C09シーン別・暮らし

赤ちゃんが生まれた家を楽にする、多頭飼いの人の毎日の習慣

公開日 2022年7月2日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の柔らかいラグの上で、淡い色の猫と犬が並んで休んでいる
全頭に等しく配るより、いちばん影響を受けている1頭に寄せるほうが、家全体が早く落ち着きます。写真:https://kaboompics.com//Pexels

夜中の2時に赤ちゃんが泣くと、最初に立ち上がるのはいつも同じ1頭でした。その子が起きて廊下へ出ていくと、少し遅れて2頭めが顔を上げ、いちばん奥で寝ていた子も体の向きを変えます。3頭が順番に起きるまで、だいたい20秒。多頭飼いの家に赤ちゃんが来て最初に分かったのは、うちのペットたちが互いを見ているということでした。1頭が落ち着かないと、残りの子も落ち着かない。だから毎日の時間を等しく3等分しても、いちばん落ち着かない1頭のところで足りなくなります。この記事は、影響をいちばん受けている1頭を先に決めて、そこだけ手を厚くした6週間の話です。

泣き声で最初に立つのは、いつも同じ1頭|赤ちゃんが来た家で多頭飼いに出た変化

赤ちゃんが家に来て最初の1週間は、ペットたちの様子をほとんど見ていませんでした。見ていたつもりでも、覚えているのは「3頭ともいつもより落ち着かない」という一言だけです。多頭飼いの家では、複数の変化が同時に起きるので、まとめて1つの印象になってしまいます。3頭が別々のことをしているのに、頭の中では「みんな落ち着かない」という1行に圧縮されます。

2週めに、たまたま夜中に起きていて、順番を見ました。泣き声が上がって最初に体を起こすのは、いつも同じ1頭でした。その子が廊下へ出ると、2頭めが顔を上げます。3頭めは、2頭めが動いてから体の向きを変えます。つまり最初の1頭は赤ちゃんに反応していて、あとの2頭は、最初の1頭に反応していました。同じように見えていた3頭の落ち着かなさは、実は別々の理由から出ていたわけです。

この順番が分かると、日中の見え方も変わってきます。室内でいちばん先にそわそわしはじめるのも同じ子で、その子が水を飲みに立つと、残りの2頭も立ちます。ケージの前を行ったり来たりしはじめるのも、この子が先です。赤ちゃんが来たあとの多頭飼いの家では、1頭が発信源になり、残りが受信している、という形になっていました。

ここで書いておきたいのは、これは困ったことが起きているという話ではない、ということです。家に新しい人が来れば、ペットの側に変化が出るのはふつうのことです。赤ちゃんとペットが同じ室内で過ごすことについては、家庭ごとに考え方がありますし、体質や衛生にかかわる判断はここでは扱いません。この記事で扱うのは、限られた時間をどこに置くかという配り方の話だけです。

落ち着かなさが、においと足音で隣の子に渡る理由|赤ちゃんとペットの多頭飼い

なぜ1頭の状態が、他の子に移るのか。多頭飼いの家では、同じ床とソファを共有しています。ある子が落ち着かずに歩き回れば、足音と、体についているにおいの両方が、家じゅうに運ばれます。においは、その子が座った場所、体をこすりつけた家具の角、通り道の壁ぎわに残ります。残ったものを、次に通った子が受け取ります。

受け取る側にとって、それは「いつもと違う情報」です。いつもは決まった時間に決まった場所にいるはずの子が、夜中に廊下を歩いている。その痕跡が室内のあちこちにある。受け取った側は、赤ちゃんが来たことではなく、家の中の情報が変わったことに反応しています。だから、赤ちゃんの近くにいない子まで落ち着かなくなります。

3頭が反応していたものは、それぞれ違っていた
何に反応しているか見えていた行動
1頭め赤ちゃんの声と、人の動き最初に立ち上がる。廊下へ出る
2頭め1頭めの足音顔を上げる。しばらく目で追う
3頭め室内に残った通り道のにおい寝床を移す。同じ場所を何度も通る

この表ができたとき、時間の配り方が間違っていたことに気づきました。それまでは、3頭に同じことを同じ長さでやっていました。帰宅後にブラシを持って、1頭あたり3分ずつ。合計9分です。ところが2頭めと3頭めは、赤ちゃんに反応しているわけではないので、その3分では何も変わりません。変わらないまま、1頭めの落ち着かなさが翌日また供給されます。

毎日の時間を頭数で割る、という配り方は、全頭が同じ理由で落ち着かないときにしか合いません。多頭飼いで赤ちゃんが来た家では、理由が3頭とも違います。だから、割るのではなく、いちばん上流にいる1頭へ寄せる。上流が静かになれば、下流は自分で静かになります。これが、6週間かけて分かったことでした。

上流と下流という言い方をしましたが、順位や相性の話ではありません。その週にいちばん強く赤ちゃんの変化を受け取っている子が誰か、というだけの話です。実際、6週間のうちに一度、上流が入れ替わりました。だから決め方も、性格ではなく、毎週見直せるしるしのほうに置く必要があります。

3等分をやめる考え方|多頭飼いで、赤ちゃんが来た家のペット1頭に寄せる

誰に寄せるかは、感覚では決めません。場所・時刻・手ざわりの3つを見て、2つ以上当てはまる子にします。3つとも当てはまる子がいればその子で確定です。1つしか当てはまらない子が複数いるときは、その週は上流がはっきりしていないので、いつもどおり3等分に戻して構いません。

いちばん影響を受けている1頭を決める、3つのしるし
しるし何を見るか当てはまる形
場所寝ている場所先週までと違う場所で寝ている。廊下やドアの前が増えた
時刻落ち着かなくなる時間毎日ほぼ同じ時刻に、立ち歩きはじめる
手ざわり背中と体側を手のひらで滑らせたとき毛の面が先週より引っかかる。抜け毛が手に残る量が増えた

3つめの手ざわりだけ、少し説明が要ります。落ち着かない時間が増えると、その子は自分の毛づくろいやブラッシングを受ける時間が減ります。結果として、被毛の面がそろっていない状態が続きます。これは体調の話ではなく、手が入っていない時間の長さがそのまま出ているだけです。逆にいえば、手を入れれば数日で戻る種類の変化なので、寄せる先を決めるしるしとして使いやすいものになります。

  1. 帰宅後の3分を、決めた1頭に全部渡す

    分けません。3分をまるごとその子に渡します。やることは、背中と体側を毛の流れに沿って通すことと、寝床の位置を元に戻すことの2つだけです。多頭飼いの家では、この3分がいちばん取りにくい時間ですが、赤ちゃんが寝ている時間の中で毎日確保できるのは、たいてい帰宅直後でした。

  2. 残りの子には、同じことを30秒ずつやる

    何もしないと、今度はそちらが上流になります。短くていいので、毎日同じ動作を渡してください。背中を1往復。声をかけて名前を呼ぶ。合計1分で終わります。長さより、毎日あることのほうが効きました。

  3. 寝床の位置を、夜のうちに戻す

    移した寝床をそのままにすると、翌日もそこで寝ます。室内の配置は、動いたら戻すほうが早く落ち着きます。戻すのは位置だけで、その子を運ばないでください。移動させると、そこが良くない場所だという記憶になります。

  4. 1週間ごとに、3つのしるしを見直す

    上流は入れ替わります。日曜の夜に、3頭の寝ている場所と、落ち着かなくなる時刻を思い出してください。入れ替わっていたら、翌週の3分は別の子に渡します。同じ子に固定しないほうが、結果として全体が早く落ち着きました。

毎日の3分とは別に、洗う日は月に何度か来ます。浴室にいる時間の長さを、その子は自分では決められません。泡を流したあとにトリートメントを塗って、もう一度流す。この往復のあいだ、ペットはただ濡れたまま立って待っています。mofuwa モイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を量も減らして使い、原料の水のほうを電解水にすることで泡立ちを水の力で促しています。落としすぎないので洗い上がりがごわつかず、戻すためのトリートメントという工程が、そのまま1つ要らなくなります。赤ちゃんが寝ているあいだに洗う家では、この1工程の長さが、そのまま浴室にいる時間の長さです。多頭飼いで3頭を続けて洗うなら、1頭ぶんで減った時間が3頭ぶん重なります。上流だと決めた子を、その日の1番めにしてください。待たせる時間がいちばん短くて済みます。

Point全頭に等しく、をやめても不公平にはなりません

多頭飼いをしていると、1頭だけ手厚くすることに抵抗があります。ただ、受け取る側の子が反応しているのは人の手の量ではなく、上流の子の落ち着かなさのほうです。上流に3分を寄せると、下流の子は人から何ももらっていないのに落ち着きます。等しく配るという考え方は、全頭が同じ理由で困っているときにだけ合います。赤ちゃんが来た家では、理由が頭数ぶん違います。

6週間後に残ったのは、1頭ぶんの3分だけ|赤ちゃんと多頭飼いで続いた経験

始めて2週間で、いちばん先に変わったのは3頭めでした。寝床を廊下からもとの場所に戻して、そこで寝るようになりました。この子には、30秒しか渡していません。変わったのは、上流の1頭が夜中に廊下を歩く回数が減ったこと、それだけです。室内に残る通り道のにおいが減れば、受け取る側の情報も減ります。

2頭めは3週めに落ち着きました。1頭めが動かなくなれば、顔を上げる回数も減ります。いちばん時間がかかったのは、当然ながら1頭めでした。この子は赤ちゃんの声そのものに反応しているので、声が減らない以上、慣れるまでの時間が要ります。6週めの時点でも、泣き声で顔を上げることはあります。ただし、立ち上がって廊下へ出ることはなくなりました。

6週間で変わったことと、変わらなかったこと
週変わったこと変わらなかったこと
2週め3頭めが、もとの寝床に戻った1頭めは夜中に廊下へ出る
3週め2頭めが顔を上げる回数が減った1頭めの立ち歩く時刻は同じ
4週め毎日の帰宅後3分が習慣になった週末は時間が取れない日がある
6週め1頭めが立ち上がらなくなった泣き声で顔を上げることはある

残ったのは、帰宅後の3分と、残りの子への30秒ずつだけです。足したものは何もありません。もともと9分やっていたものを、3分と1分に組み替えただけなので、合計の時間はむしろ減っています。赤ちゃんが生まれた家では時間が足りないので、足す形の習慣は、たいてい3日でなくなります。組み替えなら残ります。

この6週間で、いちばん役に立った考え方をもう一度書いておきます。多頭飼いのペットたちは、赤ちゃんを見ているのではなく、いちばん近くの1頭を見ています。だから、手を入れる先を1頭に決められます。全頭を同時に落ち着かせようとすると、時間も気持ちも足りません。1頭に決めれば、3分で足ります。

うまくいかない週もありました。上流の子が入れ替わったのに気づかず、先週と同じ子に3分を渡し続けた週です。そのときは、3頭とも先週と同じ状態のままでした。日曜の夜に3つのしるしを見直す、という一手間を飛ばすと、この記事の方法は効かなくなります。見直しは5分もかかりません。

Caution配り方の話では説明がつかない変化

ごはんを食べる量が減った、水を飲む量が急に変わった、同じ場所をなめ続けている、毛が根元から抜けて地肌が見えている、隠れて出てこない日が続いている、呼んでも反応が返ってこない。これらは、時間の配り方を変えて様子を見る話ではありません。動物病院にご相談ください。多頭飼いの家では変化が他の子の陰に隠れやすく、赤ちゃんが来た時期はなおさら気づくのが遅れます。いつからか・どの子か・そのとき家で何が変わったかの3つをメモして持っていくと、切り分けが早くなります。

赤ちゃんが生まれた家の多頭飼いは、頭数のぶんだけ大変になる、と思われがちです。実際には、頭数のぶんだけ手を入れる場所を選べるということでもありました。3頭いれば、3頭とも同じ理由で落ち着かないということは、まず起きません。どの子が上流かを毎週決め直す。ペットの毎日の習慣として残ったのは、結局この一つでした。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。