C05犬種・猫種別ケア

ラゴットロマニョーロはなぜ毛玉が起きやすいのか。巻毛から考える

公開日 2022年7月19日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの草の上に、細かく巻いた毛の犬が立っている
地面にいちばん近いのは背中ではありません。毛玉が始まる場所も、そこではありません。

散歩から帰ったラゴットロマニョーロの口ひげを指ではさむと、細かい草の種が一粒、巻いた毛の中に入っていました。背中の毛には何もついていません。歩いているあいだ、地面から数センチのところにあったのは鼻先と、その両側の毛だったからです。この犬種は、地面のにおいをたどって探すために作られました。だからラゴットロマニョーロの毛玉は、体ではなく顔から始まります。ここでは、なぜ顔からなのかを先に説明し、そのうえで顔・前脚・体の順に見ていく手順を書きます。結論を先に言うと、体からブラシを始めないでください。

鼻を地面につけて探す犬|ラゴットロマニョーロの毛玉が顔から始まる理由

ラゴットロマニョーロは、イタリアの北部で、地面の下にあるものを鼻で探す仕事を任されてきた犬種です。水辺で獲物を回収する仕事から始まり、そのあと地面のにおいをたどる仕事へ移りました。どちらの仕事でも、鼻先は地面か水面のすぐそばにあります。探しているあいだ、頭は上がりません。歩く速さも、においを追っているときはゆっくりになります。地面から数センチのところに顔を置いたまま、長い時間が過ぎていきます。

そのときいちばん地面に近いのは、鼻そのものではありません。鼻のまわりに生えている毛です。口ひげ、口の下の毛、目の上の眉、そして垂れた耳の先。この4か所は、頭を下げている姿勢のとき、鼻より先に地面のものへ触れます。土、砂、落ち葉のかけら、草の種、雨のあとの水。散歩のあいだ、ここに触れたものの数は、背中に触れたものの数とくらべものになりません。

次に、被毛のほうを見ます。ラゴットロマニョーロの毛は細かく巻いていて、密です。巻いた毛は、内側に入ったものを外へ出しにくい形をしています。まっすぐな毛なら、一度入ったものも毛の流れに沿って先へ抜けていきます。巻いた毛の中では、そのまま留まります。留まった一粒が芯になり、そのまわりに毛が集まって、指でつまめる大きさになる。ラゴットロマニョーロの毛玉は、たいていこの順番で育ちます。

もう一つ、顔の毛には体の毛と違う条件があります。顔の毛は短いので、根元と毛先の距離が近いことです。体の毛なら、毛先のあたりで芯ができても、地肌までには距離があります。顔の毛では、その距離がほとんどありません。気づいたときには、毛玉はもう根元の側にいます。顔の毛玉がほどきにくいと感じるのは、量の問題ではなく、この距離のせいです。

Note「毛玉ができやすい犬種」ではなく、始まる場所が決まっている犬種です

ラゴットロマニョーロの毛玉を、巻毛だから仕方がないという一言で片づけると、手を入れる場所が決まりません。この犬種で分かっているのは、毛玉が体のどこからでも同じように始まるわけではない、ということです。始まる場所が決まっているなら、見る順番も決められます。仕事のために作られた作りが、そのまま手順の根拠になります。

顔・前脚・体の順に見る|ラゴットロマニョーロの毛玉に手を入れる手順

順番は、地面に近い場所から遠い場所へ、です。顔から始めて、前脚へ移り、最後に体へ行きます。散歩から帰った直後か、その日の夜。時間がとれるときにまとめてやるのではなく、5分を毎日のほうに置いてください。全身を一度に終わらせる必要はありません。次の順で回します。

顔から前脚、そして体へ ラゴットロマニョーロは頭を下げて歩く時間が長いため、口ひげと眉が最初に地面のものに触れます。顔をかいた前脚がそれを運び、最後に体へ届きます。手を入れる順番も、この経路に合わせます。 顔 口ひげ 前脚 前腕 体 脇・股 最初に触れる かいた手が運ぶ 体から始めると 顔に届く前に時間が切れる 顔ほど嫌がられて後回しに 顔から始めると 芯になる前に取り除ける 体は残っても翌日に回せる
毛玉が育つ経路と同じ順番で、手を入れていきます。
  1. 口ひげと、口の下の毛から始める

    指を2本使って、毛の束を根元の側から毛先へ向かってはさみながら送ります。ブラシは使いません。ここで探しているのは、毛玉ではなく芯になるものです。草の種、砂粒、ごはんのかけら、乾いた水のあと。指に何か当たったら、その一粒を毛から外すところまでで終わりです。ラゴットロマニョーロの毛玉は、この一粒を残した日から育ちはじめます。所要は片側20秒ほどです。

  2. 眉と、目のまわりの毛を見る

    目の上の毛は、頭を下げているあいだ前へ垂れて、地面の側を向いています。ここも指でつまんで送ります。目に近いので、道具は使わず指だけにしてください。目やにが乾いて毛にくっついていたら、それも芯になります。湿らせた布を当てて、ふやかしてから外します。こすらないでください。

  3. 耳の先を、指ではさんで通す

    ラゴットロマニョーロの耳は垂れているので、頭を下げると耳の先が顔の横を回り込んで、地面の近くまで来ます。耳の毛は巻きが強く、毛玉になると耳の縁に沿って帯のように広がります。先から根元へ、指ではさんで送ります。引っかかった場所は、その場でほどこうとせず、印としてだけ覚えておきます。ほどくのは、この一周が終わってからです。

  4. 前脚の外側と、肘の後ろへ移る

    顔の次に地面に近いのが前脚です。それに加えて、この犬種は顔をかくときに前脚を使います。顔についたものが、かいた手を通って前脚の毛に移ります。前腕の外側を上から下へ、肘の後ろは曲がる場所なので、脚を軽く前へ伸ばしてから通します。ここまでで、地面から運ばれてきたものの経路が一通り終わります。

  5. 最後に、体を通す

    背中、脇、内股の順です。体の毛は長いぶん、芯ができても地肌までに距離があります。つまり、その日にできなかったぶんを翌日へ回せるのは、体のほうです。今日は背中まで、明日は脇と内股まで、と分けて構いません。ここまで来て時間が足りなくなっても、いちばん大事なところはもう終わっています。

地面からの距離で、手の入れ方と急ぎ方が変わります
場所使うものその日のうちにやるか
口ひげ・口の下指だけ毎日。散歩から帰った日は必ず
眉・目のまわり指と、湿らせた布毎日
耳の先指。引っかかりは印だけ毎日
前脚の外側・肘の後ろ指とコーム2日に1回でも足ります
背中・脇・内股コームとブラシ翌日に回して構いません

一周してから、印をつけた場所に戻ります。ほどくのは、全部を見終わったあとです。見つけたその場でほどこうとすると、そこで時間を使いきって、残りの場所を見ないまま終わります。ラゴットロマニョーロの毛玉で厄介なのは、大きく育ったひとつより、まだ小さいまま見過ごされた複数のほうです。見る一周と、ほどく一周を分けてください。

背中から始めた日につまずく|ラゴットロマニョーロの毎日のブラッシングで起きること

順番を逆にした日に何が起きるかを書いておきます。多くの方は、背中にブラシを当てるところから始めます。広くて、道具が動かしやすくて、嫌がられにくいからです。ただ、背中はいちばん地面から遠い場所で、毛玉の始まりからもいちばん遠い場所です。そこから始めると、いくつかのことが順番に起きます。

一つ目は、時間です。ラゴットロマニョーロの体は密な巻毛でおおわれているので、背中と脇を丁寧に通すだけで時間が過ぎます。顔にたどり着く前に、その日の分が終わります。これが数日続くと、口ひげの中に残った一粒はそのままです。二つ目は、嫌がられ方です。顔まわりは、どの犬でも最後になるほど受け入れてもらいにくくなります。体で使った時間のあとに顔へ行くと、こちらも急ぎたくなり、手が雑になります。

三つ目は、力の入り方です。育ってしまった毛玉に道具を当てると、ほどこうとして引く力が強くなります。巻いた毛は、引くと根元の側に力が集まります。ラゴットロマニョーロの顔の毛は短いので、その根元は地肌のすぐそばです。顔の毛玉を力でほどこうとしないのは、このためです。指が入らない大きさになっていたら、その日は無理をせず、トリマーに相談する前提で置いておいてください。

同じ5分でも、始める場所で終わり方が変わります
体から始めた日顔から始めた日
最初の1分で見ている場所背中。毛玉が始まらない場所口ひげ。毛玉が始まる場所
5分で終わる範囲背中と脇の途中まで顔・前脚まで一周
顔に手が届くか時間が余った日だけ毎日届く
見つかるものの大きさ育ってからのひとつ芯になる前の小さいもの
ほどくときの力強くなる指で外せることが多い

乾いた時期のつまずきも一つ書いておきます。空気が乾いていると、巻毛は静電気を持ちます。静電気で毛が広がった状態のままコームを通すと、毛どうしが引き合って、通したあとにかえって絡みます。乾いている日は、通す前に毛にうるおいを足してください。湿らせた手で軽くなでるだけでも違います。顔まわりは、霧を直接かけるのではなく、手か布を湿らせてから当ててください。

散歩から帰った日に顔まわりをきれいにしておきたいときは、mofuwa のグルーミングスプレーを使ってください。指を通す前に巻毛のうるおいを足しておく道具なので、この記事の「顔から始める5分」にそのまま組み込めます。顔では直接かけずに、布か手のひらに含ませてから、口ひげと眉を毛の流れに沿ってなでるように当てます。還元水100%で無香料・アルコールフリー、清涼飲料水の規格基準をクリアしているので、口のまわりに使っても量を気にせずに済みます。ラゴットロマニョーロは鼻先を地面につけて歩く犬種で、口ひげには毎日土と草が触れます。グルーミングスプレーは、散歩のあとに毎日きれいにしてあげたいという前提のほうを成り立たせるためのものです。目と口の中に入らないよう、量は少なめにしてください。

Caution口ひげの毛玉を、はさみで切らないでください

顔の毛玉は根元の近くにあります。そこにはさみを入れると、毛玉と一緒に皮膚をつまんでしまうことがあります。指が入らない、動かない、地肌が引っぱられているように見える。この3つのどれかに当てはまるときは、家でほどこうとせずに、トリミングサロンか動物病院に相談してください。無理に動かした跡が、次の毛玉の芯になることもあります。

口ひげの根元が短い間隔で戻るとき|ラゴットロマニョーロで巻毛の話として片づけない線

ここまでは、地面に近い場所から順に見るという条件で説明のつく毛玉の話でした。順番どおりにやっていても、同じ場所が短い間隔で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、巻毛の話として片づけないほうが安全です。

Caution地面から運ばれたものでは説明がつかない変化

地肌が赤い、じくじくしている、においがある、触ると痛がる、同じ場所をなめたりかいたりし続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、指を入れる場所を増やす前に動物病院にご相談ください。ラゴットロマニョーロは巻いた毛が地肌をおおっているので、外から変化が見えにくい犬種です。散歩に出ていない日にも同じ場所が戻るかどうかを、そのまま伝える材料にしてください。

相談やトリミングに行くときは、どこに、いつから、その日までにどこまで手を入れたかの3つをメモしてください。この3つがあると、地面から運ばれてきたものが芯になった毛玉なのか、それとも別の理由で起きているのかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に頑張ってほどこうとすると、もとの状態が分からなくなります。ほどけなかった場所は、そのまま連れて行ってください。

家でできることは、実はそれほど多くありません。指を2本使って、地面に近い場所から順に送っていく。それだけです。道具を増やす必要も、時間を長くする必要もありません。ラゴットロマニョーロの毛玉で差が出るのは、かけた時間ではなく、その5分をどこから始めたかのほうです。地面のにおいを追うために作られた犬なのだから、地面にいちばん近かった場所から見る。順番の根拠は、この犬種の仕事そのものにあります。

この記事で言いたいことは、一行に収まります。体からブラシを始めないでください。背中は気持ちよく、道具も動かしやすく、始めるのに向いています。けれどそこは、その日いちばん地面から遠かった場所です。ラゴットロマニョーロの毛玉が育ちはじめているのは、口ひげと眉と耳の先のほうです。ブラシを持つ前に、指を2本、そこへ入れてください。

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300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

ラゴットロマニョーロのブラッシングは、毎日必要ですか?
全身を毎日通す必要はありません。毎日やるのは、口ひげ・眉・耳の先を指で送る1〜2分だけで足ります。ここは地面のものに毎日触れる場所なので、芯になる一粒をその日のうちに外しておくと、毛玉として育ちません。背中や脇は毛が長く、地肌までに距離があるので、翌日に回して構いません。
顔の毛玉が、指でほどけないときはどうすればいいですか?
力でほどこうとしないでください。顔の毛は短く、根元が地肌のすぐそばにあるので、引く力がそのまま皮膚にかかります。指が入らない、動かない、地肌が引っぱられて見える。このどれかに当てはまるときは、そのままにしてトリミングサロンか動物病院に相談してください。はさみを入れるのも避けてください。
換毛期に、毛玉が増えることはありますか?
ラゴットロマニョーロは、季節にまとめて毛が抜ける犬種ではありません。ただ、抜けた毛が下に落ちずに巻きの中に残ります。落ちない毛は、地面から入ってきた小さな粒と同じように、毛玉の芯になります。抜ける量そのものより、巻きの中に残っている時間のほうを短くする、という考え方になります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。