う回数・季節)の3つです。この3つがあると、条件で説明がつく範囲かどうかを、その場で切り分けてもらえます。

最後に、この記事の結論をもう一度置きます。グレーハウンドの乾燥は、1つの話ではありません。被毛のある面と、地肌がそのまま出ている面。同じ1頭の中に、触れているものも、湿度の届き方も、見つけ方も違う2つの面があります。背中は手のひらで探し、胸と内股は目で見る。触る順番を決め、洗う回数の上限を決め、乾く時期だけ寝床を替える。どの面の話をしているかをはっきりさせるだけで、やることは静かに減っていきます。

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よくある質問

グレーハウンドの内股は、毛が薄いのが普通ですか?
この犬種では、胸の中央から腹、後ろ脚の内側にかけて被毛がまばらになり、地肌が見えている子が多いと言われます。範囲や見え方はその子によって違います。もともと薄い面なのか、以前より薄くなったのかは、写真を残しておくと比べられます。範囲が広がってきた、境目がはっきりしてきたというときは、動物病院に相談してください。
部屋を加湿すれば、乾燥は落ち着きますか?
地肌の面には、部屋の空気がそのまま届くので、湿度を動かした影響が数日で手ざわりに返ってきます。背中側は毛の層をはさむぶん、遅れて追いつきます。ただ、床に当たっている面は寝床の素材の影響のほうが大きく出ます。加湿だけで変わらないときは、寝ている場所の素材を確かめてください。
ブラッシングは、毛の薄い場所にもしたほうがいいですか?
地肌が出ている面には、道具を当てる相手がありません。当てれば毛ではなく皮膚を直接こすることになります。その面は、明るい場所で目で見て確かめるところまでにしてください。ブラッシングは、被毛が面としてある背中と体の側面で、毛の流れに沿って行うのが向いています。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。